JPS5814945Y2 - 脱水兼用洗濯機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転槽を回転させてその内部の水を遠心力によ
り揚水し上部位から放出するようにした脱水兼用洗濯機
に関する。

この種の脱水兼用洗濯機には、第１図に示すように、回
転槽１の外底部に固定したキャップ２とベローズ３を介
して図示しない外槽側に連結されたケーシング４とで回
転槽１内に連通ずる通水室５を形成すると共に、この通
水室５内の水を排水弁６を介して排出させる排水路７を
設け、そして通水室５と排水弁６とを連結する管路８に
図示しない水位スイッチの圧力作動源たるエアトラップ
９を設け、以て該エアトラップ９を回転槽１内に連通さ
せるように構成したものがある。

しかしながら、この従来構成のものでは、キャップ２及
びケーシング４の他に、キャップ２とケーシング４との
間を水封するシール１０．ケーシング４と脱水軸１１と
の間を水封するシール１２．脱水軸１１の回転を許容す
るようにケーシング４に設けられた軸受け１３等の多く
の部品を必要とするため、組立作業に多くの手間を要し
、しかも通水室５は回転槽１の受金１４に脱水軸１１の
まわりに位置して形成された透孔１５を介して回転槽１
内に連通させる構造であるため、勢いキャップ２の外径
寸法が大きくなり、加工精度をかなり厳しくしないとキ
ャップ２とケーシング４とを同心にすることが困難で、
加工が難しいといった種々の問題がある。

本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的
は、部品点数の減少化及び組立作業の容易化を図ること
ができる等の効果を奏する脱水兼用洗濯機を提供するに
ある。

以下本考案の一実施例を第２図及び第３図に基づいて説
明する。

２１は外箱で、これは底板２２ ａを一体に有する上部
箱体２２を下部箱体２３に載置固定して戒る。

２４は上部箱体２２を外槽としてその内部に配設した回
転槽で、これは無孔状をなすと共に、周壁を上方に向か
って漸次拡開するテーパ状に形威され、回転駆動される
と内部の水を遠心力により揚水してこれを上部のバラン
スリング２５との間に形成された脱水間隙２６を介して
上部箱体２２内に放出するようにしている。

２７は下部箱体２３内に吊り棒２８を介して弾性支持し
た支持板で、これにはハウジング２９を配設固定してお
り、該ハウジング２９の上端部は底板２２ ａに形威さ
れた開口部３０内に位置している。

３１は支持板２７に配設固定されたモータ３２の回転を
洗い及び脱水の各運転に応じて攪拌翼３３及び回転槽２
４に選択的に伝達するクラッチ機構で、その脱水軸３４
はハウジング２９に軸受け３５を介して回転可能に挿通
支持され、上端部を回転槽２４の底部に受金３６を介し
て締付ナツト３７により固定している。

３８は脱水軸３４に軸受け３９を介して回転可能に挿通
支持した洗い軸で、その上端部に攪拌翼３３をねじ４０
により固定している。

４１は底板２２ ａに形成した排水口で、これには排水
ホース４２を連結している。

４３は脱水軸３４の上端の径大部３４ ａの内径を径大
にして洗い軸３８のまわりに形成した導水路で、これは
脱水軸３４の上端開口部を介して回転槽２４内に連通し
ている。

４４及び４５は脱水軸３４の径大部３４ ａの同径部分
の外周囲にこれに水密に摺接して設けた上シール及び下
シールで、例えば上シール４４の外周壁を下方に延長し
て筒状部４４ ａを形成し、この筒状体４４ ａの下端
部内側に下シール４５を圧入し、以て上シール４４及び
下シール４５を嵌合により互に連結して両者間に通水室
４６を構成する通水室ユニッ）Ａを形成し、この通水室
ユニツ）Ａの下端部をハウジング２９の上端部内側に圧
入により固着している。

４７は脱水軸３４の径大部３４ ａに形威した連通孔で
、これは導水路４３と通水室４６とを互に連通させるも
のである。

４８は上シール４４の筒状部４４ ａに一体に形威した
出水口体で、これを排水弁４９を介して排水ホース４２
に連通させ、以て排水弁４９及び排水ホース４２を順に
介する通水室４６の排水路５０を構成している。

５１は出水体４８と排水弁４９とを連結する管路５２に
形威したエアトラップ、５３は操作箱５４内に設けられ
エアトラップ５１を圧力作動源とする水位スイッチであ
る。

５５は底板２２ ａの開口部３０を水封するベローズで
、その外周縁部を開口部３０に水密に嵌着し、内周縁部
を上シール４４に水密に嵌着している。

次に上記構成の作用を説明する。

洗濯物を洗剤と共に回転槽２４内に投入し、タイマ装置
をセット操作すると、給水、洗剤洗い、脱水、給水、す
すぎ洗い及び脱水の各行程が順に自動的に行われる。

而して、給水行程においては、排水弁４９が閉塞してい
ることにより、回転槽２４内に供給された水は、まず導
水路４３及び通水室４６を介して管路５２内に流入し、
管路５２９通水室４６．導水路４３の順に水が充満して
ゆく。

そして、回転槽２４内に所定量の水が貯留されると、そ
の水位に応じたエアトラップ５１の空気圧に応動して水
位スイッチ５３が作動し、これに基づいて給水が停止さ
れる。

また、脱水行程においては、回転槽２４が回転駆動され
ると共に、排水弁４９が開放されるため、回転槽２４内
の水は遠心力により揚水されて上部箱体２２内に放出さ
れ、排水口４１及び排水ホース４２を介して機外に排出
されると共に、管路５２９通水室４６及び導水路４３内
の水も、排水弁４９及び排水ホース４２を介して機外に
排出される。

そして、回転槽２４内の水が略排出された後に洗濯物の
脱水が行われ、その水は上記と同様にして機外に排出さ
れる。

このように本実施例によれば、上シール４４の筒状部４
４ ａに下シール４５を嵌合して通水室ユニットＡを形
威し、この上下各シール４４．４５だけで通水室４６を
構成できるようにしたから、従来構成のような通水室５
を構成するためにキャップ２．ケーシング４及び軸受１
３が不要になり、それだけ部品点数を削減できる。

また、通水室ユニッ）Ａを構成する部品が上シール４４
及び下シール４５の２点のみで極めて少ない上、この通
水室ユニットＡは脱水軸３４の上端部に挿通してハウジ
ング２９の上端部内側に嵌合して固定できるから組立作
業も頗る簡単化できる。

そして、部品点数を減少することができることから、水
封すべき個所が減少し、水洩れ防止に対する信頼性が向
上する。

また、通水室４６を脱水軸３４に形成した連通孔４７及
び導水路４３を介して回転槽２４内に連通させる構成で
あるから、上シール４４及び下シール４５は脱水軸３４
の径大部３４ ａに応じた小形のものでよく、従って上
シール４４及び下シール４５の製作精度をそれ程厳しく
する必要がなく、また上シール４４及び下シール４５を
ハウジング２９に同心的に嵌着させるための加工もそれ
程厳しく管理する必要もなくなり、製作し易くなる。

しかも、上下各シール４４．４５は共に脱水軸３４の径
大部３４ ａの同径部分に摺接するようにしたから、両
シール４４．４５の内径寸法を同一に形成することがで
き、従って製作・組立上の寸法管理も容易となる。

尚、上記実施例では上シール４４の外周壁を延長してそ
の下端部に下シール４５を嵌着するようにしたが、逆に
下シール４５の外周壁を上方に延長してその上端部に上
シール４４を嵌着するようにしてもよい。

その他本考案は上記し且つ図面に示す実施例のみに限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々
変更して実施することができるものである。

本考案は以上説明したように、脱水軸の上端部外周にこ
れに水密に摺接して設けられる上シール及び下シールを
互に嵌合により連結して、両者間に通水室を形成する構
成としたがら、部品点数の減少化及び組立作業性の向上
を図り得ると共に、部品点数の減少により水封すべき個
所が減少するので、水洩れ防止に対する信頼性が向上し
、更には上シール及び下シールを小形に製作できるので
、その製作精度をそれ程厳しくする必要がなくなりしか
も各シールの内径寸法を同一に設定できるがら寸法管理
が簡単となり、製作が容易になるといった効果を奏する
脱水兼用洗濯機を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に対する従来例を示す縦断面図、第２図
は本考案の一実施例を示す脱水兼用洗濯機の全体の縦断
面図、第３図は同要部の拡大縦断面図である。 図面中、２２は上部箱体（外槽）、２４は回転槽、２９
はハウジング、３４は脱水軸、３４ ａは筒状部、３８
は洗い軸、４３は導水路、４４及び４５は上シール及び
下シール、４６は通水室、４７は連通孔、４８は出水口
体、４９は排水弁、５０は排水路、５１はエアトラップ
、５３は水位スイッチである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外槽内に配設され回転駆動されると内部の水を遠心力に
   より揚水してこれを上部位から前記外槽内に放出する洗
   い及び脱水兼用の回転槽と、内部に攪拌翼に連結される
   洗い軸を挿通させて前記回転槽の底部に連結され上端部
   の内径を径大にして前記洗い軸のまわりに前記回転槽内
   に連通ずる導水路を形成し且つこの導水路を外方に連通
   させる連通孔を有した脱水軸と、少なくとも一方が出水
   口体を備えた筒状部を有し他方がこの筒状部に嵌合され
   て両者間に通水室を形成して成り夫々前記脱水軸の上端
   外周の同径部分に前記通水室が前記連通孔を介して前記
   導水路と連通ずるように嵌合され且つ前記脱水軸を回転
   自在に支持するハウジングの上端開口部に嵌合固定され
   た上シール及びシアルと、前記出水口体に連通され前記
   通水室内の水を排水弁を介して排出させる排水路とを具
   備して成る脱水兼用洗濯機。