JPS6129966Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は燃料タンクの吸引装置に関するもの
である。

自動車の燃料タンク内において、燃料、（軽
油）と水とを分離して、軽油のみをサクシヨンパ
イプで吸い出すように、燃料タンク内に上記サク
シヨンパイプに連通する濾過器を設けた吸引装置
はすでに実開和56−127133号によつて提案されて
いる。

しかしながら、上記濾過器のフイルタ部は、軽
油と水との表面張力の差によつて、軽油は通過可
能であるけれど水は通過させない程度の小さなメ
ツシヨによつて形成されているから、低温時にお
いて軽油がワツクス化した場合、上記フイルタ部
が目詰りして燃料の吸引に支障を来たす問題があ
る。

この考案は上記従来の問題に鑑みされたもの
で、低温時においてフイルタ部に目詰りを生じて
も燃料を容易に吸引することができる燃料タンク
の吸引装置を提供することを目的とする。

以下、この考案の実施例を図面にしたがつて説
明する。

第１図において、１は燃料タンク、２は給油
口、３はキヤツプを示し、燃料タンク１の内部に
濾過器４が配設されている。

上記濾過器４には、表面張力の差によつて軽油
は通過可能であるが、水は通過させない程度の小
さいメツシユからなるフイルタ部５がその外周に
形成されている（第２図参照）。

６はサクシヨンパイプで、その一端部は濾過器
４の天井４ａを液密に貫通して濾過器４内に位置
させ、他端部を燃料吸引ポンプ（図示省略）に接
続している。

７は逆Ｕ字状のバイパスパイプで、その一端部
は濾過器４の天井部４ａを液密に貫通して濾過器
４内に位置させ、途中を上方に湾曲８させるとと
もに、他端部を濾過器４外、つまり燃料タンク１
内に位置させている。

上記構成において、逆Ｕ字状のバイパスパイプ
７は、その途中を上方に湾曲８させているから、
管路抵抗が幾分大きいけれど、濾過器４のフイル
タ部５の抵抗は小さいので、燃料タンク１内の軽
油は、通常は濾過器４のフイルタ部５を通り、水
と分離してサクシヨンパイプ６に吸引される。

一方、低温時において軽油がワツクス化してフ
イルタ部５に目詰りを生じた場合、燃料タンク１
内の軽油は上記逆Ｕ字状のバイパスパイプ７を通
つて濾過器４内に流入し、ここからサクシヨンパ
イプ６に吸引されるから燃料の吸引に支障を来さ
ない。この場合、燃料が供給されてエンジンが運
転し始めることによつて、軽油はリターン通路を
通つて燃料タンク１内に小量づつ還流され、この
還流される軽油は幾分高温になつているから、外
気温が低温であつても、軽油のワツクス化は経時
的に解消され、フイルタ部５を介した通常の吸引
状態になる。

なお、バイパスパイプ７の通路抵抗を調整する
ためにパイプ７の中に一方向弁を設けたり、パイ
プ７の径を濾過器４内外で変化させてもよい。

旋回時にバイパスパイプ７を通つて燃料タンク
１内に溜つた水が濾過器４内に侵入するのを防止
するため、パイプ７の濾過器４外側の開口位置を
濾過器４内側の開口位置より高くしてもよい。ま
た、上記実施例では、バイパスパイプを逆Ｕ字状
に形成したが、必ずしもＵ字状にしなくても、バ
イパスパイプの途中の管路抵抗を、少なくとも濾
過器のフイルタ部の抵抗よりも大きく形成すれば
よい。

以上説明したように、この考案によれば軽油が
ワツクス化してフイルタ部に目詰りを生じた場合
には、バイパスパイプを通して燃料を吸引するよ
うに構成しているので、低温時にあつても燃料の
吸引に支障を来たさない利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る吸引装置を適用した燃
料タンクの断面図、第２図は要部を拡大して示す
断面図である。 １……燃料タンク、４……濾過器、５……フイ
ルタ部、６……サクシヨンパイプ、７……逆Ｕ字
状のバイパスパイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンク内に配設された軽油は通過可能で水
   を通過させないフイルタ部を形成した濾過器と、
   この濾過器の内部に端部が位置しているサクシヨ
   ンパイプと、一端が濾過器内に他端が濾過器外に
   位置し途中が管路抵抗を増大するように形成され
   たバイパスパイプとからなり、通常は濾過器のフ
   イルタ部を介して燃料を吸引し、フイルタが目詰
   りしたときバイパスパイプを介して燃料を吸引す
   るようにしたことを特徴とする燃料タンクの吸引
   装置。