JPS6121027Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパルセータを洗い軸により回転伝達機
構を介して回転駆動する洗濯機に関する。

例えば脱水兼用洗濯機にあつては、近来洗浄効
果の向上を目的としてパルセータを脱水槽兼用の
洗い槽の内底部に偏心配置することが考えられて
いる。而して、このものでは洗い槽の底部中央に
洗い軸を挿通させると共に洗い槽内底部のうち前
記洗い軸から偏心した部位にパルセータの枢軸を
挿通支持する軸受筒体を配設し、パルセータを洗
い軸により歯車機構を介して回転駆動する構成と
している。しかしながら、上記構成では洗い時に
おいて枢軸と軸受筒体の軸受部分との間に汚れた
洗い水と共に砂、泥等の異物が侵入し、このため
軸受部分が異常摩耗を起こすという問題があつ
た。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的は、軸受部分への洗い水の侵入を断つこと
により異常摩耗の発生を確実に防止することがで
きる洗濯機を提供するにある。

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明する。まず、全体構成の概略を示す第１図にお
いて、１は脱水兼用洗濯機の外箱で、これは下箱
１ａとこれに載置した上箱１ｂとから成り、外箱
１の開放上面には略中央に洗濯物出入口２を形成
すると共に後方部に操作箱３を立設したカバー４
を被着している。５は外箱１内に配設した脱水槽
兼用の洗い槽で、これは上端開口部に装着したバ
ランスリング６との間に脱水間隙７を形成した無
孔状をなすもので、内部に洗い水を直接貯留する
ようになつている。次に、前記洗い槽５の支持構
造等を示す第２図において、８は下箱１ａ内に配
設した図示しない駆動機構のハウジングで、これ
は弾性吊持機構の吊り棒８ａを介して外箱１内に
弾性吊持することにより支持されている。９はハ
ウジング８の上端部に取着したケーシングで、こ
れの内部は通水チユーブ１０により図示しないエ
アトラツプ及び排水弁を順に介して排水ホースに
連結されている。１１は中空の脱水軸で、これは
軸受１１ａを介してハウジング８内に挿通状態に
支持され、上端部に連結用の筒軸１２を圧入固着
している。１３，１４は共に筒軸１２とケーシン
グ９との間の空間を水密に保つシールリングであ
る。１５は洗い軸で、これは脱水軸１１及び筒軸
１２内に軸受１５ａを介して同心に挿通支持さ
れ、上端部は脱水軸１１の筒軸１２の上端部に取
着したシールリング１６を貫通して上方に突出し
ている。そして、図示はしないが、この洗い軸１
５及び前記脱水軸１１はクラツチ機構を介してモ
ータに連結され、該クラツチ機構の作用によりモ
ータの回転力を選択的に伝達されるようになつて
いる。一方、前記洗い槽５の底部にはその中心か
ら所定量偏心して後述するパルセータ使納用の円
形の凹所１７を形成すると共に、該凹所１７の底
部のうち洗い槽５底部の中央に相当する部位から
右側方に延びる比較的幅広な溝１８を陥没形成
し、この溝１８の洗い槽５底部中央に相当する部
位には前記筒軸１２を挿通させる開口部１９を形
成している。そして、この開口部１９及び筒軸１
２のフランジ部１２ａに形成した通水孔２０を介
して溝１８内ひいては洗い槽５内をケーシング９
内に連通させるようにしている。２１は洗い槽５
の底部のうち前記凹所１７の略中央に一体成形に
より陥没形成した軸受覆い部で、これは上面を開
放した円筒容器状をなしている。２２は洗い槽５
の外底部に固定した補強底板で、これはその略中
央に形成した嵌合孔２２ａを前記筒軸１２に嵌合
した状態で筒軸１２のフランジ部にねじ止めされ
ており、これにより洗い槽５を脱水軸１１に直結
状態に取付けている。２３は凹所１７内に開放せ
る前記溝１８の上面部を閉鎖する略矩形の閉鎖基
板で、これには洗い槽５中央に相当する部位に嵌
合孔２４を形成し、この嵌合孔２４から所定距離
離れた部位に軸受筒体２５を上下に突出するよう
一体に形成してあり、嵌合孔２４を筒軸１２の上
端部に嵌合し、且つ軸受筒体２５の周囲部を前記
軸受覆い部２１の上面開口部に水封部材たるシー
ルリング２６を介して水密に嵌着した状態で凹所
１７の底部にねじ止めされている。２７は枢軸
で、これは前記軸受筒体２５に二個の軸受２８を
介して挿通支持されると共に軸受筒体２５の上端
部内周面との間にシール部材２９を介在させてい
る。３０は凹所１７内に突出する洗い軸１５の上
端部にねじ止めした駆動歯車で、これは回転伝達
機構の一方を構成するものである。３１はパルセ
ータで、これの下面外周寄りには回転伝達機構の
他方を構成する内歯車３２を取着してあり、パル
セータ３１はその内歯車３２を前記駆動歯車３０
に噛合させた状態で前記枢軸２７にねじ止めによ
り固定されている。

尚、３３は凹所１７底部及び閉鎖基板２３に連
続するように突設した環状の遮壁で、これは例え
ば洗濯物に付着していた砂等の凹所１７内に侵入
したときでもこれらを極力駆動歯車３０と内歯車
３２との噛合部分に至らせないようにするための
ものである。また、３４は洗い槽５底部における
前記溝１８の上面部を閉鎖するストレーナであ
る。

而して上記構成によれば、洗いを行うべく洗い
槽５内に水を貯留すると、水は洗い槽５内底部の
凹所１７及び溝１８内にも侵入し軸受筒体２５は
上下から水に覆われるようになる。しかしなが
ら、軸受筒体２５の上端部は枢軸２７との間をシ
ール部材２９により水封し、且つ下端部は洗い槽
５の底部即ち軸受覆い部２１により水密状態に覆
われているから、軸受筒体２５内には水は全く侵
入しない。従つて、洗濯物に付着していた砂、泥
等の異物が洗い運転に伴い水中に洗い出されたと
しても、これらの異物が洗い水に乗じて軸受筒体
２５内に侵入することを完全に断つことができ、
もつて異物により軸受２８が異常摩耗を来たすこ
とを確実に防止できて軸受２８の寿命を大幅に延
ばすことができる。しかも、軸受筒体２５を洗い
槽５の内底部に設ける構成であるから、組立時や
修理点検時には外箱１を倒さずに正立状態にした
まま回転槽３内に手を差入れて軸受筒体２５やパ
ルセータ４２を順次組付けたり取外してゆくこと
ができ、その上、軸受筒体２５の下部位を洗い槽
５の底部との間で水密的に覆う構成であるから、
本実施例にように軸受筒体２５と洗い槽５の底部
との間にシール部材２６を介在させた状態で、該
軸受筒体２５を洗い槽５底部に例えばねじ止めに
より取付ければ、軸受筒体２５の取付けと軸受筒
体２５下部のシールとを同時に行うことができ、
総じて組立時や修理点検時における作業性が極め
て優れる。

また、軸受筒体２５の下部位を水封する軸受覆
い部２１は洗い槽５に一体成形により形成したか
ら、軸受筒体２５の下端部を別部品により水密す
る場合と比べて低コストで製造することができ
る。

尚、本実施例では所謂一重槽式の脱水兼用洗濯
機に適用したものを示したが、本考案はこれに限
られず、例えば外槽内に内槽を回転可能に配設し
て、内外両槽に水を貯留する所謂二重槽式の脱水
兼用洗濯機に適用することができる等、要旨を逸
脱しない範囲内で種々変更して実施し得ることは
勿論である。

本考案は以上説明したように、パルセータを回
転伝達機構を介して駆動するものにおいて、パル
セータの枢軸を挿通支持する軸受筒体内に汚れた
洗い水と共に砂、泥等の異物が侵入することを完
全に防止することができ、もつて軸受部分の異常
摩耗を防止し得て長寿命化を図り得、しかも組立
及び修理点検時の作業性に優れる洗濯機を提供で
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部
破断して示す全体の側面図、第２図は要部の拡大
縦断面図、第３図はパルセータを歯車と共に示す
拡大分解斜視図である。 図中、５は洗い槽、１５は洗い軸、２１は軸受
覆い部、２５は軸受筒体、２７は枢軸、２９はシ
ール部材、３０及び３２は駆動歯車及び内歯車
（回転伝達機構）、３４はストレーナである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗い槽の内底部に配設されたパルセータを洗い
   軸により回転伝達機構を介して回転駆動するもの
   において、前記洗い槽の底部に配設されて前記パ
   ルセータの枢軸を挿通支持する軸受筒体の上部位
   に前記枢軸との間を水封するシール部材を設ける
   と共に前記軸受筒体の下部位を前記洗い槽の底部
   との間で水密的に覆つた構成としたことを特徴と
   する洗濯機。