JPS6131279Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として水道管のような流体管周壁
に貫設の分岐口の露出肌面が錆付いたり、腐蝕す
ることを防止するために、その分岐口に耐錆耐蝕
性に勝れた金属製ブツシユを嵌合させ、かつ、こ
れを分岐口内周面に密着状態に固定保持させるた
めに使用する装置で、詳しくは、周壁に分岐口が
貫設されている流体管にサドルを介して前記分岐
口に連通する状態で装着の分水栓の直立管部に対
して連結分離自在な外筒、この外筒に対してその
筒軸芯方向に摺動のみ自在に挿嵌させた筒状操作
部材、この筒状操作部材にねじ部を介して軸芯方
向に相対移動固定自在に内嵌させた軸状操作部
材、前記両操作部材の端部に付設の対向当金間に
挾在され、かつ、その両操作部材の軸芯方向相対
移動により弾性的に拡径縮径変形自在な厚肉弾性
部材とを備え、もつて、前記厚肉弾性部材に防蝕
防錆用ブツシユを外嵌保持させた状態で前記両操
作部材を前記外筒に対し、前記ブツシユが前記分
岐口に嵌合するまで摺動操作し、この状態で前記
両操作部材の軸芯方向相対移動操作に伴なう前記
厚肉弾性部材の拡径変形によつて前記ブツシユを
前記分岐口内周面に密着状態に固定保持させるべ
く構成してある流体管分岐口への防蝕防錆用ブツ
シユ取付け装置に関し、その目的は、前記ブツシ
ユ挿入方向での装置長さを短縮化して、特に地下
埋設管を対象とする作業を簡便に行なえ、かつ、
コンパクト化により取扱いも容易なものにせんと
する点にある。

即ち、上記構成の装置をもつて内圧の大きい流
体管分岐口にブツシユを挿入するにあたつては、
その大なる圧力に抗してブツシユを分岐口に向け
て移動させる必要性から、操作ねじ機構が用いら
れるが、従来一般には、そのねじ機構が前記内外
二重の操作部材の軸芯延長線上に連設されてい
た。そのため、装置全体のブツシユ挿入方向での
長さが非常に大きくて取扱いならびに操作の不便
なものになり易いばかりでなく、操作部が長尺で
あることから、曲り変形等のないようにするため
にその部分を十分に補強する必要があつて、全体
がより一層大型化、重量化し易い欠点があり、更
に、地下埋設管を作業対象とする場合においてそ
の掘削した作業空間に他の地下埋設物が存在する
ような条件下では、それが作業の邪魔になつて、
操作面、能率面で不利な結果を招く問題があつ
た。

本考案による流体管分岐口への防蝕防錆用ブツ
シユ取付け装置は、かかる実情に鑑みたものであ
つて、冒記構成のものにおいて、前記両操作部材
の横側部に、これと平行又はほぼ平行姿勢で、こ
の両操作部材を前記外筒に対し前記ブツシユが前
記分岐口に嵌合するまで摺動させるための操作ね
じ機構を設けてあることを特徴とする。

即ち、内圧の大きい流体管に貫設の分岐口に対
して、それの上方部位置において内外二重の操作
部材端部の対向当金間に挾在された厚肉弾性部材
に外嵌保持させた防蝕防錆用ブツシユを大なる圧
力に抗して摺動させるための操作ねじ機構を、前
記両操作部材の横側部に平行又はほぼ平行姿勢に
設けることによつて、冒述の従来装置に比べて、
前記ねじ機構の長さ分だけ、装置全体のブツシユ
挿入方向での長さを短縮化できるとともに、その
短縮に伴なつて補強構成も簡素化して、全体を構
造簡単でかつ小形、軽量化し易い、是れによつ
て、分水栓への連結、その連結状態でのブツシユ
挿入、及び、前記厚肉弾性部材の拡径変形による
ブツシユの分岐口への固定保持といつた一連の作
業操作を容易に行なえ、特に、地下埋設管を作業
対象とする場合で、その掘削した作業空間に他の
地下埋設管が存在する場所での作業において、前
記操作ねじ機構を、他の地下埋設管を避けて設置
し易く、全体としてブツシユ取付け作業を能率良
く行なえるに至つた。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述する
と、第１図で示すように、水道管等の流体管１の
分岐必要箇所に、周方向二つ割りでその一方から
開口筒３ｃを突設した半割り部材３ａ，３ｂ同志
を締付け固定することによりサドル３を取付ける
とともに、このサドル３の開口筒部３ｃにボール
弁４Ａ付きの分水栓４を水密状態に連結し、この
分水栓４の直立管部４ａ及びボール弁４Ａの通路
を経て挿入された穿孔機（図外）を介して前記流
体管１の周壁１ａに不断流状態で貫設された分岐
口２に、防蝕防錆用ブツシユＡを挿入嵌合させ、
かつ、塑性拡径変形によりその分岐口２内周面に
密着状態に固定保持させるための流体管分岐口へ
の防蝕防錆用ブツシユ取付け装置を次のように構
成する。

即ち、前記分水栓４の直立管部４ａにねじ部１
１を介して螺合連結および分離自在な外筒５を設
け、この外筒５にオーリング１２及びメタルスリ
ーブ１３（これはなくても良い。）を介して対外
水密状態で筒状操作部材６を筒軸芯方向に摺動の
み自在に挿嵌させるとともに、この筒状操作部材
６の軸芯貫通孔に、それよりも軸芯長の大なる軸
状操作部材８をキー１５及びキー溝１６を介して
軸芯方向に一定範囲に亘つて相対移動のみ自在に
内嵌挿通させ、この軸状操作部材８の上端部に適
当長さに亘つて形成した雄ねじ部７に角ナツト１
４を螺嵌させ、この角ナツト１４の下面に接当す
るプレート部材１７を前記筒状操作部材６の上端
部に固着することによつて前記角ナツト１４の回
転操作により雄ねじ部７、プレート部材１７、キ
ー１５、及び、キー溝１６を介して前記両操作部
材６，８を軸芯方向に相対移動ならびに固定自在
に構成するとともに、前記内外二重の操作部材
８，６の下端部に互いに相対向させて付設した当
金８ａ，６ａ間の、前記軸状操作部材８部分に、
自由状態においては前記ブツシユ８の内径よりも
やや小径で前記両操作部材６，８の軸芯方向相対
移動に伴なう前記対向当金６ａ，８ａの相対近接
移動および離間移動により弾性的に拡径変形およ
び縮径変形自在な厚肉弾性部材９を外嵌保持させ
る。

而して、前記プレート部材１７から横側方に延
出したステー１８遊端に固着の筒部材１９に、前
記内外二重操作部材８，６の横側部においてこれ
と平行又はほぼ平行な上下姿勢に位置させた螺軸
１０Ａの上端近くを挿貫させ、この螺軸１０Ａの
上端と前記筒部材１９直下の螺軸部分とに角ナツ
ト１０Ｂとリング部材１０Ｃとを固着するととも
に、前記外筒５から横側方に向けて、その外筒５
の軸芯周りに回転自在な状態で延出したステー２
０の遊端に固着の雌ねじ部材１０Ｄに前記螺軸１
０Ａを螺嵌させ、もつて、前記角ナツト１０Ｂを
介して螺軸１０Ａを回転操作することにより、こ
の螺軸１０Ａを流体管１側に移動させるととも
に、ステー１８、筒部材１９を介して前記両操作
部材６，８を前記外筒５に対し、前記当金６ａ，
８ａ間に挾在の厚肉弾性部材９に外嵌保持された
ブツシユＡが前記分岐口２に嵌合するまで摺動移
動させるための操作ねじ機構１０を構成させたも
のである。

次に、上記の如き装置を用いて、ブツシユＡを
前記分岐口２に挿嵌させ、かつ、固定保持させる
作業要領を簡単に列記すると、次の通りである。

○イ 第３図で示すように、外筒５をねじ部１１を
介して分水栓４の直立管部４ａから分離させた
状態、つまり、装置を取外した状態において、
ブツシユＡを前記厚肉弾性部材９に外嵌させ
る。このとき、ブツシユＡが落ちない程度にま
で厚肉弾性部材９を拡径させておく。

○ロ 前記外筒５を第１図、第２図で示すように分
水栓４の直立管部４ａにねじ部１１を介して連
結する。

○ハ 分水栓４のボール弁４Ａを開ける。

○ニ 角ナツト１０Ｂを介して螺軸１０Ａを回転操
作することにより、ねじ機構１０とともに、内
外二重の操作部材８，６を下降移動させて、第
４図の如く、前記ブツシユＡを分岐口２に挿嵌
させる。

○ホ 角ナツト１４を回転操作して両操作部材６，
８を介して当金６ａ，８ａを近接移動させるこ
とにより、厚肉弾性部材９を拡径変形させ、こ
れに伴なつてブツシユＡを塑性拡径変形させ
て、第５図の如く分岐口２内周面に密着状態に
固定保持させる。

○ヘ ブツシユＡの固定保持完了後、角ナツト１４
を逆方向に回転操作して厚肉弾性部材９を自弾
性により縮径させ、次に、角ナツト１０Ｂを回
転操作することにより、装置を上方に引上げ
る。

○ト 分水栓４のボール弁４Ａを閉じた上で、外筒
５を取外すことにより作業を完了する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る流体管分岐口への防蝕防錆
用ブツシユ取付け装置の実施の態様を例示し、第
１図は作業状態での全体縦断正面図、第２図は第
１図のものの一部縦断側面図、第３図乃至第５図
は作業工程を説明する縦断面図である。 １……流体管、２……分岐口、３……サドル、
４……分水栓、５……外筒、６，８……操作部
材、７……ねじ部、６ａ，８ａ……当金、９……
厚肉弾性部材、１０……操作ねじ機構、Ａ……ブ
ツシユ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 周壁１ａに分岐口２が貫設されている流体管
   １にサドル３を介して前記分岐口２に連通する
   状態で装着の分水栓４の直立管部４ａに対して
   連結分離自在な外筒５、この外筒５に対してそ
   の筒軸芯方向に摺動のみ自在に挿嵌させた筒状
   操作部材６、この筒状操作部材６にねじ部７を
   介して軸芯方向に相対移動固定自在に内嵌させ
   た軸状操作部材８、前記両操作部材６，８の端
   部に付設の対向当金６ａ，８ａ間に挾圧され、
   かつ、その両操作部材６，８の軸芯方向相対移
   動により弾性的に拡径縮径変形自在な厚肉弾性
   部材９とを備え、もつて、前記厚肉弾性部材９
   に防蝕防錆用ブツシユＡを外嵌保持させた状態
   で前記両操作部材６，８を前記外筒５に対し、
   前記ブツシユＡが前記分岐口２に嵌合するまで
   摺動操作し、この状態で前記両操作部材６，８
   の軸芯方向相対移動操作に伴なう前記厚肉弾性
   部材９の拡径変形によつて前記ブツシユＡを前
   記分岐口２内周面に密着状態に固定保持させる
   べく構成してある流体管分岐口への防蝕防錆用
   ブツシユ取付け装置において、前記両操作部材
   ６，８の横側部に、これと平行又はほぼ平行姿
   勢で、この両操作部材６，８を前記外筒５に対
   し前記ブツシユＡが前記分岐口２に嵌合するま
   で摺動させるための操作ねじ機構１０を設けて
   あることを特徴とする流体管分岐口への防蝕防
   錆用ブツシユ取付け装置。 前記操作ねじ機構１０は、前記両操作部材
   ６，８と一体の状態でそのねじ軸軸芯方向に移
   動するように構成されている実用新案登録請求
   の範囲第項に記載の流体管分岐口への防蝕防
   錆用ブツシユ取付け装置。