JP2550727Y2 - ポンプ付き排水ピット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、河川の排水場等に用
いて卓効を奏するポンプ付き排水ピットを提供せんとす
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、排水場等で用いられるこの種のポ
ンプとしては、排水ゲートにポンプを付設して、外水位
が内水位よりも高くなったときにゲートを降ろして付設
したポンプで内側水を排水するようにしている。実開昭
６２−４４９２８号はその一例である。また、一般的に
は、堤防近傍に排水ポンプを設置し、堤防を跨いだり、
貫通したりする排水管を用いて排水している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】然しながら、上記ゲー
トにポンプを付設するものでは、実開昭６２−４４９２
８号にみられるように長い配管は必要としないけれど
も、ゲートに対するバランス等から取付構造が複雑とな
る難点があり、また、堤防を跨いだり、貫通するもので
は、長い配管が必要であり、ポンプの設置工事、配管工
事が必要で、設置に手数を要するのみならず、メンテナ
ンスもしずらい難点がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この考案は、上述のよう
な課題を解決したものであって、簡単容易に設置できて
メンテナンスも簡単にできる排水ピットを実現したもの
である。その要旨とするところは、コンクリート等で構
成した槽体を上下に仕切ってその下室に排水の流入口
を、その上室に排水の吐出口を設けるとともに、仕切壁
には、通孔を開設し、その通孔に水中ポンプを着脱自在
に装着し、さらに、前記吐出口に接続して設けた導管の
先端にフラップ弁を設けたものである。

【０００５】

【作用】この考案に係る排水ピットは、上述のように構
成してあり、これを設置するには、排水路の側方に槽体
を埋設し、流入口を流路に、吐出口を外側の排水池等に
連通させるとともに、仕切壁の通孔に水中ポンプを設置
すればよい。この操作は従来のポンプ設置や、配管等に
比較して、排水ピットの設置工事だけで足り簡単であ
る。そして、このようにして設置された排水ピットは槽
体自体がポンプのケーシングの役割を果すもので、その
内部に設置する水中ポンプは、モーターと羽根車との簡
単な構成のもので足り、メンテナンスも容易にすること
ができる。以下、図面に基づいてこの考案を具体的に説
明する。

【０００６】

【実施例】図１は、この考案に係る排水ピットの設置状
態を示す概略の平面図で、図中、符号１は、主河川、２
は主河川に流入する小河川、３は堰防、４は小河川に設
けたゲートで主河川１の水位の上下に従って開閉（昇
降）操作するようにしてある。５は小河川２に接続して
設けたピットである。

【０００７】次に、ピット５の構成を図２および図３に
基づいて説明する。図３において、符号６は、ピット５
を上下に区分する仕切壁、７は仕切壁の下方に形成され
る下室で底部は開放させてあり、側壁部に排水の流入口
８が開設してある。９はスクリーンである。１０は上室
であり、天井壁にマンホール１１を開設するとともに側
壁に排水の吐出口１２を開設し、この吐出口１２には、
排水の導管１３が接続され、この導管１３は、図１およ
び図２に示すようにゲート４の外側に開口させ、その開
口部にはフラップ弁１４が設けてある。

【０００８】次に、図４において、符号１５は、前記仕
切壁６に開設した下室７と上室１０との間の通孔であ
り、逆円錐状に形成されていて、同じく逆円錐状に形成
した支持枠１６に保持された水中ポンプ１７が取り付け
られている。この水中ポンプ１７は、モーター１７ａと
羽根１７ｂとで構成されており、ピット５自体がポンプ
のケーシングの役割をしている。水中ポンプ１７は、こ
の通孔１５にマンホール１１から降下させて取り付ける
ようにしてあり、その取付構造は、図４に示すように、
通孔１５のテーパー面に、支持枠１６を嵌入させてい
る。符号１６ａは羽根１７ｂのハブを保持する支持腕で
ある。また、符号１８は、水中ポンプ昇降用のチェーン
である。

【０００９】この考案に係る排水ピットは上述のように
構成してあり、主河川１の水位が高くなった場合には、
ゲート４を閉止して、水中ポンプ１７を作動させること
によって、小河川２側の水を主河川１側に排出すること
ができる。すなわち、小河川２の水は、流入口８から下
室７に吸い込まれ、上室１０、導管１３を経て主河川１
側に排出することができるものである。このとき、フラ
ップ弁１４は水流によって押し開かれるものであって、
排水が完了した場合には、外側の水圧によって閉止さ
れ、排水が逆流することはないものである。

【００１０】

【考案の効果】以上の説明で明らかなように、この考案
に係る排水ピットは、ゲートを閉止すると同時にポンプ
を始動することによって自動的にゲート内側の水を排水
することができるものであり、そして、この排水ピット
の設置には、河川の近傍にこれを埋設するだけで、従来
のようにポンプの据付基礎や配管が不要である。また、
水中ポンプを設置するに当っては、マンホール１１から
垂下させて通孔１５に嵌合させるのみで仕切壁に固定さ
れるもので、着脱が簡単でありメンテナンス等にも至便
である。このように、この考案に係る排水ピットは、排
水ピット自体でポンプと配管を兼ねるもので、場所を占
めず簡単安価に設置できるもので従来の排水ポンプ設置
上の課題を解決し得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る排水ピットの設置状態を示す概
略の平面図である。

【図２】同じく、排水ピットの水平断面図である。

【図３】同じく、排水ピットの縦断側面図である。

【図４】同じく、水中ポンプの取付状態を示す縦断側面
図である。

【符号の説明】

５ ピット ６ 仕切壁 ７ 下室 ８ 流入口 １０ 上室 １２ 吐出口 １３ 導管 １４ フラップ弁 １５ 通孔 １７ 水中ポンプ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリート等で構成した槽体５を上下
   に仕切ってその下室７に排水の流入口８を、その上室１
   ０に排水の吐出口１２を設けるとともに、仕切壁６に
   は、通孔１５を開設してその通孔１５に水中ポンプ１７
   を着脱自在に装着し、さらに、前記吐出口１２に接続し
   て設けた導管１３の先端にフラップ弁１４を設けてなる
   ポンプ付き排水ピット。