JPH0440556B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は汲上げる水中に混入している空気、
ガス等の気泡を除去してポンプの吸込圧の低下を
防ぎ、ポンプの稼動効率を上げるようにした気泡
分離器付の水中モーターポンプに関するものであ
る。

（従来技術） 従来、深井戸に使用される水中モーターポンプ
は下部のモーターに直結したポンプを井戸の水中
で運転し、ポンプとモーターとの間に設けた吸水
口よりストレーナーを介して吸水するようになつ
ていた。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、地中の水には、特に温泉等には空気や
ガスの混入があり、前記ストレーナーはゴミや異
物の混入を防ぐためのものであるため、水と共に
ストレーナーを通つてポンプ中に入り、ケージン
グ内で高速回転する羽根車によつて掻き回され、
ガス、空気より重い水は遠心力によりケージング
内壁側に、水より軽い空気やガスは羽根車中心側
に分離されるため羽根車が空転状態となつて吸水
圧が低下し、ポンプの効率が悪くなることが多か
つた。

これを防止するためには井戸管と水中モーター
ポンプの外径差を大としてその間に余裕を設けれ
ば気泡が水中モーターポンプと井戸管との間を抜
けて行く割合が多くなり可なり改善されるが、そ
れだけ井戸を太くするにはボーリング費用が大と
なるため用いられることが少なかつた。

（問題点を解決するための手段） この発明は上記の状況に鑑み提供されたもので
水中に混入した気泡を除去する分離器２を設けた
水中モーターポンプ、であつて、前記分離器２は
該ポンプ、の下部に少なくともその吸水口１ａを
蔽う容器３が設けられ、該容器３内には前記ポン
プ１の吸水口１ａが延長された筒状の第１の邪魔
板４が垂設され、該容器３の底壁３ｈには容器３
周壁３ａと前記第１の邪魔板４との間に介在する
第２の邪魔板５が立設されていると共に、該第２
の邪魔板５に囲まれた底壁３ｈ面を除く容器３面
には多数の孔６が開設されてポンプ、の吸込圧の
低下を防ぐように構成された水中モーターポン
プ、である。

（作用） 上記のように構成された水中モーターポンプ、
は容器３の周壁３ａ及び第２の邪魔板５に囲まれ
た底壁３b′を除く底壁３ｂに開けられた多数の孔
６より、気泡の混入した水が入り、ポンプ１の吸
込圧によつて第２の邪魔板５に沿つて水が上方に
移動し、該邪魔板５の上端から第１の邪魔板４と
第２の邪魔板５との間を下方に移動するが、水中
に混入している気泡のみ浮力によつて第２の邪魔
板５の上端付近からその侭上昇して容器３の上部
の孔６によりポンプ１と井戸管の間を通り水面迄
浮上り、更に水中に残つた気泡は第１の邪魔板４
と第２の邪魔板５との間を水が移動する間に浮力
のために水の移動に逆行して上方に浮上り容器３
の上部の孔６より外に出て水面迄移動する。

而して殆ど気泡を含まない水が第１の邪魔板４
内をポンプ、の吸水口１ａに向けて移動し、吸込
まれる。

従つて、ポンプ、内に気泡が入らず、吸込圧が
低下しない。

（実施例） 以下この発明に係る水中モーターポンプの一実
施例について図面により説明する。

１は水中ポンプであり、吸水口１ａが下側に設
けられており、該ポンプ１の下部に気泡の分離器
２が取付けられ、その下方にモーターＭが装着さ
れ、ポンプ１の軸７は吸水口１ａ内からモーター
Ｍに直結されている。

分離器２はポンプ１の吸水口１ａを覆うように
ポンプ１の下部に取付けられたシリンダー上の容
器３とこの内部において吸水口１ａが下方に延設
された筒状の第１の邪魔板４と、該第１の邪魔板
４と周壁３ａとの間に底壁３ｂから立設された筒
状の第２の邪魔板５とからなつており、上記第１
の邪魔板４は底壁３ｂ面に達しないように間隔を
あけるか、或は底壁３ｂまで延設して底壁３ｂ付
近に孔４ａを開設して邪魔板４と底壁３ｂ面との
間に水が無理なく通過できるようになつているも
のであり、第２の邪魔板５と容器３の上壁３ｃと
の間も孔５ａを設ける等同様の構成となつてい
る。８は第２の邪魔板５を支持するために容器３
の周壁３ａとの間の複数ケ所に設けられた支持片
である。９はケーブル管、１０は井戸管である。

又、容器３は底壁３ｂにおける第２の邪魔板５
に囲まれた底壁３b′面を除く部分及び周壁３ａの
下部には多数の孔６が開設され、上壁３ｃにも孔
６′が開設され孔６から水が吸込まれ、孔６′から
水に含まれていた気泡が容器３外へ脱出するよう
になつている。（←は水、←は気泡を示す） 而して底壁３ｂ及び周壁３ａの孔６から水が吸
込まれポンプ１の吸水口１ａに至る迄の間に気泡
は水と分離して上方に向つて浮上り孔６′より容
器３外に脱出する。

（効果） この発明に係る水中モーターポンプは上記のよ
うに構成されているのでポンプの吸込圧によつて
分離器の容器底壁及び底壁付近から吸込まれた水
は第２の邪魔板と容器周壁との間を上方へ移動
し、水中に含まれた空気、ガスの気泡は容器上部
の孔から容器外に抜出し、水は第２の邪魔板に沿
つて下方へ移動するが尚この水中に残つている気
泡は上方へ逃げるので気泡の含まれない水となつ
て第１の邪魔板の下端部からこの内部を上昇して
ポンプ内に吸込まれるので、従来水と共に吸込ま
れた空気やガスによつて惹起されたポンプの吸込
圧低下、効率低下等が完全に防止される。

又、この分離器はストレーナーを兼ねることも
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る水中モーターポンプの
実施例の正面図、第２図は同実施例における分離
器の断面図である。 １……ポンプ、１ａ……吸水口、２……分離
器、３……容器、３ａ……周壁、３ｂ……底部、
３ｃ……上壁、４……第１の邪魔板、４ａ……長
孔、５……第２の邪魔板、５ａ……長孔、６，
６′……孔、Ｍ……モーター。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 水中に混入した気泡を除去する分離器を設け
   た水中モーターポンプであつて、前記分離器は該
   ポンプの下部に少くともその吸水口を蔽う容器が
   設けられ、該容器内には前記ポンプの吸水口が延
   長された筒状の第１の邪魔板が垂設され、該容器
   の底壁には容器周壁と前記第１の邪魔板との間に
   介在する第２の邪魔板が立設されていると共に、
   該第２の邪魔板に囲まれた底壁面を除く容器面に
   は多数の孔が開設されていることを特徴とする水
   中モーターポンプ。