JPS6127162B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、騒音、振動を可及的に減じ、木材
の拡散を広範囲にし、かつ設置を簡易にした木材
剥皮バーカーに関するものである。

従来木材の剥皮に使用するバーカーは回転ドラ
ム型のものが、最も一般的であつた。すなわち、
回転する円筒ドラム内に皮のついた状態の木材を
投入して、ドラムの回転によつて木材をドラム内
周面に沿つて上方に持ち上げ、落下した際に木材
と他の木材が衝突し、またこすり合つて剥皮作用
が行われることになるのである。つまり、投入さ
れた木材が、回転ドラム内において互いに乱舞す
るようにして衝突、こすり合いをくり返しつつ皮
が剥離されるのである。

したがつてこのような従来のドラム型バーカー
にあつては、投入する木材は、乱舞を行いやすく
するために、木材を短尺に切断したものを投入し
なければならず、例えば、その長さはせいぜい１
〜1.5ｍ程度にしなければならないのみならず、
ドラム内において木材がはげしい乱舞をくり返す
ために、作業中に生ずる騒音ははげしく、かつ振
動もはげしいのであつた。このように騒音のはげ
しいものは、騒音規制の厳格になつた今日、その
使用場所も非常に限定されてきている。また、前
記のように強烈な振動が生ずるため、この装置を
すえ付けるために、確固とした基礎を構築しなけ
ればならず、基礎構築に要する費用もさることな
がら、簡単に装置を移動することができない等の
不都合も有していたのである。このような問題を
解決するものとして、例えば特公昭45―28528号
公報の内容のようなものが存在する。しかし、同
公報からも明らかなように、１本の回転軸に回転
刃が取付けられた構造のものであつたため木材は
円筒の内部において一方向へ偏つたり、あるいは
その往復運動をするだけの移動しかしないことに
なる。木材の剥皮作用を奏するために、円筒内に
おいて四方八方へ木材が拡散し、その際に木材相
互がこすり合うという工程をも必要とするのであ
り、しかもこのようにしなければ回転刃に、投入
された木材の全部が同時に接し、そのときに回転
刃の受ける負荷はきわめて大きいものになつてし
まうのである。

そこでこの発明は木材剥皮槽の下面に、この木
材剥皮槽の長手方向に並列する長孔を多数穿設
し、この長孔の下部に、前記木材剥皮槽の下方
に、相隣り合うものの回転方向が反対となる複数
の回転軸を前記木材剥皮槽と並列に配設し、この
回転軸に前記長孔を経由して木材剥皮槽の内外に
出没する回転刃を配設し、且つ回転刃が回転時に
木材剥皮槽内壁となす角が常に鈍角であるように
し、また回転刃を青竜刃状に形成するとともに、
この回転刃の回転軸に対する配設角度を順次位相
をずらして配設して、回転刃を回転させることに
より、木材を拡散させつつ剥皮作用を行うように
し、又、木材剥皮槽の中央にこの木材剥皮槽と並
列な高速回転刃物軸を配設して高速回転刃物軸に
より剥皮作用を助長させるようにし、騒音や振動
を可及的に減じ、その結果、設置のための格別の
基礎も不要とし、且つ耐久性の高い木材剥皮バー
カーを提供することを目的として開発したもので
ある。

次にこの発明にかかる木材剥皮バーカーの一実
施例を図面に基づいて説明すると、１は円筒状又
は断面逆台形状に形成した木材剥皮槽であり、２
はこの木材剥皮槽１の下面に、木材剥皮槽１の長
手方向に沿つて所望間隔をおいて並列に穿設した
長孔である。３は、木材剥皮槽１の下方に木材剥
皮槽１の長手方向に沿つて配設した長尺な回転軸
であり、この回転軸３は、その端部に配設したプ
ーリーとベルトを介して前記回転軸３の駆動用モ
ーターに連結してある。またこの回転軸３は、相
隣り合うものの回転方向が互いに反対になるよう
に複数本存在し、本実施例においては２本として
ある。４は、前記回転軸３に固定し、かつ前記長
孔２を経由して、木材剥皮槽１の外部から内部に
出没する回転刃であり、この回転刃４は木材の剥
皮作用を行うものであるから前記のように木材剥
皮槽１内において木材に接するものであればよい
のであるが、接したときの抵抗をやわらげるため
に図示するような青竜刃状に形成してあり、かつ
その刃は剥皮を確実なものにするために鋸刃にし
てある。またこの回転刃４は、その回転時におい
て回転方向にて木材剥皮槽１内壁とのなす角が常
に鈍角であるような形状になつている。さらにこ
の回転刃４は、これ自体木材の移動をも促すもの
であるから、回転軸３に対する配設角度を順次位
相をずらしてある。またこの回転刃４を、螺旋状
（スクリユー羽根状）にすると、移動を助長する
により一層効果的である。５は、表面に剥皮刃６
を有し、木材剥皮槽１の中央長手方向に配設した
高速回転刃物軸であり、この刃物軸５の一端には
プーリーを配設し、ベルトを介してモーターに連
結されている。

しかしてモーターを駆動して回転刃４及び回転
刃物軸５を回転せしめる。そして木材を木材剥皮
槽１内に投入すると、この木材は回転刃４の回転
によつて上方にすくい上げられるようになり、し
かもこの回転方向に向つて拡散され、これをくり
返すことにより剥皮作用を受けるのである。これ
によつて一応の剥皮作用は受けうるのであるが、
これで十分でないときは、上方にすくい上げられ
た木材が、やがて上方において回転している回転
刃物軸５に接して、残余分も剥皮されることにな
るのである。尚、回転刃４が木材剥皮槽１となす
角は常に鈍角であるので、剥皮作業中に木材が回
転刃４と木材剥皮槽１の内壁間に挾まれてしま
い、運転を中止しなければならなくなるようなこ
とがない。また回転刃４の回転軸３に対する配設
角度を位相をずらして配設しておくと、この回転
刃４によつてすくい上げられる木材の状態は、あ
たかもシーソーのように前方と後方で上下状態が
逆になるので、木材は順次移動することにもな
る。移動することによつて木材の全長にわたつて
回転刃４及び回転刃物軸５が作用することになる
のである。そして剥皮された皮は、前記長孔２か
ら木材剥皮槽１の外部に排出される。剥皮が終了
した時点で木材を取り出せばよいのである。

前記のように、この発明にかかる木材剥皮バー
カーによれば、従来のドラム型バーカーのよう
に、木材と木材の衝突により剥皮する方式ではな
く、また木材が上下に乱舞しながら剥皮される方
式でもなので、剥皮作用中に生ずる騒音や振動が
上記従来のものに比してはるかに小さく、かつ振
動が小さいために、装置全体の設置のために格別
の基礎構築を設ける必要もなく、したがつて設置
それ自体もさることながら、除去、移動も簡易に
行うことができる。また回転刃により剥皮を行う
ので、従来の回転ドラム型バーカーのように必ず
しも円筒状にする必要がないので木材剥皮槽を任
意形状に設計でき、工作の容易化がはかれるので
ある。さらに、回転刃の回転方向が異なるので、
これに接した木材は、拡散された状態ですくい上
げられることになり、剥皮効率は助長される等の
効果を有するのである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明にかかる木材剥皮バーカーの実
施例を示すもので、第１図は要部を示す縦断面
図、第２図は第１図のＡ―Ａ線断面図、第３図は
回転軸と回転刃の位相の状態を示す正面図、第４
図は他例を示す断面図である。 １…木材剥皮槽、２…長孔、３…回転軸、４…
回転刃、５…高速回転刃物軸、６…剥皮刃。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 木材剥皮槽の下面に、この木材剥皮槽の長手
   方向に並列する長孔を多数穿設し、この長孔の下
   部に、前記木材剥皮槽の下方に、相隣り合うもの
   の回転方向が反対となる複数の回転軸を前記木材
   剥皮槽と並行に配設し、この回転軸に前記長孔を
   経由して木材剥皮槽の内外に出没する回転刃を配
   設し、且つ回転刃が回転時に木材剥皮槽内壁とな
   す角度が常に鈍角であることを特徴とする木材剥
   皮バーカー。 ２ 木材剥皮槽の中央にこの木材剥皮槽と並行な
   高速回転刃物軸を配設するとともに、木材剥皮槽
   の下面に、この木材剥皮槽の長手方向に並列する
   長孔を多数穿設し、この長孔の下部に、前記木材
   剥皮槽の下方に、相隣り合うものの回転方向が反
   対となる複数の回転軸を前記木材剥皮槽と並行に
   配設し、この回転軸に前記長孔を経由して木材剥
   皮槽の内外に出没する回転刃を配設し、且つ回転
   刃が回転時に木材剥皮槽内壁となす角度が常に鈍
   角であることを特徴とする木材剥皮バーカー。 ３ 木材剥皮槽の下面に、この木材剥皮槽の長手
   方向に並列する長孔を多数穿設し、この長孔の下
   部に、前記木材剥皮槽の下方に、相隣り合うもの
   の回転方向が反対となる複数の回転軸を前記木材
   剥皮槽と並行に配設し、この回転軸に前記長孔を
   経由して木材剥皮槽の内外に出没する回転刃を青
   竜刃状に形成するとともに、この回転刃の回転軸
   に対する配設角度を順次位相をずらして配設した
   ことを特徴とする木材剥皮バーカー。 ４ 回転刃の刃を鋸刃にした特許請求の範囲第１
   項，第２項及び第３項のいずれか記載の木材剥皮
   バーカー。