JPS6129418Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は複数個の内刃小刃をパイプで一体に
並設保持してなる内刃体を外刃の内面に摺動させ
る往復動電気かみそりに関するものである。

従来のこの種かみそりでは、内刃体を内刃体ホ
ルダに保持させ、この内刃体ホルダの下面に形成
された係合孔部を、偏心装置で往復動される駆動
子の上面に突設した駆動杆の先端に係合させるこ
とにより、上記駆動子の動力を上記内刃体ホルダ
を介して内刃体に伝達させるようになつており、
さらに上記駆動杆に装着されたコイルばねのばね
力を上記内刃体ホルダに付勢して、内刃体を上下
動できるように弾性支持する構成である。

ところで、剪断時の毛屑は内刃体の内刃小刃間
に付着するのみならず、内刃体ホルダの下側にも
飛散して付着するのも多く、この部分の毛屑は偏
心装置やモータ側へ至らぬうちに、除去しておく
のが好ましい。

しかるに、上記の構成では、内刃体の押し上げ
用のコイルばねが駆動杆に装着されているから、
上記内刃体ホルダの下側に飛散した毛屑は上記コ
イルばね内にも入り込み、このため毛屑の除去が
煩しく、そのままに放置され勝ちである。

この考案は上記駆動杆に内刃体押し上げ用コイ
ルばねを装着することを止め、内刃体を内刃体ホ
ルダに対して上下動自在に弾性支持させるように
して、毛屑の除去が容易に行なえる往復動電気か
みそりを提供することを目的とする。

以下、この考案の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

第１図において、１１は合成樹脂などからなる
本体ケース、１２は上記ケース１１内に収納され
たモータで、ねじ体１３，１３などで上記ケース
１１の上壁に堅固に固定されている。１４は上記
モータ１２の回転軸１５に固定された偏心基体
で、偏心軸１６が突設されている。１７は上記本
体ケース１１の上壁面に左右方向（矢印ａ，ｂ方
向）へ摺動自在に配設された駆動子である。この
実施例では上記駆動子１７の摺動を無理なく行な
わせるため、駆動子１７の下面と本体ケース１１
の上壁面との間に鋼球１８を介在してある。１９
は上記駆動子１７の下面に形成されて上記偏心軸
１６を嵌合させる軸受部、２０は上記駆動子１７
の上面に突設された駆動杆で２１は上記駆動子１
７を被うカバーである。この駆動子カバー２１は
上記モータ取付用ねじ体１３，１３でもつて本体
ケース１１に固定されており、その裏側面に形成
したねじ体挿通用の中空ボス部２２，２２が上記
駆動子１７のガイド体を兼務している。

２３は内刃体であり、たとえば円形の複数個の
内刃小刃２４およびこれら内刃小刃２４を串し刺
し状に保持する金属製、たとえば真鍮のパイプ２
５からなり、このパイプ２５の両端開口部２５
ａ，２５ｂ内には、鋼球のような転動子２６，２
６が絞り加工などで突没可能に保持されている。
２７は上記パイプ２５内に配設された弾発体、た
とえばコイルばねであり、上記転動子２６，２６
に対して軸方向外方への弾発力を付勢している。

２８は内刃体ホルダで、左右両端部には立壁部
２９，２９が形成されており、各立壁部２９，２
９の対向面には、第２図に明瞭に示すように上記
転動子２６，２６を介して内刃体２３を係止する
係合凹部３０，３０がそれぞれ形成され、さらに
上記係合凹部３０から内方へ下降して上記転動子
２６，２６の転動支持面を構成するテーパ面３
１，３１が形成されている。３２は上記係合凹部
３０からテーパ面３１まで上記転動子２６をガイ
ドさせるガイド溝である。（第３図）。３３は上記
内刃体２３の装着時に転動子２６，２６を上記係
合凹部３０までスムーズに導入させるためのテー
パ面である。上記内刃体ホルダ２８の下面には凹
入部３４が形成されており、この凹入部３４に上
記駆動杆２０の先端部が嵌合されている。３５は
外刃３６を保持した外刃ホルダであり、上記本体
ケース１１の上端に装着されており、この装着状
態では、上記外刃３６の内面に内刃体２３が圧接
するように接定されている。

上記構成において、皮膚からの押込力が外刃３
６を介して内刃体２３に付勢されると、パイプ２
５の両端の転動子２６，２６が内刃体ホルダ２８
の係合凹所３０，３０からテーパ面３１，３１ま
で摺動し、これに伴つて上記パイプ２５内のコイ
ルばね２７，２７が圧縮されるため、上記押込力
に対抗する弾性反力を上記内刃体２３に生起させ
ることができ、すなわち、第４図のように外刃３
６の変形に応じて内刃体２３を弾性的に上下動さ
せることができる。

ここで、内刃体ホルダ２８の下側に毛屑が飛散
したとしても、この部位には、内刃体押上用のば
ねが装着されていないため、毛屑の除去が容易に
行なえる。

さらに、この実施例では、内刃体２３を構成す
る内刃小刃２４が円形状であり、その中心をパイ
プ２５で支持させてあるから、内刃体２３は内刃
体ホルダ２８に対して上記パイプ２５の両端の転
動子２６，２６を介して点接触で軸廻り可能であ
り、このため外刃３６の押し込み方向によつては
上記内刃体２３が回転して外刃３６の内面に対す
る接触が常に変ることになり、したがつて切れ味
も向上する。

第５図は他の実施例を示し、内刃小刃２４を２
本のパイプ２５，２５で支持させたもので、この
場合は、内刃体２３が内刃体ホルダ２８に対して
４点支持で保持されるため、第６図のように皮膚
Ｍからの押込力Ｆによつて傾いた方向にパイプ２
５内のコイルばね２７の弾発力が大きく付勢され
ることになり、換言すれば外刃３６の皮膚Ｍに押
し込まれた部位が他の部位での反力F″より大き
な反力F′を生じて効果的な剪断が行なえる。

以上のように、この考案は内刃体ホルダをその
下方からコイルばねなどで支持させずに、内刃体
を内刃体ホルダに対して弾性的に上下動可能に支
持させることにより、毛屑の除去が容易に行なえ
る往復動電気かみそりを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る往復動電気かみそりの
一例を示す一部破断正面図、第２図は同電気かみ
そりの要部を示す斜視図、第３図はガイド溝の断
面図、第４図は同作用説明図、第５図は他の実施
例の説明図、第６図は同作用説明図である。 ２３……内刃体、２４……内刃小刃、２５……
パイプ、２５ａ，２５ｂ……両端開口部、２６…
…転動子、２７……弾発体、２８……内刃体ホル
ダ、２９……立壁、３０……係合凹所、３１……
テーパ面、（軸動支持面）、３６……外刃。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製のパイプ２５で複数個の内刃小刃２４を
   串し刺し状に支持してなる内刃体２３を外刃３６
   の内面に摺接させる往復動電気かみそりにおい
   て、上記のパイプ２５の左右両端開口部２５ａ，
   ２５ｂにこのパイプ２５内に配設した弾発体２７
   による軸方向外方への弾発力が付勢された転動子
   ２６，２６をそれぞれ突没可能に保持させ、内刃
   体ホルダ２８の左右両端に突設された立壁２９，
   ２９の対向面に上記転動子２６，２６に係脱可能
   に係止される係合凹所３０，３０ならびにこれら
   各係合凹所３０から内方へ下降して上記転動子２
   ６，２６の転動支持面を構成するテーパ面３１を
   形成した往復電気かみそり。