JPS6130797Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動溶接用の治具台装置に係り、殊更
アーク溶接ロボツトなどの自動溶接機へ、ワーク
クランプ用の溶接治具を備えた治具テーブルを自
動的に送入・送出させるに当つて、その治具テー
ブルを誰もがワンタツチ式操作のもとに、極めて
能率良く着脱・交換できるようにすると共に、そ
れにも拘らず一旦装着した後には、自動溶接機と
の関係上自づと高精度な芯出し位置状態を得られ
るように定め、しかも溶接中に放散する火花や、
落下する溶接カス、ノロなどによつて、その治具
台装置の据付脚台における就中研磨された表面が
汚損し、上記送入・送出のスライド作用に円滑・
安定を欠くことを防止するために工夫されたもの
である。

以下、図示の実施例に基いて本考案の構成を具
体的に説明すると、先ずその溶接治具台装置Ｍを
表わした第１〜４図において、１に作業床に固定
設置された据付脚台、２はその上面に敷設された
左右一対のスライドガイドレールであり、脚台１
の長手方向（前後方向）に沿い平行して走つてい
る。３は両レール２の相互中間に位置しつつ、や
はり脚台１上に固定されたスライド駆動ユニツト
であり、後述のスライド台をレール２に沿い往復
直線運動させるよう駆動して、溶接治具テーブル
上のワークを図示省略したアーク溶接ロボツトな
どの自動溶接機に対し、送入又は送出させるべく
機能する。図ではこの駆動ユニツト３として取付
ベース４を、エヤーによりガイドシヤフト５に沿
い直線的に往復スライドさせる機構を概説してい
るが、エヤーに代る油圧やモーターなどによつて
駆動させるその他のスライド機構を採用しても勿
論良い。

６は駆動ユニツト３のスライドする取付ベース
４上へ、好ましくは着脱自在に固定されたスライ
ド台であり、平面から見て略方形な本体部７と、
これからその対角線方向に沿い張り出された一対
の耳部８とから溶接一体化されて成る。９はその
本体部７の下面に固設された複数のレール受け座
であり、その凹溝がレール２にはめ合わされてい
る。１０はやはりスライド台６の本体部７から固
定立設された複数の芯出しガイドピンであり、概
して角隅部に配置されている。１１は同じく耳部
８の先端部に各々固定保持された溶接完了済みの
ワーク突き上げ用エヤーシリンダーであり、その
ピストンロツドによつて昇降盤１２が昇降作動さ
れる。この昇降盤１２には図示省略してあるが、
突き上げピンの複数が立設されているので、その
ピンにより溶接完了後のワークが溶接治具から突
き上げられるのであり、以つて容易に取り出せる
ようになつている。昇降盤１２が、その中央に開
口を残す長方形に枠組みされていて、これにより
ガイドピン１０と干渉しないように保たれている
こと、図から示唆される通りである。

１３はその昇降盤１２の上方位置に臨まされた
治具テーブルであり、図では単なる長方形板状体
を示しているにとどまるが、これにはワークに適
応する形態の溶接治具（図示省略）が予じめ組付
け装備されており、その溶接治具によつてワーク
が着脱自在にクランプ又はセツテイングされるこ
ととなる。１４はこの治具テーブル１３の下面中
央に固定一体化された裏当て盤で、昇降板１２の
中央開口に臨む程度の大きさを有しており、これ
にはスライド台６のガイドピン１０に対応するピ
ン受け入れ孔１５を備えた支持筒１６が一体的に
垂下されている。

そして、そのスライド台６の芯出しガイドピン
１０と、治具テーブル１３における就中裏当て盤
１４のピン受け入れ孔１５とが着脱自在に、且つ
自動的な芯出し位置状態に保たれるように嵌合さ
れるようになつている。つまり、本考案ではワー
クの多品種少・中量生産上、その区々相違変化す
るワークの形態に応じた溶接治具付きの各種治具
テーブル１３が、予じめ交換用として用意される
わけであり、その各種治具テーブル１３に共通の
ピン受け入れ孔１５を備えた支持筒１６を設けて
おくことによつて、これらをスライド台６へ互換
性を以つて簡便に装着使用でき、しかもその芯出
しガイドピン１０とピン受け入れ孔１５との嵌合
作用により、自動溶接機における運動作用との関
係上、自づと正規のポジシヨン状態（自動的な芯
出し位置状態）を常に確保することができるよう
になつているのである。

このような溶接治具台装置Ｍは、第５図に示す
通り例えば２基一対として、アーク溶接ロボツト
などの自動溶接機へ付属配設されるのであり、そ
の使用中には溶接治具付きの治具テーブル１３
が、一定ストローク分だけスライド駆動されるス
ライド台６によつて、第５図の実線で示す溶接機
へのワーク送入状態と、同じく鎖線で示す送出状
態とに保たれ、その前者において自動溶接される
と共に、後者においてその溶接後のワーク取り出
しと、次回溶接用ワークの取付け準備とが各々行
なわれることになる。尚、治具台装置Ｍにおける
上記スライド台６のスライド作用が、溶接機の溶
接作用と連帯して自動的に行なわれるよう、電気
的に制御されること勿論である。

その場合、溶接治具台装置Ｍにおける据付脚台
１の上面、就中スライドのガイドレール２やガイ
ドシヤフト５などは高精度化のために研磨されて
いる処、これが溶接中に放散する火花や、堆積す
るカスなどによつて汚損し、スライド台６のスラ
イド作用に円滑・安定を欠き、又耐久性を劣化さ
せる憂いがあることに鑑み、本考案ではその据付
脚台１に次のようなユニツト体をなす保護用アタ
ツチメントも付設されているのである。

即ち、これを明らかにした第６〜８図におい
て、１７は上記溶接治具台装置Ｍの据付脚台１
へ、就中その前後両端部へ各々スペーサー板１８
と左右一対のアングル状取付ブラケツト１９を介
して、着脱自在に連結固定された一組のベルト支
持用付属フレームであり、これには上下一対づつ
の遊転ローラー２０が水平な横架状態に軸支され
ている。そして、その合計４本の遊転ローラー２
０にはガバーベルト２１が捲き掛けられている。

そのガイドベルト２１は耐熱性・耐摩耗性・耐
老化性などに優れた合成ゴム（例えば商品名−ネ
オプレン）やその他の可撓な膜材から成り、上記
据付脚台１と略同じ帯幅を有している。しかも、
そのカバーベルト２１の切り離し両端部は上記ス
ライド台６へ、押えプレート２２と固定ボルト２
３によつて着脱自在に止着連結されており、以つ
てスライド台６のスライド作用と一体動作できる
よう無端化されていると共に、その無端化された
カバーベルト２１により据付脚台１がその上下方
向と前後方向から全体的に被包されているのであ
る。

前後一組の付属フレーム１７は上記スペーサー
板１８、取付ブラケツト１９並びに水平な固定バ
ー２４などによつて、据付脚台１から予じめ別個
独立するユニツト体に各々枠組み一体化されてお
り、その前後一組の何れか一方にはカバーベルト
２１の緊張度を調整すべき、左右一対のテンシヨ
ン操作機構２５も装備されている。

つまり、そのテンシヨン操作機構２５の各個
は、付属フレーム１７のスライドガイド切欠２６
へ、前後方向への進退動作のみ可能に嵌合された
スライド駒２７と、そのスライド駒２７に螺合締
結された回転操作式のハンドルネジ杆２８とから
成つていると共に、そのスライド駒２７に下側遊
転ローラー２０の端部が軸支されているのであ
り、そのハンドルネジ杆２８を回動操作して、ス
ライド駒２７をガイド切欠２６に沿い前後方向へ
進退させることにより、遊転ローラー２０に捲き
掛けられているカバーベルト２１を適度に緊張で
きるようになつている。２９はそのハンドルネジ
杆２８の支持板、３０は該ネジ杆２８にピン結合
されたワツシヤである。

上記のように、カバーベルト２１はスライド台
６と一体動作するように連結一体化されているた
め、そのスライド台６上に設置された昇降盤１２
や治具テーブル１３が自づとカバーベルト２１よ
りも上方に張り出し位置しつつ、そのベルト２１
による一切の支障や制約などを受けることなく、
各々正規の作用を営めること言うまでもない。そ
のカバーベルト２１の切り離し両端部をスライド
台６から取りはずすことにより、そのベルト２１
の交換も容易に行なうことができる。

以上を要するに、本考案に係る自動溶接用の治
具台装置Ｍでは、据付脚台１に固定設置したスラ
イド駆動ユニツト３により、その脚台１の上面を
スライドガイドレールに沿つて前後方向へ往復直
線運動されるスライド台６と；ワークのクランプ
用溶接治具が予じめ組付けられた治具テーブル１
３と；据付脚台１から予じめ別個独立するユニツ
ト体をなすと共に、上下一対づつの遊転ローラー
２０が水平な横架状態に軸支された前後一組のベ
ルト支持用付属フレーム１７とを備えており、 上記スライド台６の上面に複数の芯出しガイド
ピン１０を固定立設する一方、これと向かい合う
治具テーブル１３の下面に、そのガイドピン１０
の受け入れ孔１５を備えた支持筒１６を一体的に
垂下させて、その両者を自動的な芯出し位置状態
として着脱・交換自在に嵌合させると共に、 上記付属フレーム１７の前後一組を据付脚台１
へ着脱可能に固定設置して、そのフレーム１７の
全遊転ローラー２０に捲き掛けたカバーベルト２
１の切り離し両端部を、上記スライド台６へ着脱
自在に止着連結することにより、そのカバーベル
ト２１を全体的に無端化しつつ、据付脚台１を上
下方向と前後方向から被包し、 しかも前後一組をなす付属フレーム１７の何れ
か一方に切り欠いたスライドガイド切欠２６へ、
これに沿う前後方向への進退動作のみ可能に嵌合
させたスライド駒２７に、上記遊転ローラー２０
の１本を軸支すると共に、そのスライド駒２７を
これと螺合締結したハンドルネジ杆２８の回転操
作により進退させて、上記カバーベルト２１の緊
張度を調節できるように設定してあるため、冒頭
に述べた目的を確実に達成できる効果がある。

即ち、本考案の溶接治具台装置Ｍはアーク溶接
ロボツトなどの自動溶接機に対し、そのワークを
自動的に送入・送出させるべき周辺装置として使
用されるものである処、そのために往復直線運動
するスライド台８の上面には、複数の芯出しガイ
ドピン１０が固定立設されている一方、これと向
かい合う治具テーブル１３の下面には、そのガイ
ドピン１０の受け入れ孔１５を備えた支持筒１６
が一体的に垂下されており、その両者が自動的な
芯出し位置状態のもとに、着脱・交換自在として
嵌合されるようになつているため、ワークの形態
に応じて区々相違変化する各種溶接治具付きの治
具テーブル１３を、スライド台６へ互換性を以つ
て、且つワンタツチ式の簡便に装着使用すること
ができるのであり、その取扱い作業性に優れるに
も拘らず、一旦装着した後には上記芯出しガイド
ピン１０とそのピン受け入れ孔１５との嵌合作用
によつて、自動溶接機における運動作用との関係
上、自づと正規のポジシヨン状態も常に確保する
ことができることになる。

しかも、変換される治具テーブル１３の側にピ
ン受け入れ孔１５を、言わば汎用される本体側の
スライド台６に芯出しガイドピン１０を各々設け
ているため、その予じめ各種用意される側の治具
テーブル１３を極力扁平に小型化できるのであ
り、その格納上著しく有益と言える。

又、据付脚台１は自動溶接機によるワークの溶
接中、そのスライド台６のスライド作用と一体動
作するカバーベルト２１によつて全体的に被包さ
れているため、溶接中の火花やカス、ノロなどか
ら確実に防護され、そのスライド台６におけるス
ライド作用の円滑・安定性と、装置自体の耐久性
を向上させることができる。カバーベルト２１の
捲き掛けによつて、スライド台６のスライド作用
が支障や制約などを受けることも一切無い。

特に、本考案の場合そのベルト支持用の付属フ
レーム１７は前後一組として、据付脚台１から予
じめ別個独立するユニツト体に枠組み形成されて
おり、その脚台１へ着脱可能に固定設置されるよ
うになつているため、そのユニツト体の付属フレ
ーム１７を据付脚台１と別個に輸送して、作業床
への据付けを容易に行なうことができる。つま
り、その付属フレーム１７には遊転ローラー２０
も予じめ軸支されているので、該フレーム１７を
作業床において、据付脚台１へ付属固定させると
共に、その全ローラー２０へ容易にカバーベルト
２１を捲き掛けることにより、誰もが高能率に据
付使用できるのであり、据付脚台１の大きさ変化
などにも容易に対応することができる。

又、カバーベルト２１によつて据付脚台１を上
下方向と前後方向から全体的に被包するようにな
つていると共に、そのベルト２１の切り離し両端
部を上記スライド台６へ着脱自在に止着連結する
ようになつているため、そのベルト２１における
捲き掛け上の端末処理を簡単に行なえるばかりで
なく、そのベルト交換も遊転ローラー２０などの
分解を要することなく高能率に行なえるのであ
り、殊更昇降盤１２の昇降作動用エヤーシリンダ
ー１１をスペース上の制約なく、合理的に組付け
設置することができる。

更に、前後一組の付属フレーム１７は上記の通
りユニツト体をなしている処、その何れか一方に
はスライドガイド切欠２６が切り欠かれており、
これに嵌合された前後方向への進退のみ可能なス
ライド駒２７に、上記遊転ローラー２０の１本が
軸支されていると共に、そのスライド駒２７をこ
れと螺合締結されたハンドルネジ杆２８の回転操
作により進退させて、上記カバーベルト２１の緊
張度も調整できるようになつているため、上記据
付脚台１に対するアタツチメントとしての機能上
優れ、そのスライド台６のスライド作用と、火花
やカスなどからの保護作用とを調和良く維持する
こともできるのであり、実益大なものと言える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用する溶接治具台装置の全
体平面図、第２図はスライド台の取付状態をこの
張り出し耳部の省略により示す第１図のＡ矢視
図、第３図はスライド台に対する治具テーブルの
取付状態を示す第１図のＢ矢視図、第４図は治具
テーブルを取りはずして、スライド台の取付状態
を示す一部切欠平面図、第５図は治具台装置の据
付配置状態を示す平面図、第６図はベルト支持用
付属フレームの取付状態を示す全体側面図、第
７，８図は同じくベルトテンシヨン操作機構を省
略して示す平面図と背面図である。 Ｍ……溶接治具台装置、１……据付脚台、３…
…スライド駆動ユニツト、６……スライド台、１
３……治具テーブル、２０……遊転ローラー、２
１……カバーベルト、２５……ベルトテンシヨン
操作機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 据付脚台１に固定設置したスライド駆動ユニツ
   ト３により、その脚台１の上面をスライドガイド
   レール２に沿つて前後方向へ往復直線運動される
   スライド台６と、 ワークのクランプ用溶接治具が予じめ組付けら
   れた治具テーブル１３と、 上記据付脚台１から予じめ別個独立するユニツ
   ト体をなすと共に、上下一対づつの遊転ローラー
   ２０が水平な横架状態に軸支された前後一組のベ
   ルト支持用付属フレーム１７とを備え、 上記スライド台６の上面に複数の芯出しガイド
   ピン１０を固定立設する一方、これと向かい合う
   治具テーブル１３の下面に、そのガイドピン１０
   の受け入れ孔１５を備えた支持筒１６を一体的に
   垂下させて、その両者な自動的な芯出し位置状態
   として着脱・交換自在に嵌合させると共に、 上記付属フレーム１７の前後一組を据付脚台１
   へ着脱可能に固定設置して、そのフレーム１７の
   全遊転ローラー２０に捲き掛けたカバーベルト２
   １の切り離し両端部を、上記スライド台６へ着脱
   自在に止着連結することにより、そのカバーベル
   ト２１を全体的に無端化しつつ、据付脚台１を上
   下方向と前後方向から被包し、 しかも前後一組をなす付属フレーム１７の何れ
   か一方に切り欠いたスライドガイド切欠２６へ、
   これに沿う前後方向への進退動作のみ可能に嵌合
   させたスライド駒２７に、上記遊転ローラー２０
   の１本を軸支すると共に、そのスライド駒２７を
   これと螺合締結したハンドルネジ杆２８の回転操
   作により進退させて、上記カバーベルト２１の緊
   張度を調整できるように設定したことを特徴とす
   る自動溶接用の治具台装置。