JPS6133521B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、農作業用トラクタ等の付設器械、付
設器具等の結合用ボルトを施錠する３点リンク機
構の結合用鉤に関し、更に詳しくは、結合用鉤の
口部に結合用ボルトを施錠する構造に関する。

結合用鉤は農作業用トラクタ等の３点リンク機
構に用いられており、結合用鉤の口部に付設器
械、トレーラ等の結合用ボルトを固定するための
種々の構造の施錠装置を備えている。この施錠装
置は、通常スプリング力により働くラツチとラツ
チに関連する連動部材から構成されている。

この装置の１つとして、例えば西ドイツ国特許
公告明細書第1273890号に開示のスナツプ式連結
用鉤は、スプリング力により施錠位置に維持され
る阻止部材を有しており、この部材は、トラクタ
の座席上から連動部材を介して操作することによ
り解錠可能である。この装置は円弧状に形成され
た阻止部材が同一形状の案内通路に支承されてお
り、阻止部材がスプリング力により鉤口部に押圧
されている。従つて、阻止部材は索引力に対して
直線的に動作せず、傾斜したり又は押しつぶされ
て動かなくなつてしまう。この欠点を解決するた
めには、阻止部材を同形状の複雑な機構と交換し
なければならない。更に、この装置は付設器械の
結合用ボルトが偶発的に回転した場合に生ずる解
錠動作を阻止する安全対策がなされていない。も
し、この装置が阻止部材の形状に添つて、動作す
る何らかの自己安全装置を備えたとすると、例え
ば、連結用鉤を解錠するために要する力が過大と
なつてしまう。

また、他のスナツプ式結合用鉤として、イギリ
ス国特許明細書第1226501号に図示のものがあ
る。この装置はフレームがボール・ジヨイントに
軸支されている連結用鉤が垂直な支持体の下部の
開口を介してトラクタの下部ガイド・ロツドに設
けられている。この構成に於ては、トラクタに連
結された付設器械に必要な自由相対運動を許すこ
とができるが、結合された付設器械の結合用ボル
トの軸支点がトラクタから遠ざかるので、付設器
械を持ち上げる時運動力の多大な損失となる。

この連結用鉤の施錠装置は結合用フレームと関
連しているので手が届きにくい。更に、施錠装置
が解錠動作中は施錠される解錠レバーを介してロ
ツドに接続されている。更に、運転手はトラクタ
を降りて解錠レバーをトラクタ側に回転させなけ
ればならない。そして固定されている下部クラン
ク・レバーがその中央位置にコンロツドを介して
下死点から引き上げられる。阻止レバーに接続さ
れている下部クランク・レバーのアームはその接
線方向に結合ボルトをその接線方向に引き上げ施
錠部材を解錠位置にする。同時に上部クランク・
レバーは死点位置に施錠され施錠装置を解錠状態
とする。そして、運転手は再び座席に戻り、結合
用ピンが分離するまで下部案内ロツドを下げ、ト
ラクタを付設器械から遠ざけ、再びトラクタから
降りて施錠された上部クランク・レバーを死点か
ら動かさなければならない。そして下部クラン
ク・レバーにスプリング力が加わつた状態とし、
次の連結作業の準備完了状態としなければならな
い。この結合用鉤は結合作業が中断される又は不
連続である点が欠点である。更に、この施錠装置
は数多くの個々の部材から構成されているので、
結合用鉤の製造コストは非常に高いものとなる。

従つて本発明は、農業用トラクタ等に用いられ
る３点リンク機構の改良された結合用鉤を提供す
ることを目的とする。

本発明はまた、泥等でよごれていても完全に動
作し、特に大きな力を必要とせずにトラクタの座
席上から操作可能な結合用鉤を提供することを目
的とする。

本発明はまた、解錠状態にある結合用鉤が自動
的に施錠可能な位置に移動し、鉤が施錠位置を確
実に維持することができる結合用鉤を提供するこ
とを目的とする。

本発明は更に、非常に丈夫な、かつ簡単な構成
で、しかも動作が確実なものであり、製造価格及
び維持費が安価な結合用鉤を提供することを目的
とする。

上記目的を達成するために、本発明の装置はポ
ケツト内に軸支されている操作レバーに軸支され
ているラツチを有する連結用鉤を備えており、そ
のラツチはポケツトの貫通口を介して鉤口部方向
に伸びている。ポケツト、ラツチ及び支持ボルト
が、連結作業に於てラツチ及び操作レバーが結合
用ボルトによるラツチ上の解錠面への作用により
解錠位置に変位するように、ラツチ上に互いに関
連して作用する支持面が設けられている。結合用
ピンが連結用鉤の口部に施錠されると、結合用ボ
ルトが施錠面に対して、ラツチ及び操作レバーに
対してモーメントを発生し、ラツチを連結用鉤の
口部内に押しつけるようになる。

本発明はまた、支持ボルトがポケツト内に位置
しており、ラツチの案内面が支持ボルト上を摺動
可能にかつ軸支されるように構成してある。施錠
作業中に於て、結合用ボルトはラツチの解錠面に
作用し、ラツチは支持ボルト上を摺動する。結合
用ボルトが鉤口部内で施錠されると、結合用ボル
トは施錠面に作用し、ラツチを貫通口端部に押圧
しラツチを鉤口部内に維持する力となる。

本発明は、結合用ボルトが連結用鉤内に施錠さ
れた場合、ポケツト内のラツチにより解錠動作を
阻止しようとする力が発生するので、連結用鉤が
偶発的に解錠される必配がない。

以下添付図面を用いて本発明を詳細に説明す
る。

第１図には内部にポケツト２５及び鉤部分１を
有する連結用（結合用）鉤が示されている。鉤部
分１内部には鉤口部２７を形成する押入物２１が
軸支されており、押入物２１はその内部に結合用
ボルト１１を受け入れる。

結合用鉤の施錠装置はその一端がポケツト２５
内部の軸受ボルト６に軸支されているラツチ２を
備えている。軸受ボルト６は操作レバー３に軸支
されており、操作レバーはピポツト軸受７に軸支
されている。操作レバー３は作動部材１８を有し
ておりこの部材に係止されたワイヤー、棒を介し
て接続された運転席上の操作レバーを運転手が操
作することにより操作レバー３を操作する。

ラツチ２はポケツト２５内の支持ボルト４上を
摺動可能であり、かつ支持ボルト上で軸支される
案内面１５を形成する切欠きを備えている。切欠
きはまた両端が前方限界面１６、後方限界面１７
を形成している。

ラツチ２の自由端はポケツト２５の貫通口２６
を介して鉤口部２７に突出している施錠用鼻部１
９を有している。鼻部１９の上側表面には解錠面
１２が、下側表面には施錠面２０が設けられてい
る。ラツチ２の上側面の解錠面１２に続く部分に
曲線状の施錠面１４が設けられている。施錠面１
４と対向する側には、貫通口２６の端部の突出部
５の曲線状の支持面１３が設けられている。

軸受ボルト６と鼻部１９間のラツチ２の中央部
分２２は、内厚が薄く設けられており、その上に
スプリング８を係止するためのスプリング止め９
が設けられており、スプリング８の他端はポケツ
ト２５内のボルト１０に係止されている。

ラツチ２はポケツト２５内に於て、ラツチ２が
支持ボルト４の外表面と接触した後、ラツチはス
プリング９の力によりボルト４を軸として傾斜
し、ボルト４上を面１５，１６，１７が摺動し、
ラツチ上の支持面１４が支持面１３と接触するよ
うに軸支されている。この結果、ラツチ２はスプ
リング力により常に施錠可能な位置に移動する。
この位置に於て、貫通口２６内のラツチ２は支持
面１３に対して上方向に押圧されており、一方支
持ボルト４を軸として傾斜すると共に面１５，１
６，１７間を摺動する。

更に、施錠可能な位置に於て、ラツチの施錠面
２０と貫通口２６の下端部の突起２３間に間隙を
形成する。この間隙が形成されることにより、施
錠装置を長期間使用しないで放置してさびついて
しまつた場合に於ても、鉤口部内に挿入されてい
る結合用ボルト１１に力を加えることによりラツ
チを可動状態に戻すことができる。

更に、ポケツト２５内に於てスプリング８が操
作レバー３と一緒に移動するので、ポケツト２５
の上部をレバー３が封止するので、上からの汚物
等の侵入を防ぐことができる。

ラツチ２の解錠面２０及び支持面１４が曲線状
に形成されており、解錠面１２と結合用ボルト１
１の表面との接点で形成される円弧の中心と、支
持面１３と支持面１４との接点で形成される円弧
の中心が同一であり、これらの２つの接点と中心
を結ぶ円弧角が７゜より小さくなるように設けて
ある。この関係により連結用鉤が偶発的に解錠す
ることを防止することができる。従つて本発明の
構成はトラクタの農作業中に解錠されることがな
い。解錠面１２及び支持面１４はそれらの表面が
接触している間は最適な効果が得られるような摩
擦力が得られる曲線形状となつている。

（動作） 本発明に係る連結用鉤を有する、トラクタ用の
３点リンク機構を備えたトレーラ等の付設器械を
結合するために、まず運転手はトラクタを付設器
械のある方向に後退させ、案内ロツドを付設器械
の結合用ボルトの下に移動する。案内ロツドが持
ち上げられると、結合用ボルト１１が鉤口部２７
に押圧挿入され、ラツチ２の解錠面１２と係合し
ながらラツチ２を支持ボルト４上で傾斜させる。
ラツチ２の解錠面１２上に働く力は、ラツチ２を
支持ボルト上で傾斜させると共に、ラツチ２は支
持ボルト上を案内面１５が摺動し操作レバー３方
向に移動する。このラツチ２の操作レバー方向の
力、すなわち上向きの力は軸受ボルト６に働き、
操作レバー３はピポツト軸受７を軸として反時計
方向に回転する。案内面１５が円形であり、軸受
ボルト６が軸受７を中心として回転するので、ラ
ツチ２の鼻部１９は鉤口部２７を閉塞することな
く曲線を描いて移動するので解錠面１２上を下方
向に摺動してくる結合ボルト１１を妨害すること
なく鉤口部２７内に受け入れる。

後方限界面１７が支持ボルト４に当接するので
鉤の背面及び挿入物２１が負荷を支えることがな
い。

結合用ボルト１１が鉤口部内に受け入れられる
と、ラツチ２は軸受ボルト６を中心に回転し、支
持面１４が支持面１３上を摺動し、ラツチ２はそ
の最初の位置に復帰し、連結用鉤を施錠する。ス
プリング８による軸受ボルト６上のモーメントに
よりラツチ２は施錠状態となり支持面１３と１４
間は当然係合状態となる。このことにより施錠状
態での摩擦力を減少させ、その状態の維持力を増
すことができる。

第２図に示した施錠位置に於て、結合ボルト１
１はラツチ２の支持面１４をポケツト２５の貫通
口２６上の支持面１３に押圧当接させる力を施錠
面２０上に発生させる。ラツチはまた案内面１５
及び前方限界面１６との接続点に於て支持ボルト
に対して作用する。これら上述した各点に働く力
がラツチの自己施錠状態を作り出す。

この施錠効果は、軸受ボルト６及びピボツト軸
受７の中心を結ぶ線と軸受ボルト６と支持面１３
と１４との接触点を結ぶ線で形成するラツチ２に
スプリング８が係止されている側の角度を大きく
することにより増大させることができる。この角
度は180゜までが望ましい。そしてこの角度にお
いては、ラツチ２を鉤口部内でその施錠位置に維
持する力を発生させ、結合用鉤が自動的に解錠さ
れるのを防止し、その維持力はスプリング８によ
つてよりいつそう強まり、結合用ボルト１１の偶
発的な回転から生じるピボツト軸受７方向への力
による解錠作用を阻止できる。

結合用鉤を解錠する場合には、まず運転手は操
作レバー３の作動部材１８に結合されているワイ
ヤー等を引き、レバー３を図に於て反時計方向に
回転させ、同時に結合用ボルトを７を軸として上
方向に移動させる。操作レバーに加えられる力は
作動部材に対して直角方向か又はピボツト軸受７
及び作動部材１８間を結ぶ線に対して、最大60゜
の範囲内である。

ラツチ２は操作レバーに接続されているので、
鉤口部２７から遠ざかる方向に移動し、支持面１
３，１４間にはスプリング８により軸受ボルト６
に作用する力により摩擦係合状態となる。ラツチ
２が操作レバー３及び支持面１３，１４により上
方向に案内されるので、鼻部１９は結合用ピン１
１を阻止することなく鉤口部２７から解放する。
支持ボルト４は、この解錠動作中ラツチ２と接触
しないので、解錠動作に支障を与えることはな
い。

解錠動作中に支持面１３を支持面１４の係止部
材として使用することによつて操作レバー３がピ
ボツト軸受に軸支された時、支持面１３に当接し
て支持されているラツチ２が軸受ボルト６を軸と
して長いレバーを形成するので、結合ボルト１１
の解錠を容易にする、同時に、解錠動作に於て、
ラツチ２は結合ボルト１１に対して、半径方向か
つ接線方向に移動するので、公知の疑似接線方向
に移動する構成と比較して、結合ボルトが鉤口部
内で動かなくなつた場合に於ても、ラツチを容易
に解錠することができる。

更に、本発明の構成は、スプリング８が切れて
しまつても結合用ボルト１１を施錠及び解錠可能
な状態を保つことができる。

所望により、ピボツト軸受と作動部材間の距離
を伸ばすことにより、解錠動作に要する力を軽減
することができる。

上述したように、本発明は簡単な構成で、動作
に信頼のおける、最小限の作動要素から構成され
る結合用鉤の施錠装置を提供するものである。

本発明は上述した構成に限定されるものではな
く、特許請求の範囲を逸脱しない範囲内に於て種
種の変更が可能なことは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は連結作業中の本発明に係る、連結用鉤
の側断面図であり、第２図は第１図に於て結合用
ボルトが連結用鉤内に施錠された状態を示す側面
図であり、第３図はポケツト内の支持ボルトを第
１図のものより下方向に設けた場合の連結作業を
示す側断面図である。 １……鉤部分、２……ラツチ、３……操作レバ
ー、４……支持ボルト、５……鉤部、６……軸受
ボルト、７……ピボツト軸受、８……スプリン
グ、９……スプリング止め、１０……ボルト、１
１……結合用ボルト、１２……解錠面、１３……
支持面、１４……支持面、１５……案内面、１６
……前方限界面、１７……後方限界面、１８……
作動部材、１９……鼻部、２０……施錠面、２１
……挿入物、２２……中央部分、２３……突起、
２４……ボルトの外周面、２５……ポケツト、２
６……貫通口、２７……鉤口部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 付設器機等の結合ボルトを鉤口部内に自動的
   に施錠する装置を備えており、その装置がスプリ
   ング力を受けており一端が貫通口を介して前記鉤
   口部内に突出する鼻部１９、曲線状施錠面２０、
   曲線状解錠面１２を有し、他端がポケツト内に於
   て軸受ボルト６を介して操作用レバー３に連結さ
   れているラツチ２を有する連結用鉤であつて、結
   合ボルト１１が自動的に施錠される場合には、結
   合ボルト１１が解錠面１２に達するとラツチ２が
   施錠面２０及び案内面１５を介して鉤口部２７の
   突起２３及びポケツト２５内で軸受ボルト６と突
   起２３間に位置する支持ボルト４により摺動可能
   に支承されると共に、施錠状態に於て支持ボルト
   ４と案内面間に働く力により解錠面１２に連続す
   る支持面１４がポケツト２５の支持面１３に支承
   されると共に、軸受ボルト６及び操作用レバー３
   のピポツト軸受７の中心を結ぶ線と軸受ボルト６
   の中心及び支持面１３，１４の接触点を結ぶ線と
   のラツチ２にスプリング８が係止されている側の
   なす角が180゜以内となることを特徴とするトラ
   クタの３点リンク機構のための連結用鉤。