JPS6126797B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明の主題は、次の一般式 （ここでＲは水素原子、１〜４個の炭素原子を含
有するアルキル基又はテトラヒドロピラニル、ト
リチル若しくはトリメチルシリル基を表わす） のステロイドにある。

Ｒがアルキル基を表わすときは、それは、例え
ばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、sec−ブチル又はｔ−ブチル基である。

式の化合物の中でも、特に下記のものがあげ
られる。

17α・21−ジメチル−19−ノルプレグナ−１・
３・５(10)・６−テトラエン−３−オール−20−オ
ン、 17α・21−ジメチル−19−ノルプレグナ−１・
３・５(10)・６−テトラエン−３−メトキシ−20−
オン、及び 17α・21−ジメチル−19−ノルプレグナ−１・
３・５(10)・６−テトラエン−３−（α−テトラヒ
ドロピラニルオキシ）−20−オン。

一般式の化合物は、トリチウム標識付きの置
換ステロイド誘導体の合成用出発物質として有用
である。

また、本発明の主題は、前記の一般式に相当
する化合物の製造法にある。

この方法は、エチニル化剤をエストラ−１・
３・５(10)・６−テトラエン−３−オール−17−オ
ンに反応させて17α−エチニルエストラ−１・
３・５(10)・６−テトラエン−３・17β−ジオール
を形成し、これを酸により又は酸の官能性誘導体
によりエステル化して17α−エチニルエストラ−
１・３・５(10)・６−テトラエン−３・17β−ジア
シルオキシを得、これに水和剤を作用させ、生じ
た17α−アセチルエストラ−１・３・５(10)・６−
テトラエン−３・17β−ジアシルオキシにアンモ
ニア中のアルカリ金属及びハロゲン化メチルを反
応させて17位置のメチル化と17位置のアセチルル
官能基の異性化を同時に行なわせ、得られた17α
−メチル−19−ノルプレグナ−１・３・５(10)・６
−テトラエン−３−アシルオキシ−20−オンを強
塩基水溶液によりけん化し、17α−メチル−19−
ノルプレグナ−１・３・５(10)・６−テトラエン−
３−オール−20−オンの３位置のヒドロキシル官
能基をジヒドロピラン、塩化トリメチル若しくは
塩化トリメチルシリル又はアルキル基を発生する
物質よりなる群から選ばれる誘導体によつてブロ
ツクして17α−メチル−19−ノルプレグナ−１・
３・５(10)・６−テトラエン−３−RO−20−オン
（Ｒは上に記載の意味を有する。ただし、水素は
除く）を得、その21位置のメチル化を触媒の存在
下にハロゲン化メチルによつて行なつて17α・21
−ジメチル−19−ノルプレグナ−１・３・５(10)・
６−テトラエン−３−RO−20−オン、即ちＲが
水素でない一般式の化合物を得、その３位置の
ヒドロキシル官能基を酸の作用により遊離させて
Ｒが水素原子を表わす一般式の化合物を得、必
要ならば３位置のヒドロキシル官能基をエーテル
化してＲが水素でない一般式の化合物を得るこ
とを特徴とするものである。

好ましい実施条件下では、本発明の方法は次の
点によつて特徴づけられる。

エチニル化剤はカリウムアセチリドであり、そ
してその処理はカリウムｔ−ブチラートの存在下
にテトラヒドロフラン中で行なわれる。

３及び17位置のヒドロキシル官能基は無水酢酸
によりエステル化され、そしてその処理はｐ−ト
ルエンスルホン酸の存在下に行なわれる。１〜18
個の炭素原子を含有する酸、中でもぎ酸、プロピ
オン酸、酪酸、イソ酪酸、ウンデシル酸、シクロ
ペンチル若しくはシクロヘキシル酢酸、シクロペ
ンチル若しくはシクロヘキシルプロピオン酸、フ
エニル酢酸、フエニルプロピオン酸、ｐ−ニトロ
安息香酸又はトルフルオル酢酸のようなその他の
酸又はその官能性誘導体も用いることができる。

17位置のエチニル官能基の水和剤は酢酸第二水
銀で活性化されたダウエツクス50樹脂であり、そ
して処理はエタノール中で行なわれる。

17位置のメチル化及びアセチル官能基の異性化
は、アンモニア中のリチウム及びよう化メチルに
よつて同時に行なわれ、そして処理は冷却下にト
テラヒドロフラン中で行なわれる。

３位置のアシルオキシ官能基はエタノール中で
水酸化ナトリウムによつてけん化される。

３位置のヒドロキシル官能基はジヒドロピラン
によつてブロツクされ、そして処理はテトラヒド
ロフラン中でｐ−トルエンスルホン酸の存在下に
行なわれる。

21位置のメチル化はカリウムｔ−ブチラートの
存在下によう化メチルによつて行なわれ、そして
処理はトルエン中で行なわれる。

３位置のヒドロキシル官能基を遊離化させる酸
は、酢酸水溶液又は塩酸のようなハロゲン酸であ
る。

３位置のヒドロキシル官能基をエーテル化させ
るように働くアルキル基を発生させる物質は硫酸
ジメチルであり、そして処理は水酸化ナトリウム
の存在下に行なわれる。

前記の製造法の途中で生成する下記の化合物は
いずれも新規である。

17α−エチニルエストラ−１・３・５(10)・６−
テトラエン−３・17β−ジオール、 17α−エチニルエストラ−１・３・５(10)・６−
テトラエン−３・17β−ジオールジアセテート、 17α−アセチルエストラ−１・３・５(10)・６−
テトラエン−３・17β−ジオールジアセテート、 17α−メチル−19−ノルプレグナ−１・３・５
(10)・６−テトラエン−３−オール−20−オンアセ
テート、 17α−メチル−19−ノルプレグナ−１・３・５
(10)・６−テトラエン−３−オール−20−オン及び 17α−メチル−19−ノルプレグナ−１・３・５
(10)・６−テトラエン−３−（α−テトラヒドロピ
ラニルオキシ）−20−オン。

既に示したように、一般式の化合物は、トリ
チウム標識付きステロイド誘導体の合成用の出発
物である。このような使用も本発明の主題をなす
ものであつて、これはＲが水素を除く先に記載の
意味を有する一般式の化合物の触媒の存在下に
トリチウム化水素を作用させて還元し、生成した
〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−19−ノルプ
レグナー１・３・５(10)−トリエン−３−RO−20
−オンに、Ｒがメチル基を表わすときは、バーチ
反応によりアンモニア中のリチウムを直接作用さ
せて〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−19−
ノルプレグナ−２・５(10)−ジエン−３−メトキシ
−20ξ−オールを得るか又は、Ｒがメチル基以外
の基を表わすときは、酸を作用させて３位置のヒ
ドロキシル官能基を遊離させ、硫酸ジメチルを反
応させ、生じた〔６・７−³H〕17α・21−ジメ
チル−19−ノルプレグナ−１・３・５(10)−トリエ
ン−３−メトキシ−20−オンにバーチ反応により
アンモニア中のリチウムを作用させて同様に
〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−19−ノルプ
レグナ−２・５(10)−ジエン−３−メトキシ−20ξ
−オールを得、これに酢酸のような弱酸水溶液を
反応させて〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル
−19−ノルプレグナ−５(10)−エン−20ξ−オール
−３−オンを得、これにピリジニウムペルブミド
を作用させ、生じた〔６・７−³H〕17α・21−
ジメチル−19−ノルプレグナ−４・９−ジエン−
20ξ−オール−３−オンにクロム硫酸水溶液を反
応させて所望の〔６・７−³H〕17α・21−ジメ
チル−19−ノルプレグナ−４・９−ジエン−３・
20−ジオンを形成させることを特徴とする。

上記の使用方法の途中で生成する下記の化合物
はいずれも新規である。

〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−19−フ
ルプレグナ−１・３・５(10)−トリエン−３−メト
キシ−20−オン、 〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−19−ノ
ルプレグナ−２・５(10)・ジエン−３−メトキシ−
20ξオール、 〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−19−ノ
ルプレグナ−５(10)−エン−20ξ−オール−３−オ
ン及び 〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−19−ノ
ルプレグナ−４・９−ジエン−20ξ−オール−３
−オン。

これらの化合物の中でも、〔６・７−³H〕17
α・21−ジメチル−19−ノルプレグナ−２・５(10)
−ジエン−３−メトキシ−20ξ−オールが特に興
味がある。

これらの化合物は、特に、50Cl/mM程度の比
放射能を有する〔６・７−³H〕17α・21−ジメ
チル−19−ノルプレグナ−４・９−ジエン−３・
20−ジオンを導く。

この後者の化合物は、子宮シトゾル若しくは腫
瘍細胞（子宮癌）のシクロプラズム中の又はラツ
トにおいてDMBA（９・10−ジメチル−１・２
−ベンゾアントラセン）により起された誘発腫瘍
中のプロゲステロン特異受容体を容易に測定せし
める。

この化合物は、プロゲステロンの場合と同じよ
うにトランスコルチンに結合しないという利点を
有する。さらに、この化合物は、上記プロゲステ
ロンの特異受容体に対する親和力が同プロゲステ
ロン親和性よりも６〜８倍大きい。D.Philibert
他、Endocrinology 101 1950−61（1967）を
参照されたい。

プロゲステロン受容体を特徴づけるために
〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−19−ノルプ
レグナ−４・９−ジエン−３・20−ジオンを使用
することは、多くの刊行物、例えば、J.P.
Raynaud、D.Philibert 両氏、Steroid、
July1973、p.87−97に記載されている。

一般式の化合物の製造法の出発物質であるエ
ストラ−１・３・５(10)・６−テトラエン−３−オ
ール−17−オンは、米国特許第2280828号に記載
されている。

下記の例は本発明を例示するもので、これを制
限するものではない。

例 １ 17α・21−ジメチル−19−ノルプレグナ−１・
３・５(10)・６−テトラエン−３−メトキシ−20
−オン 工程１：17α−エチニルエストラ−１・３・５
(10)・６−テトラエン−３・17β−ジオール 約＋２℃に冷却された470c.c.のテトラヒドロフ
ランの溶液にアセチレンを吹き込み、23.5ｇのカ
リウムｔ−ブチラート、次いで43c.c.のヘキサメチ
ルホスホルトリアミドを導入する。＋２℃で40分
かきまぜ、11.75ｇのエラストラー１・３・５
(10)・６−テトラエン−３−オール−17−オンを
350c.c.のテトラヒドロフランに溶解してなる溶液
を加える。アセチレンをまだ吹き込みながら反応
混合物を＋２℃で２時間かきまぜ、次いで500c.c.
の水を導入し、酢酸を加えてPH５〜６とする。有
機相をデカンテーシヨンし、エーテルで抽出し、
水洗し、脱水し、活性炭で処理し、真空過し、
減圧下に濃縮乾固する。（3.9ｇの所期化合物を
得、これはそのまま次の工程に用いる（塩化メチ
レンから再結晶させたこの生成物の試料は、178
℃に等しい融点を有する。）この工程の出発時で
用いたエストラ−１・３・５(10)・６−テトラエン
−３−オール−17−オンは、米国特許第2280828
号に記載されている。

工程２：17α−エチニルエストラ−１・３・５
(10)・６−テトラエン−３・17β−ジオールジア
セテート 13.9ｇの工程１で得られた化合物、1.04ｇのｐ
−トルエンスルホン酸と33c.c.の無水酢酸との混合
物を周囲温度で２時間30分かきまぜる。真空過
し、酢酸で洗浄し、次いで洗浄水が中性となるま
で水洗し、乾燥する。11.1ｇの所期化合物を得
る。MP＝189−190℃。

工程３：17α−アセチルエストラー１・３・５
(10)・６−テトラエン−３・17β−ジオールジア
セテート 11.05ｇの工程２で得られた化合物を165c.c.のエ
タノールに加えてなる懸濁に22ｇの酢酸第二水銀
で活性化させたダウエツクス50樹脂（強酸型イオ
ン交換樹脂）を加え、16時間還流させる。次いで
熱過し、エタノールで洗浄し、濃縮乾固する。
得られた残留物に44c.c.の無水ピリジンと22c.c.の無
水酢酸を加え、周囲温度で２時間かきまぜる。氷
水を加えた後、結晶質生成物を得、真空過し、
水洗し、80℃のオーブンで乾燥する。10.92ｇの
所期化合物を回収する。MP＝196℃。

工程４：17α−メチル−19−ノルプレグナ−１・
３・５(10)・６−テトラエン−３−オール−20−
オンアセテート −70℃に冷却した150c.c.のアンモニアと570mgの
リチウムとの混合物を15分間接触させておき、次
いで150c.c.のテトラヒドロフランを加え、−68℃に
冷却し、10.88ｇの工程３で得られた化合物を導
入し、不活性雰囲気中で１時間45分かきまぜる。
次いで、10分間にわたつて44c.c.のよう化メチルを
加え、反応混合物を−69℃で１時間30分保ち、反
応温度を＋15〜20℃に戻す。反応混合物を水中に
注ぎ、エーテルで抽出し、中性になるまで水洗
し、脱水し、減圧下に濃縮乾固する。得られた残
留物をシリカでクロマトグラフイーし、酢酸エチ
ルとベンゼンとの混合物（１：９）で溶離する。
しかして、所期化合物を含む3.22ｇの結晶質生成
物の画分を回収する。この画分に13c.c.のピリジン
と6.5c.c.の無水酢酸を加え、密封容器中で１時間
30分かきまぜ、氷を加え、水で希釈し、真空過
し、水洗し、乾燥する。その残留物をシリカでク
ロマトグラフイーし、エーテルと石油エーテル
（BP＝68−80℃）との混合物（２：８）で溶離
し、1.71ｇの所期化合物を得る。MP＝140−142
℃。

工程５：17α−メチル−19−ノルプレグナ−１・
３・５(10)・６−テトラエン−３−オール−20−
オン 1.03ｇの工程Ａで得られた化合物を20c.c.の無水
エタノールと2.9c.c.の1N水酸化ナトリウムに加え
てなる懸濁液を不活性雰囲気下に20℃で１時間か
きまぜる。反応混合物を酢酸の添加によりPH＝５
〜６となし、水で希釈し、真空過し、水洗し、
乾燥する。805mgHgの所期化合物を得る。MP＝
252℃。

工程６：17α−メチル−19−ノルプレグナ−１・
３・５(10)・６−テトラエン−３−（α−テトラ
ヒドロピラニルオキシ）−20−オン 0.8ｇの工程５で得られた化合物、16c.c.のテト
ラヒドロフラン、0.8c.c.のジヒドロピラン及び16
mgのｐ−トルエンスルホン酸の混合物を不活性雰
囲気下に20℃で１時間30分かきまぜる。次いで
0.4c.c.のジヒドロピランを加え、20℃で４時間保
ち、10c.c.の重炭酸ナトリウム飽和溶液を加え、酢
酸エチルで抽出し、水洗し、脱水し、濃縮乾固す
る。得られた残留物をシリカでクロマトグラフイ
ーし、ベンゼンと酢酸エチルと酢酸エチルとの混
合物（９：１）で溶離して精製する。１ｇの所期
化合物を回収する。MP124℃。

工程７：17α・21−ジメチル−19−ノルプレグナ
−１・３・５(10)・６−テトラエン−３−（α−
テトラヒドロピラニルオキシ）−20−オン 不活性雰囲気下に740mgの工程６で得られた化
合物を7.5c.c.のトルエンに溶解し、次いで、420mg
のカリウム−ｔ−ブチラートを加える。そのよう
に得られた溶液を20℃で15分かきまぜ、0.475c.c.
のよう化メチルを加え、周囲温度で一夜放放置す
る。水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、洗浄水が
中性になるまで水洗し、脱水し、減圧下に濃縮乾
固する。その残留物をシリカでクロマトグラフイ
ーし、ベンゼンと酢酸エチルとの混合物（９：
１）で溶離して精製し、二つの画分、一つは495
mgの所期化合物を含有するもの、他方は出発物質
と所期化合物を含有するものを得る。後者の画分
を上記のように処理した後、合計で612mgの所期
化合物を樹脂状物の形で得る。Rf＝0.45。

工程８：17α・21−ジメチル−19−ノルプレグナ
−１・３・５(10)・６−テトラエン−３−オール
−20−オン 0.57ｇの工程７で得られた化合物を20％の水を
含有する5.8c.c.の酢酸に溶解してなる溶液を50℃
で１時間かきまぜる。次いで反応混合物を水中に
注ぎ、塩化メチレンで抽出し、水洗し、脱水し、
減圧下に濃縮乾固する。その残留物をベンゼンと
酢酸エチルとの混合物（９：１）、次いでエーテ
ルと石油（BP＝60〜80℃）を溶離液としてシリ
カで２回クロマトグラフイーした後、73mgの所期
化合物を得る。MP＝209℃。

分析：O₂₂H₂₈O₂ 計算：Ｃ％81.45 Ｈ％8.70 実測： 80.9 8.7 工程９：17α・21−ジメチル−19−ノルプレグナ
−１・３・５(10)・６−テトラエン−３−メトキ
シ−20−オン 50mgの工程８で得られた化合物、５c.c.のアセト
ン及び３c.c.の2N水酸化ナトリウムの混合物を還
流させ、0.5c.c.の硫酸ジメチルと２c.c.の2N水酸化
ナトリウムを加えた。10分間放置し、反応混合物
に0.5c.c.の硫酸ジメチルと２c.c.の2N水酸化ナトリ
ウムを加える。その溶液を10分間かきまぜ、10c.c.
の水を注ぎ、ベンゼンで抽出し、水洗し、脱水
し、蒸発乾固する。57mgの所期化合物を結晶形と
して得る（ベンゼンと酢酸エチルとの混合物
（７：３）を溶離液としてシリカでクロマトグラ
フイー、Rf＝0.7）。

例 ２ 〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−19−ノル
プレグナ−４・９−ジエン−３・20−ジオン 工程Ａ：〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−
19−ノルプレクナ−１−３・５(10)−トリエン−
３−メトキシ−20−オン 10mgのパラジウム担持炭、57mgの17α・21−ジ
メチル−19−ノルプレグナ−１・３・５(10)・６−
テトラエン−３−メトキシ−20−オン及び1.5ml
の酢酸エチルよりなる反応混合物を液体窒素で冷
却し、次いで０℃常圧下で真空下に2950mCi/c.c.
の比放射能を有する3.86c.c.のトリチウムを導入す
る。次いでその反応混合物を周囲温度に戻し、３
時間かきまぜ続け、過剰のトリチウムを回収し、
過し、溶媒を減圧下に留去し、不要トリチウム
を除去した後、51Ci／ｍモルの比放射能を有す
る44mgの所望の〔６・７−³H〕17α・21−ジメ
チル−19−ノルプレグナ−１・３・５(10)−トリエ
ン−３−メトキシ−20−オンを得る。工程Ｂ：
〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−19−ノル
プレグナ−２・５(10)−ジエン−３−メトキシ−
20ξ−オール −35℃〜−40℃の間に冷却した25c.c.のアンモニ
アに44mgの〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル
−19−ノルプレグナ−１・３・５(10)−トリエン−
３−メトキシ−20−オン、５c.c.のテトラヒドロフ
ラン、0.5c.c.のエタノール及び200mgのリチウムを
加える。その反応混合物を−35℃で１時間かきま
ぜ続け、次いで10分間にわたり10c.c.のエタノール
を加え、次いで周囲温度に戻すことによりアンモ
ニアを除去し、塩化メチレンで数回抽出し、硫酸
ナトリウムで脱水し、減圧下に蒸発させ、48mg
〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−19−ノルプ
レグナ−２・５(10)−ジエン−３−メトキシ−20ξ
−オールを樹脂状物として得、これはそのまま次
の合成工程に用いる。

工程Ｃ：〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−
19−ノルプレグナ−５(10)−エン−20ξ−オール
−３−オン 25％の水の含有する２c.c.の酢酸に、不活性ガス
を吹き込み且つかきまぜながら、48mgの〔６・７
−³H〕17α・21−ジメチル−19−ノルプレグナ
−２・５(10)−ジエン−３−メトキシ−20ξ−オー
ルを導入する。５時間かきまぜ続け、次いで水を
数回加え、生成物を真空過し、これを水、酸性
炭酸ナトリウム飽和溶液、次いで水で順次洗浄
し、減圧下に乾燥し、生成物を塩化メチレンとイ
ソプロピルエーテルとの混合物から再結晶して精
製する。50mgの所期化合物を得る。

工程Ｄ：〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−
19−ノルプレグナ−４・９−ジエン−20ξ−オ
ール−３−オン 周囲温度でかきまぜながら、0.5c.c.のピリジン
に50mgの〔6.7−⁺H〕17α・21−ジメチル−19−
ノルプレグナ−５(10)−エン−20ξ−オール−３−
オンを導入する。次いで約−14℃に冷却し、45分
間にわたつて35mgのピリジニウムペルブロミドを
導入する。反応混合物を上記温度で45分間保ち、
次いで温度を再び約20℃に上昇させる。暗所で且
つ周囲温度で18時間かきまぜ続け、水、氷及び塩
酸の混合物（８：５：２）に注入し、45分かきま
ぜ、真空過し、中性になるまで水洗し、乾燥
し、52mgの所期化合物を得る。この化合物は、そ
のまま次の合成工程に用いることができる。

工程Ｅ：〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−
19−ノルプレグナ−４・９−ジエン−３・20−
ジオン 52mgの〔６・７−³H〕17α・21−ジメチル−
19−ノルプレグナ−４・９(10)−ジエン−20ξ−オ
ール−３−オンを４c.c.のアセトンにかきまぜなが
ら導入する。完全に溶解した後、25℃を超えない
温度で、5.1ｇの無水クロム酸、4.6c.c.の硫酸及び
20c.c.の水を含有する0.01c.c.のクロム硫酸溶液を加
える。この操作をを２回以上繰り返す。生じた反
応混合物に数回水を加え、35℃以下の温度で減圧
蒸留し、次いで減圧下に20℃に冷却する。真空
過し、その残留物を中性となるまで洗浄し、50mg
の生成物を得、これを薄層クロマトグラフイー
（ベンゼンと酢酸エチル85：15）で精製して９mg
の所期化合物を得る。その比放射能は51.4Ci/m
Ｍであつた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 次の一般式 （ここでＲは水素原子、１〜４個の炭素原子を含
   有するアルキル基又はテトラヒドロピラニル、ト
   リチル若しくはトリメチルシリル基を表わす） のステロイド。 ２ 17α・21−ジメチル−19−ノルプレグナ−
   １・３・５(10)・６−テトラエン−３−オール−20
   −オンである特許請求の範囲第１項記載のステロ
   イド。 ３ 17α・21−ジメチル−19−ノルプレグナ−
   １・３・５(10)・６−テトラエン−３−メトキシ−
   20−オンである特許請求の範囲第１項記載のステ
   ロイド。 ４ 17α・21−ジメチル−19−ノルプレグナ−
   １・３・５(10)・６−テトラエン−３−（α−テト
   ラヒドロピラニルオキシ）−20−オンである特許
   請求の範囲第１項記載のステロイド。 ５ 次の一般式′ （ここでR¹は１〜４個の炭素原子を含有するアル
   キル基又はテトラヒドロピラニル、トリチル若し
   くはトリメチルシリル基を表わす） のステロイドを製造するにあたり、エチニル化剤
   をエストラ−１・３・５(10)・６−テトラエン−３
   −オール−17−オンに反応させて17α−エチニル
   エストラ−１・３・５(10)・６−テトラエン−３・
   17β−ジオールを形成し、これを酸により又は酸
   の官能性誘導体によりエステル化して17α−エチ
   ニルエストラ−１・３・５(10)・６−テトラエン−
   ３・17β−ジアシルオキシを得、これに水和剤を
   作用させ、生じた17α−アセチルエストラ−１・
   ３・５(10)・６−テトラエン−３・17β−ジアシル
   オキシにアンモニア中のアルカリ金属及びハロゲ
   ン化メチルを反応させて17位置のメチル化と17位
   置のアセチル官能基の異性化を同時に行なわせ、
   得られた17α−メチル−19−ノルプレグナ−１・
   ３・５(10)・６−テトラエン−３−アシルオキシ−
   20−オンを強塩基水溶液によりけん化し、17α−
   メチル−19−ノルプレグナ−１・３・５(10)・６−
   テトラエン−３−オール−20−オンの３位置のヒ
   ドロキシル官能基をジヒドロピラン、塩化トリチ
   ル若しくは塩化トリメチルシリル又はアルキル基
   を発生する物質よりなる群から選ばれる誘導体に
   よつてブロツクして17α−メチル−19−ノルプレ
   グナ−１・３・５(10)・６−テトラエン−３−R′O
   −20−オン（R′は上で記載の意味を有する）を
   得、その21位置のメチル化を触媒の存在下にハロ
   ゲン化メチルによつて行なつて17α、21−ジメチ
   ル−19−ノルプレグナ−１・３・５(10)・６−テト
   ラエン−３−R′O−20−オンを得ることを特徴と
   する一般式′のステロイド化合物の製造法。 ６ 17位置のエチニル官能基の水和剤が酢酸第二
   水銀で活性化されたダウエツクス50樹脂であり、
   そして処理がエタノール中で行なわれることを特
   徴とする特許請求の範囲第５項記載の方法。 ７ 17位置のメチル化とアセチル官能基の異性化
   がアンモニア中のリチウムとよう化メチルによつ
   て同時に行なわれ、そして処理が冷却下にテトラ
   ヒドロフラン中で行なわれることを特徴とする特
   許請求の範囲第５項記載の方法。 ８ 次の一般式″ （ここでR″は水素原子を表わす） のステロイドを製造するにあたり、エチニル化剤
   をエストラ−１・３・５(10)・６−テトラエン−３
   −オール−17−オンに反応させて17α−エチニル
   エストラ−１・３・５−(10)・６−テトラエン−
   ３・17β−ジオールを形成し、これを酸により又
   は酸の官能性誘導体によりエステル化して17α−
   エチニルエストラ−１・３・５(10)・６−テトラエ
   ン−３・17β−ジアシルオキシを得、これに水和
   剤を作用させ、生じた17α−アセチルエストラ−
   １・３・５(10)・６−テトラエン−３・17β−ジア
   シルオキシにアンモニア中のアルカリ金属及びハ
   ロゲン化メチルを反応させて17位置のメチル化と
   17位置のアセチル官能基の異性化を同時に行なわ
   せ、得られた17α−メチル−19−ノルプレグナ−
   １・３・５(10)・６−テトラエン−３−アシルオキ
   シ−20−オンを強塩基水溶液によりけん化し、17
   α−メチル−19−ノルプレグナ−１・３・５(10)・
   ６−テトラエン−３−オール−20−オンの３位置
   のヒドロキシル官能基をジヒドロピラン、塩化ト
   リチル若しくは塩化トリメチルシリル又はアルキ
   ル基を発生する物質よりなる群から選ばれる誘導
   体によつてブロツクして17α−メチル−19−ノル
   プレグナ−１・３・５(10)・６−テトラエン−３−
   R′O−20−オン（R′は１〜４個の炭素原子を含有
   するアルキル基、又はテトラヒドロピラニル、ト
   リチル若しくはトリメチルシリル基を表わす）を
   得、その21位置のメチル化を触媒の存在下にハロ
   ゲン化メチルによつて行なつて17α・21−ジメチ
   ル−19−ノルプレグナ−１・３・５(10)・６−テト
   ラエン−３−R′O−20−オンを得、その３位置の
   ヒドロキシル官能基を酸の作用により遊離させ一
   般式″の所望化合物を得ることを特徴とする式
   ″のステロイド化合物の製造法。 ９ 17位置のエチニル官能基の水和剤が酢酸第二
   水銀で活性化されたダウエツクス50樹脂であり、
   そして処理がエタノール中で行なわれることを特
   徴とする特許請求の範囲第８項記載の方法。 １０ 17位置のメチル化とアセチル官能基の異性
   化がアンモニア中のリチウムとよう化メチルによ
   つて同時に行なわれ、そして処理が冷却下にテト
   ラヒドロフラン中で行なわれることを特徴とする
   特許請求の範囲第８項記載の方法。