JPS6126667Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は摺動歯車の中立位置として必要な空間
部を積極的に利用して変速機構を構成する歯車群
の一部を配置し、ミツシヨンケース幅を極力狭く
した変速装置に関するものである。

テイラー、中耕機等の管理機は作物の植付幅等
により車輪幅を狭くしなければならないが、車輪
幅は左右の車輪間に配設されたミツシヨンケース
の幅によつてある程度制限されるものである。そ
こでミツシヨンケースの幅員を予め狭く設定すれ
ば上記の要請に対処し得るが、ミツシヨンケース
は設計上変速機構を構成する歯車群の配置スペー
スや摺動歯車のシフト範囲等によつてその幅員が
制約されるため、ミツシヨンケースの肉薄小型化
には一定の限度があり、これが設計上の隘路とな
つていた。

そこで本考案は変速歯車（摺動歯車）のニユー
トラルスペース（中立域）として必要な空隙部を
積極的に活用して、該部に変速機構を構成する歯
車群の一部を配置構成し、これによりミツシヨン
ケース幅を必要最小限とすることができ、管理機
としての要請に充分答え得る変速装置を提供しよ
うとするものである。

本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、第１図はテイラー１の全体側面
図、第２図はテイラー１に装備されたミツシヨン
ケース２内の変速機構を示すものであつて、第３
図は中立時における変速機構の展開図である。図
中３は入力軸（変速軸）、４は中間軸、５は副変
速軸、６は出力軸である。７は変速軸３に設けた
摺動歯車、７ａは他の摺動歯車、８は副変速軸５
に設けた摺動歯車で、これら２つの摺動歯車７，
７ａ，８によりダブル変速が可能なダブル変速機
構となつている。

第３図において、イ，ハ，ニは前進変速、ロは
後進変速を示す。９は駆動歯車で、この駆動歯車
９は上記摺動歯車７の中立位置に隣接して副変速
軸５上に固定されており、そのボス部９′には摺
動歯車７のニユートラルスペース（中立域）を形
成する必要間隙を存して駆動歯車９と略同一歯数
の遊転歯車１０が遊嵌されている。そしてこれら
両歯車９，１０の歯底径より小なる外径の歯車Ａ
が上記中立域に位置せしめて遊転歯車１０と一体
的に設けられている。また、上記歯車Ａと駆動歯
車９に夫々常時噛合う二連歯車１１が中間軸４に
一体に固定されている。

１２は中間軸４に固定されたバツク歯車、１３
は副変速軸５に固定された歯車であつて、該歯車
１３に隣接して副変速軸５上には摺動歯車８が噛
合うことができる内歯を有する内歯歯車１４が回
転自在に遊嵌されている。

一方、出力軸６には上記内歯歯車１４に噛合う
歯車１５と摺動歯車８が噛合う歯車１６が夫々固
定されていて、これら両歯車１５，１６間には駆
動スプロケツト１７が固定されており、該駆動ス
プロケツト１７と図示外の車軸に固定された従動
スプロケツト間には伝動チエン１８が懸渡されて
いる。

図中１９，２０は夫々摺動歯車７，７ａ，８の
シフターである。叙上の如き構成において、いま
前進変速ハの場合には摺動歯車７と駆動歯車９が
噛合い、これにより副変速軸５が回転し、この回
転トルクは摺動歯車８と歯車１６の噛合いにより
出力軸６に伝達され、更に出力軸６から伝動チエ
ン１８を介して車軸に導かれる。

また前進変速ニの場合には摺動歯車７と遊転歯
車１０が噛合い回転するため、遊転歯車１０と一
体的に設けられた歯車Ａが同時に回転し、これに
より歯車Ａが常時噛合となつている二連歯車１１
が回転し、更にこの二連歯車１１と噛合つている
駆動歯車９が回転し、この回転トルクは上記同様
にして車軸に伝達される。

以上は副変速軸５上の摺動歯車８が第３図に示
す如く出力軸６に固定された一方の歯車１６に噛
合している時の変速であるが、上記摺動歯車８を
シフト操作により第３図における左方向に摺動さ
せて内歯歯車１４に噛合させれば副変速軸５の回
転トルクは内歯歯車１４と出力軸６に固定された
他方の歯車１５の噛合いにより更に変速されて出
力軸６に伝達されるから、摺動歯車８のシフト操
作によりダブル変速が可能となり中耕、除草作業
等種々の管理作業に合致した最適の走行速度を得
ることができる。

上記したように本考案は、変速軸と副変速軸を
備えた変速機構を有する変速装置において、上記
変速軸に貫装された摺動歯車の中立位置を挾んで
副変速軸上の一側には摺動歯車を固定し、他側に
は上記摺動歯車の中立域を形成する必要間隙を存
して駆動歯車と略同一歯数の遊転歯車を遊嵌し、
これら両歯車の歯底径より小なる外径の歯車Ａを
上記中立域に位置せしめて遊転歯車と一体的に設
け、上記摺動歯車を遊転歯車に噛合せたとき、そ
の回転トルクが上記歯車Ａと摺動歯車に夫々噛合
う中間軸上の二連歯車を介して摺動歯車に伝達さ
れるべく構成したから、種々の管理作業に合せて
最適な走行速度を得ることができるものでありな
がら、摺動歯車の中立域として必要な空隙部を変
速機構を構成する歯車群の一部の取付部位として
積極的に活用し得て、設計上の隘路を一等に解決
することができ、ミツシヨンケースとしての機能
を何等犠性とすることなくミツシヨンケースの小
型・コンパクト化を図り得てその幅員を必要最小
限とすることができ、これにより車輪幅を極力狭
くし得て畦作物間の中耕・除草作業等の管理作業
を容易に行なうことができる効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は本考案を装備したテイラーの全体側面
図、第２図は要部の縦断側面図、第３図はミツシ
ヨンケースの展開図である。 図中、３は変速軸、５は副変速軸、７は摺動歯
車、９は摺動歯車、９′はボス部、１０は遊転歯
車、１１は二連歯車、Ａは歯車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 変速軸と副変速軸を備えた変速機構を有する変
   速装置において、上記変速軸に貫装された摺動歯
   車の中立位置を挾んで副変速軸上の一側には駆動
   歯車を固定し、他側には上記摺動歯車の中立域を
   形成する必要間隙を存して駆動歯車と略同一歯数
   の遊転歯車を遊嵌し、これら両歯車の歯底径より
   小なる外径の歯車Ａを上記中立域に位置せしめて
   遊転歯車と一体的に設け、上記摺動歯車を遊転歯
   車に噛合せたとき、その回転トルクが上記歯車Ａ
   と駆動歯車に夫々噛合う中間軸上の二連歯車を介
   して駆動歯車に伝達されるべく構成したことを特
   徴とする変速装置。