JPS6126284Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、岸壁に設置されて、小船よりの漁獲
物の荷上げ等に使用される船舶荷捌き用可動甲板
に関する。

従来、港内の水面と岸壁の床面の差が大きい場
合には、小型船、特に船外機付和船等において
は、漁獲物、漁具等の揚げ卸しが困難となり、一
旦港から砂浜等に荷上げしてから、荷捌き場に運
ぶ必要があつた。

また、岸壁に昇降式の甲板を設けた場合には、
大型船の接岸に支障が生ずる欠点があつた。

本考案は、上記欠点を解消しようとするもので
あり、不使用時には、岸壁前端からの退避を可能
とした船舶荷捌き用可動甲板を提供しようとする
ものである。

以下、本考案を図示の一実施例に基づいて詳細
に説明する。

１は港内の水面で、この水面１に面して、垂直
面２ａと、水平をなす床面２ｂとを有する岸壁２
が設けられている。

３は、前後方向をなすように所要の間隔をへだ
てて配設された１対のレールで、このレール３の
断面形状は、ほぼ「Ｉ」字形をなしており、その
上端部には、左右に突出する１対の鍔部３ａを有
し、かつ底部は、前記床面２ｂに、図示を省略し
た複数のボルトによつて固着されている。

４はフレームで、断面が外向きコ字形をなすチ
ヤンネル材からなる、左右１対の側枠４ａ，４ａ
の前端部同士を前枠４ｂをもつて連結することに
より、後方が開口するコ字状に形成され、かつそ
の前端部は、岸壁２より水面１に向つて若干突出
されている。

各側枠４ａの中位部下面には、車輪５が装着さ
れ、床面２ｂ上を前後方向に移動自在となつてい
る。

また、各側枠４ａの後端部は、レール３上に載
置されるとともに、下向きコ字形をなし、かつ前
記レール３を跨ぐように取付けられたはね止め板
６がそれぞれ取付けられている。このはね止め板
６に軸承された、１対の両輪７は、前記レール３
を前後に移動自在にこれを挾持するとともに、鍔
片３ａの下面に摺接して、フレーム４の前端に荷
重が掛かつた場合にも、上方にはね上らないよう
になつている。

フレーム４の各側枠４ａの後端部上面には、ウ
インチ８が取付けられ、これに対応して、各側枠
４ａの前端部内側には、それぞれ前後１対の滑車
９，１０が取りつけられており、かつ前記ウイン
チ８から繰り出された２本のワイヤー１１，１２
が、この滑車９，１０を介して、フレーム４の前
端から垂下されている。

１３は、ほぼ板状をなす甲板で、水面１より上
方に所要の高さに保たれ、その四隅部には、ワイ
ヤー１１，１２の遊端がそれぞれ止着されて、水
平に吊下げられている。

次に、本考案による船舶荷捌き用可動甲板の作
動を説明する。

第１図及び第２図に示すように、岸壁２に近づ
いた小型船Ａの荷物Ｂを荷上げするには、まず、
ウインチ８によつて、ワイヤー１１，１２を繰り
出し、甲板１３の上面を、小型船Ａの上甲板と同
じ高さとする。

次いで、荷物Ｂを甲板１３上に移し、ウインチ
８によつて、甲板１３の上面を、想像線で示すよ
うに床面２ｂと同じ高さとなるまで引上げた後、
岸壁２上に荷卸しを行う。

このような上下の往復動作を繰り返えすことに
よつて、小型船Ａ上の荷物Ｂを岸壁２上に荷上げ
することができる。

大型船が接岸する場合には、甲板１３の下面
が、床面２ｂより若干上方に達する位置まで、ワ
イヤー１１，１２をウインチ８で巻いた後、フレ
ーム４全体を、レール３に沿つて後方に移動させ
ることにより、フレーム４の前端が岸壁２の垂直
面２ａより突出しないように、第３図に示す後方
位置まで、後退させることができる。

なお、フレーム４の移動は、人力でなく、ウイ
ンチを利用して自動的に往復動するようにしても
よい。

また、フレーム４の後端は、レールに対して転
動する車輪をもつて、はね上りを防止してある
が、レールに対して摺動しうる摺動片を使用して
もよい。

以上、詳細に説明したように、本考案装置によ
れば、前後をなす１対の側枠及びこの側枠を連結
する前枠からなるフレームを、その中位部に設け
た車輪をもつて、前後に移動自在に支承するとと
ももに、側枠の後端部を、前後方向をなして並設
されたレールに、摺動自在かつ抜け止めして係合
し、前記フレームの前端部より吊り下げた甲板
を、ワイヤーを介して、フレーム上に設けたウイ
ンチで上下動させるようにしてあるため、簡易な
構造でありながら、岸壁における荷積み及び荷卸
しを、容易かつ迅速に行うことができる。

また、不使用時には、フレームの前端部が岸壁
より突出しない位置まで、レールに沿つてフレー
ムを後退させることができるため、大型船の接岸
にも支障を来さない等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す平面図、第
２図は、同じく側面図、第３図は、第２図におけ
る可動甲板の収納状態を示す側面図である。 １……水面、２……岸壁、２ａ……垂直面、２
ｂ……床面、３……レール、３ａ……鍔部、４…
…フレーム、４ａ……側枠、４ｂ……前枠、５…
…車輪、６……はね止め板、７……両輪、８……
ウインチ、９，１０……滑車、１１，１２……ワ
イヤー、１３……甲板、Ａ……小型船、Ｂ……荷
物。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上端部に水平な鍔部を有し、かつ所要の間隔を
   へだてて前後方向に並設された１対のレールと、 該レールのそれぞれに近接して前後を向く左右
   １対の側枠、及び該側枠間に橋架された前枠から
   なり、その側枠の後端部が、前記レールの鍔部に
   係止されて、上方への抜け止めがされ、かつ長手
   方向に沿つて摺動自在に係合されるとともに、側
   枠の長手方向中位部に設けられた車輪をもつて、
   前後に移動自在に支承されているフレームと、 該フレームに載置されたウインチと、 該ウインチから繰り出されるワイヤーをもつ
   て、前記フレームの前端部において吊下げられる
   甲板とからなり、不使用時には、フレームを後退
   させることにより、岸壁からのフレームの突出を
   なくしうるようにしたことを特徴とする船舶荷捌
   き用可動甲板。