JPS6125571B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、車体後部にバツクドアを有する自動
車の後部ステツプ装置に関するものである。

（従来技術） 一般に、車体後部にバツクドアを有し、該バツ
クドアを開閉して荷室に荷物を積み卸しするよう
にしたバンタイプ等の自動車においては、作業者
が荷室に出入りする場合に、荷室の床面は地上か
ら所定の高さがあるので、その乗降を容易とする
ためのステツプが要望されている。

しかし、例えばバンパーに段差部を設けてステ
ツプを固定式に形成した場合には、このステツプ
の高さおよび後方への突出量は制限され、また、
ステツプの形成は車体全長、荷室長さに影響を与
え、バンパーのデザインを損なうなどの不具合が
ある。

（発明の目的） 本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、車
体後部にバツクドアを有する自動車において、荷
室への乗降がきわめて良好に行えると同時に、ス
テツプ部非使用時にはステツプ部を格納すること
により、車体全長、荷室長さに悪影響を与えるこ
となく、バンパーのデザインも良好に維持できる
自動車の後部ステツプ装置を提供することを目的
とするものである。

（発明の構成） 本発明は、上記目的を達成するために、バツク
ドア下方にバンパーを設け、該バンパーの上面に
ステツプ部を形成するとともに、該バンパーを支
持部材により揺動自在に支持し、上記支持部材に
車体に回動自在に支持されたアーム部材の一端を
連結するとともに、該アーム部材の他端に車体フ
ロアの下方で前後方向に摺動自在に保持されたロ
ツド部材を回転可能に連結し、上記バツクドアの
下端に上記車体フロアのフロア面より下方に延長
され上記ロツド部材の先端に当接する延長部を形
成するとともに、上記車体フロア下部に、上記バ
ンパーの下降位置で上記ステツプ部の下面に当接
するストツパー部材を設けたことを特徴とするも
のである。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に沿つて説明す
る。

第１図ないし第３図に示す自動車において、１
は車体後部のバツクドア、２はバツクドア１の下
方に設けられたバンパーであつて、３分割された
中央の分割バンパー２ａにてステツプ装置３が構
成されている。

上記分割バンパー２ａは、バツクドア１の開閉
により上昇位置（第２図参照）と下降位置（第３
図）との間を平行移動可能で、上面が幅広のステ
ツプ部３ａに形成され、内面部にはブラケツト４
が設けられている。一方、車体フロア５の後端下
部に後部フレーム６が形成され、該後部フレーム
６には、下方に延びるブラケツト７が固設される
とともに、前記分割バンパー２ａの上昇位置で分
割バンパー２ａに対向する一方分割バンパー２ａ
の下降位置でステツプ部３ａの下面に当接する略
Ｌ字状のストツパー部材８の上端部が固着されて
いる。

また、バツクドア１の開閉動と分割バンパー２
ａの移動とを連動せしめるリンク手段９におい
て、１０，１１は分割バンパー２ａのブラケツト
４と車体側ブラケツト７の下端部とを揺動自在に
連結する支持部材としての平行リンク、１２は車
体フロア５の下方で後部フレーム６を貫通し前後
方向に摺動自在に保持され先端がバツクドア１内
面に当接するロツド部材、１３は中間部が枢軸１
４にて前記車体側ブラケツト７に回動自在に支持
されたアーム部材である。アーム部材１３の上端
はピン１５にて上記ロツド部材１２の内端部と回
転可能に連結される一方、下端に立設されたピン
１６は平行リンク１０に設けられた長溝１０ａに
係合されている。また、１７は引張スプリング
で、一端がアーム部材１３の枢軸１４より下方に
接続され、他端が車体フロア５下面に接続されて
いる。１８は後部フレーム６に装着されたシール
ラバーである。

なお、上記バツクドア１の下端に、車体フロア
５のフロア面より下方に延長されロツド部材１２
の先端が常時当接する延長部１ａが形成されてい
る。

次に、本例の作用を説明すれば、バツクドア１
の閉時は、第２図に示す如く、ロツド部材１２が
バツクドア１により没入作動され、リンク手段９
によつて分割バンパー２ａは上昇位置にあつて、
第１図のように一直線状のバンパー２を構成して
いる。

一方、バツクドア１を開くと、第３図に示すよ
うに、ロツド部材１２の没入作動は開放され、分
割バンパー２ａは自重の作用により平行リンク１
０，１１に規制されて後下方に平行移動し、ステ
ツプ部３ａ下面とストツパー部材８との当接にて
停止し、ステツプ部３ａが車体外方側の下降位置
に位置する。その際、アーム部材１３はピン１６
が平行リンク１０の長溝１０ａに沿つて移動する
のに従つて回動し、ピン１５はロツド部材１２を
突出移動させる。

バツクドア１を閉じる場合には、リンク手段９
は上記と逆に動作するものであつて、バツクドア
１の閉じ力によりロツド部材１２が没入されるの
に従つてアーム部材１３が回動し、アーム部材１
３のピン１６が平行リンク１０を起こすように回
動させながら長溝１０ａ内を摺動することにより
ステツプ部３ａを上方車体内方側へ移動させる。
その場合、アーム部材１３の回動により引張スプ
リング１７の軸線がアーム部材１３の枢軸１４よ
り上方側へ思案点を越えると、該引張スプリング
１７の引張力はステツプ部３ａを引き上げる方向
に作用し、分割バンパー２ａの格納動作を補助す
る。なお、引張スプリング１７の引張力はバツク
ドア１開時の分割バンパー２ａの自重移動を妨げ
ない程度のものに設定する。

尚、上記実施例において、バツクドア１と分割
バンパー２ａとを連動するリンク手段９は、図示
の構造に限定されるものではなく適宜設計変更可
能である。

（発明の効果） 従つて、以上の如き本発明ステツプ装置によれ
ば、車体後部のバツクドア下方に設けたバンパー
にステツプ部を形成するとともに、バツクドアの
開閉動に連動してバツクドアの開時にバンパーの
ステツプ部を車体外方側の下降位置に位置させる
ように設けたため、ステツプ部がバンパーの上面
より下方で且つ車体後方に突出して形成でき、荷
空への乗降がきわめて良好に行えると同時に、バ
ツクドアの閉時すなわちステツプ部非使用時には
該ステツプ部を格納することにより、車体全長、
荷室長さに悪影響を与えることなく、バンパーの
デザインも良好に維持できる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は自動車
の後部斜視図、第２図はバツクドア閉時の断面
図、第３図はバツクドア開時の同断面図である。 １……バツクドア、１ａ……延長部、２……バ
ンパー、３……ステツプ装置、３ａ……ステツプ
部、５……車体フロア、８……ストツパー部材、
９……リンク手段、１０，１１……平行リンク、
１２……ロツド部材、１３……アーム部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体後部にバツクドアを有する自動車におい
   て、該バツクドア下方にバンパーを設け、該バン
   パーの上面にステツプ部を形成するとともに、該
   バンパーを支持部材により揺動自在に支持し、上
   記支持部材に車体に回動自在に支持されたアーム
   部材の一端を連結するとともに、該アーム部材の
   他端に車体フロアの下方で前後方向に摺動自在に
   保持されたロツド部材を回転可能に連結し、上記
   バツクドアの下端に上記車体フロアのフロア面よ
   り下方に延長され上記ロツド部材の先端に当接す
   る延長部を形成するとともに、上記車体フロア下
   部に、上記バンパーの下降位置で上記ステツプ部
   の下面に当接するストツパー部材を設けたことを
   特徴とする自動車の後部ステツプ装置。