JPH11276784A - 洗濯機の水位調節部材取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水槽に設けた切欠き部に水位調節部材を装着
する場合に、該水位調節部材が切欠き部から脱落するこ
とを防止でき、しかも、そのための部材を別途格別に必
要とすることもなく、構造簡単な洗濯機の水位調節部材
取付構造を得る。 【解決手段】 外箱内に支持された水槽２内に、上面を
開口した洗濯兼脱水槽を回転自在に配設し、前記水槽の
上部開口内縁に水槽カバー１９を取り付け、水槽２上部
にオーバーフローホースに接続するオーバーフロー孔を
設けるとともに、該オーバーフロー孔に流入する水の水
位を決定する切欠き部２１を前記オーバーフロー孔より
も上方位置に設け、該切欠き部２１にこれを閉塞する水
位調節部材２３を設ける洗濯機において、水位調節部材
２３を切欠き部２１へ係止するリブ２６を水槽カバー１
９の下部に突設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯機の水位調節
部材取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば一槽式の全自動洗濯機は、図９に
も示すように外箱１内に防振装置３を介して洗濯液・濯
ぎ液を溜める水槽２を搖動自在に支持し、該水槽２内
に、脱水孔４ａを周壁面に穿設した洗濯兼脱水槽４を回
転自在に配設し、該洗濯兼脱水槽４の底面に回転自在に
回転翼５を配設している。図中、６は外箱１の上部に配
設し洗濯物出し入れ用の開口部７を設けたトップカバー
で、蓋８により開口部７の開閉を可能としている。ま
た、水槽２の上部開口には内周縁にそって水槽カバー１
９を水平に突設してある。

【０００３】９は水槽２の外側底部に配設され回転翼５
および洗濯兼脱水槽４の回転の駆動力を提供する駆動装
置であり、駆動力を発生させるモータ１０と、その駆動
力を滅速して伝達するモータプーリ１１とベルト１２で
連結している主軸プーリー１３と、ギアー装置１４と、
このギアー装置１４への駆動力を切り替えるクラッチ装
置１５とで構成される。

【０００４】１６は洗濯兼脱水槽４の上端部周縁に取り
付けられ、脱水工程における洗擢兼脱水槽４の振動を低
減させる内部に液体が注入してある中空リング状のバラ
ンサー、１７は回転翼５の底部と洗濯兼脱水槽４の上部
開口縁との間に形成される循環水路で、この循環水路１
７の上部は前記バランサー１６の下部に開口し、開口に
はリントフィルタ１８が取り付けてある。また、図２に
も示すように水槽２の上部には注水すすぎなどの行程で
オーバーフロー水を排出するためのオーバーフロー孔２
０を設け、該オーバーフロー孔２０にオーバーフローホ
ース２４の上部を開口し、このオーバーフローホース２
４の下端開口を水槽２の底部に開口する排水ホース２５
に接続している。

【０００５】ところで、例えば５Ｋｇ、７Ｋｇと容量の
異なる洗濯兼脱水槽４に対して、水槽２は共通のものを
使用しているため、洗濯兼脱水槽４の容量が異なっても
オーバーフローの水位は同じになってしまい、大容量の
洗濯兼脱水槽４の場合に水量が不足する。

【０００６】そこで、かかる不都合を解消するために、
図２に示すようにオーバーフローの水位を洗濯兼脱水槽
４の容量によって変更するための手段として、オーバー
フロー孔２０よりも高い位置で該オーバーフロー孔２０
を囲むようにして水槽２に隔壁２２を設け、この隔壁２
２の上部に水位を変更するための切欠き部２１を形成し
て、該隔壁２２の上縁または欠き部２１を介して水槽２
の内部とオーバーフロー孔２０とを連通させ、この切欠
き部２１にこれを閉塞する水位調節部材２３を嵌合して
いる。

【０００７】そして、洗濯兼脱水槽４が小容量でオーバ
ーフローの水位を低く設定したいときは、切欠き部２１
には水位調節部材２３を嵌合せずに、切欠き部２１を開
放しておく。これにより、この切欠き部２１の高さがオ
ーバーフローの水位となり、水槽２内のすすぎ水は隔壁
２２の上縁よりも低位置にあるこの切欠き部２１を通っ
てオーバーフロー孔２０に流入する。

【０００８】一方、洗濯兼脱水槽４が大容量でオーバー
フローの水位を高く設定したいときは、切欠き部２１に
水位調節部材２３を嵌合してこれを閉塞すれば、隔壁２
２の上縁の高さがオーバーフローの水位となり、水槽２
内のすすぎ水は切欠き部２１よりも高位置にある隔壁２
２の上縁を乗り越えてオーバーフロー孔２０に流入す
る。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】水位調節部材２３が例
えば板状の場合など、これが切欠き部２１にフックなど
で係止されるだけであると、ここから外れることがあ
り、脱落により洗濯兼脱水槽４や水槽２が損傷すること
や脱落音が発生して騒音の原因ともなる。

【００１０】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、水槽に設けた切欠き部に水位調節部材を装着する場
合に、該水位調節部材が切欠き部から脱落することを防
止でき、しかも、そのための部材を別途格別に必要とす
ることもなく、構造簡単な洗濯機の水位調節部材取付構
造を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第１に、外箱内に支持された水槽内に、上面
を開口した洗濯兼脱水槽を回転自在に配設し、前記水槽
の上部開口内縁に水槽カバーを取り付け、水槽上部にオ
ーバーフローホースに接続するオーバーフロー孔を設け
るとともに、該オーバーフロー孔に流入する水の水位を
決定する切欠き部を前記オーバーフロー孔よりも上方位
置に設け、該切欠き部にこれを閉塞する水位調節部材を
設ける洗濯機において、水位調節部材を切欠き部へ係止
するリブを水槽カバーの下部に突設したから、水槽カバ
ーを水槽の上部に取り付ければ、これにともなって該水
槽カバーの下部から突出しているリブの下端が水位調節
部材の上部に当接するから、該リブにより水位調節部材
が水槽に設けた切欠き部に固定されて、オーバーフロー
の水位が高水位に設定される。

【００１２】第２に、外箱内に支持された水槽内に、上
面を開口した洗濯兼脱水槽を回転自在に配設し、前記水
槽の上部開口内縁に水槽カバーを取り付け、水槽上部に
オーバーフローホースに接続するオーバーフロー孔を設
けるとともに、該オーバーフロー孔に流入する水の水位
を決定する切欠き部を前記オーバーフロー孔よりも上方
位置に設け、該切欠き部にこれを閉塞する水位調節部材
を設ける洗濯機において、水位調節部材を水槽カバーの
下面から突出させたから、大容量の洗濯兼脱水槽を配設
する洗濯機の場合は、前記のような水位調節部材を突設
してある水槽カバーを水槽に取り付ければ、水位調節部
材が水槽に形成してある切欠き部に嵌合し、オーバーフ
ローの水位が高水位に設定される。この場合、水位調節
部材は水槽カバーに予め固定されているから、切欠き部
から落下することは全くない。

【００１３】第３に、水位調節部材は切欠き部に嵌合す
る凹部を下部に有する筒状体としたから、切欠き部の位
置で水槽の壁を跨ぐようにして取り付ければ、容易に装
着できる。

【００１４】第４に、水位調節部材は底部に水溜まり防
止孔を形成したから、該水位調節部材の内部に流入した
オーバーフロー水がこの中にそのまま溜まることがな
く、衛生的である。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図１は本発明の洗濯機の水位
調整部材取付構造の第１実施形態を示す縦断正面図、図
２は同上水位調節部材を取り付けた水槽の部分の斜視
図、図３は同上水位調節部材を外した水槽の部分の斜視
図で、洗濯機の全体構造は図９について既に説明したと
おりであるから、ここでの詳細な説明は省略する。

【００１６】本発明の水位調整部材取付構造が実施され
る洗濯機も、外箱１内に支持された水槽２内に、上面を
開口した洗濯兼脱水槽４を回転自在に配設し、前記水槽
２の上部開口内縁に水槽カバー１９を取り付け、水槽２
の上部にオーバーフローホース２４に接続するオーバー
フロー孔２０を設け、該オーバーフロー孔２０を囲むよ
うにして水槽２に隔壁２２を設け、この隔壁２２の上部
にオーバーフロー孔２０に流入する水の水位を変更する
ためのコ字形の切欠き部２１を形成して、該隔壁２２の
上縁または欠き部２１を介して水槽２の内部とオーバー
フロー孔２０とを連通させている。

【００１７】図中２３は水位調節部材であり、本実施形
態では図４に示すように多角筒状、図示の例では８角筒
状に形成し、図５に示すように底部を閉塞する形状し、
かつ、底部中央から側部の中間より少し高い位置まで切
り込みを設けて中央にスリットによる溝条２３ａを形成
し、下方部分を２つの分割体２３ｂ，２３ｃとした。そ
して、図６に示すように一方の分割体、図示の例では分
割体２３ｃの底部に水溜まり防止孔２３ｄを穿設する。

【００１８】一方、水槽カバー１９の下面には前記切欠
き部２１に対向する位置にリブ２６を一体に突設する。
このリブ２６の高さは、切欠き部２１に水位調節部材２
３を装着した状態で該水位調節部材２３と水槽カバー１
９との間に生じる隙間の幅に等しく形成する。

【００１９】洗濯兼脱水槽４が小容量でオーバーフロー
の水位を低水位に設定したいときは、水槽２な形成して
ある切欠き部２１には水位調節部材２３を装着しない。
これにより、切欠き部２１は開放されるから、この切欠
き部２１の高さがオーバーフローの水位となり、注水す
すぎ行程などでの水槽２内のすすぎ水は隔壁２２の上縁
よりも低位置にあるこの切欠き部２１を通ってオーバー
フロー孔２０に流入し、ここからオーバーフローホース
２４、排水ホース２５を通って機外に排出される。

【００２０】洗濯兼脱水槽４が大容量でオーバーフロー
の水位を高く設定したいときは、洗濯兼脱水槽４が小容
量の場合に配設する水槽２と同じ水槽２を外箱１内に設
置し、該水槽２に設けてある切欠き部２１に水位調節部
材２３を嵌合してこれを閉塞すれば、隔壁２２の上縁の
高さがオーバーフローの水位となり、水槽２内のすすぎ
水は切欠き部２１よりも高位置にある隔壁２２の上縁を
乗り越えてオーバーフロー孔２０に流入する。

【００２１】水位調節部材２３が有底の筒体であること
から、この内部にオーバーフロー水が入り込むこともあ
るが、この水は、底部に設けた水溜まり防止孔２３ｄか
らオーバーフロー孔２０に排水されて、水位調節部材２
３の内部に水が溜まることを防げる。同時に、この場
合、水溜まり防止孔２３ｄは２つの分割体２３ｂ，２３
ｃの一方、例えば分割体２３ｃの側にのみ形成してある
から、この分割体２３ｃをオーバーフロー孔２０が形成
されている側に位置させることで、オーバーフロー水が
水槽２内に戻ることを防げる。

【００２２】このとき水位調節部材２３は、溝条２３ａ
のうち下部に形成してある部分が切欠き部２１の下縁に
当接し、側部に形成してある部分が切欠き部２１の側縁
に当接して、分割体２３ｂ，２３ｃが切欠き部２１を跨
ぐようにして隔壁２２に取り付けられる。

【００２３】そして、前記のようにして水槽２に水位調
節部材２３を取り付けた後、水槽２の上部に水槽カバー
１９を取り付ければ、水槽カバー２の下面から突出して
いるリブ２６の下端が水位調節部材２３の上端に当接
し、これを固定して水槽２の切欠き部２１からの落下を
防止する。

【００２４】これにより、洗濯兼脱水槽４の容量が異な
る場合に、同じサイズの水槽２を用いても、異なる容量
に対応するオーバーフローの水位が得られる。

【００２５】図７、図８は第２実施形態を示し、水位調
節部材２３を水槽カバー１９の下面に一体に突設したも
ので、水位調節部材２３そのものの構成は第１実施形態
と同様であるからここでの詳細な説明は省略するが、有
底の筒体に形成した水位調節部材２３の上部開口を水槽
カバー１９の上面と一致させてここに開口する。

【００２６】この第２実施形態の場合は、水位調節部材
２３が水槽カバー１９に予め一体に設けてあることか
ら、洗濯兼脱水槽４が小容量でオーバーフローの水位を
低水位に設定したい場合は、水位調節部材２３が設けて
ない水槽カバー１９を取り付け、洗濯兼脱水槽４が大容
量でオーバーフローの水位を高水位に設定しい場合は、
水位調節部材２３が設けてある水槽カバー１９を取り付
ける。そして、洗濯兼脱水槽４の容量が大小異なっても
これが配設される水槽２の容量は同じものを使用するこ
とができる。また、水位調節部材２３は水槽カバー１９
に予め固定されているから水槽２から外れるおそれは全
くない。

【００２７】

【発明の効果】以上述べたように本発明の洗濯機は、第
１に、外箱内に支持された水槽内に、上面を開口した洗
濯兼脱水槽を回転自在に配設し、前記水槽の上部開口内
縁に水槽カバーを取り付け、水槽上部にオーバーフロー
ホースに接続するオーバーフロー孔を設けるとともに、
該オーバーフロー孔に流入する水の水位を決定する切欠
き部を前記オーバーフロー孔よりも上方位置に設け、該
切欠きにこれを閉塞する水位調節部材を設ける洗濯機に
おいて、水位調節部材を切欠き部へ係止するリブを水槽
カバーの下部に突設したから、水槽カバーを水槽の上部
に取り付ければ、これにともなって該水槽カバーの下部
から突出しているリブの下端が水位調節部材の上部に当
接するから、該リブにより水位調節部材が水槽に設けた
切欠き部に固定されて、オーバーフローの水位が高水位
に設定される。

【００２８】第２に、外箱内に支持された水槽内に、上
面を開口した洗濯兼脱水槽を回転自在に配設し、前記水
槽の上部開口内縁に水槽カバーを取り付け、水槽上部に
オーバーフローホースに接続するオーバーフロー孔を設
けるとともに、該オーバーフロー孔に流入する水の水位
を決定する切欠き部を前記オーバーフロー孔よりも上方
位置に設け、該切欠き部にこれを閉塞する水位調節部材
を設ける洗濯機において、水位調節部材を水槽カバーの
下面から突出させたから、大容量の洗濯兼脱水槽を配設
する洗濯機の場合は、前記のような水位調節部材を突設
してある水槽カバへを水槽に取り付ければ、水位調節部
材が水槽に形成してある切欠き部に嵌合し、オーバーフ
ローの水位が高水位に設定される。この場合、水位調節
部材は水槽カバーに予め固定されているから、切欠き部
から落下することは全くない。

【００２９】第３に、水位調節部材は切欠き部に嵌合す
る凹部を下部に有する筒状体としたから、切欠き部の位
置で水槽の壁を跨ぐようにして取り付ければ、容易に装
着できるものである。

【００３０】第４に、水位調節部材は底部に水溜まり防
止孔を形成したから、該水位調節部材の内部に流入した
オーバーフロー水がこの中にそのまま溜まることがな
く、衛生的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の洗濯機の水位調節部材取付構造の第１
実施形態を示す縦断正面図である。

【図２】本発明の洗濯機の水位調節部材取付構造の第１
実施形態を示す水位調節部を取り付けた水槽部分の斜視
図である。

【図３】本発明の洗濯機の水位調節部材取付構造の第１
実施形態を示す水槽部分の斜視図である。

【図４】本発明の洗濯機の水位調節部材取付構造の第１
実施形態を示す水位調節部の斜視図である。

【図５】本発明の洗濯機の水位調節部材取付構造の第２
実施形態を示す底面側の斜視図である。

【図６】本発明の洗濯機の水位調節部材取付構造の第２
実施形態を示す上面側の斜視図である。

【図７】本発明の洗濯機の水位調節部材取付構造の第２
実施形態を示す縦断正面図である。

【図８】本発明の洗濯機の水位調節部材取付構造の第２
実施形態を示す横断平面図である。

【図９】洗濯機の全体構造図である。

【符号の説明】

１…外箱、 ２…水槽、 ３…防
振装置、４…洗濯兼脱水槽、 ４ａ…脱水孔、
５…回転翼、６…トップカバー、 ７…開口部、
８…蓋、９…駆動装置、 １０…モー
タ、 １１…モータプーリ、１２…ベルト、
１３…主軸プーリー、 １４…ギアー装置、１５…
クラッチ装置、 １６…バランサー、 １７…循環水
路、１８…リントフィルタ、１９…水槽カバー、 ２
０…オーバーフロー孔、２１…切欠き部、 ２２…
隔壁、 ２３…水位調整部材、２３ａ…溝条、
２３ｂ，２３ｃ…分割体、２３ｄ…水溜まり防
止孔、２４…オーバーフローホース、２５…排水ホー
ス、 ２６…リブ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外箱内に支持された水槽内に、上面を開
   口した洗濯兼脱水槽を回転自在に配設し、前記水槽の上
   部開口内縁に水槽カバーを取り付け、水槽上部にオーバ
   ーフローホースに接続するオーバーフロー孔を設けると
   ともに、該オーバーフロー孔に流入する水の水位を決定
   する切欠き部を前記オーバーフロー孔よりも上方位置に
   設け、該切欠き部にこれを閉塞する水位調節部材を設け
   る洗濯機において、水位調節部材を切欠き部へ係止する
   リブを水槽カバーの下部に突設したことを特徴とする洗
   濯機の水位調節部材取付構造。
2. 【請求項２】 外箱内に支持された水槽内に、上面を開
   口した洗濯兼脱水槽を回転自在に配設し、前記水槽の上
   部開口内縁に水槽カバーを取り付け、水槽上部にオーバ
   ーフローホースに接続するオーバーフロー孔を設けると
   ともに、該オーバーフロー孔に流入する水の水位を決定
   する切欠き部を前記オーバーフロー孔よりも上方位置に
   設け、該切欠き部にこれを閉塞する水位調節部材を設け
   る洗濯機において、水位調節部材を水槽カバーの下面か
   ら突出させたことを特徴とする洗濯機の水位調節部材取
   付構造。
3. 【請求項３】 水位調節部材は切欠き部に嵌合する凹部
   を下部に有する筒状体であることを特徴とする請求項１
   または請求項２に記載の洗濯機の水位調節部材取付構
   造。
4. 【請求項４】 水位調節部材は底部に水溜まり防止孔を
   形成したことを特徴とする請求項１から請求項３のいず
   れかに記載の洗濯機の水位調節部材取付構造。