JPS6124548B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、回転電機に連結し入口弁とガイドベ
ーンとを備えた横軸水力機械の起動時あるいは調
相運転時に流路部の水を押し下げてランナの空中
運転を行なう横軸水力機械とその運転方法に関す
る。

一般に、容量の大きい回転電機に連結した水力
機械はポンプ起動時あるいは調相運転時に流路部
へ高圧空気給気して水を排出しランナを空中に露
出させることにより、ランナの回転動力を軽減し
た状態で運転を行なつている。この場合、回転軸
が垂直方向にある立軸水力機械では水平面上窪み
の少ない流路構成であり水の排水は容易である
が、これに対し回転軸が水平方向にある横軸水力
機械では水平面上窪みの多いすなわち水溜まり部
が形成され易い流路構成となるので水の排出が難
しい。

第２図は従来の横軸水力機械であつて、１は横
軸のランナ、２はランナ１の入口側外周に円形翼
列状に配置した可動のガイドベーン、３はガイド
ベーン２の外側を囲むケーシング、４はランナ１
の出口側に接続する吸出し管、５はランナ１の直
結している主軸、６はランナ室である。２ａはガ
イドベーン外側流路、２ｂはガイドベーン内側流
路、９はランナ１より下方にあるガイドベーン内
側流路２ｂと吸出し管４路部とを弁９ａを介して
連絡する接続管９である。

このような横軸水力機械において水の排水を行
なう場合は、ガイドベーン２を全閉にし弁９ａを
開口させた状態でガイドベーン内側流路部２ｂに
圧縮空気を供給し、ガイドベーン内側流路部２ｂ
の水を配水管９を通つて吸出し管４の下方部へ配
出することにより、所定の水面位置４ａまで押し
下げ、しかる後に圧縮空気の供給を中止し、ラン
ナ１の空中運転を行なう。

しかしながら、この方法ではランナ回転中に漏
気があると水面が上昇し、例えば４ｂの位置まで
変化した場合は、ガイドベーン内側流路２ｂにお
いても接続管９を通して水面が４ｂの位置まで上
昇し、回転するランナ１の下部と接することにな
る。従つて、回転するランナ１はガイドベーン内
側流路部２ｂに溜まる水を撹拌するから、ランナ
回転動力の増大とともに撹拌により温度上昇を伴
ない、安定した運転が行なえないことになる。こ
のように、比較的良いとされている従来の方法に
よつても、ランナの空中運転を不安定におとし入
れる回転動力増大と温度上昇を伴ない易い欠点が
あつた。

本発明は上記欠点に鑑みなされたもので、ラン
ナの回転動力増大と温度上昇を制御し安定した運
転を行なうことができる横軸水力機械および運転
方法を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明は横軸水力
機械本体のガイドベーンより下方のガイドベーン
外側流路部と吸出し管との間に弁を介して連通す
る接続管を装着して、横軸水力機械本体の入口弁
を全閉にし、ガイドベーンを小開にして、ガイド
ベーン内側流路部またはガイドベーン外側流路部
のいずれか一方から圧縮空気を供給し、ランナを
空中運転し、次いで接続管の弁を閉じ圧縮空気を
排出して充水するようにした横軸水力機械および
運転方法を提供する。

以下本発明を第１図に示す実施例について説明
する。第１図において、１はランナ、２はランナ
１の入口側外周に円形翼列状に配置した可動のガ
イドベーン、３はガイドベーン２の外側を囲むケ
ーシング、４はランナ１の出口側に接続する吸出
し管、５はランナ１が直結している主軸、６はラ
ンナ室である。またケーシング３の入口部には図
示していない入口弁が付設されている。いづれの
ガイドベーン２よりも下方にあるガイドベーン外
側流路部２ａ（例えばケーシング３の下方部）と
吸出し管４の下方部とを弁７ａを介して連結した
接続管７を設けてある。

次に運転方法を説明する。図示していない入口
弁を全閉にしたガイドベーン２を小開にしてガイ
ドベーン内側流路部２ｂとガイドベーン外側流路
部２ａを相互に連通せしめた状態で、ガイドベー
ン内側流路部２ｂとガイドベーン外側流路部２ａ
のいづれか一方あるいは両方へ給気を行なうとと
もに、接続管７の弁７ａを開口して、ガイドベー
ン内側流路部２ｂの水をガイドベーン外側流路部
２ａへ排出し、さらにこれを接続管７を通過させ
て吸出し管４の下方部へ排出することにより所定
の水面位置４ａまで押し下げ、しかる後給気を中
止し、そのままランナ１の空中運転を行なう。し
かる後に接続管７の弁７ａを閉じて排気しケーシ
ング３に充水して運転に入る。

すなわち、給気によりランナ室６の水ををラン
ナ室６から直接これと連絡する吸出し管４へ排出
するとともに窪みとなつて排水が難しいガイドベ
ーン内側流路部２ｂ下方部（ランナ室６下方部）
の水はガイドベーン２を小開することによりガイ
ドベーン外側流路部２ａへ、さらにはガイドベー
ン外側流路部２ａ下方部に開口する接続管７を通
して吸出し管４の下方部へと排出できる極めて簡
便にして合理的な方法である。また、この方法で
はガイドベーン２を小開にするので、ランナ室６
の水は完全に排出できるとともにケーシング３の
水も所要の位置４ａまで押し下げることができる
ので、ランナ１は完全に空中へ露出してランナ１
の回転による反抗トルクを風損だけ最小のものに
低減できる。

以上の様に本発明によれば、排水が難しい横軸
水力機械において、ガイドベーンより下方のガイ
ドベーン外側流路部から吸出し管に連通する接続
管を設けた簡便な装置により、ランナは完全に空
中に露出して空中運転を行なうことができるすぐ
れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の横軸水力機械の一実施例を示
す縦断面図、第２図は従来の横軸水力機械を示す
縦断面図である。 １……ランナ、２……ガイドベーン、２ａ……
ガイドベーン外側流路部、２ｂ……ガイドベーン
内側流路部、３……ケーシング、４……吸出し
管、５……主軸、６……ランナ室、７……接続
管、７ａ……弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 横軸のランナと、このランナの出口側に接続
   する吸出し管と、ランナの入口側外周に円形翼列
   状に配置した可動のガイドベーンと、このガイド
   ベーンの外側を囲むケーシングと、このケーシン
   グの入口部に接続する入口弁と、吸出し管に一端
   を開口し弁を介してガイドベーンより下方のガイ
   ドベーン外側流路部に他端を開口して連通する接
   続管とを設けたことを特徴とする横軸水力機械。 ２ 入口弁を全閉にするとともにガイドベーンを
   小開にし、ガイドベーン内側流路部またはガイド
   ベーン外側流路部のいずれか一方から給気し、吸
   出し管とガイドベーンより下方のガイドベーン外
   側流路部とを連通する接続管の弁を開口させ、水
   面押し下げをしてランナを空中運転し、次いで接
   続管の弁を閉じ排気して充水する横軸水力機械の
   運転方法。