JPS6034800Y2 - 圧縮機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、回転式圧縮機等において、圧縮要素を密閉容
器内に軽圧入し、密閉容器の外側より圧縮要素を溶接固
定する構成の圧縮機に関し、吸入管の接合構造を改良せ
んとするものである。

従来、この種の圧縮機の吸入管接合部は第３図に示す如
く、密閉容器５１の吸入管部に突出部を有する穴５２を
設け、この穴５２内には一般に鋼管製のスリーブ５３が
密閉容器５１の内縁より外側になるよう、あらかじめ接
合部材５４で接合されている。

圧縮要素５５の吸入路５６には一般に銅管製のスリーブ
５７とあらかじめ接合された圧入管５８が吸入路５６に
圧入固定され、吸入ガスの気密を保持している。

前記スリーブ５７内にはアキュムレータ（図示せず）か
らの銅管製の連結管５９が挿入され、フラックスを必要
としないリン銅を主体とする接合部材６０で接合され、
気密性をもたせてフラックス使用による接合部の腐蝕を
防ぐとともに密閉容器５１内にフラックスが侵入し、腐
蝕が起ることがないように構成されている。

以上のように従来の構成は最終の接合部材６０をフラッ
クスを使用しない材料とするため、密閉容器５１には鋼
管製のスリーブ５３が接合されている。

ところが圧縮要素５５の吸入路５６部の外縁部は完全な
円弧状であるため、スリーブ５３を密閉容器５１内への
圧縮要素５５の挿入を防げないように密閉容器５１の内
縁より外側に設けなければならず、また接合部材５４と
強固に接合するとともに、接合部材５４が密閉容器５１
の内側に流出し、突起となるのを防ぐために充分な重な
り代が必要となり、密閉容器５１のスリーブ５３の挿入
部は突出部を有する穴形状を呈している。

この種の穴は加工工程が増え、コスト高となるとともに
突出長さが不均一となり、品質上の欠点を有していた。

本考案は、上記従来の圧縮機にみられる欠点を除去する
ものである。

以下、本考案をその一実施例を示す添付図面の第１図、
第２図を参考に説明する。

図において、１は密閉容器で、内部には中空円筒状のシ
リンダ２が密閉容器１に溶接固定されている。

シリンダ２の中空部には電動要素（図示せず）に直結し
たクランク軸３が設けられ、その偏６部４にはシリンダ
２の内円に接する如くローラ５が回動自在に収容されて
いる。

またシリンダ２の上下端は端板（図示せず）により密閉
されており、区画室６を形成している。

７は前記区画室６内を高圧室と低圧室に区画するプレー
トで、前記シリンダ２のブレード溝８に摺動自在に収納
され、ブレード７の後端にはブレード７の動きを付勢す
るバネ９が設けられている。

１０は上記シリンダ２及びローラ５．クランク軸３等と
ともに周知の回転式圧縮機構を構成する圧縮要素である
。

前記区画室６の低圧室には吸入路１１が設けられ、また
高圧室には吐出弁装置（図示せず）が設けられ、電動要
素の回転によりガスの圧縮を行なう。

ここで吸入路部の構成は便宜上、組立順序を追って説明
する。

前記密閉容器１には突出部のない透孔１２が設けられ、
透孔１２内には鋼管製のスリーブ１３が密閉容器１の内
縁より突出する如く充分な重なり代を持って強固に溶接
されている。

次に密閉容器１内への圧縮要素１０の挿入工程について
説明する。

圧縮要素１０の吸入路１１を有するシリンダ２のスリー
ブ１３に対応する部分には凹溝１５が設けられているた
め、スリーブ１３の突出や、客扱部材１４の突起があっ
ても、容易に所定の位置に挿入することができる。

次に鋼管製のスリーブ１６とあらかじめ接合された圧入
管１７をスリーブ１３を介して吸入路１１に圧入固定し
、吸入ガスの気密を保持する。

その後スリーブ１６内にアキュームレータ（図示せず）
からの吸入管１８を接続し、フラツクスを必要としない
客扱部材１９でスリーブ１３、スリーブ１６、吸入管１
８を一体的に接合して圧縮機を構成する。

以上のように吸入管１８の接合において、密閉容器１に
単なる透孔を設け、この透孔を貫通し、密閉容器内にわ
ずかに突出してスリーブ１３を設けて客扱固定している
ため、充分な重なり代が得られ、その接合強度は大きく
、密閉容器内への不必要な客扱部材１９の侵入もない。

またスリーブ１３に対応する圧縮要素１０の圧入部分に
設けた吸入管部は圧入方向にのびる凹溝１５を設けてい
るため、組立時の圧縮要素１０の挿入には何ら支障をき
たすことがない。

したがって従来の密閉容器に突出部を設けた透孔による
構成と同等の効果を発揮するとともに、密閉容器の透孔
あけの簡略化がはかれ、これによるコストの低減、工程
簡略化により穴寸法が正確となる。

上記実施例より明らかなように、本考案の圧縮機は、円
筒状にして外周面に凹溝を有し、この凹溝に開口する吸
入路を設けたシリンダと、このシリンダ内に設けられた
ローラ及びクランク軸を含む回転式圧縮機構を構成する
圧縮要素と、この圧縮要素が圧入される円筒状の密閉容
器と、この密閉容器の側面に上記凹溝に対向して設けら
れた周縁に突出部を有しない透孔と、この透孔に挿通さ
れ、先端部を上記凹溝に臨ませた状態で密閉容器に固定
される鋼管製のスリーブと、このスリーブを通して上記
吸入路に圧入される圧入管及びこの圧入管に接続固定さ
れる吸入管とを備えたもので、スリーブの仮止めが、加
工容易な凹溝によって行なえるため、組立工程の簡素化
がはかれ、また密閉容器の加工についても単なる透孔の
形成でよく、これらの簡素化により、コストの低減化が
はかれるとともに、寸法精度の向上もはかれ、またスリ
ーブと吸入管との重なり代も充分得られ、強度も充分で
、余分な溶接部材の侵入もない等、種々の利点を有する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における圧縮機の横断面図、
第２図は第１図の要部拡大図、第３図は従来例における
第２図相当部の要部拡大図である。 １・・・・・・密閉容器、１０・・・・・・圧縮要素、
１１・・・・・・吸入路、１２・・・・・・透孔、１３
，１６・・・・・・スリーブ、１５・・・・・・凹溝、
１８・・・・・・吸入管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状にして外周面に凹溝を有し、この凹溝に開口する
   吸入路を設けたシリンダと、このシリンダ内に設けられ
   たローラ及びクランク軸を含む回転式圧縮機構を構成す
   る圧縮要素と、この圧縮要素が圧入される円筒状の密閉
   容器と、この密閉容器の側面に上記凹溝に対向して設け
   られた周縁に突出部を有しない透孔と、この透孔に挿通
   され、先端部を上記凹溝に臨ませた状態で密閉容器に固
   定される鋼管製のスリーブと、このスリーブを通して上
   記吸入路に圧入される圧入管及びこの圧入管に接続固定
   される吸入管とを備えた圧縮機。