JPS6126203B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、例えば変成器のような電磁誘導器
の改良に関するものである。

一般に電圧を計測するために使用する変成器は
鉄心に二次巻線を巻回し、さらに外周に一次巻線
が巻回されている。この場合、一次巻線は電流が
小さいため細い導体を多数回巻回し、絶縁部材を
介して多層化され絶縁部材を貫通した渡り線で相
互間が接続されている。

従来のものは第１図に示すように、変成器の場
合、鉄心１にそれぞれ二次巻線２及び一次巻線３
が巻回されている。そして、一次巻線３は第２図
及び第３図に示すように、第１の巻線５と第２の
巻線７とを接続線８で接続し、両巻線５，７間に
端部を少しずつずらした絶縁部材６を層状に複数
回重ねて絶縁している。なお、接続線８は絶縁部
材６の両端間に構成された貫通部６ａを貫通して
いる。したがつて、第１及び第２の巻線間の絶縁
耐力は貫通部の絶縁部材の厚みに対応した沿面距
離に依存するので、絶縁部材の厚みを大きくする
必要があるため全体が大きくなるという欠点があ
つた。

この発明は上記欠点を解消するためになされた
もので、第１及び第２の巻線間に設けられた絶縁
層のそれぞれ異なる位置に、絶縁層の所定の層数
ずつ渡り線が可能な少なくとも２個の貫通部を第
１の巻線の送り方向に設けることによつて、小形
化を図ることができる電磁誘導器を提供すること
を目的とするものである。

以下、この発明の一実施例を第１図、第４図及
び第５図について説明する。図において、１は鉄
心、２は上記鉄心１に巻回された二次巻線、３は
上記二次巻線２の外側に巻回された一次巻線であ
る。なお、一次巻線３は次のように構成されてい
る。４は上記二次巻線２と絶縁する絶縁部材、５
は上記絶縁部材４を介して上記二次巻線２の外側
に巻回された第１の巻線、６は上記第１の巻線５
の外周に複数回巻回され層状に構成された絶縁層
であつて、それぞれ周回方向に180度異なる位置
で所定の層数ずつ後述の渡り線８が貫通可能な貫
通部６ａ，６ｂを有する。７は上記絶縁層６を介
して上記第１の巻線５の外側に巻回された第２の
巻線、８は上記両貫通部６ａ，６ｂを貫通して上
記両巻線５，７間を接続した接続線であつて、上
記両貫通部６ａ，６ｂ間で所定の回数巻回されて
いる。

このような構成にすることによつて、第１の巻
線５の巻き始め５ａと第２の巻線７の巻き終り７
ａとの間では、絶縁層６のうち所定の層数による
貫通絶縁耐力が期待できる。

この発明によると、第１及び第２の巻線間に設
けられた絶縁層のそれぞれ異なる位置で、第１の
巻線の方向に、絶縁層の所定の層数ずつ渡り線貫
通が可能な少なくとも２個の貫通部を設けること
によつて、第１の巻線と第２の巻線間に貫通絶縁
耐力を期待できる絶縁層が存在するので、絶縁層
の厚みを大きくすることなく絶縁耐力が強化でき
るため小形化ができる。さらに、第１の巻線と第
２の巻線間の絶縁が強化できるので、両巻線のそ
れぞれの巻回数を増加できるため巻線層を増やさ
ずに製作できる。

なお上記実施例は変成器について説明したが、
巻線を有し高電圧で使用される機器、例えばリア
クトル等に適用しても同様の効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な変成器の断面図、第２図は従
来の変成器の一次巻線の斜視図、第３図は第２図
の−断面を示す断面図、第４図はこの発明の
一実施例を示す斜視図、第５図は第４図の−
断面を示す断面図である。 図において、１は鉄心、５は第１の巻線、６は
絶縁層、６ａ，６ｂは貫通部、７は第２の巻線、
８は渡り線である。なお各図中同一符号は夫々同
一又は相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 鉄心に巻回された第１の巻線と、この第１の
   巻線の外周に複数の層状に構成された絶縁部材を
   介して上記第１の巻線の外側に巻回され、上記第
   １の巻線と渡り線によつて接続された第２の巻線
   を有するものにおいて、上記絶縁層はそれぞれ異
   なる位置に、絶縁層の所定の層数ずつ上記渡り線
   が貫通可能な少なくとも２個の貫通部を上記第１
   の巻線及び上記第２の巻線の周回方向に所定の角
   度を有するように順次配設したことを特徴とする
   電磁誘導器。 ２ 渡り線は隣接する貫通部間において鉄心に複
   数回巻回されていることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の電磁誘導器。