JPS6126633Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本案は密閉型電動圧縮機の改良に係り、特に、
圧縮要素に取付けた分離型の消音器を電動要素の
固定子に固定してなる密閉型電動圧縮機に関す
る。

(ロ) 従来の技術 従来、この種の圧縮機において、圧縮要素に取
付けられた消音器を、金具を介して電動要素の固
定子に固定し、消音器の振動や振動音を低減して
圧縮機の騒音を少く押えたものが知られている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかしながら、上記の構成によると、消音器の
振動や振動音等は低減できるが、金具の形状や取
付穴の位置は消音器と固定子の位置関係から予め
決まつている。このため、斯る金具は固定子の積
層厚が違う異出力の圧縮機には採用することがで
きず、逆に、異出力の圧縮機に対応するには形状
や取付穴の位置の異なる別個の金具を用意しなけ
ればならず、部品点数を増加させたり組立作業を
煩雑にしたりするという問題があつた。

本案は斯る点に鑑みなされたもので、消音器を
固定子に固定するための金具において、部品点数
を増加させることなく同一の金具により、固定子
の積層厚の違う異出力の圧縮機へも対応できるよ
うにして生産性を向上することを目的とする。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本案は、分離型の消音器を取付けた圧縮要素
と、固定子を備えた電動要素とからなる電動圧縮
機本体を、密閉容器内に弾性的に支持してなり、
かつ、前記消音器のガス導管を、固定子を構成す
る鋼板の積層方向に立設する一方、この導管を、
金具を介して前記固定子に固定している密閉型電
動圧縮機において、前記金具を、径方向に突設さ
れた平面部を一体に有し前記ガス導管に挿着され
る筒状の取付金具と、一端をボルトによつて固定
子に固定され他端をリベツト等の固着具によつて
前記取付金具の平面部に連結される支持金具とで
構成すると共に、前記取付金具の平面部に設けら
れる固着具の挿入穴を、取付金具の軸線方向に偏
らせて形成したものである。

(ホ) 作用 本案の密閉型電動圧縮機は、上記の構成によ
り、固定子の積層厚の異なる異出力の圧縮機に前
記金具を取付ける場合には、取付金具を逆さにし
てガス導管に挿入した後、この取付金具をリベツ
ト等の固着具によつて支持金具に連結すれば、固
定子の積層厚が変わる前と同じように、消音器を
固定子に固定することができ、斯る異出力の圧縮
機においても別個の金具を必要とすることなく同
一の金具を共通して使うことができ、生産性を向
上できるようにしたものである。

(ヘ) 実施例 以下本案の実施例を図面に基づいて説明する。

１は支持枠２の上方に電動要素３を、下方に圧
縮要素４を装着して構成する電動圧縮機本体５を
密閉容器６内に弾性的に支持してなる密閉型電動
圧縮機である。前記電動要素３は固定子７、回転
子８、回転軸９を備えて構成される。圧縮要素４
は気筒１０とこの気筒１０の開口を閉塞する弁座
板１１と気筒頭部１２及び気筒１０に装入したピ
ストン１３とより成り、回転軸９の下部に形成し
た偏心部１４の偏心運動に伴う連結杆１５の従動
によりピストン１３を駆動する。１６は前記気筒
頭部１２に装着された吐出消音器である。

而して、１７及び１８は、気筒１０の側壁に並
べて取付けられた一対の吸込消音器である。この
吸込消音器１７，１８は夫々、吸込管１７１，１
８１を一体に形成している。１９，２０は径方向
に突設された対向する二つの平面部を一体に有し
前記吸込管１７１，１８１の夫々に嵌挿される筒
状の取付金具である。この取付金具は、その平面
部１９ａ，２０ａに該平面部の中心から偏心した
位置にカシメ用の穴２１，２２を設けている。２
３は電動要素３の固定子７に、該固定子の取付ボ
ルト２４を利用して装着された支持金具であり、
前記取付ボルト２４のボルト穴２５，２５、取付
金具１９，２０の平面部１９ａ，２０ａとの当接
部２３ａ，２３ｂ及び取付金具１９，２０とのカ
シメ用の穴２６，２６を有している。

このように構成された密閉型電動圧縮機におい
て、気筒１０の側壁に並べて装着された一対の吸
込消音器１７，１８は、この吸込消音器１７，１
８の夫々の吸込管１７１，１８１を該吸込管１７
１，１８１に嵌挿される取付金具１９，２０、及
びこの取付金具１９，２０をリベツト等の固着具
２７，２７で結合した支持金具２３を介し、且
つ、この支持金具２３を固定子７に該固定子７の
取付ボルト２４，２４を利用して固定している。
このようにして一対となつている吸込消音器１
７，１８を電動圧縮機本体５では最も振動の小さ
い固定子７に共通の支持金具２３で固定すれば、
圧縮機の振動や衝撃に対する吸込消音器１７，１
８の変形、ズレ等を防止して、マフラを強固に固
着することができる。

また、取付金具１９，２０の夫々の平面部１９
ａ，２０ａに設けられたカシメ用の穴２１，２２
は、平面部１９ａ，２０ａの中心からずらした位
置にあるので、第５図のイ，ロに示すように、こ
の取付金具１９，２０の吸込管１７１，１８１へ
の挿入方向を反対にするだけで固定子７の積層厚
が異なるものにも適用でき、異出力の圧縮機にお
いても共通部品で一対の消音器を確実に固定する
ことができる。

更にまた、第４図のイで示すように、取付金具
１９，２０の対向する二つの平面部１９ａ，２０
ａ間にわずかな隙間を持たせておけば、斯る両平
面部をリベツトでカシメ結合した際に該金具の弾
性による押圧力を吸込管１７１，１８１に作用さ
せることができ、消音器１７，１８をより強固に
固定子７へ固定できる。

(ト) 考案の効果 以上のように本案は、分離型の消音器を取付け
た圧縮要素と、固定子を備えた電動要素とからな
る電動圧縮機本体を、密閉容器内に弾性的に支持
してなり、かつ、前記消音器のガス導管を、固定
子を構成する鋼板の積層方向に立設する一方、こ
の導管を、金具を介して前記固定子に固定してい
る密閉型電動圧縮機において、前記金具を、径方
向に穿設された平面部を一体に有し前記ガス導管
に挿着される筒状の取付金具と、一端をボルトに
よつて固定子に固定された他端をリベツト等の固
着具によつて前記取付金具の平面部に連結される
支持金具とで構成すると共に、前記取付金具の平
面部に設けられる固着具の挿入穴を、取付金具の
軸線方向に偏らせて形成したものであるから、前
記金具によつて消音器を比較的振動の少ない固定
子に確実に固定でき、消音器の振動や振動音を低
減して圧縮機の騒音を低減できる。のみならず。
斯る金具を固定子の積層厚の違う異出力の圧縮機
へ適用する場合には、取付金具をガス導管へ逆さ
に挿入することにより容易に対応でき、部品の共
通化から圧縮機の生産性を向上することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本案の一実施例を示す密閉
型電動圧縮機の縦断面図と横断面図、第３図の
イ，ロ，ハは支持金具の正面図、平面図及び側面
図、第４図のイ，ロは取付金具の平面図と側面
図、第５図のイ，ロは積層厚の異なる固定子に装
着される取付金具の取付状態を示す説明図であ
る。 １……密閉型電動圧縮機、２……支持枠、３…
…電動要素、４……圧縮要素、５……電動圧縮機
本体、６……密閉容器、７……固定子、１７，１
８……吸込消音器、１７１，１８１……吸込管、
１９，２０……取付金具、２３……支持金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 分離型の消音器を取付けた圧縮要素と、固定子
   を備えた電動要素とからなる電動圧縮機本体を、
   密閉容器内に弾性的に支持してなり、かつ、前記
   消音器のガス導管を、固定子を構成する鋼板の積
   層方向に立設する一方、この導管を、金具を介し
   て前記固定子に固定している密閉型電動圧縮機に
   おいて、前記金具を、径方向に穿設された平面部
   を一体に有し前記ガス導管に挿着される筒状の取
   付金具と、一端をボルトによつて固定子に固定さ
   れ他端をリベツト等の固着具によつて前記取付金
   具の平面部に連結される支持金具とで構成すると
   共に、前記取付金具の平面部に設けられる固着具
   の挿入穴を、取付金具の軸線方向に偏らせて形成
   したことを特徴とする密閉型電動圧縮機。