JPS6124376B2 - - Google Patents
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- JPS6124376B2 JPS6124376B2 JP6168980A JP6168980A JPS6124376B2 JP S6124376 B2 JPS6124376 B2 JP S6124376B2 JP 6168980 A JP6168980 A JP 6168980A JP 6168980 A JP6168980 A JP 6168980A JP S6124376 B2 JPS6124376 B2 JP S6124376B2
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Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明はテレフタル酸の連続エステル化方法に
関する。
関する。
従来ポリエチレンテレフタレートの製造はジメ
チルテレフタレートを原料とする方法が行なわれ
ていたが、近年高純度テレフタル酸の製造が可能
となつたため、テレフタル酸を直接の原料として
ポリエチレンテレフタレートの製造を行なう方法
が注目されている。この方法はテレフタル酸とエ
チレングリコールとを原料として適当な方法でま
ずテレフタル酸のエステル化反応物を製造し、次
いでこのエステル化反応物を高温、減圧下で重縮
合反応させて高分子量のポリエステルとする方法
であつて、従来のジメチルテレフタレートを原料
とする方法に比して、テレフタル酸のエステル化
反応が触媒を加えなくてもかなり速かに進行する
ので、一般的に耐熱分解性に優れた高分子量のポ
リエステルが容易に得られることが著しい特色で
あり、さらに従来法に比して工程の短縮によりか
なり経費節減の可能性があることなどの利点があ
る。しかしテレフタル酸はエチレングリコール等
の反応媒体に難溶であるためエステル化反応は通
常不均一系のスラリー状態で行なわねばならない
ので、エステル化反応はかなりの困難を伴い、ま
たエステル化反応中にエーテル結合の生成量が一
般的に多くなり、最終的に得られるポリエステル
の軟化点が低くなり、あるいは繊維の染色挙動の
相異を引き起こすなどの問題点もある。
チルテレフタレートを原料とする方法が行なわれ
ていたが、近年高純度テレフタル酸の製造が可能
となつたため、テレフタル酸を直接の原料として
ポリエチレンテレフタレートの製造を行なう方法
が注目されている。この方法はテレフタル酸とエ
チレングリコールとを原料として適当な方法でま
ずテレフタル酸のエステル化反応物を製造し、次
いでこのエステル化反応物を高温、減圧下で重縮
合反応させて高分子量のポリエステルとする方法
であつて、従来のジメチルテレフタレートを原料
とする方法に比して、テレフタル酸のエステル化
反応が触媒を加えなくてもかなり速かに進行する
ので、一般的に耐熱分解性に優れた高分子量のポ
リエステルが容易に得られることが著しい特色で
あり、さらに従来法に比して工程の短縮によりか
なり経費節減の可能性があることなどの利点があ
る。しかしテレフタル酸はエチレングリコール等
の反応媒体に難溶であるためエステル化反応は通
常不均一系のスラリー状態で行なわねばならない
ので、エステル化反応はかなりの困難を伴い、ま
たエステル化反応中にエーテル結合の生成量が一
般的に多くなり、最終的に得られるポリエステル
の軟化点が低くなり、あるいは繊維の染色挙動の
相異を引き起こすなどの問題点もある。
これらの問題を解決するためいくつかの提案が
なされている。たとえばエチレングリコールのテ
レフタル酸に対するモル比を2以下としてエーテ
ル結合の生成量を少なくする方法(特公昭36−
12448号公報参照)、テレフタル酸とエチレングリ
コールにさらにビス−(β−ヒドロキシエチル)−
テレフタレートを添加してエステル化反応を行な
う方法(特公昭32−8915号公報および特公昭41−
12099号公報参照)などがあるが、これらは反応
速度やエーテル結合生成の点からみてまだ満足す
べき方法とはいえない。
なされている。たとえばエチレングリコールのテ
レフタル酸に対するモル比を2以下としてエーテ
ル結合の生成量を少なくする方法(特公昭36−
12448号公報参照)、テレフタル酸とエチレングリ
コールにさらにビス−(β−ヒドロキシエチル)−
テレフタレートを添加してエステル化反応を行な
う方法(特公昭32−8915号公報および特公昭41−
12099号公報参照)などがあるが、これらは反応
速度やエーテル結合生成の点からみてまだ満足す
べき方法とはいえない。
テレフタル酸のエステル化反応の際、化学反応
速度がどのように表わされるかについては、たと
えば工業化学雑誌62巻1911〜1914頁(1959年)、
ジヤーナル・オブ・ポリマー・サイエンス1969
年、713〜720頁などに示されており、前者ではテ
レフタル酸とエチレングリコールとの反応におい
てカルボン酸濃度の減少速度が次式で示されてい
る。
速度がどのように表わされるかについては、たと
えば工業化学雑誌62巻1911〜1914頁(1959年)、
ジヤーナル・オブ・ポリマー・サイエンス1969
年、713〜720頁などに示されており、前者ではテ
レフタル酸とエチレングリコールとの反応におい
てカルボン酸濃度の減少速度が次式で示されてい
る。
−d〔COOH〕/dt=K〔COOH〕
またこの反応ビス−(β−ヒドロキシエチル)−
テレフタレートがさらに存在するとエステル化速
度が増加することも述べられている。この点につ
いては特公昭32−8915号公報でも言及されてはい
るが、このエステル化速度の増加が何故もたらさ
れるかについては明らかにされていない。
テレフタレートがさらに存在するとエステル化速
度が増加することも述べられている。この点につ
いては特公昭32−8915号公報でも言及されてはい
るが、このエステル化速度の増加が何故もたらさ
れるかについては明らかにされていない。
また前記のジヤーナル・オブ・ポリマー・サイ
エンスには、テレフタル酸、ビス−(β−ヒドロ
キシエチル)−テレフタレートの低縮合物及びエ
チレングリコールの反応において、エステル化速
度Rは次式 R=ρke〔COOH〕〔OH〕 (式中ρは反応媒体の密度)で示され、この際の
反応速度定数はテレフタル酸とエチレングリコー
ルとの反応速度定数よりもはるかに大きいことが
述べられている。
エンスには、テレフタル酸、ビス−(β−ヒドロ
キシエチル)−テレフタレートの低縮合物及びエ
チレングリコールの反応において、エステル化速
度Rは次式 R=ρke〔COOH〕〔OH〕 (式中ρは反応媒体の密度)で示され、この際の
反応速度定数はテレフタル酸とエチレングリコー
ルとの反応速度定数よりもはるかに大きいことが
述べられている。
一方、エステル化反応の際副生するエーテル結
合物(以下DEGと略記する)の生成速度につい
ては従来あまり定量的な取扱いがなされていな
い。
合物(以下DEGと略記する)の生成速度につい
ては従来あまり定量的な取扱いがなされていな
い。
本発明者らは直接エステル化法によるポリエス
テルに製造においては、エステル化反応速度のみ
ならず、DEGの生成速度についてもその反応機
構を詳細に解明しなければ品質の良いポリエステ
ルを高生産性で製造することができないという見
地からこれらの反応を詳細に検討した。その結
果、エステル化反応ではテレフタル酸の解離によ
つて生ずるプロトン(H+)が重要な役割を果す
こと、ならびにこのテレフタル酸の解離が反応媒
体中のテレフタル酸に結合していないエチレング
リコール(以下fEGと略記する)の濃度に著しく
影響されることを見出した。
テルに製造においては、エステル化反応速度のみ
ならず、DEGの生成速度についてもその反応機
構を詳細に解明しなければ品質の良いポリエステ
ルを高生産性で製造することができないという見
地からこれらの反応を詳細に検討した。その結
果、エステル化反応ではテレフタル酸の解離によ
つて生ずるプロトン(H+)が重要な役割を果す
こと、ならびにこのテレフタル酸の解離が反応媒
体中のテレフタル酸に結合していないエチレング
リコール(以下fEGと略記する)の濃度に著しく
影響されることを見出した。
本発明はこの知見に基づくもので、テレフタル
酸とエチレングリコールとを連続的に反応器へ供
給して、テレフタル酸を240〜280℃で2段階以上
で連続的に、反応率が仕込テレフタル酸に対し最
終的に80%以上になるようにエステル化し、その
際均一液相部分を構成する反応混合物中のテレフ
タル酸成分に化学的に結合していないエチレング
リコールの割合を、均一液相部分を構成する反応
混合物に対し2〜15重量%の範囲として少なくと
も第1段の反応を行なうことを特徴とする、テレ
フタル酸の連続エステル化方法である。
酸とエチレングリコールとを連続的に反応器へ供
給して、テレフタル酸を240〜280℃で2段階以上
で連続的に、反応率が仕込テレフタル酸に対し最
終的に80%以上になるようにエステル化し、その
際均一液相部分を構成する反応混合物中のテレフ
タル酸成分に化学的に結合していないエチレング
リコールの割合を、均一液相部分を構成する反応
混合物に対し2〜15重量%の範囲として少なくと
も第1段の反応を行なうことを特徴とする、テレ
フタル酸の連続エステル化方法である。
本発明で均一液相部分とはエチレングリコー
ル、エステル化物及びこれらに溶解したテレフタ
ル酸を含む液体の部分を意味し、一方不均一液相
部分とは、通常直接エステル化反応ではテレフタ
ル酸の溶解度が低いため未溶解テレフタル酸が存
在するが、これとエチレングリコール、エステル
化物及びこれらに溶解したテレフタル酸からなる
液相部分とからの反応系を意味する。
ル、エステル化物及びこれらに溶解したテレフタ
ル酸を含む液体の部分を意味し、一方不均一液相
部分とは、通常直接エステル化反応ではテレフタ
ル酸の溶解度が低いため未溶解テレフタル酸が存
在するが、これとエチレングリコール、エステル
化物及びこれらに溶解したテレフタル酸からなる
液相部分とからの反応系を意味する。
テレフタル酸はエチレングリコール中ではかな
り解離するが、たとえばビス−(β−ヒドロキシ
エチル)−テレフタレート又はその低重合物で
fEGをほとんど含まない媒体中ではほとんど解離
しないので、反応媒体の違いによつてエステル化
及びDEGの生成反応機構が大きく異なつてく
る。そしてエステル化及びDEGの生成反応機構
は一般的に次式で説明される。
り解離するが、たとえばビス−(β−ヒドロキシ
エチル)−テレフタレート又はその低重合物で
fEGをほとんど含まない媒体中ではほとんど解離
しないので、反応媒体の違いによつてエステル化
及びDEGの生成反応機構が大きく異なつてく
る。そしてエステル化及びDEGの生成反応機構
は一般的に次式で説明される。
エステル化反応
ここで(1)式の反応でH+が触媒として関与して
いない反応はきわめて遅いので無視した。
いない反応はきわめて遅いので無視した。
DEG生成反応
(4)式は脱水反応であり、(5),(6)式はアルキル切断
反応でH+が関与する場合と関与しない場合であ
る。なお(4)式のH+が関与していない反応はきわ
めて遅いので無視した。
反応でH+が関与する場合と関与しない場合であ
る。なお(4)式のH+が関与していない反応はきわ
めて遅いので無視した。
以上の反応機構から明らかなように、もし反応
媒体中にfEGが多い場合はテレフタル酸は比較的
解離するので、プロトンによる反応と無触媒によ
る反応のいずれの反応機構も重要になり、また
fEGがほとんどない反応媒体中ではテレフタル酸
はほとんど解離しないので、エステル化反応は主
として(2)式によつて起こり、またDEG生成反応
は主として(5)式によつて起こる。
媒体中にfEGが多い場合はテレフタル酸は比較的
解離するので、プロトンによる反応と無触媒によ
る反応のいずれの反応機構も重要になり、また
fEGがほとんどない反応媒体中ではテレフタル酸
はほとんど解離しないので、エステル化反応は主
として(2)式によつて起こり、またDEG生成反応
は主として(5)式によつて起こる。
以上の結果から(イ)エステル化反応速度は(2)式の
反応機構で起こるようにすると最も大きくするこ
とができること、(ロ)DEG生成反応はテレフタル
酸が解離しないような反応媒体中では(6)式の反応
機構のみとなるため、DEG生成量を比較的少な
くしうる可能性があることがわかつた。従つてテ
レフタル酸を適当な程度に解離させることが、エ
ステル化速度とDEG生成速度のバランスを保つ
ためにきわめて重要である。
反応機構で起こるようにすると最も大きくするこ
とができること、(ロ)DEG生成反応はテレフタル
酸が解離しないような反応媒体中では(6)式の反応
機構のみとなるため、DEG生成量を比較的少な
くしうる可能性があることがわかつた。従つてテ
レフタル酸を適当な程度に解離させることが、エ
ステル化速度とDEG生成速度のバランスを保つ
ためにきわめて重要である。
テレフタル酸とエチレングリコールとを一定モ
ル比で連続的に反応器へ供給して、一定温度でエ
ステル化反応を行なわせ、かつ反応生成物を連続
的に取り出す場合、反応器での平均滞在時間を変
えることにより、仕込テレフタル酸に対するエス
テル化率が変えられ、反応器中での均一液相部分
を構成する物質の中でのfEGの重量割合を変える
ことができる。エステル化速度とDEG生成速度
の比と均一液相部分のfEG量との関係を、供給す
るエチレングリコールとテレフタル酸の比を種々
変えて検討すると、たとえば第1図および第2図
に示すように、明からにfEG量がある範囲内で存
在している場合にエステル化速度とDEG生成速
度の比が極大となつていることがわかる。従つて
均一液相部分のfEG量をある範囲に規制してエス
テル化を行なえば、エステル化速度を大きくして
かつDEG生成速度を小さくすることができる。
またこのようなエステル化反応条件を具体的に実
現するためには、反応媒体の組成がエステル化反
応の全体を通じてあまり変化しないようにするこ
とが重要である。
ル比で連続的に反応器へ供給して、一定温度でエ
ステル化反応を行なわせ、かつ反応生成物を連続
的に取り出す場合、反応器での平均滞在時間を変
えることにより、仕込テレフタル酸に対するエス
テル化率が変えられ、反応器中での均一液相部分
を構成する物質の中でのfEGの重量割合を変える
ことができる。エステル化速度とDEG生成速度
の比と均一液相部分のfEG量との関係を、供給す
るエチレングリコールとテレフタル酸の比を種々
変えて検討すると、たとえば第1図および第2図
に示すように、明からにfEG量がある範囲内で存
在している場合にエステル化速度とDEG生成速
度の比が極大となつていることがわかる。従つて
均一液相部分のfEG量をある範囲に規制してエス
テル化を行なえば、エステル化速度を大きくして
かつDEG生成速度を小さくすることができる。
またこのようなエステル化反応条件を具体的に実
現するためには、反応媒体の組成がエステル化反
応の全体を通じてあまり変化しないようにするこ
とが重要である。
本発明を実施するに際しては、エステル化反応
器中の液相を構成する反応混合物中のfEG量は2
〜15重量%好ましくは2〜12重量%となるように
する。反応はバツチ式でも連続式でも行なわれる
が、反応媒体の組成を一定に保ち易いため連続式
の方が有利である。なお反応を多段階で行なう本
発明の場合は、少なくとも第1段目の反応をfEG
量が2〜15重量%となるように行なえばよく、た
とえば最終段階でのfEG量が2%以下であつても
差しつかえない。
器中の液相を構成する反応混合物中のfEG量は2
〜15重量%好ましくは2〜12重量%となるように
する。反応はバツチ式でも連続式でも行なわれる
が、反応媒体の組成を一定に保ち易いため連続式
の方が有利である。なお反応を多段階で行なう本
発明の場合は、少なくとも第1段目の反応をfEG
量が2〜15重量%となるように行なえばよく、た
とえば最終段階でのfEG量が2%以下であつても
差しつかえない。
本発明の反応は、240〜280℃で常圧又は加圧下
に行なわれる。反応温度を280℃以上にすると、
反応物に着色が起こり易くなるので余り反応温度
を高めることは好ましくない。しかし該範囲内で
はできるだけ温度を高目に設定することが、エー
テル結合の生成を少なくする上で望ましい。
に行なわれる。反応温度を280℃以上にすると、
反応物に着色が起こり易くなるので余り反応温度
を高めることは好ましくない。しかし該範囲内で
はできるだけ温度を高目に設定することが、エー
テル結合の生成を少なくする上で望ましい。
反応率は仕込テレフタル酸に対し最終的に80%
以上、好ましくは90〜95%がエステル化されてい
るようにすればよい。該エステル化反応をたとえ
ばタンク式反応器2個以上を使用して連続的に行
なう場合は、反応液中のfEG量は仕込モル比(エ
チレングリコール/テレフタル酸)、反応温度及
び反応率によつて決まるので、fEG量をある範囲
内に規制するためには、この三つの因子をバラン
スよく保つことが必要である。そのための反応条
件としては、仕込モル比1.2〜1.7、反応温度240
〜280℃及び反応率90〜95%とすることが工業的
に好ましい。こうして得られたエステル化反応物
を重縮合触媒の存在下で高温減圧下に加熱するこ
とにより、エーテル結合の少ない高品位のポリエ
ステルを製造することができる。
以上、好ましくは90〜95%がエステル化されてい
るようにすればよい。該エステル化反応をたとえ
ばタンク式反応器2個以上を使用して連続的に行
なう場合は、反応液中のfEG量は仕込モル比(エ
チレングリコール/テレフタル酸)、反応温度及
び反応率によつて決まるので、fEG量をある範囲
内に規制するためには、この三つの因子をバラン
スよく保つことが必要である。そのための反応条
件としては、仕込モル比1.2〜1.7、反応温度240
〜280℃及び反応率90〜95%とすることが工業的
に好ましい。こうして得られたエステル化反応物
を重縮合触媒の存在下で高温減圧下に加熱するこ
とにより、エーテル結合の少ない高品位のポリエ
ステルを製造することができる。
本発明方法により得られるポリエステルは、ス
テープルはもち論のこと従来困難視されていたフ
イラメントにも適用できる。
テープルはもち論のこと従来困難視されていたフ
イラメントにも適用できる。
下記実施例及び比較例において、EGはエチレ
ングリコール、TPAはテレフタル酸を意味す
る。%は重量に関する。EDG量は、試料をヒド
ラジンで分解してエーテル結合をジエチレングリ
コールとして遊離させ、ガスクロマトグラフイー
で測定した値である。
ングリコール、TPAはテレフタル酸を意味す
る。%は重量に関する。EDG量は、試料をヒド
ラジンで分解してエーテル結合をジエチレングリ
コールとして遊離させ、ガスクロマトグラフイー
で測定した値である。
fEG量は次の方法により測定した。エステル化
反応物を溶融状態で過して未溶解TPAを除去
し(ただしエステル化反応物が完全に均一溶融物
となつている場合は過は行わない)、液相部分
のみを取出して測定用試料とする。試料を一定量
秤取し、内部標準物質としてプロピレングリコー
ルを含む水溶液に室温で加えてよく粉砕する。次
いで室温で5時間撹拌し、水溶液に抽出された
fEG量をガスクロマトグラフ法(充填剤カーボン
ワツクス20Mを10%コーテイングした80〜100メ
ツシユのPorapak−Qを使用)にて測定する。
TPAの反応率は反応物の酸価とケン化価とから
次式により算出する。
反応物を溶融状態で過して未溶解TPAを除去
し(ただしエステル化反応物が完全に均一溶融物
となつている場合は過は行わない)、液相部分
のみを取出して測定用試料とする。試料を一定量
秤取し、内部標準物質としてプロピレングリコー
ルを含む水溶液に室温で加えてよく粉砕する。次
いで室温で5時間撹拌し、水溶液に抽出された
fEG量をガスクロマトグラフ法(充填剤カーボン
ワツクス20Mを10%コーテイングした80〜100メ
ツシユのPorapak−Qを使用)にて測定する。
TPAの反応率は反応物の酸価とケン化価とから
次式により算出する。
反応率=ケン化価−酸価/ケン化価×100(%)
酸価:反応物を窒素下でベンジルアルコールに溶
解し、窒素下でアルカリで滴定して得た値 ケン化価:反応物をアルカリ加水分解し、酸で逆
滴定して得た値 原料の供給は反応率が90〜95%になるように調
節しているので、各実施例ごとに又は各比較例ご
とに異なるが、テレフタル酸の供給量は次式によ
り求められる。
解し、窒素下でアルカリで滴定して得た値 ケン化価:反応物をアルカリ加水分解し、酸で逆
滴定して得た値 原料の供給は反応率が90〜95%になるように調
節しているので、各実施例ごとに又は各比較例ご
とに異なるが、テレフタル酸の供給量は次式によ
り求められる。
T=1000V/166A+62A・α−36AP
式中 T:反応時間
A:TPA供給量(モル/時)
P:反応率
α:EG/TPAモル比
V:反応系液相体積(L)
実施例
完全混合槽型反応器2個を直列につないで連続
エステル化を行なうため、窒素置換された内容積
約50の第1段及び第2段のタンク型反応器に、
あらかじめ15Kgの融点110℃のビス−β−ヒドロ
キシエチルテレフタレートを仕込み、それぞれ
255℃及び260℃に加熱した。
エステル化を行なうため、窒素置換された内容積
約50の第1段及び第2段のタンク型反応器に、
あらかじめ15Kgの融点110℃のビス−β−ヒドロ
キシエチルテレフタレートを仕込み、それぞれ
255℃及び260℃に加熱した。
TPAとEGとをEG/TPAモル比=1.2となるよ
うにあらかじめスラリーミキサーで均一なスラリ
ーとなし、撹拌器を付した貯槽へ移した。
うにあらかじめスラリーミキサーで均一なスラリ
ーとなし、撹拌器を付した貯槽へ移した。
スラリー貯槽のEG/TPAスラリーを、スラリ
ー供給ポンプで8.0Kg/時の一定供給速度で第1
段の反応器へ連続的に供給を開始し、同時に第1
段の反応器から第2段の反応器へポンプを介して
エステル化物を供給し、かつ第2段の反応器から
ポンプを介してエステル化物の排出を開始し、第
1段及び第2段の反応器での平均滞在時間(反応
器内の反応物量を反応器入口流量で除した値)が
それぞれ3.0時間及び2.0時間となるようにそれぞ
れのポンプの回転数を調節した。
ー供給ポンプで8.0Kg/時の一定供給速度で第1
段の反応器へ連続的に供給を開始し、同時に第1
段の反応器から第2段の反応器へポンプを介して
エステル化物を供給し、かつ第2段の反応器から
ポンプを介してエステル化物の排出を開始し、第
1段及び第2段の反応器での平均滞在時間(反応
器内の反応物量を反応器入口流量で除した値)が
それぞれ3.0時間及び2.0時間となるようにそれぞ
れのポンプの回転数を調節した。
第1段の反応器は温度255℃、圧力0.5Kg/cm2・
Gに一定させ、生成した水は精留塔を介してEG
と分離し、コンデンサーで冷却させて水の受器へ
送つて除去した。また第2段の反応器は温度260
℃、圧力は常圧とし、生成した水は未反応EGと
共にコンデンサーで冷却させて受器へ送つて除去
した。第2段反応器より排出されたエステル化物
は受器へ取出した。反応開始後約14時間でほぼ定
常状態に移つた。20時間後に第1段反応器より下
記のエステル化物が排出された。反応率93.8%、
DEG含量0.58%、fEG量4.2%、第2段反応器か
らは下記のエステル化物が排出された。反応率
98.0%、DEG含量0.70%、fEG量0.6%。
Gに一定させ、生成した水は精留塔を介してEG
と分離し、コンデンサーで冷却させて水の受器へ
送つて除去した。また第2段の反応器は温度260
℃、圧力は常圧とし、生成した水は未反応EGと
共にコンデンサーで冷却させて受器へ送つて除去
した。第2段反応器より排出されたエステル化物
は受器へ取出した。反応開始後約14時間でほぼ定
常状態に移つた。20時間後に第1段反応器より下
記のエステル化物が排出された。反応率93.8%、
DEG含量0.58%、fEG量4.2%、第2段反応器か
らは下記のエステル化物が排出された。反応率
98.0%、DEG含量0.70%、fEG量0.6%。
このように連続エステル化反応を多段の反応器
で行なう場合は、少なくとも第1段の反応器での
エステル化反応をfEG量が2〜15重量%となるよ
うに規制して行なうことが必要である。
で行なう場合は、少なくとも第1段の反応器での
エステル化反応をfEG量が2〜15重量%となるよ
うに規制して行なうことが必要である。
比較例 1
EG/TPAスラリー供給口、生成水留出装置及
び撹拌器を付した内容量約25のオートクレーブ
に、TPA5.00Kg及びEG2.80Kg(EG/TPAモル比
=1.5)からなるスラリーを仕込み、内部を窒素
置換したのち加熱し、240℃でエステル化反応を
行なつた。反応はゲージ圧3.5〜3.8Kg/cm2の加圧
下で行ない、反応により生成した水は連続的に留
去した。反応率がほぼ95%になるまでに要した時
間は全体で4時間35分であり、このうち240℃に
昇温後の反応時間は2時間35分であつた。こうし
て得られたエステル化反応物中のDEG量は4.6%
であつた。
び撹拌器を付した内容量約25のオートクレーブ
に、TPA5.00Kg及びEG2.80Kg(EG/TPAモル比
=1.5)からなるスラリーを仕込み、内部を窒素
置換したのち加熱し、240℃でエステル化反応を
行なつた。反応はゲージ圧3.5〜3.8Kg/cm2の加圧
下で行ない、反応により生成した水は連続的に留
去した。反応率がほぼ95%になるまでに要した時
間は全体で4時間35分であり、このうち240℃に
昇温後の反応時間は2時間35分であつた。こうし
て得られたエステル化反応物中のDEG量は4.6%
であつた。
比較例 2
圧力を常圧とし、その他は比較例1と同様にし
てエステル化反応を行なつた。この場合の昇温の
方法はまず200℃で1時間30分、次いで210℃まで
昇温してさらに210℃で40分間反応を行ない、そ
れ以後は徐々に昇温して最終的に240℃まで加熱
した。200℃に昇温後の反応時間は全体で7時間
45分を要し、反応率が約95%に達した。こうして
得られたエステル化反応物中のDEG量は5.2%で
あつた。
てエステル化反応を行なつた。この場合の昇温の
方法はまず200℃で1時間30分、次いで210℃まで
昇温してさらに210℃で40分間反応を行ない、そ
れ以後は徐々に昇温して最終的に240℃まで加熱
した。200℃に昇温後の反応時間は全体で7時間
45分を要し、反応率が約95%に達した。こうして
得られたエステル化反応物中のDEG量は5.2%で
あつた。
比較例1及び2の成績から明らかなように、エ
ステル化反応をバツチ式で行なう場合は、反応初
期では液相反応媒体中のfEG含量がきわめて多い
ためDEGが多く生成し、従つてエステル化反応
物中のDEG量が多くなる。この事実からみても
本発明はDEG量の少ないエステル化反応物を製
造するに当つてきわめて優れた方法である。
ステル化反応をバツチ式で行なう場合は、反応初
期では液相反応媒体中のfEG含量がきわめて多い
ためDEGが多く生成し、従つてエステル化反応
物中のDEG量が多くなる。この事実からみても
本発明はDEG量の少ないエステル化反応物を製
造するに当つてきわめて優れた方法である。
第1図及び第2図はエステル化速度/DEG生
成速度と反応媒体液相中のfEG量(重量%)との
関係を示すグラフであつて、第1図は供給する
EG/TPAスラリーのモル比が1.2の場合、第2図
はそれが1.3の場合である各図中の曲線,,
及びはそれぞれ反応温度を220℃,240℃,
260℃及び280℃として反応を行なつた場合の曲線
を示す。
成速度と反応媒体液相中のfEG量(重量%)との
関係を示すグラフであつて、第1図は供給する
EG/TPAスラリーのモル比が1.2の場合、第2図
はそれが1.3の場合である各図中の曲線,,
及びはそれぞれ反応温度を220℃,240℃,
260℃及び280℃として反応を行なつた場合の曲線
を示す。
Claims (1)
- 1 テレフタル酸とエチレングリコールとを連続
的に反応器へ供給して、テレフタル酸を240〜280
℃で2段階以上で連続的に、反応率が仕込テレフ
タル酸に対し最終的に80%以上になるようにエス
テル化し、その際均一液相部分を構成する反応混
合物中のテレフタル酸成分に化学的に結合してい
ないエチレングリコールの割合を、均一液相部分
を構成する反応混合物に対し2〜15重量%の範囲
として少なくとも第1段の反応を行なうことを特
徴とする、テレフタル酸の連続エステル化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6168980A JPS57172920A (en) | 1980-05-12 | 1980-05-12 | Continuous esterification of terephthalic acid |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6168980A JPS57172920A (en) | 1980-05-12 | 1980-05-12 | Continuous esterification of terephthalic acid |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1597472A Division JPS56418B2 (ja) | 1972-02-17 | 1972-02-17 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57172920A JPS57172920A (en) | 1982-10-25 |
JPS6124376B2 true JPS6124376B2 (ja) | 1986-06-10 |
Family
ID=13178470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6168980A Granted JPS57172920A (en) | 1980-05-12 | 1980-05-12 | Continuous esterification of terephthalic acid |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57172920A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4956945B2 (ja) * | 2005-09-12 | 2012-06-20 | 三菱化学株式会社 | テレフタル酸ジエステルの製造方法 |
WO2010064390A1 (ja) * | 2008-12-02 | 2010-06-10 | 花王株式会社 | ポリエステル樹脂の製造方法 |
JP5601354B2 (ja) | 2012-07-25 | 2014-10-08 | 株式会社デンソー | 車両用回転電機のプーリ固定ナット蓋構造 |
-
1980
- 1980-05-12 JP JP6168980A patent/JPS57172920A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57172920A (en) | 1982-10-25 |
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