JPS6122946B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はシガレツトフイルターに関するもの
で、一面においてはフイルターの吸口端すなわち
出口端に煙流誘導用の障害物を備えたフイルター
に関するものであり、他面においてはフイルター
を出る煙流をフイルター吸口端から一定の角度で
外側方向に誘導するための手段を備えたシガレツ
トフイルターに関するものであり、さらに別の面
では通気用空気をフイルター吸口端に誘導するた
めの空気誘導溝を有する上述のシガレツトフイル
ターに関するものである。

低タール分及び極低タール分含有シガレツト
（１〜10mg）用のフイルターの製造においては、
本部分のフイルターは煙流中のタール分を希釈に
よつて減少させるための大量の通気用空気を使用
しているが、これらの市般の製品の大部分は煙が
フイルターの中心部に濃縮されて喫煙時に喫煙者
の口中に水平すなわち長さ方向に入るため、“味
蕾”の大部分に接触せずその結果香味を殆ど運ば
ないことになる。

これまでにもフイルターの効率を改善すること
を目的として煙流の流れを変更させるための手段
を備えた特殊のフイルターは提案されている。例
えば米国特許第2833289号及び同3496945号はフイ
ルター中の煙流を制限して煙流がフイルター吸口
端から出る直前に通気用空気と混合させているフ
イルターの例である。別の例は米国特許第
2849005号で、これは使用時に内部を通過する煙
によつてフイルターの露出端で形成される種類の
特許の典型である。煙と通気用空気とを混合する
ためのその他の数多くの例が知られているが、煙
がフイルター内で中心部から放散するという概念
については全く知られていない。イタリー特許第
655251号はフイルターの出口端における円板状障
害物について、また米国特許第4256122号は通気
用空気を外表面に沿つた分離経路で混合しフイル
ター中心からの煙と喫煙者の口中で混合させるこ
とについて記載している。

本発明は好ましくは低度〜適度のフイルター効
率で正常のシガレツト圧力低下を達成し得るシガ
レツト用フイルターの直線的配置を提供するもの
である。本発明はさらに、フイルター吸口端から
出る煙流をある角度で外側方向に向けるシガレツ
トフイルターを提供するものである。本発明はさ
らにまた、フイルター吸口端に障害物を使用して
煙流をある角度で外側方向に誘導するシガレツト
フイルターを提供するものである。また本発明は
フイルターロツドに設けた溝とフイルター吸口端
に設けた障害物を利用した通気性シガレツトフイ
ルターを提供するものである。

その他の本発明の多くの特徴は以下の説明を読
むことによつて当業者に明らかとなるところであ
る。

本発明は特に、両端に入口及び出口を有する円
筒形多孔質フイルターロツド及びフイルター吸口
端を出る煙をフイルターの外側方向にある角度で
誘導するため、フイルターロツドを通過する煙流
を全体方向に放散させるフイルター出口端に設け
られた一般に円錐形の流路誘導手段とからなるシ
ガレツトフイルターを提供するものである。

以下に示される本発明の具体例は限定のための
ものではなく、当業者が以下の説明を読むことに
よつて本発明の範囲を逸脱することなく各種の変
型を行ない得ることは当然理解されるべきところ
である。

図面において、第１図はプラグラツプ及びチツ
プ材とともに本発明のフイルターをシガレツトに
取り付けたものの捲かれていない状態を示す斜視
図、第２図は２−２線に沿つた第１図のフイルタ
ーの断面図、第３図は本発明の別のフイルターの
をシガレツトに取り付けた斜視図、第４図は４−
４線に沿つた第３図のフイルター断面図、第５図
は本発明の別のフイルターをシガレツトに取り付
けた斜視図、第６図は５−５線に沿つた第５図の
フイルターの断面図である。

第１図及び第２図において、フイルター１０は
チツプ紙またはチツプ材１４によりシガレツトカ
ラム１２に取り付けられている。フイルター１０
は通常プラグラツプと称されるラツプ材１８によ
り捲かれたセルロースアセテートフイルターロツ
ド１６またはそれ以外の当業者にとつて公知の煙
草煙用繊維質乃至多孔質材料からなるフイルター
ロツドを有する。このフイルターロツド１６は通
常円筒形で相対する入口及び出口端を有する。プ
ラグラツプ１８は多孔質でもよく非多孔質でもよ
く、ラツプ材がフイルタープラグと一体でない場
合と同様にフイルター材と一体である多孔質材料
の外表面を有していてもよい。さらに、ある種の
フイルター材料を用いる場合にはプラグラツプを
使用することすら必要でなくなる。最も一般的な
低タール分及び極低タール分含有シガレツトの場
合にはプラグラツプ１８が多孔質で、チツプ材１
４が通気用空気をフイルター材１６に供給しそこ
を通過する煙流を希釈するための複数の通気用透
孔１７を備えている。

フイルター１０の吸口端すなわち煙の出口端に
は障害物１９があり、これは通常フイルターロツ
ド１６の中央部に位置しフイルターロツド１６に
没入されている。図からわかるように障害物１９
は通常円錐形であつてその円錐状壁面２０でもつ
てフイルターロツドを通過する煙流の方向を放散
させフイルターを出る煙をある角度だけフイルタ
ー吸口端から外側方向に向けるように配置され
る。大部分のシガレツトでは、そして特に所謂低
タール分及び極低タール分のものでは、フイルタ
ーを出る煙の殆ど全部が長さ方向の流れとなつて
中心部分から出てしまい周縁部から出る煙は極度
に少ない。煙が長さ方向ではなくフイルター周縁
からある角度で外側方向に放散されるようにシガ
レツトフイルターの吸口端で流路制限をするため
に障害物１９が設けられる。第１図、第２図の例
においては、障害物は実質的に煙不透過性材料で
つくられるものとして例示され、吸口端すなわち
フイルターロツドの出口端の中央部に位置してそ
の中央部を実質的に煙を透さないようにしてい
る。この円錐形障害物１９の底部２１は通常フイ
ルター断面積の10〜80％を占める。フイルター中
の煙流に大量の通気用空気が導入されそれによつ
て煙がかなり希釈される場合には障害物の底部２
１はフイルターを出る横方向煙流すなわち乱流を
つくるためにはもつと大きくなければならない。

第３図及び第４図はプラスチツク製障害物２９
を示す。この障害物２９は中央部にフイルターロ
ツド１６内に没入されてその円錐壁面でフイルタ
ー材１６を通過する煙流の全体方向を放散させる
ように配置されている円錐部３０を有している。
障害物２９はまたこの円錐部３０の底部３２の周
縁からある角度で外側方向に伸びる周縁フランジ
３１を有している。底部３２と周縁フランジ３１
は全出口すなわちフイルター部材１６の吸口端を
覆い、フイルター材１６に埋込まれている。複数
の透孔３３が障害物２９の円錐部３０の周縁を取
り巻いて設けられ、周縁フランジ３１を通して煙
を外に出すための手段を提供している。好ましく
は、透孔３３はそれぞれフイルター材１６の長さ
方向軸に対して一定の角度をもつ透孔３３の長さ
方向軸を有し、流過煙流の全体方向においてフイ
ルター材の長さ方向軸から離れるように傾いてい
る。図面から知られるように透孔３３はそれぞれ
円錐部分３０の傾斜に相当する角度で傾斜してい
る。

第５図及び第６図においては、フイルター１１
０はチツプ紙またはチツプ材１１４によりシガレ
ツトカラム１１２に取り付けられている。このフ
イルター１１０は通常プラグラツプを称されるラ
ツプ材１１８により捲かれたセルロースアセテー
トフイルターロツド１１６、またはそれ以外の当
業者に公知の煙草煙用繊維質乃至多孔質材料でつ
くられるフイルターロツドを有する。このフイル
ターロツド１１６は通常円筒形で相対する入口端
及び出口端を有している。プラグラツプ１１８は
空気不透過性であり、チツプ材１１４は空気透過
性である。チツプ材は多孔質でもよく、また図面
のように非多孔質で複数の通気用空気のための透
孔１１７を備えていてもよい。

フイルター１１０はさらに空気不透性プラグラ
ツプ１１８に設けられ、フイルターロツド１１６
中に陥没する複数個の溝１２２を有し、溝１２２
はそれぞれフイルター１１０のフイルターロツド
１１６吸口端にその端部１２４の一つを開口しそ
こからフイルターロツド１１６の全体の長さ方向
に向かつてフイルターロツド１１６の長さよりも
短かい長さを有する。第５図に示すように４個の
溝１２２はフイルターロツド１１６の周囲に相互
に等間隔に設けられている。

ラツプされたフイルターロツド１１６はこれを
包囲するチツプ材１１４によつてシガレツトカラ
ム１１２に取り付けられてフイルタシガレツトと
なる。既に述べたように、チツプ材１１４は空気
透過性であり、それによつて空気が流過して溝１
２２に入る。この目的のため、チツプ材１１４の
通気用空気透孔１１７がラツプフイルターロツド
１１６の溝１２２と連通して通気用空気流を溝１
２２に供給する。通気用空気は空気不透性プラグ
ラツプ１１８のためフイルターロツド１１６中に
入ることはなく、同様に煙もフイルターロツド１
１６から溝１２２中に入ることはない。従つて通
気用空気だけが溝１２２内に流入する。

第５図、第６図において、障害物１１９がフイ
ルター１１０の吸口端すなわち煙の出口端に配置
されている。障害物１１９は通常フイルターロツ
ド１１６内で中央に配置される。図面に示される
ように障害物１１９は一般に円錐形であり、フイ
ルターロツドを流過する煙流を全体方向において
放散させるその円錐壁面１２０でもつて、フイル
ターを出る煙をフイルター吸口端からある角度で
外側方向に誘導するように位置決めされる。この
円錐障害物１１９の底部は通常フイルターの全断
面積の約10〜30％を占める。最適の底部面積は溝
の数と同様、溝寸法、溝内を流過する流体の速度
によつてきまることが知られている。第１図、第
２図、第３図、第４図について述べられたよう
に、障害物１１９はプラスチツク等の実質的に煙
不透過性材料でつくられてよいが、第５図、第６
図ではこの障害物はフイルターロツド１１６のフ
イルター材に形成される陥没部であり、フイルタ
ー材の孔部をシールするための熱処理、化学処理
等により煙不透過性にされた円錐壁面１２０を有
している。この目的のための好適な薬品の例とし
てはエチルセルロース、ナトリウムCMC、メチ
ルセルロースがあげられる。シガレツトを吸いな
がら喫煙者がフイルター吸口端を吸引すると、通
気用空気はチツプ材１１４の通気用透孔１１７を
通して溝１２２内に流入し、溝に沿つて流れてフ
イルターロツド１１６の吸口端にある溝の開放端
１２４に達する。同時に煙はフイルターロツド１
１６を通つて吸入される。障害物１１９がフイル
ター吸口端で流路制限をするため煙はフイルター
の周縁外側に向けて通気溝１２２の開放端１２４
から出てくる通気用空気流中に放散される。溝１
２２の開放端１２４から出る通気用空気流中につ
くられたこの渦流は煙を喫煙者の口中に分散させ
てシガレツトの味覚を増大させる結果となる。

以上、一般に円錐形状の障害物を正確な円錐形
として説明したが例えばこれが円錐台状のもので
も、半球状のものでもよいことは当然理解されな
ければならないところであり、本発明の原理及び
請求範囲を逸脱することなく各種の変化が以上に
説明されたものに加え得ることもまた当然であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はプラグラツプ及びチツプ材とともに本
発明のフイルターシガレツトに取り付けたものの
捲かれていない状態を示す斜視図、第２図は２−
２線に沿つた第１図のフイルターの断面図、第３
図は本発明の別のフイルターをシガレツトに取り
付けた斜視図、第４図は４−４線に沿つた第３図
のフイルターの断面図、第５図は本発明の別のフ
イルターをシガレツトに取り付けた斜視図、第６
図は５−５線に沿つた第５図のフイルターの断面
図である。 １０，１１０……フイルター、１２，１１２…
…シガレツト、１４，１１４……チツプ材、１
６，１１６……フイルターロツド、１７，１１７
……通気孔、１８，１１８……ラツプ材、１９，
２９……障害物、２０……円錐壁部、２１，３２
……円錐底部、３０……円錐部分、３１……フラ
ンジ部分、３３……煙透孔、１２２……通気溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 両端に入口及び出口を有する円筒形多孔質フ
   イルターロツド及びフイルター吸口端を出る煙を
   フイルターロツドの外側方向にある角度で誘導す
   るために、フイルターロツドを流過する煙流を全
   体方向に放散させるフイルター出口端に設けられ
   た一般に円錐形の煙流誘導手段とからなり、通気
   用空気透孔を備えた不透過性チツプ材と共に使用
   されることを特徴とするシガレツトフイルター。 ２ 煙流誘導手段がフイルターロツド出口端に形
   成される陥没部分を形成する手段と該陥没部分の
   壁部を煙不透過性にする手段とからなる特許請求
   の範囲第１項記載のフイルター。 ３ 煙流誘導手段がフイルターロツドの吸口端に
   埋込まれた煙不透過性障害物である特許請求の範
   囲第１項記載のフイルター。 ４ 円錐形障害物の底部がフイルターロツドの断
   面積の10〜80％を占める第３項記載のフイルタ
   ー。 ５ 一般に円錐状の煙流誘導手段がフイルターロ
   ツドの中央部に配置される第１項記載のフイルタ
   ー。 ６ 一般に円錐形の煙流誘導手段が、円錐状部分
   と該円錐状部分の底部周縁からある角度で外側に
   伸びる環状フランジ部分とからなり、該底部及び
   環状フランジが実質的に多孔質フイルターロツド
   の吸口端を覆い、かつ複数の透孔が円錐状部分を
   取り巻いて環状フランジに設けられている第１項
   記載のフイルター。 ７ 各透孔の長さ方向軸がフイルターロツドの長
   さ方向軸から離れ、フイルターロツドを流過する
   煙流の全体方向に傾斜している第６項記載のフイ
   ルター。 ８ 透孔がフイルターの長さ方向軸と離れて、円
   錐状部分の傾斜に相当する角度だけ傾斜している
   第７項記載のフイルター。 ９ ロツドの長さ方向に沿つて連通する両端を残
   してロツドを包囲するフイルターロツドラツパー
   を有する第１項記載のフイルター。 １０ フイルターロツドラツパーが煙不透過性で
   ある第９項記載のフイルター。 １１ ラツパーがフイルターロツド中に陥没する
   １個以上の溝を有するように構成され；この１個
   以上の溝がフイルターロツドの出口端に開口しそ
   こからフイルターロツドの長さ方向にフイルター
   ロツドの長さよりも短い長さを有するものである
   第１０項記載のフイルター。 １２ 円錐形障害物の底部がフイルター断面積の
   10〜30％を占める第１１項記載のフイルター。 １３ フイルターロツドラツパーが空気透過性で
   ある第９項記載のフイルター。 １４ フイルターロツドが該ロツド中に陥没する
   １個以上の溝を有するように構成され、この１個
   以上の溝がフイルターロツドの出口端に開口しフ
   イルターロツドの長さ方向にフイルターロツドよ
   りも短い長さを有し、該１個以上の溝の陥没壁部
   が煙不透過性である第１項記載のフイルター。