JPS61243812A - 自己架橋型アクリル酸エステル系ランダム共重合体及びそれを用いた繊維処理剤 - Google Patents
自己架橋型アクリル酸エステル系ランダム共重合体及びそれを用いた繊維処理剤Info
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- JPS61243812A JPS61243812A JP8724285A JP8724285A JPS61243812A JP S61243812 A JPS61243812 A JP S61243812A JP 8724285 A JP8724285 A JP 8724285A JP 8724285 A JP8724285 A JP 8724285A JP S61243812 A JPS61243812 A JP S61243812A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、ラジカル共重合性ペルオキシカーボネートと
アクリル酸エステル型単量体とのランダム共重合体の主
鎖中にペルオキシ基をペンダント結合させた、ポリマー
ブレンドに有用な自己架橋型アクリル酸エステル系ラン
ダム共重合体及びそれを用いた繊維処理剤に関するもの
である。 [従来の技術及び発明が解決しようとする問題点]従来
から、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチルに代表
されるアクリル酸エステル型単量体の共重合体は、ガラ
ス転移温度が低く、常温ではゴム弾性を有することが知
られている。また、耐候性も優れているので、アクリル
ゴム、塗料、粘接着剤、繊維処理剤などに高い工業的価
値を有している。 特に、繊維処理剤分野においては、耐候性、風合いの点
で優れた特徴を有しているが、残念ながら、繊維、特に
ポリエステル繊維、ナイロン繊維などの合成繊維との密
着性という点においては。 なお大きな問題点が残っていた。 そこで、この問題点を解決するために種々の検討がなさ
れ1例えば、アクリル酸エステル型単量体と水酸基含有
(メタ)アクリル酸エステル型単量体とを共重合させ、
次いでジイソシアネート化合物により架橋させて、繊維
との密着性の改善を図ろうという試みがなされた。 しかし、この方法によっても繊維と繊維処理剤との反応
性が十分でなく、繊維処理効果の永続性。 特に耐ドライクリーニング性という点では、なお満足す
べき効果は得られなかった。 [問題点を解決するための手段] 本発明者らは、鋭意研究の結果、特定のラジカル共重合
性ペルオキシカーボネートと特定のアクリル酸エステル
型単量体とから得られる新規な共重合体を繊維処理剤の
有効成分として用い、繊維と繊維処理剤との間の反応性
を高めることにより、繊維処理剤の従来の欠点を解消し
、繊維処理効果の永続性を図り得ることを知り1本発明
を完成するに至った。 すなわち、本願筒1の発明は1次の一般式(I)(式中
、R□は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R2
及びR1は炭素数1〜4のアルキル基、R4は炭素数1
〜12のアルキル基又は炭素数6〜10のシクロアルキ
ル基、フェニル基を示す)で表わされるラジカル共重合
性ペルオキシカーボネート(以下単にペルオキシカーボ
ネートという)から誘導される次の一般式(II) (II) (式中、R□、 R,、R,及びR4は一般式(I)の
場合と同じ)で表わされる構成単位が0.2モル%〜2
0モル%と、次の一般式(III)■ CH,=CH−C−0−R,(III)(式中、R2は
炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、フェ
ニル基、置換シクロアルキル基、置換フェニル基を示す
)で表わされるアクリル酸エステル型単量体(以下単に
単量体という)から誘導される次の一般式(IV) モCH,−CH+ C= O(IV) 0−R6 (式中、R6は一般式(m)の場合と同じ)で表わされ
る構成単位が80モル%〜99.8モル%とからなり、
数平均分子量が1000〜500000で、活性酸素量
が0.02重量%〜1.84重量%である自己架橋型ア
クリル酸エステル系ランダム共重合体(以下単に共重合
体という)に関する。 また、本願筒2の発明は、第1の発明に示される共重合
体を有効成分とする自己架橋型アクリル酸エステル系繊
維処理剤(以下単に繊維処理剤という)に関する。 この共重合体を得るのに用いられる一般式(III)で
表わされるペルオキシカーボネートとしては、具体的に
は、t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、t−ヘ
キシルペルオキシアリルカーボネート、1,1,3.3
−テトラメチルブチルペルオキシアリルカーボネート、
p−メンタンペルオキシアリルカーボネート、クミルペ
ルオキシアリルカーボネート、t−ブチルペルオキシメ
タリルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシメタリル
カーボネート、1,1,3.3−テトラメチルブチルペ
ルオキシメタリルカーボネート、p−メンタンペルオキ
シメタリルカーボネート、クミルペルオキシメタリルカ
ーボネートなどを例示することができるが、繊維処理剤
用として好ましくは。 t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、1−ヘキシ
ルペルオキシアリルカーボネートである。 また、一般式(m)で表わされる単量体としては、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソプ
ロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アク
リル酸p−t−ブチルフェニルなどを例示することがで
きるが、繊維処理剤用として好ましくは、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−ブチルである。 本発明において、共重合体中における一般式(■)で表
わされる構成単位は0.2モル%〜20モル%、好まし
くは1モル%〜10モル%である。この構成単位が0.
2モル%未満であると。 本発明の共重合体の目的である自己架橋性が十分に発揮
されず好ましくない、一方、20モル%を超えると、共
重合時に1本来のラジカル重合開始剤から発生する他の
ラジカル重合開始剤が、一般式(II)で表わされる構
成単位への誘発分解を起こすので、共重合体のゲル化が
生じやすく好ましくない、さらに、一般式(II)で表
わされる構成単位の原料である一般式(III)で表わ
されるペルオキシカーボネートは、退化的連鎖移動能を
有しており、共重合体中に20モル%を超える一般式(
II)で表わされる構成単位を導入しようとする場合、
重合転化率が低くなり、また分子量調節も困難となる。 本発明において、共重合体中における一般式(IV)で
表わされる構成単位は80モル%〜99゜8モル%、好
ましくは84モル%〜99.8モル%である。この構成
単位が80モル%未満であると、一般式(I)で表わさ
れるペルオキシカーボネートの共重合体中への導入率
アクリル酸エステル型単量体とのランダム共重合体の主
鎖中にペルオキシ基をペンダント結合させた、ポリマー
ブレンドに有用な自己架橋型アクリル酸エステル系ラン
ダム共重合体及びそれを用いた繊維処理剤に関するもの
である。 [従来の技術及び発明が解決しようとする問題点]従来
から、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチルに代表
されるアクリル酸エステル型単量体の共重合体は、ガラ
ス転移温度が低く、常温ではゴム弾性を有することが知
られている。また、耐候性も優れているので、アクリル
ゴム、塗料、粘接着剤、繊維処理剤などに高い工業的価
値を有している。 特に、繊維処理剤分野においては、耐候性、風合いの点
で優れた特徴を有しているが、残念ながら、繊維、特に
ポリエステル繊維、ナイロン繊維などの合成繊維との密
着性という点においては。 なお大きな問題点が残っていた。 そこで、この問題点を解決するために種々の検討がなさ
れ1例えば、アクリル酸エステル型単量体と水酸基含有
(メタ)アクリル酸エステル型単量体とを共重合させ、
次いでジイソシアネート化合物により架橋させて、繊維
との密着性の改善を図ろうという試みがなされた。 しかし、この方法によっても繊維と繊維処理剤との反応
性が十分でなく、繊維処理効果の永続性。 特に耐ドライクリーニング性という点では、なお満足す
べき効果は得られなかった。 [問題点を解決するための手段] 本発明者らは、鋭意研究の結果、特定のラジカル共重合
性ペルオキシカーボネートと特定のアクリル酸エステル
型単量体とから得られる新規な共重合体を繊維処理剤の
有効成分として用い、繊維と繊維処理剤との間の反応性
を高めることにより、繊維処理剤の従来の欠点を解消し
、繊維処理効果の永続性を図り得ることを知り1本発明
を完成するに至った。 すなわち、本願筒1の発明は1次の一般式(I)(式中
、R□は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R2
及びR1は炭素数1〜4のアルキル基、R4は炭素数1
〜12のアルキル基又は炭素数6〜10のシクロアルキ
ル基、フェニル基を示す)で表わされるラジカル共重合
性ペルオキシカーボネート(以下単にペルオキシカーボ
ネートという)から誘導される次の一般式(II) (II) (式中、R□、 R,、R,及びR4は一般式(I)の
場合と同じ)で表わされる構成単位が0.2モル%〜2
0モル%と、次の一般式(III)■ CH,=CH−C−0−R,(III)(式中、R2は
炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、フェ
ニル基、置換シクロアルキル基、置換フェニル基を示す
)で表わされるアクリル酸エステル型単量体(以下単に
単量体という)から誘導される次の一般式(IV) モCH,−CH+ C= O(IV) 0−R6 (式中、R6は一般式(m)の場合と同じ)で表わされ
る構成単位が80モル%〜99.8モル%とからなり、
数平均分子量が1000〜500000で、活性酸素量
が0.02重量%〜1.84重量%である自己架橋型ア
クリル酸エステル系ランダム共重合体(以下単に共重合
体という)に関する。 また、本願筒2の発明は、第1の発明に示される共重合
体を有効成分とする自己架橋型アクリル酸エステル系繊
維処理剤(以下単に繊維処理剤という)に関する。 この共重合体を得るのに用いられる一般式(III)で
表わされるペルオキシカーボネートとしては、具体的に
は、t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、t−ヘ
キシルペルオキシアリルカーボネート、1,1,3.3
−テトラメチルブチルペルオキシアリルカーボネート、
p−メンタンペルオキシアリルカーボネート、クミルペ
ルオキシアリルカーボネート、t−ブチルペルオキシメ
タリルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシメタリル
カーボネート、1,1,3.3−テトラメチルブチルペ
ルオキシメタリルカーボネート、p−メンタンペルオキ
シメタリルカーボネート、クミルペルオキシメタリルカ
ーボネートなどを例示することができるが、繊維処理剤
用として好ましくは。 t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、1−ヘキシ
ルペルオキシアリルカーボネートである。 また、一般式(m)で表わされる単量体としては、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソプ
ロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アク
リル酸p−t−ブチルフェニルなどを例示することがで
きるが、繊維処理剤用として好ましくは、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−ブチルである。 本発明において、共重合体中における一般式(■)で表
わされる構成単位は0.2モル%〜20モル%、好まし
くは1モル%〜10モル%である。この構成単位が0.
2モル%未満であると。 本発明の共重合体の目的である自己架橋性が十分に発揮
されず好ましくない、一方、20モル%を超えると、共
重合時に1本来のラジカル重合開始剤から発生する他の
ラジカル重合開始剤が、一般式(II)で表わされる構
成単位への誘発分解を起こすので、共重合体のゲル化が
生じやすく好ましくない、さらに、一般式(II)で表
わされる構成単位の原料である一般式(III)で表わ
されるペルオキシカーボネートは、退化的連鎖移動能を
有しており、共重合体中に20モル%を超える一般式(
II)で表わされる構成単位を導入しようとする場合、
重合転化率が低くなり、また分子量調節も困難となる。 本発明において、共重合体中における一般式(IV)で
表わされる構成単位は80モル%〜99゜8モル%、好
ましくは84モル%〜99.8モル%である。この構成
単位が80モル%未満であると、一般式(I)で表わさ
れるペルオキシカーボネートの共重合体中への導入率
【(共重合体中の一般式(II)で表わされる構成単位
のモル数)/(使用した一般式(III)で表わされる
ペルオキシカーボネートのモル数)】 が極度に低下し
1本発明の共重合体の目的を達成するためには、多量の
一般式(I)で表わされるペルオキシカーボネートを使
用する必要がある。その場合、このペルオキシカーボネ
ートが退化的連鎖移動の性質を有しているため、重合転
化率が上がらず、また重合度の調整が困難であり、さら
にまた製造時にゲル化などの副反応が起きやすくなり好
ましくない。 また、一般式(IV)で表わされる構成単位が99.8
モル%を超えると、必然的に一般式(II)で表わされ
る構成単位が0.2モル%未満になり、本発明の共重合
体の目的である自己架橋性が十分に発揮できないため好
ましくない。 本発明の共重合体の数平均分子量は、テトラヒドロフラ
ン溶媒下、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(
以下GPCという)による測定で。 1000〜500000好ましくは5000〜3ooo
ooである。1000未満であると、共重合体のガラス
転移温度が極度に低下し、常温で液体状になるため、本
来のアクリル酸エステル型共重合体の物性を失い好まし
くない。また、自己架橋後もゲル分率が上昇しないとい
う不具合が生ずる。一方、5oooooを超えると、溶
媒に溶解して繊維処理剤とする場合、溶媒への溶解性が
低下するので好ましくない。 本発明の共重合体中には、一般式(II)で表わされる
構成単位に由来する活性酸素があり、その量は0.02
重量%〜1.84重量%、好ましくは0.035重量%
〜0.92重量%である。0.02重量%未満であると
、共重合体の自己架橋性が極度に低下し好ましくない、
また、 1.84重量%を超えると、共重合時にゲル化
が起こりやすくなること、分子量調整が困難になること
により好ましくない。 本発明の共重合体の分析は、以下の方法によりなされる
。 (1)数平均分子量 共重合°体を0.1〜0.4重量%のテトラヒドロフラ
ン溶液とし、GPCにより測定する。 (2)活性酸素量 共重合体をクロロホルムに溶解させ、ヨードメトリー法
により測定する。 (3)残存上ツマー量及び重合転化率 共重合体tI:2重量%のベンゼン溶液(共重合体量は
正確に秤量する)とし、さらに内部標準物質としてデカ
ンを所定量入れ試料を調整する。この試料についてガス
クロマトグラフィー(カラムはガラスカラム、長さ2
m 、充填剤は5E−30゜カラム温度40℃)により
、残存上ツマー量及びその単量体組成比を定量的に測定
する。この値を仕込量量体重量から減することにより、
重合転化率及び共重合体中の各構成単位の組成比を知る
ことができる。計算は以下のようにして行なう。すなわ
ち。 ・一般式(I)で表わされる各々のペルオキシカーボネ
ートの仕込量(g) ・・・・・・・・・Am・
一般式(II)で表わされる各々の構成単位からの活性
酸素量(重量%) ・・・・・・・・・am・一
般式(III)で表わされる各々のペルオキシカーボネ
ートの仕込全単量体に対する割合(重量%)・・・・・
・・・・βm ・一般式(It)で表わされる各々の構成単位の理論活
性酸素量(重量%) ・・・・・・・・・αm・
一般式(m)で表わされる各々の単量体の仕込量(g)
・・・・・・・・・Bn・一般式(
III)で表わされる各々の単量体の重合転化率(重量
%) ・・・・・・・・・bnとすると。 共重合体中の一般式(II)で表わされる各々の構成単
位の重量%:xmは、 共重合体中の一般式(II)以外で表わされる各各の構
成単位の重量%:ynは、 x loo 、(2)
となる。 次いで。 ・一般式(II)で表わされる各々の構成単位の数平均
分子量 ・・・・・・・・・Em・
一般式(IV)で表わされる各々の構成単位の数平均分
子量 ・・・・・・・・・Fnとす
ると、 共重合体中の一般式(II)で表わされる各々の構成単
位のモル%:xmは、 共重合体中の一般式(IV)で表わされる各々の構成単
位のモル%:Ynは、 によって求められる。 本発明の共重合体を製造する際、重合方法としては、塊
状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合などの一般的重
合方法は、いずれも使用可能である。また、目的とする
共重合体の数平均分子量により、例えば数平均分子量1
0000程度までは溶液重合法、10000から200
000までは懸濁重合法又は塊状重合法、それ以上は乳
化重合法を使用することが好ましい。 重合に際しては、ペルオキシカーボネートが分解されな
いような条件を選定すべきで、チーグラー・ナツタ触媒
などの有機金属触媒、あるいは還元剤を使用したレドッ
クス重合系の使用は好ましくない、一般的には、有機過
酸化物あるいはアゾ化合物を重合開始剤とするラジカル
重合法が好適で、その際重合温度は90℃以下、好まし
くは85℃以下にすべきである。何とならば、このペル
オキシカーボネートは、一般に選定10時間半減期温度
が95℃〜105℃であり、この温度以上で重合を行な
うと、重合途中でペルオキシ基が分解し、そのためゲル
化が起こり好ましくないからである。 重合開始剤として好ましい有機過酸化物又はアゾ化合物
は、選定10時間半減期温度が85℃以下のものであり
、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペ
ルオキシド、アセチルペルオキシド、プロピオニルペル
オキシド、ステアロイルペルオキシド、ラウロイルペル
オキシド、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t
−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシ
−2−エチルヘキサノエートなどを挙げることができる
。 本発明の共重合体は、塗料、粘接着剤、シーラント、繊
維処理剤などの基剤として幅広い用途を有するものであ
るが、これを繊維処理剤とする場合は、トルエン又は酢
酸エチルなどの溶媒に溶解した状態、あるいは界面活性
剤存在下の水に乳化させた状態で使用する。すなわち、
この溶液又は水乳化液を繊維上にコーティングするか、
あるいは繊維をこの溶液又は水乳化液に浸漬することに
より、本発明の共重合体を繊維表面上に付着させ、次い
で溶媒除去又は水蒸発工程において、温度100℃〜2
50℃で0.5分間〜20分間加熱する。温度が100
℃未満であると、共重合体中のペルオキシ基が完全分解
してその機能を発揮するまでに長時間を要し、250℃
を超えると、共重合体自身及び繊維の劣化が起こり好ま
しくない。 また、加熱時間が0゜5分間未満であると、共重合体中
のペルオキシ基の完全分解が困難であり、20分間を超
えると、共重合体自身及び繊維の劣化が起こり好ましく
ない。 [発明の効果] このようにして得られた本発明の共重合体は、共重合体
主鎖中にペンダント結合したペルオキシ基を有し、その
活性酸素量は、0.02重量%〜1.84重量%である
。したがって、本発明の共重合体は、熱又は紫外線など
のエネルギーを加えると、共重合体主鎖中にペンダント
結合しているペルオキシ基が分解して自己架橋を起こし
、またこのペルオキシ基の分解時に、他の単量体又は(
共)重合体が存在すればグラフト化反応が起こる。 すなわち、本発明の共重合体を、塗料、粘接着剤、シー
ラント、あるいは繊維処理剤などの基剤として用いる場
合、イソシアネート架橋などが不必要となり、耐水性の
向上を図ることができ、また他の樹脂に対するグラフト
化性能を有しているため、ブレンド剤あるいは樹脂改質
剤としても有用である。 特に、本発明によって得られた繊維処理剤は。 上述のとおり加熱することにより、その共重合体主鎖中
にペンダント結合しているペルオキシ基が分解して自己
架橋を起こし、さらにこのペルオキシ基が分解すること
により、繊維基剤とのグラフト化反応も同時に起こるの
で、耐水性の向上のみならず、風合い、耐ドライクリー
ニング性、耐溶剤性、耐久性の向上が可能となる。 [実施例及び比較例] 実施例1 1重量%ポリビニルアルコール水溶液500鵬Ω の入
った撹拌機付き四つロフラスコ中に、アクリル酸n−ブ
チル86.8 g (90モル%) とt−ブチルペル
オキシアリルカーボネート 13゜2g(10モル%)
とを入れ1次いで連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカ
プタン0.5g を加え撹拌した0次いで、ベンゾイル
ペルオキシド(商品名「ナイパーBJ1日本油脂株式会
社製)Igを加え80℃で6時間重合させ、その後室温
まで冷却し重合を停止させた。続けて、水洗、脱水を4
回繰り返し、40℃で2日間真空乾燥を行ない、透明粒
状ゴム質の共重合体を得た。 この共重合体1,032. を50gの試薬特級ベン
ゼンに溶解させ、ガスクロマトグラフィー(ガラスカラ
ム、長さ2m、充填剤5E−30、カラム温度40℃、
内部標準物質デカン、キャリアーガス窒素、以下同一条
件)で残存単量体量を測定し、アクリル酸n−ブチルの
重合転化率を求めた結果99.6重量%であった。(ア
クリル酸n−ブチルのリテンションタイムは 14.3
6分であった) また、共重合体の0.4重量%テトラヒドロフラン溶液
をGPCにより測定した結果、数平均分子量は4500
0であった。 次いで、この共重合体を2重量%ベンゼン溶液にし、大
過剰のメタノール中に投入して再沈精製を2回繰り返し
、40℃で2日間真空乾燥させて、精製された共重合体
を得た。 この精製された共重合体の活性酸素量をヨードメトリー
法により測定した結果0.84重量%で、t−ブチルペ
ルオキシアリルカーボネートの導入率は48%であった
。 以上の結果から、前記の式(1)〜(4)により、共重
合体中の構成単位のモル比を求めた結果、・t−ブチル
ペルオキシアリルカーボネートに基づく構成単位
・・・・・・・・・ 7.5モル%・アクリル酸
n−ブチルに基づく構成単位・・・・・・・・・92.
5モル% であった。 次いで、上記透明粒状ゴム質の共重合体をトルエンに溶
解し、10重量%溶液とした。この試料を超遠心分離機
(15000rpm) に60分間かけゲル成をを沈
降させ、上澄み液を傾しゃ法で取り除き、沈降したゲル
成分を40℃で3日間真空乾燥させ、共重合体中のゲル
分率を測定した結果、4.3重量%であった。 さらに、この10重量%トルエン溶液をガラス板上に塗
布して、200℃で300秒間加熱処理した。こうして
得たフィルムをパークロルエチレンに30分間浸漬し、
その膨潤率を測定したところ、23.4%であった。 また、この10重量%トルエン溶液をガラス板上に塗布
して、25℃で高圧水銀灯により、゛紫外線照射を1時
間行なった。残存トルエンを真空下に完全に除去した後
、生成したフィルムをパークロルエチレンに30分間浸
漬し、その膨潤率を測定したところ、43.2%であっ
た。 実施例2〜5 一般式(m)で表わされる単量体としてアクリル酸n−
ブチル、一般式(III)で表わされるペルオキシカー
ボネートとしてt−ブチルペルオキシアリルカーボネー
トを用い、仕込量を表1のように変えて実施例1に準じ
て共重合体の合成、評価を行なった。結果は表1に示す
。 ここで、アクリル酸n−ブチルはBA、t−ブチルペル
オキシアリルカーボネートはTBPA。 n−ドデシルメルカプタンはNDM、ベンゾイルペルオ
キシドはBPOと略記する。(以下同様とする) 比較例1〜3 BA、TBPA、NDM、BPOの量を表2のように変
化させ、実施例1に準じて共重合体の合成、評価を行な
った。結果は表2に示す。 実施例6〜1〇 一般式(III)で表わされる単量体として、アクリル
酸エチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル
、アクリル酸n−ブチルを用い、一般式(りで表わされ
るペルオ犀ジカーボネートとして、し−ブチルペルオキ
シアリルカーボネート、し−ヘキシルペルオキシアリル
カーボネートを使用し、実施例1に準じて合成、評価を
行なった。 結果は表3に示す。 なお、アクリル酸エチルはEA、アクリル酸ラウリルは
LA、アクリル酸ステアリルはSA、t−ヘキシルペル
オキシアリルカーボネートはTHPAと略記する。(以
下同様とする)また、ガスクロマトグラフィーによるリ
テンションタイムは、それぞれEAは3.64分、LA
は20.05分、SAは29.73分であった。 実施例11〜14、比較例4 実施例1において、単量体組成及びNDM、BPOの量
を表4に示すとおりとし、共重合体の合成、評価を行な
った。結果は表4に示す。 実施例15〜17、比較例5 実施例1において、1重量%ポリビニルアルコール水溶
液500mA の代わりに500gのトルエンを用い
1重合時間を8時間とし、さらにNDMの添加量を表5
のように変える以外は、実施例1に準じて共重合体の合
成、評価を行なった。結果は表5に示す。 実施例18〜21 一般式(m)で表わされる単量体として、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸p−t−ブチルフ
ェニルを用い、一般式(III)で表わされるペルオキ
シカーボネートとして、クミルペルオキシフリルカーボ
ネートを使用し、実施例1に準じて合成、評価を行なっ
た。結果は表6に示す。 なお、アクリル酸シクロヘキシルはCHA、アクリル酸
ベンジルはBzA、 アクリル酸p−t−ブチルフェ
ニルはp−t−BPA、クミルペルオキシフリルカーボ
ネートはCPACと略記する。 また、ガスクロマトグラフィーによるリテンションタイ
ムは、それぞれCHAは12.42分、BzAは17.
55分、 p−t−BPAは19.32分であった。 実施例22 実施例9で合成した透明粒状ゴム質の共重合体25重量
部をトルエン75重量部に溶解させた。 そのとき、25℃における粘度は35000センチポイ
ズであった。この溶液をナイロンタフタに塗布し、10
0℃で60秒間乾燥させた後、200℃で加熱処理した
。この試料をドライクリーニングにかけ耐水圧試験を行
なった。結果は表7に示す。 表 7 比較例6 実施例9において、t−ブチルペルオキシアリルカーボ
ネートの代わりに、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
を使用し、透明粒状ゴム質の共重合体を得た0重合転化
率は99.1重量%であった。得られた共重合体25重
量部をトルエン75重量部に溶解させ、25℃で粘度を
測定したところ、32000センチポイズであった。そ
の後。 この溶液中に、使用したメタクリル酸2−ヒドロキシエ
チルと同モル量のトリレンジイソシアネートを加え、実
施例22に準じて試料をドライクリーニングにかけ耐水
圧試験を行なった。結果は表8に示す。 表8 この実施例22、比較例6の結果から明らかなように、
本発明によって得られた繊維処理剤は、優れた耐久性、
耐ドライクリーニング性を有している。
のモル数)/(使用した一般式(III)で表わされる
ペルオキシカーボネートのモル数)】 が極度に低下し
1本発明の共重合体の目的を達成するためには、多量の
一般式(I)で表わされるペルオキシカーボネートを使
用する必要がある。その場合、このペルオキシカーボネ
ートが退化的連鎖移動の性質を有しているため、重合転
化率が上がらず、また重合度の調整が困難であり、さら
にまた製造時にゲル化などの副反応が起きやすくなり好
ましくない。 また、一般式(IV)で表わされる構成単位が99.8
モル%を超えると、必然的に一般式(II)で表わされ
る構成単位が0.2モル%未満になり、本発明の共重合
体の目的である自己架橋性が十分に発揮できないため好
ましくない。 本発明の共重合体の数平均分子量は、テトラヒドロフラ
ン溶媒下、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(
以下GPCという)による測定で。 1000〜500000好ましくは5000〜3ooo
ooである。1000未満であると、共重合体のガラス
転移温度が極度に低下し、常温で液体状になるため、本
来のアクリル酸エステル型共重合体の物性を失い好まし
くない。また、自己架橋後もゲル分率が上昇しないとい
う不具合が生ずる。一方、5oooooを超えると、溶
媒に溶解して繊維処理剤とする場合、溶媒への溶解性が
低下するので好ましくない。 本発明の共重合体中には、一般式(II)で表わされる
構成単位に由来する活性酸素があり、その量は0.02
重量%〜1.84重量%、好ましくは0.035重量%
〜0.92重量%である。0.02重量%未満であると
、共重合体の自己架橋性が極度に低下し好ましくない、
また、 1.84重量%を超えると、共重合時にゲル化
が起こりやすくなること、分子量調整が困難になること
により好ましくない。 本発明の共重合体の分析は、以下の方法によりなされる
。 (1)数平均分子量 共重合°体を0.1〜0.4重量%のテトラヒドロフラ
ン溶液とし、GPCにより測定する。 (2)活性酸素量 共重合体をクロロホルムに溶解させ、ヨードメトリー法
により測定する。 (3)残存上ツマー量及び重合転化率 共重合体tI:2重量%のベンゼン溶液(共重合体量は
正確に秤量する)とし、さらに内部標準物質としてデカ
ンを所定量入れ試料を調整する。この試料についてガス
クロマトグラフィー(カラムはガラスカラム、長さ2
m 、充填剤は5E−30゜カラム温度40℃)により
、残存上ツマー量及びその単量体組成比を定量的に測定
する。この値を仕込量量体重量から減することにより、
重合転化率及び共重合体中の各構成単位の組成比を知る
ことができる。計算は以下のようにして行なう。すなわ
ち。 ・一般式(I)で表わされる各々のペルオキシカーボネ
ートの仕込量(g) ・・・・・・・・・Am・
一般式(II)で表わされる各々の構成単位からの活性
酸素量(重量%) ・・・・・・・・・am・一
般式(III)で表わされる各々のペルオキシカーボネ
ートの仕込全単量体に対する割合(重量%)・・・・・
・・・・βm ・一般式(It)で表わされる各々の構成単位の理論活
性酸素量(重量%) ・・・・・・・・・αm・
一般式(m)で表わされる各々の単量体の仕込量(g)
・・・・・・・・・Bn・一般式(
III)で表わされる各々の単量体の重合転化率(重量
%) ・・・・・・・・・bnとすると。 共重合体中の一般式(II)で表わされる各々の構成単
位の重量%:xmは、 共重合体中の一般式(II)以外で表わされる各各の構
成単位の重量%:ynは、 x loo 、(2)
となる。 次いで。 ・一般式(II)で表わされる各々の構成単位の数平均
分子量 ・・・・・・・・・Em・
一般式(IV)で表わされる各々の構成単位の数平均分
子量 ・・・・・・・・・Fnとす
ると、 共重合体中の一般式(II)で表わされる各々の構成単
位のモル%:xmは、 共重合体中の一般式(IV)で表わされる各々の構成単
位のモル%:Ynは、 によって求められる。 本発明の共重合体を製造する際、重合方法としては、塊
状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合などの一般的重
合方法は、いずれも使用可能である。また、目的とする
共重合体の数平均分子量により、例えば数平均分子量1
0000程度までは溶液重合法、10000から200
000までは懸濁重合法又は塊状重合法、それ以上は乳
化重合法を使用することが好ましい。 重合に際しては、ペルオキシカーボネートが分解されな
いような条件を選定すべきで、チーグラー・ナツタ触媒
などの有機金属触媒、あるいは還元剤を使用したレドッ
クス重合系の使用は好ましくない、一般的には、有機過
酸化物あるいはアゾ化合物を重合開始剤とするラジカル
重合法が好適で、その際重合温度は90℃以下、好まし
くは85℃以下にすべきである。何とならば、このペル
オキシカーボネートは、一般に選定10時間半減期温度
が95℃〜105℃であり、この温度以上で重合を行な
うと、重合途中でペルオキシ基が分解し、そのためゲル
化が起こり好ましくないからである。 重合開始剤として好ましい有機過酸化物又はアゾ化合物
は、選定10時間半減期温度が85℃以下のものであり
、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペ
ルオキシド、アセチルペルオキシド、プロピオニルペル
オキシド、ステアロイルペルオキシド、ラウロイルペル
オキシド、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t
−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシ
−2−エチルヘキサノエートなどを挙げることができる
。 本発明の共重合体は、塗料、粘接着剤、シーラント、繊
維処理剤などの基剤として幅広い用途を有するものであ
るが、これを繊維処理剤とする場合は、トルエン又は酢
酸エチルなどの溶媒に溶解した状態、あるいは界面活性
剤存在下の水に乳化させた状態で使用する。すなわち、
この溶液又は水乳化液を繊維上にコーティングするか、
あるいは繊維をこの溶液又は水乳化液に浸漬することに
より、本発明の共重合体を繊維表面上に付着させ、次い
で溶媒除去又は水蒸発工程において、温度100℃〜2
50℃で0.5分間〜20分間加熱する。温度が100
℃未満であると、共重合体中のペルオキシ基が完全分解
してその機能を発揮するまでに長時間を要し、250℃
を超えると、共重合体自身及び繊維の劣化が起こり好ま
しくない。 また、加熱時間が0゜5分間未満であると、共重合体中
のペルオキシ基の完全分解が困難であり、20分間を超
えると、共重合体自身及び繊維の劣化が起こり好ましく
ない。 [発明の効果] このようにして得られた本発明の共重合体は、共重合体
主鎖中にペンダント結合したペルオキシ基を有し、その
活性酸素量は、0.02重量%〜1.84重量%である
。したがって、本発明の共重合体は、熱又は紫外線など
のエネルギーを加えると、共重合体主鎖中にペンダント
結合しているペルオキシ基が分解して自己架橋を起こし
、またこのペルオキシ基の分解時に、他の単量体又は(
共)重合体が存在すればグラフト化反応が起こる。 すなわち、本発明の共重合体を、塗料、粘接着剤、シー
ラント、あるいは繊維処理剤などの基剤として用いる場
合、イソシアネート架橋などが不必要となり、耐水性の
向上を図ることができ、また他の樹脂に対するグラフト
化性能を有しているため、ブレンド剤あるいは樹脂改質
剤としても有用である。 特に、本発明によって得られた繊維処理剤は。 上述のとおり加熱することにより、その共重合体主鎖中
にペンダント結合しているペルオキシ基が分解して自己
架橋を起こし、さらにこのペルオキシ基が分解すること
により、繊維基剤とのグラフト化反応も同時に起こるの
で、耐水性の向上のみならず、風合い、耐ドライクリー
ニング性、耐溶剤性、耐久性の向上が可能となる。 [実施例及び比較例] 実施例1 1重量%ポリビニルアルコール水溶液500鵬Ω の入
った撹拌機付き四つロフラスコ中に、アクリル酸n−ブ
チル86.8 g (90モル%) とt−ブチルペル
オキシアリルカーボネート 13゜2g(10モル%)
とを入れ1次いで連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカ
プタン0.5g を加え撹拌した0次いで、ベンゾイル
ペルオキシド(商品名「ナイパーBJ1日本油脂株式会
社製)Igを加え80℃で6時間重合させ、その後室温
まで冷却し重合を停止させた。続けて、水洗、脱水を4
回繰り返し、40℃で2日間真空乾燥を行ない、透明粒
状ゴム質の共重合体を得た。 この共重合体1,032. を50gの試薬特級ベン
ゼンに溶解させ、ガスクロマトグラフィー(ガラスカラ
ム、長さ2m、充填剤5E−30、カラム温度40℃、
内部標準物質デカン、キャリアーガス窒素、以下同一条
件)で残存単量体量を測定し、アクリル酸n−ブチルの
重合転化率を求めた結果99.6重量%であった。(ア
クリル酸n−ブチルのリテンションタイムは 14.3
6分であった) また、共重合体の0.4重量%テトラヒドロフラン溶液
をGPCにより測定した結果、数平均分子量は4500
0であった。 次いで、この共重合体を2重量%ベンゼン溶液にし、大
過剰のメタノール中に投入して再沈精製を2回繰り返し
、40℃で2日間真空乾燥させて、精製された共重合体
を得た。 この精製された共重合体の活性酸素量をヨードメトリー
法により測定した結果0.84重量%で、t−ブチルペ
ルオキシアリルカーボネートの導入率は48%であった
。 以上の結果から、前記の式(1)〜(4)により、共重
合体中の構成単位のモル比を求めた結果、・t−ブチル
ペルオキシアリルカーボネートに基づく構成単位
・・・・・・・・・ 7.5モル%・アクリル酸
n−ブチルに基づく構成単位・・・・・・・・・92.
5モル% であった。 次いで、上記透明粒状ゴム質の共重合体をトルエンに溶
解し、10重量%溶液とした。この試料を超遠心分離機
(15000rpm) に60分間かけゲル成をを沈
降させ、上澄み液を傾しゃ法で取り除き、沈降したゲル
成分を40℃で3日間真空乾燥させ、共重合体中のゲル
分率を測定した結果、4.3重量%であった。 さらに、この10重量%トルエン溶液をガラス板上に塗
布して、200℃で300秒間加熱処理した。こうして
得たフィルムをパークロルエチレンに30分間浸漬し、
その膨潤率を測定したところ、23.4%であった。 また、この10重量%トルエン溶液をガラス板上に塗布
して、25℃で高圧水銀灯により、゛紫外線照射を1時
間行なった。残存トルエンを真空下に完全に除去した後
、生成したフィルムをパークロルエチレンに30分間浸
漬し、その膨潤率を測定したところ、43.2%であっ
た。 実施例2〜5 一般式(m)で表わされる単量体としてアクリル酸n−
ブチル、一般式(III)で表わされるペルオキシカー
ボネートとしてt−ブチルペルオキシアリルカーボネー
トを用い、仕込量を表1のように変えて実施例1に準じ
て共重合体の合成、評価を行なった。結果は表1に示す
。 ここで、アクリル酸n−ブチルはBA、t−ブチルペル
オキシアリルカーボネートはTBPA。 n−ドデシルメルカプタンはNDM、ベンゾイルペルオ
キシドはBPOと略記する。(以下同様とする) 比較例1〜3 BA、TBPA、NDM、BPOの量を表2のように変
化させ、実施例1に準じて共重合体の合成、評価を行な
った。結果は表2に示す。 実施例6〜1〇 一般式(III)で表わされる単量体として、アクリル
酸エチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル
、アクリル酸n−ブチルを用い、一般式(りで表わされ
るペルオ犀ジカーボネートとして、し−ブチルペルオキ
シアリルカーボネート、し−ヘキシルペルオキシアリル
カーボネートを使用し、実施例1に準じて合成、評価を
行なった。 結果は表3に示す。 なお、アクリル酸エチルはEA、アクリル酸ラウリルは
LA、アクリル酸ステアリルはSA、t−ヘキシルペル
オキシアリルカーボネートはTHPAと略記する。(以
下同様とする)また、ガスクロマトグラフィーによるリ
テンションタイムは、それぞれEAは3.64分、LA
は20.05分、SAは29.73分であった。 実施例11〜14、比較例4 実施例1において、単量体組成及びNDM、BPOの量
を表4に示すとおりとし、共重合体の合成、評価を行な
った。結果は表4に示す。 実施例15〜17、比較例5 実施例1において、1重量%ポリビニルアルコール水溶
液500mA の代わりに500gのトルエンを用い
1重合時間を8時間とし、さらにNDMの添加量を表5
のように変える以外は、実施例1に準じて共重合体の合
成、評価を行なった。結果は表5に示す。 実施例18〜21 一般式(m)で表わされる単量体として、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸p−t−ブチルフ
ェニルを用い、一般式(III)で表わされるペルオキ
シカーボネートとして、クミルペルオキシフリルカーボ
ネートを使用し、実施例1に準じて合成、評価を行なっ
た。結果は表6に示す。 なお、アクリル酸シクロヘキシルはCHA、アクリル酸
ベンジルはBzA、 アクリル酸p−t−ブチルフェ
ニルはp−t−BPA、クミルペルオキシフリルカーボ
ネートはCPACと略記する。 また、ガスクロマトグラフィーによるリテンションタイ
ムは、それぞれCHAは12.42分、BzAは17.
55分、 p−t−BPAは19.32分であった。 実施例22 実施例9で合成した透明粒状ゴム質の共重合体25重量
部をトルエン75重量部に溶解させた。 そのとき、25℃における粘度は35000センチポイ
ズであった。この溶液をナイロンタフタに塗布し、10
0℃で60秒間乾燥させた後、200℃で加熱処理した
。この試料をドライクリーニングにかけ耐水圧試験を行
なった。結果は表7に示す。 表 7 比較例6 実施例9において、t−ブチルペルオキシアリルカーボ
ネートの代わりに、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
を使用し、透明粒状ゴム質の共重合体を得た0重合転化
率は99.1重量%であった。得られた共重合体25重
量部をトルエン75重量部に溶解させ、25℃で粘度を
測定したところ、32000センチポイズであった。そ
の後。 この溶液中に、使用したメタクリル酸2−ヒドロキシエ
チルと同モル量のトリレンジイソシアネートを加え、実
施例22に準じて試料をドライクリーニングにかけ耐水
圧試験を行なった。結果は表8に示す。 表8 この実施例22、比較例6の結果から明らかなように、
本発明によって得られた繊維処理剤は、優れた耐久性、
耐ドライクリーニング性を有している。
Claims (10)
- (1)次の一般式( I ) ▲数式、化学式、表等があります▼ ( I ) (式中、R_1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基、R_2及びR_3は炭素数1〜4のアルキル基、R
_4は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜10
のシクロアルキル基、フェニル基を示す)で表わされる
ラジカル共重合性ペルオキシカーボネートから誘導され
る次の一般式(II) ▲数式、化学式、表等があります▼ (II) (式中、R_1、R_2、R_3及びR_4は一般式(
I )の場合と同じ)で表わされる構成単位が0.2モ
ル%〜20モル%と、次の一般式(III) ▲数式、化学式、表等があります▼(III) (式中、R_5は炭素数1〜20のアルキル基、シクロ
アルキル基、フェニル基、置換シクロアルキル基、置換
フェニル基を示す)で表わされるアクリル酸エステル型
単量体から誘導される次の一般式(IV) ▲数式、化学式、表等があります▼(IV) (式中、R_5は一般式(III)の場合と同じ)で表わ
される構成単位が80モル%〜99.8モル%とからな
り、数平均分子量が1000〜500000で、活性酸
素量が0.02重量%〜1.84重量%である自己架橋
型アクリル酸エステル系ランダム共重合体 - (2)一般式( I )で表わされるラジカル共重合性ペ
ルオキシカーボネートがt−ブチルペルオキシアリルカ
ーボネートであり、それから誘導される一般式(II)で
表わされる構成単位が ▲数式、化学式、表等があります▼ である特許請求の範囲第1項記載の自己架橋型アクリル
酸エステル系ランダム共重合体 - (3)一般式( I )で表わされるラジカル共重合性ペ
ルオキシカーボネートがt−ヘキシルペルオキシアリル
カーボネートであり、それから誘導される一般式(II)
で表わされる構成単位が ▲数式、化学式、表等があります▼ である特許請求の範囲第1項記載の自己架橋型アクリル
酸エステル系ランダム共重合体 - (4)一般式(III)で表わされるアクリル酸エステル
型単量体がアクリル酸エチルであり、それから誘導され
る一般式(IV)で表わされる構成単位が ▲数式、化学式、表等があります▼ である特許請求の範囲第1項、第2項又は第3項記載の
自己架橋型アクリル酸エステル系ランダム共重合体 - (5)一般式(III)で表わされるアクリル酸エステル
型単量体がアクリル酸n−ブチルであり、それから誘導
される一般式(IV)で表わされる構成単位が ▲数式、化学式、表等があります▼ である特許請求の範囲第1項、第2項又は第3項記載の
自己架橋型アクリル酸エステル系ランダム共重合体 - (6)次の一般式( I ) ▲数式、化学式、表等があります▼ ( I ) (式中、R_1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基、R_2及びR_3は炭素数1〜4のアルキル基、R
_4は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜10
のシクロアルキル基、フェニル基を示す)で表わされる
ラジカル共重合性ペルオキシカーボネートから誘導され
る次の一般式(II) ▲数式、化学式、表等があります▼ (II) (式中、R_1、R_2、R_3及びR_4は一般式(
I )の場合と同じ)で表わされる構成単位が0.2モ
ル%〜20モル%と、次の一般式(III) ▲数式、化学式、表等があります▼(III) (式中、R_5は炭素数1〜20のアルキル基、シクロ
アルキル基、フェニル基、置換シクロアルキル基、置換
フェニル基を示す)で表わされるアクリル酸エステル型
単量体から誘導される次の一般式(IV) ▲数式、化学式、表等があります▼(IV) (式中、R_5は一般式(III)の場合と同じ)で表わ
される構成単位が 80モル%〜99.8モル%とから
なり、数平均分子量が1000〜500000で、活性
酸素量が0.02重量%〜1.84重量%である自己架
橋型アクリル酸エステル系ランダム共重合体を有効成分
とする自己架橋型アクリル酸エステル系繊維処理剤 - (7)一般式( I )で表わされるラジカル共重合性ペ
ルオキシカーボネートがt−ブチルペルオキシアリルカ
ーボネートであり、それから誘導される一般式(II)で
表わされる構成単位が ▲数式、化学式、表等があります▼ である特許請求の範囲第6項記載の自己架橋型アクリル
酸エステル系繊維処理剤 - (8)一般式( I )で表わされるラジカル共重合性ペ
ルオキシカーボネートがt−ヘキシルペルオキシアリル
カーボネートであり、それから誘導される一般式(II)
で表わされる構成単位が ▲数式、化学式、表等があります▼ である特許請求の範囲第6項記載の自己架橋型アクリル
酸エステル系繊維処理剤 - (9)一般式(III)で表わされるアクリル酸エステル
型単量体がアクリル酸エチルであり、それから誘導され
る一般式(IV)で表わされる構成単位が ▲数式、化学式、表等があります▼ である特許請求の範囲第6項、第7項又は第8項記載の
自己架橋型アクリル酸エステル系繊維処理剤 - (10)一般式(III)で表わされるアクリル酸エステ
ル型単量体がアクリル酸n−ブチルであり、それから誘
導される一般式(IV)で表わされる構成単位が ▲数式、化学式、表等があります▼ である特許請求の範囲第6項、第7項又は第8項記載の
自己架橋型アクリル酸エステル系繊維処理剤
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8724285A JPS61243812A (ja) | 1985-04-23 | 1985-04-23 | 自己架橋型アクリル酸エステル系ランダム共重合体及びそれを用いた繊維処理剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8724285A JPS61243812A (ja) | 1985-04-23 | 1985-04-23 | 自己架橋型アクリル酸エステル系ランダム共重合体及びそれを用いた繊維処理剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61243812A true JPS61243812A (ja) | 1986-10-30 |
Family
ID=13909342
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8724285A Pending JPS61243812A (ja) | 1985-04-23 | 1985-04-23 | 自己架橋型アクリル酸エステル系ランダム共重合体及びそれを用いた繊維処理剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61243812A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5530790A (en) * | 1978-08-25 | 1980-03-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Character pattern recognition method |
JPS58127717A (ja) * | 1982-01-25 | 1983-07-29 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 塩化ビニル系グラフト共重合体の製造方法 |
-
1985
- 1985-04-23 JP JP8724285A patent/JPS61243812A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5530790A (en) * | 1978-08-25 | 1980-03-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Character pattern recognition method |
JPS58127717A (ja) * | 1982-01-25 | 1983-07-29 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 塩化ビニル系グラフト共重合体の製造方法 |
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