JPS6129679Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は缶を回動させ得るようにした電動駆動
される缶送りギヤーと、上記缶の蓋に切込ませ得
るようにしたカツターとを備え、上記カツターを
缶の蓋に切込ませた状態で缶を缶送りギヤーによ
り回動させて缶の蓋を切開するようにした電気缶
切機に係り、その目的とするところは、缶の大小
にかかわらず、缶の蓋の切開を一人で迅速容易に
行うことができる電気缶切機を提供することにあ
る。

従来、この種電気缶切機においては、缶切機本
体の前面所定位置に回動自在に枢支された缶送り
ギヤーと、操作ハンドルに取付けられてこの操作
ハンドルの操作によつて上記缶送りギヤーに対し
て遠近移動されるカツターとを備え、上記缶送り
ギヤー上に缶の巻締部下端縁を当てがい、この状
態で操作ハンドルによりカツターを缶の蓋に切込
ませてから、缶送りギヤーを電動駆動させて缶の
切開を行うように構成されている。然るに、上記
電気缶切機にあつては、例えば大型で非常に重量
のある缶の蓋を切開しようとする場合、この缶は
その胴回りが大きく、しかも、内容物によつて重
量があるため、小型缶のように片手でもつて電気
缶切機にセツトすことができず、このため、一人
が缶を両手で持ち上げてその缶の巻締部下端縁を
上記缶送りギヤー上に当てがい、他のもう１人が
操作ハンドルを操作してカツターを缶の蓋に切り
込ませて缶の切開作業を行わなければならず、
又、缶送りギヤーを回動させて缶の蓋の切開を始
めるときは、上記缶を持つている手を操作ハンド
ルの操作時、即ち、缶送りギヤーによつて缶が回
動される寸前にタイミングよく缶から手を放さな
いと、缶と缶切機本体との間に手が挾み込まれて
怪我をするという虞れがあつた。

本考案は上述の欠点を除去して、大型で重量の
ある缶を切開する場合でも、小型缶と同様に缶の
蓋の切開作業を一人で迅速容易に、かつ安全に行
えるようにした電気缶切機を提供するもので、以
下本考案の実施例を図により説明すると、１は電
気缶切機の本体で、前面板２と、この前面板２の
背部に取外し可能に取付けたハウジング３とから
なり、このハウジング３の後部には電動機４が装
着されている。５は電動機４と駆動結合されて本
体１内に設置された減速歯車群で、その最終歯車
の歯車軸５ａ先端は前面板２の外側に突出されて
その突出端に缶送りギヤー６が装着されている。
７は上記缶送りギヤー６と対向する位置に円形の
カツター８を回転自在に取付けた操作ハンドル
で、この操作ハンドル７はその前方において本体
１側に突設した枢軸９を前面板２に回動自在に枢
着することにより、上記操作ハンドル７は、枢軸
９を中心として本体１前面に、カツター８が缶送
りギヤー６に対して遠近し得る状態で回動自在に
取付けられる。１０は操作ハンドル７に、上記枢
軸９の取付位置と反対側において取付けられた缶
押えばね、１１は缶押ばね１０の下部と同一線上
に位置において、前面板２にその前方に向けて突
設された缶押え棒、尚、缶押え棒１１はカツター
８の前方において操作ハンドル７に突設させても
よい。１２は本体１の前面板２に缶送りギヤー６
の下方において横長に膨出形成された缶受突起、
１３は鉄板をＬ字型に折り曲げて形成した缶切機
受台で、その缶切機受台１３の垂直部上端は、更
に、本体１の前方側に水平に折り曲げられて支持
部１３ａが設けられ、この支持部１３ａに缶受突
起１２の下側縁を当接して上記支持部１３ａをね
じ１４により缶受突起１２に締着することによ
り、本体１は缶切機受台１３に、第２図に示す如
く載置固定される。１５は缶切機受台１３の前面
下部に取付けられた缶Ｃのガイド板で、横幅が缶
切機受台１３とほぼ同幅をなした肉厚な鉄板を第
４図に示すように、ブルドーザの排土板の如くゆ
るやかな傾斜面が得られるようにはぼノ字型に湾
曲させて形成され、その取付けは、湾曲部の下方
端を床面１６に当接させた状態で缶切機受台１３
の前面にねじ等にて止着されている。又、このガ
イド板１５の湾曲部下方端は、第４図に示すよう
に、その両端部を除いてカツターの刃部のよう
に、肉薄状に切削されて案内部１５ａが設けられ
ている。

尚、上記ガイド板１５は缶切機受台１３に取付
ける代りに、本体１の前面下部に直接設置するよ
うにしてもよく、この場合、本体１はその高さ
を、缶Ｃをセツトしたとき、缶Ｃがガイド板１５
や、床面１６に接触しない高さに製せられている
ことは云うまでもない。

又、ガイド板１５自体は缶切機受台１３あるい
は本体１に取外し可能に係止させて、缶切機の保
管時、その設置スペースを縮少させるようにして
も本考案は成立するものである。

本考案は上述のように、電気缶切機の本体１前
面下部に、縦断面がノ字型をなした弧状のガイド
板１５を、その湾曲部先端が床面１６に当接する
如く取付けられておるので、今、大型で重量のあ
る缶Ｃの蓋Ｃ１を切開する場合は、第３図Ａに示
すように、缶Ｃを本体１の前方にもつてきて、片
方の手で本体１をおさえながら、もう一方の手を
缶Ｃの胴部にあてがい、この状態で缶Ｃの下部巻
締部Ｃ３をガイド板１５の案内部１５ａ上に載せ
て、缶Ｃを本体１側に強く押すと、上記缶Ｃは、
下部巻締部Ｃ３がガイド板１５の傾斜面に沿つて
第３図Ｂに示すように滑動して上動し、第３図Ｃ
に示すように、缶Ｃはその下部巻締部Ｃ３がガイ
ド板１５と当接し、かつ、胴部が缶受突起１２に
受け止められて、本体１の反対側に傾斜した状態
となる。この状態で缶Ｃの胴部を缶受突起１２に
押つけながら缶Ｃの上部の巻締部Ｃ２を徐々に本
体１側に移動させながら缶Ｃ自体をその自重を利
用して少しづつ降下させて、上記缶Ｃ上部の巻締
部Ｃ２下端縁を、第３図Ｄに示すように、缶送り
ギヤー６上に係載させる。この結果、缶Ｃは下部
巻締部Ｃ３がガイド板１５と接衝することなく本
体１にセツトされる。このあと、缶Ｃは缶受突起
１２に強く押しつけなくても、缶Ｃの巻締部Ｃ２
が缶送りギヤー６に係載されているので、缶Ｃは
缶送りギヤー６から脱落しない程度に手で支えて
いればよい。この際、缶Ｃの重量はその大部分が
ガイド板１５に加わるため、本体１が缶Ｃ側に転
倒するような虞れがあるときは、缶切機受台１３
の水平部におもりをあらかじめ取付けておくか、
あるいはガイド板１５自体の傾斜面を長くして、
ガイド板１５の湾曲部先端が缶Ｃの底部中央附近
まで延出させるようにして、缶切機本体１が転倒
するのを防止するようにしてもよい。尚、缶Ｃを
本体１にセツトする場合、操作ハンドル７は枢軸
９を中心として上方に引き上げられていて、カツ
ター８が缶送りギヤー６の斜め上方の位置にあら
かじめ移動させておく。上述のようにして、缶Ｃ
を本体１にセツトした後、操作ハンドル７を降下
させてカツター８を缶Ｃの巻締部Ｃ２内側の蓋Ｃ
１に切込ませる。この結果、缶Ｃはカツター８と
缶送りギヤー６との間で挾持されるので、缶Ｃか
ら手をはなしても缶Ｃは本体１から脱落すること
はない。このカツター８が蓋Ｃ１に切込まれると
同時に操作ハンドル７によつて図示しないスイツ
チが投入されて電動機４を起動し、缶送りギヤー
６を回転させる。缶送りギヤー６の回転により、
缶Ｃは回転し、カツター８にて蓋Ｃ１を切開する
ものである。切開後は、缶Ｃを再び手で支えなが
ら、操作ハンドル７を反対側の手で上方に引き上
げて、先づカツター８を缶Ｃから外す。このあ
と、缶Ｃの胴部を缶受突起１２に垂直に当接させ
ながら、缶Ｃの巻締部Ｃ２を缶送りギヤー６から
外し、缶Ｃをそのセツト時とは逆の操作によつて
徐々にガイド板１５のスロープに沿つて降下させ
ながら床面１６に降ろして切開作業を終了する。
つづいて、次の缶を切開する場合は、上述した切
開動作に従つて切開すればよいので、説明は省略
する。

尚、片手で持つことのできる缶を切開するとき
は、第５図に示すように、缶C′を従前と同様に
片手でもつて切開すればよい。

本考案は大型で重量のある缶Ｃを、本体１の前
面下部に設けたガイド板１５を利用して、缶Ｃを
片手操作により上動させたり、降下させたりする
ことができるため、従来のように、二人がかりで
大型缶を切開する必要は全くなく、一人で容易に
缶Ｃの切開を行うことができる。又、缶Ｃのセツ
トに当つては、缶Ｃそのものを持ち上げる必要は
なく、ガイド板１５に沿つて上、下動させればよ
いので、大型で重量のある缶でも、大きな力を要
することなく、簡易に、かつ、安全に電気缶切機
にセツトすることができる。又、ガイド板１５に
は刃部のような案内部１５ａが設けてあるので、
缶Ｃは容易にガイド板１５との接触が可能とな
り、しかも、ガイド板１５自体は鉄板を弧状に湾
曲させたものを缶切機の下部にねじを用いて取付
けるだけの簡単な構造であるため、経済的に製作
でき、電気缶切機そのものの価格を余り上昇させ
ることがない等実用上優れた効果を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考電気缶切機の正面図、第２図は１
部切欠側面図、第３図Ａ乃至Ｄは本案電気缶切機
において、缶を缶切機本体に取付けるための動作
説明図、第４図はガイド板の斜視図、第５図は本
考案の他の実施例を示す側面図である。 １……本体、４……電動機、６……缶送りギヤ
ー、７……操作ハンドル、８……カツター、１２
……缶受突起、１５……ガイド板、Ｃ……缶。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体の前面には電動駆動される缶送りギヤー
   と、この缶送りギヤーと対向する位置に缶の蓋を
   切開するカツターを有して枢軸を中心として本体
   前面を上下に本体に沿つて回動する操作ハンドル
   とを備え、上記操作ハンドルを下降操作させて缶
   送りギヤー上に係載された缶の蓋にカツターを切
   込ませて缶の蓋を切開するようにした電気缶切機
   において、上記電気缶切機の本体前面の下部に、
   切開する缶を缶送りギヤーの方向に案内する弧状
   のガイド板を取付けて成る電気缶切機。