JPS6129996Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は河川水等土砂を含む揚水中にて使用し
て好適な水中モータポンプに関するものである。

従来、水中モータポンプはモータ部の冷却効果
を高めるためおよび最低運転水位を低くするため
に一般に吸込口を外ケーシングの最下部に設ける
ようにしている。

第１図は従来のこの種水中モータポンプの代表
的な一例をすもので、水中モータ１の上部にアダ
プタ２を介して吸込ケシング３がその上部に中間
ケーシング４がさらにその上部に吐出ケーシング
５が設けられていてそれらは一体化されており、
それらの内部にはカツプリング６によりモータ軸
と連結されたポンプ軸７にキーで固定された羽根
車８およびスリーブ９が設けられている。アダプ
タ２にはＯリングにより上端を密封され、最下部
にストレーナ１１を備えた外ケーシング１０が取
付けられており、この外ケーシング１０と水中モ
ータ１のケーシングとでポンプ吸込通路Ａを形成
している。ストレーナ１１の下端には底板１２が
取付けられれていてこの底板１２と水中モータ１
の下端とで外ケーシング１０の下端を閉じてい
る。その他１３は水中モータ１の最下部に設けら
れたベローズ、１４はモータリード線である水中
ケーブル、またＣは吹込口である。

このような吸込口Ｃが外ケーシング１０の最下
部に設けられている水中モータポンプを土砂Ｓの
堆積がある揚水中で使用すると、第１図に示すよ
うに吸込口Ｃから多量の土砂Ｓを吸込ポンプ内部
の摩耗を強いられるため、この形式の水中モータ
ポンプを前述の条件下、すなわち河川水等土砂を
含む揚水中にて使用するには、ポンプを吊り下げ
型にして水槽の底面から吸込口Ｃの位置を高くす
る必要がある。しかしながら、このようにするに
は吐出配管にてポンプ重量を支え、また吐出配管
も地上部台板等により支えなければならないた
め、緊急災害用あるいは土木工事用等に要求の多
い可搬式には適さない。

そこで第２図に示すように、吸込口Ｃの位置を
モータ上部まで上げる形式も採られているが、こ
の場合には水中モータ１の外周に土砂Ｓが堆積し
モータ冷却が充分に行われないため、モータの過
熱による焼損の危険性があるという欠点がある。

さらに前述のいずれの形式の場合も吸入口Ｃの
上昇分の高さだけは確実に最低運転水位が上昇
し、水槽内の容積が有効に利用されないという欠
点がある。

したがつて本考案の目的とするところはモータ
部の冷却効果を高め得ると共に最低運転水位を可
及的低くすることができ、かつ河川水等土砂を含
む揚水にて使用しても土砂によるポンプ内部の摩
耗も生じることがなく、さらには可搬式に適した
水中モータポンプを提供するにある。

以下第３図を参照して本考案の実施例を説明す
る。なお第１図と実質的同一部分には同一符号を
記す。

水中モータ１の上部には第１図と同様アダプタ
２を介して吸込ケーシング３が、その上部に中間
ケーシング４がさらにその上部に吐出ケーシング
５が設けられていてそれらは１体化されており、
また第１図と同様それらの内部にはカツプリング
６によりモータ軸と連結されたポンプ軸７にキー
で固定された羽根車８およびスリーブ９が設けら
れている。アダプタ２にはＯリングにより上端を
密封され下端は開放されていて水中モータ１の最
下部近くまでのびており、開放された下端が吸込
口Ｃとなつていると共に水中モータ１のケーシン
グとでポンプ吸込通路Ａを形成する第１の筒状部
材すなわち外ケーシング１０が取り付けられてい
る。また外ケーシング１０の外側には下端をカバ
ー１５により閉じられた底板１２を介して第２の
筒状部材すなわち防砂ケース１６が水中モータ１
の下端に取付けられており、この防砂ケース１６
の上部の吸込口Ｃより高い位置には揚水流入用の
流入口Ｂが設けられていて、その流入口Ｂには濾
過手段例えばストレーナ１１が取付けられてい
る。また水中モータ１の最下部に位置するモータ
封入水の膨張、収縮に追随するために伸縮自在と
なつているベローズ１３およびモータリード線で
ある水中ケーブル１４は防砂ケース１６の内部に
あり、外部堆積物から隔離されている。

作用について説明すると、河川水等土砂を含む
揚水は防砂ケース１６の流入口Ｂの下方外部に土
砂Ｓを沈澱堆積した後、流入口Ｂからストレーナ
１１を介して流入し、防砂ケース１６と外ケーシ
ング１０とによつて形成される通路Ｄを通つて水
中モータ１の最下部付近に達した後、外ケーシン
グ１０下方の吸込口Ｃから外ケーシング１０と水
中モタ１のケーシングにより形成される吸込通路
Ａを通つてポンプ内部に吸込まれ羽根車８によつ
て加圧された後、中間ケーシング４、吐出ケーシ
ング５の通路を通つて上方に吐出される。

本考案の水中モータポンプは前述のような構成
となつているので、下記の効果を奏するものであ
る。

(i) 揚水の流入口がポンプ底面よりも一定の高さ
を有する位置にあるため、流入口より下方、外
部に土砂の堆積があつてもその堆積土砂をポン
プ内部に吸込させることなく運転することが可
能でポンプ内部の回転摺動部品の摩耗を軽減す
ることができる。

(ii) 流入口より流入した揚水は一旦モータ最下部
まで下がつてからモータ外周を通つてポンプ内
部に吸込まれるため、モータ外部が堆積土砂に
覆われることがなく、モータ冷却が充分に行わ
れる。

(iii) ポンプ吸込口は外ケーシングの下部にて開放
された部分であるので、防砂ケースの流入口に
は空気の吸込を防止するための潜没深さを必要
とせず、流入口の一部から揚水が流入するだけ
でポンプの運転が可能であり、従来の形式のも
のに比べて運転水位を低くすることができる。

(iv) 土砂の吸込を防止するために、ポンプを吊下
げ型にして吐出配管にてポンプ重量を支え、さ
らに吐出配管を地上部台板等により支えるよう
にする必要がなく緊急災害用あるいは土木工事
用等に必要な可搬式とすることができる。

(v) 濾過手段は最外側の第２の筒状部材に設ける
ので流過面積が広くとれ、従つて吸込流速が小
さいため、第２の筒状部材の外部に堆積した土
砂をまき込む（吸込む）ことが少ない。仮に土
砂が第１の筒状部材の中にはいつても下部で沈
澱するからポンプが吸上げることがなく、また
モータの冷却効果を損うことがない。

さらに実施例に示すようにベローズおよび水中
ケーブルを防砂ケース内に設けるようにすれば、
外部の堆積土砂によりベローズの伸縮作用が妨げ
られたりすることがなく、またポンプを横倒しの
状態で運搬しても水中ケーブルを傷つけることが
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の水中モータポンプ
の一部を断面で示す正面図である。第３図は本考
案に係る水中モータポンプの一部を断面で示す正
面図である。 １……水中モータ、２……アダプタ、３……吸
込ケーシング、４……中間ケーシング、５……吐
出ケーシング、６……カツプリング、７……ポン
プ軸、８……羽根車、９……スリーブ、１０……
外ケーシング、１１……ストレーナ、１２……底
板、１３……ベローズ、１４……水中ケーブル、
１５……カバー、１６……防砂ケース、Ａ……吸
込通路、Ｂ……流入口、Ｃ……吸込口、Ｄ……通
路、Ｓ……土砂。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モータ部とポンプ部とを有する水中モータポン
   プにおいて、モータ部の外側に上端がポンプの吸
   込側に連通し下端が開放されいる第１の筒状部材
   を設け、その第１の筒状部材の外側に上端付近が
   開放された開放部を有し下端が閉じている第２の
   筒状部材を設け、その第２の筒状部材の開放部に
   過手段を設け、モータ部と第１の筒状部材との
   間および第１の筒状部材と第２の筒状部材との間
   に吸込み通路が形成されており、過手段を通過
   した水は第１の筒状部材と第２の筒状部材との間
   を通つて下降し、次いでモータ部と第１の筒状部
   材との間を通して上昇してポンプに吸込まれるこ
   とを特徴とする水中モータポンプ。