JPS585598Y2 - 脱水兼用洗濯機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転槽を回転させて内部の水を遠心力により揚
水し上部位から放出するようにした脱水兼用洗濯機に関
する。

この種の脱水兼用洗濯機では、脱水軸の上端部の内径を
径大にして該脱水軸内を挿通する洗い軸のまわりに導水
路を形成すると共に、脱水軸を包囲して設けたケーシン
グを導水路に連通させ、そしてこのケーシング内の水を
排水弁を介して排出する排水路を設け、ケーシングと排
水弁とを連通ずる管路に水位スイッチの圧力作動源たる
エアトラップを連通して設けることが考えられている。

しかしながら、この構成によれば、ケーシング内に砂等
が溜まり、これによりケーシングの下開口部を密封する
シールの特に上面部分の摩耗を早めるという問題があっ
た。

本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的
は、ケーシングの内側に防護壁を一体に形成し、この防
護壁によって砂等の異物からシールを保護してシールの
長寿命化を図り得る脱水兼用洗濯機を提供するにある。

以下本考案の一実施例を第１図及び第２図に基づいて説
明する。

１は外箱で、これは底板２ａを一体に有する上部箱体２
を下部箱体３に載置固定して成る。

４は上部箱体２を外槽としてその内部に配設した回転槽
で、これは無孔状をなすと共に、周壁が上方に向かって
漸次拡開するテーパ状に形成され、回転駆動されると内
部の水を遠心力により揚水してこれを上部のバランスリ
ング５との間に形成された脱水間隙６を介して上部箱体
２内に放出するようにしている。

７は下部箱体３内に吊り棒８を介して弾性支持した支持
板で、これにはハウジング９を配設固定しており、該ハ
ウジング９には回転槽４の底部に受金１０を介して連結
した脱水軸１１を軸受１２を介して挿通支持している。

１３は脱水軸１１に軸受１４を介して挿通支持した洗い
軸で、回転槽４の内底部に突出するこの洗い軸１３の上
端部には攪拌翼１５を直結している。

１６は支持板７に取付けたモータ、１７はこのモータ１
６の回転を脱水軸１１及び洗い軸１３に選択的に伝達す
るクラッチ機構である。

１８は底板２ａに形成した出水口で、これには排水ホー
ス１９を連結している。

２０は脱水軸１１の上端部の内径を径大にして洗い軸１
３のまわりに形成した導水路で、これは脱水軸１１の上
端開口部を介して回転槽４内に連通している。

２１は導水路２０内の下端部に装着され脱水軸１１と洗
い軸１３との間を水封するシールである。

２２はハウジング９の上端部に脱水軸１１の上端部を囲
繞するように嵌着した円筒状のケーシングで、その上端
開口部には脱水軸１１に摺接する上シール２３を嵌着す
ると共に、下端開口部には下シール２４及び補助シール
２５を嵌着して、上シール２３及び下シール２４間に形
成された空間を通水室２６としている。

２７は脱水軸１１の上端部局壁に形成した複数個の連通
孔で、これは導水路２０と通水室２６とを連通ずるもの
である。

２８はケーシング２２の周壁に形成した排水口で、これ
を排水弁２９を介して排水路たる排水ホース１９に連結
し、以て通水室２６を排水弁２９を介して排水ホース１
９に連通せしめている。

３０はケーシング２２の内側に下シール通水室２６の内
底部に位置して下シール２４を覆うように一体に形成し
た環状の防護壁で、これは内周側を脱水軸１１に摺接さ
せており、その内周部分は外周に向かって下降傾斜して
いる。

３１はケーシング２２の排水口２８と排水弁２９とを連
結する管路３２に形成したエアトラップ、３３は操作箱
３４内に設けられエアトラップ３１を圧力作動源とする
水位スイッチである。

３５は底板２ａに形成された開口部を水封するベローズ
である。

次に上記構成の作用につき説明する。

洗濯物を洗剤と共に回転槽４内に投入し、図示しないタ
イマ装置をセット操作すると、給水、洗剤洗い、脱水。

給水、すすぎ洗い及び脱水の各行程が順次自動的に進行
されてゆく。

而して、洗剤洗い及びすすぎ洗いの各行程に前後して行
われる給水行程及び脱水行程においては、排水弁２９が
閉塞しているため、給水が開始されると、その水は導水
路２０がら連通（Ｌｉ２を介して通水室２６内に流入し
、管路３２７通水室２６及び導水路２０の順に水が充満
する。

そして、回転槽４内に所定量の水が貯留されると、その
水位に応じたエアトラップ３１の空気圧に応動して水位
スイッチ３３が作動し、これに基づいて給水が停止され
、洗剤洗い又はすすぎ洗い行程に移行する。

この洗剤洗い又はすすぎ洗いの終了後、脱水行程に移行
すると、回転槽４が回転駆動されるとともに、排水弁２
９が開放されるため、回転槽４内の洗い水は、遠心力に
より揚水されて上部箱体２内に放出され、出水口１８及
び排水ホース１９を介して機外に排出されるとともに、
導水路２０５通水室２６．排水口２８．管路３２．排水
弁２９及び排水ホース１９といった排水経路を介しても
機外に排出される。

そして、回転槽４内の水が略放出・された後に洗濯物の
脱水が行われ、その水は遠心力により揚水されて上部箱
体２内に放出され、出水口１８及び排水ホース１９を介
して機外に排出される。

ところで、洗剤洗い或はすすぎ洗い時、特に洗剤洗い時
には洗濯物から砂等の異物が洗い出され、その後の排水
時に砂等の異物は導水路２０を介して通水室２６内に流
し出されるが、通水室２６の内底部には防護壁３０が設
けられていて、下シール２４を覆っているので、下シー
ル２４を砂等の異物から保護することができ、従って異
物による下シール２４の早期摩耗を有効に防止でき、そ
の長寿命化を図ることができる。

この場合、本実施例のように防護壁３０の内周部を外周
に向って下降傾斜させた場合には、異物はその傾斜によ
って外周側に排除されるので、異物が防護壁３０と脱水
軸１１との間に侵入することを極力防止できる。

このように本実施例によれば、防護壁３０によって下シ
ール２４を砂等の異物から保護して、下シール２４の長
寿命化を図ることができ、ケーシング２２の水密性を長
期間良好な状態に維持できる。

しかも防護壁３０はケーシング２２と一体であるがら、
部品点数の増大を招来することなく、安価に所期の目的
を遠戚できる。

尚、上記実施例では、防護壁３０の内周部を脱水軸１１
に摺接させたが、砂等の異物は脱水軸１１の回転による
遠心力を受けてケーシング２２の周壁方向に飛ばされる
傾向となるから、防護壁３０としては必ずしも脱水軸１
１に摺接する必要性はなく、若干の隙間はあっても、脱
水軸１１に近接していればよい。

次に第３図は本考案の他の実施例を示すもので、これは
ケーシング３６の防護壁３７を、脱水軸の回転方向に向
って漸次下降するように形成し、排水口３８を防護壁３
７の最下部に対応する位置に形成したものである。

このように構成した場合には、脱水軸の回転により通水
室３９内に形成される水流によって、該通水室３９内に
流し出された砂等の異物が防護壁３７に沿って流動して
、その最下部に集められ、そして排水口３８から流れ出
る水によって押し流されるように排除されるので、異物
が通水室３９内に残留することなく、そのほとんど全て
を確実に排除できるようになる。

本考案は以上説明したように、上下両側に上シール及び
下シールを装着して両シール間に通水室を形成するケー
シングの内側に、前記通水室の内底部に位置して下シー
ルを覆う防護壁を一体に形成する構成としたことにより
、防護壁によって下シールを砂等の異物から保護して、
その長寿命化を図ることができると共に、防護壁をケー
シングと一体に形成するから、部品点数の増加を招来す
ることなく、安価に所期の目的を達成できるという優れ
た効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す脱水兼用洗濯機の全体
の縦断面図、第２図はその要部の拡大縦断面図であり、
第３図は本考案の他の実施例のケーシングの斜視図であ
る。 図中、２は上部箱体（外槽）、４は回転槽、１１．は脱
水軸、１３は洗い軸、１５は攪拌翼、１９は排水ホース
（排水路）、２０は導水路、２２．３６はケーシング、
２３は上シール、２４は下シール、２５は補助シール、
２６．３９は通水室、２８．３８は排水口、２９は排水
弁、３０．３７は防護壁、３１はエアトラップ、３３は
水位スイッチテする。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．外槽内に配設され回転駆動されると内部の水を遠心
   力により揚水してこれを上部位から前記外槽内に放出す
   る洗い及び脱水兼用の回転槽と、内部に洗い軸を挿通さ
   せて前記回転槽の底部に連結され上端部の内径を径大に
   して前記洗い軸のまわりに前記回転槽内に連通ずる導水
   路を形成した脱水軸と、この脱水軸を囲繞するように配
   設され上下両側に脱水軸に摺接する上シール及び下シー
   ルを装着して両シール間に前記導水路に連通する通水室
   を形成したケーシングと、このケーシングの周壁に形成
   された前記通水室を排水弁を介して排水路に連通させる
   排水口と、前記ケーシングの内側に前記通水室の内底部
   に位置して前記下シールを覆うように一体に形成され内
   周側が前記脱水軸に摺接若しくは近接する環状の防護壁
   とを具備して戊る脱水兼用洗濯機。 ２、防護壁の内周側が外周方向に向かって下降傾斜して
   いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に
   記載の脱水兼用洗濯機。 ３、防護壁が脱水軸の回転方向に向かって下降し、その
   最下部に対応する位置に排水口が設けられていることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項に
   記載の脱水兼用洗濯機。