JPH0420761B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 従来、機枠に横架した木材収納体の下部に回転
軸を木材収納体と平行に架設し、前記回転軸に多
数の叩打体を枢着し、該叩打体が前記木材収納体
の下面に穿設したスリツトを通過するようにした
皮剥機は既に知られている。

しかし、前記叩打体は木材の周面を強く叩打す
るので、木質部を損傷すると共にその衝撃により
叩打体の駆動部が破損することがあり、また、前
記叩打体が木材を叩打した時、叩打体が反力によ
り戻つてしまうので、木材の転動及び循環が悪
く、特に重量の大なる木材は移動せず、一部のみ
が著しく損傷し他の部分に樹皮が残る欠点があつ
た。

また、下部が開口した固定型収納体の下部に回
転体を軸支し、該回転体の外周に、板面が回転方
向に沿う板状の皮剥歯の両端を回転体の軸芯方向
と平行な支軸で装着した皮剥機は特開昭57−
185106号公報により既に提案した。

更に、外周面に多数の皮剥歯を突設した回転体
を固定型収納体の下部開口部に臨ませたものはス
エーデン特許1881464号明細書により古くから知
られている。

しかし、前記皮剥機において、皮剥歯が摩耗し
た時、前者は皮剥歯全体を交換しなければならな
いので不経済であり、かつ面倒であり、後者は交
換することができなかつた。

本発明は前述の諸欠点を改善すると共に皮剥歯
が重量の大なる大径木に衝突しても、その衝撃力
に確実に対向し得る皮剥機を提供せんとするもの
であつて、上部が開口した木材収納体１を機枠に
横架して固定し、該木材収納体の下部を略全長に
亘つて開口させ、その下方に横架したドラム状の
回転体の一部を前記開口部から木材収納体内に侵
入させ、前記回転体の外周面に、多数の板状の皮
剥歯をその板面が略回転方向に沿うようにして固
定した皮剥機において、前記皮剥歯を、回転体の
外周面に固定した台板と、該台板の頂部に重合さ
せた歯先板とで構成すると共にそれらの重合面に
相互に係合する凹凸を設けていんろう嵌合し、前
記歯先板の頂面から台板にボルトをねじ込んで着
脱可能に締着したことを特徴とするものである。

以下、図面に示す実施例について説明すると、
１は機台２に送出し側が低くなるように横架した
木材収納体（以下収納体という）であつて、これ
を２基直列に接続し、それらの下部には略全長に
亘る開口部３をそれぞれ穿設し、上手側にある収
納体１の始端側上部に設けた投入口には側方へ張
り出したホツパー４が取付けてあり、この収納体
１を上方がＶ字状に拡開する左右の側板と前後の
端板とで構成しても良く、この場合も前記ホツパ
ー４を始端側上部に設けるものである。

また、前記収納体１の開口部３はその長さ方向
からみて収納体１の上下方向の中心線から側方
（ホツパー４と反対側）へ変位しており、その下
部に軸支したドラム状（標準で半径730mm）の回
転体５の上部を開口部３に挿入し、該回転体５の
外周面に回転方向下手側が次第に高くなると共に
鋸刃状の歯６ａ…を有する多数の高い皮剥歯６…
（ａはその回転軌跡）を熔接又はボルトによりス
パイラル状に取付けてある。但し、第５図ｂに示
すように前記皮剥歯６…の列の中間部に該皮剥歯
６の1/2〜2/3の高さの皮剥歯７…を前記皮剥歯６
列と同じリード角でスパイラル状に配設すると、
曲がつた木材が回転体５上に斜めに乗つた時、図
示のように両端が低い皮剥歯６…で剥皮され、中
間部は高い皮剥歯７…により剥皮され、一端のみ
が高い皮剥歯６に乗つた時、中間部は低い皮剥歯
７により剥皮される。このような剥皮を行なうに
は、各歯列のピツチＰ（標準で2400mm）を木材の
長さと略等しいか乃至はやや短くする。

例えば、厚さ22mmの板体で皮剥歯６及び７を構
成した場合、最も高い部分の高さを高い皮剥歯６
は100mm〜120mmとし、低い皮剥歯７は50〜60mmと
するか、乃至は67〜80mmとしてある。

前記皮剥歯６又は７は高硬度の鋼材を用いても
又は硬化処理をしても摩耗するので、第７図ａ，
ｂ，ｃに示すように回転方向後部が高くなつた略
三角形状の台板８を回転体５の外周面に熔接し、
多数の歯６ａを有する歯先板９を上記台板８の外
周に載せて重合するのに、台板８の外周面に穿設
した板面と平行な凹溝に歯先板９の底面に穿設し
た板面と平行な突条７をいんろう嵌合させ、該歯
先板９を頂面側から台板８に向かう複数のボルト
１０…で着脱可能に螺着するか、台板８を第８図
に示すように上面が階段状になつていて全体とし
て三角形状をなす形状に形成し、外周面及び底面
が階段状になつた歯先板９の底面を上記台板８の
外周面に密にいんろう嵌合し、歯先板９はその頂
面から挿入した複数のボルト１０で台板８に着脱
可能に締着してあり、歯先が摩耗した時、歯先板
９を容易に交換して僅からコストで短時間のうち
に剥皮性能を向上することができ、かつ、大径木
を皮剥歯６，７で押し上げるとき、台板８を三角
形状にした場合は更に確実に受止めることがで
き、第７図に示す如く板面と平行な凹凸をいんろ
う嵌合した場合は横ずれをも防止することができ
る。なお、第５図ａ中鎖線で示すＹは傾斜させた
皮剥歯である。

また、木材の樹種又は伐採時期等により樹皮は
剥離しがたい時、若くは木材の量が少ない場合等
は後位の収納体１の排出口１ｃに設けたシヤツタ
ー１３をモーター１４によりチエン１５を介して
上昇させることにより排出を阻止し、所謂バツチ
式にして剥皮処理時間を長くするものにおいては
排出口１ｃ寄りにある皮剥歯６，７を前述のもの
とは逆に回転方向前位側が排出口１ｃ側へ偏角さ
せると、それらの逆向きの皮剥歯６，７が排出口
１ｃに向けて移動してくる木材を押し戻すことと
なり、木材が排出口１ｃの近傍のみに集積される
ことがなく、分散して良好な剥皮を行なうことが
できる。

更に、前記収納体１の一側下部１ａ（皮剥歯６，
７が上昇しながら収納体１に侵入する側）は回転
体５の最上部と対向する部位から軸芯と略等しい
位置まで下降傾斜しており、他側下部１ｂは回転
体５の上下方向の直径から外側に少し離れた部位
まで緩やかな傾斜で弯曲しながら下降しており、
一側下部１ａ及び他側下部１ｂの下縁には前記皮
剥歯６，７が通過するスリツト１６…が穿設して
あるので、各皮剥歯６，７…は急傾斜になつてい
る前記一側下部１ａのスリツト１６から収納体１
内に侵入し、他側下部１ｂから脱出する。

前後に一連になつている前記回転体５，５の端
部内周面には、第４〜５図及び第９図に示すよう
に軸芯方向からみて放射状に配列された複数の矩
形状板１７…を介して軸１８…が固定してあり、
該軸１８…は機台２に軸受１９…で軸支されてお
り、それらの回転体５，５の間の上部は第９〜１
０図に示すように回転体５の外周面と一致する円
弧状のカバー２０により覆い、軸１８，１８の回
転体５，５寄り及び一方の軸１８の突出部には、
外周に皮剥歯６と同様な歯を複数形成した皮剥円
板２１…を固定してあり、軸１８の端部に固定し
た皮剥円板２１は前記カバー２０に穿設したスリ
ツト２２から上方へ突出し、回転体５，５寄りの
皮剥円板２１，２１はカバー２０と回転体５，５
の端部との間隙２３，２３から上方へ突出してい
るので、木材が一方の収納体１から他方の収納体
１に移行するのを助長しながら剥皮処理する。

また、回転体５の排出側に設けたカバー２４は
軸芯方向からみて前記カバー２０と同一形状をな
しているが、その下方の凹部２４’には側面視で
第１図に鎖線で示すように始端が凹部２４’の谷
部２４”に嵌入し、終端は該谷部２４”の深さｌ
の2/3の位置まで上昇する高さになり、平面視で
は三角形状になつているガイド板２５が熔接して
あるので、排出される木材はその端部が前記谷部
２４”に付き刺さつて起立することがなく順次滑
り案内されながら円滑に排出される。

更に、２基の収納体１，１を連設する場合、回
転体５，５の接続部の軸１８，１８を軸受１９，
１９で支持すると、回転体５，５の間隔が広くな
つて前記カバー２０の幅を大にしなければなら
ず、その分だけ皮剥機全体が大型化すると共に木
材が下手側の収納体１に移行するのが不円滑にな
るから、前記回転体５，５の端部内に補強用の
板、又は杆材を放射状に熔接し、端部外周を第４
図ｂに示すように少なくとも三方からローラー３
０…で支持すると、回転体５，５の端部を接近さ
せて支持することができ、前記カバー２０を２列
のローラ３０…上を覆うことができる狭いものに
形成し得て装置の全長が短くなると共に木材の移
行が円滑になる。

前述の皮剥機において、投入コンベア又はリフ
ト等により原木をホツパー４から収納体１に投入
すると、皮剥歯６，７は収納体１の急傾斜になつ
ている一側下部１ａのスリツト１６から収納体１
内に侵入して木材を他側に向けて押し上げながら
剥皮し、、その際、回転体５は木材を支持して回
転しており、皮剥歯６，７が他側下部１ｂに到達
すると、その側のスリツト１６から脱出し、木材
は後続の木材により押されて前記他側下部１ｂで
掬い上げられると共に皮剥歯６…により跳上げら
れ、一側下部側に向けて転動し、その間に前述の
第５図ｂに示す剥皮処理が施されて再度一側下部
１ａに入つて剥皮される。

そして、上手側の収納体１の終端において、木
材がカバー２０に乗り上げると、皮剥円板２１…
が皮剥を行ないながら移動を助長するので、木材
は円滑に下手側の収納体１に移行し、前述と同様
な剥皮処理される。

この下手側にある剥皮部の皮剥歯６…のうち排
出口よりのものを皮剥歯７程度に低くするか、又
は歯６ａ…を小さくすると、木質部を損傷させる
ことがなく残つた樹皮を剥ぎ取る仕上剥皮を行な
うことができ、皮剥処理された木材はカバー２４
とガイド板２５とに案内されて排出口１ｃから排
出され、排出コンベア３０に落入したところで選
別して樹皮の残つた木材をリターコンベア３１に
載せてホツパー４に返送して再処理する。

また、スリツト１６及び回転体５と収納体１と
の間から落下した樹皮は下方に張設したコンベア
３２により搬出される。

このような剥皮作業を行なつて皮剥歯６，７…
が摩耗したならば、第７〜８図等に示す方式で交
換すると剥皮効率が簡単な操作で一挙に向上す
る。

本発明は前述のように上部が開口した木材収納
体１を機枠に横架して固定し、該木材収納体１の
下部を略全長に亘つて開口させ、その下方に横架
したドラム状の回転体５の一部を前記開口部から
木材収納体１内に侵入させ、前記回転体５の外周
面に、多数の板状の皮剥歯６…をその板面が略回
転方向に沿うようにして固定した皮剥機におい
て、前記皮剥歯６…を、回転体５の外周面に固定
した台板８と、該台板８の頂部に重合させた歯先
板９とで構成すると共にそれらの重合面に相互に
係合する凹凸を設けていんろう嵌合し、前記歯先
板９…の頂面から台板８にボルトをねじ込んで着
脱可能に締着したので、皮剥歯６…の歯先が摩耗
した時、台板８はそのまゝとし、頂面側からボル
ト１０を抜き差しすることと重合部をいんろう嵌
合することとが相俟つて歯先板９を台板８に対し
て適切な関係位置に容易かつ簡単に位置決め締着
して交換することができ、また、皮剥処理中に重
量の大なる木材を皮剥歯６で押し上げる時、歯先
板９が板面と直交すると共に外周面から回転体に
向けて大なる衝撃を受けても、歯先板９の底部が
いんろう嵌合した台板８の凹凸により受止められ
ることとなり、歯先板９が台板８に対してずれた
り、ボルト１０が折れたりすることなく、前記大
きな衝撃に対抗した状態で確実な皮剥を行なうこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであつて、
第１図は皮剥機の平面図、第２図は同上側面図、
第３図は同上正面図、第４図ａは同上横断面図、
ｂ回転体支持装置の他の例を示す断面図、第５図
ａは回転体の一部断面を示す側面図、第５図ｂは
他の例の斜視図、第６図は第５図ａのＡ−Ａ矢視
図、第７図ａは皮剥歯の一部を破断した正面図、
ｂは同上平面図、ｃは同上断面図、第８図は別の
皮剥歯の一部を破断した正面図、第９図は一部を
破断した要部の側面図、第１０図は木材収納体の
接続部のＢ−Ｂ矢視図、第１１図は排出部の背面
図である。 １…木材収納体、５…回転体、６，７…皮剥
歯、１８…軸、２０，２４…カバー、２１…皮剥
円板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上部が開口した木材収納体１を機枠に横架し
   て固定し、該木材収納体１の下部を略全長に亘つ
   て開口させ、その下方に横架したドラム状の回転
   体５の一部を前記開口部から木材収納体１内に侵
   入させ、前記回転体５の外周面に、多数の板状の
   皮剥歯６…をその板面が略回転方向に沿うように
   して固定した皮剥機において、前記皮剥歯６…
   を、回転体５の外周面に固定した台板８と、該台
   板８の頂部に重合させた歯先板９とで構成すると
   共にそれらの重合面に相互に係合する凹凸を設け
   ていんろう嵌合し、前記歯先板９…の頂面から台
   板８にボルトをねじ込んで着脱可能に締着したこ
   とを特徴とする皮剥機。