JPH0744404U - シガレットフィルター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】内部に新規の通気手段を有するフイルターに関
するもので、通気用空気をフィルター吸口端に向け、そ
の出口表面で混合させるための流れの方向づけダクトを
備えたシガレットフィルターを提供する。 【構成】 ここでＫ：０．０３５より大きい数字 Ａｖ：各ダクトの平均断面積、Ａｆ：フィルターの全断
面積、ｎ：ダクトの数、Ｕ：フィルターを通る全流体流
中の通気用空気％であり、約６０〜９５の間にあって次
式により定義される ここでｑｖ：ダクトを通る全体流率、ｑｓ：プラグを通
る流率、さらに下式によって特徴つけられ、Ａｖ／Ａｆ
＜０．０１、それによってフィルターを通過する煙の実
質的な分数が１７．５ｃｃ／秒の速度で１ｃｍ以内とな
るフィルターを有するフィルターシガレット。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業状の利用分野】

本考案はシガレットフィルターに関するものであって、内部に新規の通気手段 を有するフィルターに関するものであり、また、通気用空気をフィルター吸口端 に向け、その出口表面で混合させるための流れの方向づけダクトを備えたシガレ ットフィルターに関するものであり、さらに、フィルターを出る煙が瞬時に分散 される高い通気能をもったシガレットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

シガレットに通気手段を有するフィルターを取り付けて周辺空気をフィルター 内に導入し煙流を希釈することは周知である。煙流の希釈は喫煙者の口に運ばれ るガス成分と同様に煙粒子の量を減少させるものである。通気用空気をシガレッ トに導入するためにこれまで多数の手段が提案され利用されてきた。

【０００３】 例えば、シガレットの煙草ラッパーをシガレットの全長に亘って空気の導入を 行わせる多孔質材料でつくり空気を煙流と混合して煙流を希釈することができる 。またシガレットラッパーをシガレットの長さに沿って一定箇所で透孔してシガ レットに通気用空気の入る場所を設けることもできる。さらにまたシガレットの フィルター端部でフィルターのラッパーに透孔して煙流を希釈することも知られ ている。

【０００４】 さらに、また、シガレットのフィルタープラグに溝を設けることによって煙流 中への通気用空気の導入を用意にする多数の提案もなされている。

【０００５】 例えば、米国特許第３５９６６６３号はフィルター部分を包囲する波形の多孔 質プラグラップを有する煙草フィルターで、通気用透孔を有するチップ紙で巻か れた通気用空気が直接フィルター部分に入るか、または、溝を通って喫煙者の口 に入るもので有る。米国特許第３４９０４６１号は外表面を長さ方向に伸びる複 数の溝を有する射出成型で作られる円筒状熱可塑性材料をチューブ内か隣接位置 におかれるフィルター素子に結合して通気用空気が溝を流下し煙がチューブを通 過するようなシガレット用フィルターに関する。フィルターシガレットのフィル ター端に通気用空気を導入するためのフィルター部分固囲の溝を有するフィルタ ーシガレットに関する他の特許としては米国特許第３５７７９９５号、第３５７ ２３４７号、第１７１８１２２号、第３７８８３３０号、第３７７３０５３号、 第３７５２１６５号、第３６３８６６１号、第３６０８５６１号、西ドイツ特許 第２３０２６７７号、イギリス特許第１４１４７４５号、第１３６０６１２号、 第１３６０６１１号及び米国特許第３９１０２８８号があり、この中でイギリス 特許は巻かれていないアセテートフィルターに関するものである。

【０００６】 一般の極低タール分シガレット、即ち、シガレットのタール及びニコチン分測 定法としてＨ．Ｃ．Ｐｉｌｌｓｂｕｒｙ，ｅｔａｌ「Ｔａｒ ａｎｄ Ｎｉｃｏ ｔｉｎ ｉｎ Ｃｉｇａｒｅｔｔｅ Ｓｍｏｋｅ」Ｊ．Ａｓｓｏｃ．Ｏｆｆｉｃ ．Ａｎａｌ．Ｃｌｒｅｍ．ＶＯＬ．５２，Ｐ．４５８ ４６２，１９６９に記載 された全米通商委員会による検定試験法によりタール分５ｍｇ未満のものの製造 に際しては、フィルターを通過する煙分を希釈するために大量の通気用空気が使 用される。その結果、この大量の空気が煙の周囲に被覆をつくり喫煙者に煙草の 味を感じさせなくなっている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はシガレットフィルターのフィルター素子の周囲に離れて設けられてい るダクトまたは通路を利用したシガレットノのフィルター通路を利用したシガレ ットのフィルター通気システムを提供するものである。本発明はさらに通気用空 気がフィルターの出口端でのみ煙と混合されるフィルターを提供するものであり 、また、さらにフィルターを出る煙が実質的に瞬間的に分散するシガレットフィ ルターを提供するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】 本考案によれば、通気用空気はシガレットのフィルター素子を通過する周囲及 び内部に煙がフィルターの吸口端を出た途端に瞬間的にかつ充分に分散されて通 気用空気及び周辺空気と混同されるように導入される。この混合によって高度に 希釈された煙が喫煙者の口内の味覚及び一般的な化学的感覚の感知部分に迅速に 接触することが可能となる。

【０００９】

【作用】

煙がフィルターを離れた直後にこの瞬間的な混合を達成するためには、フィル ター素子の周囲に多数の空気ダクトを有するシガレットフィルターこの通気用空 気ダクトの占める一定の断面積比率及び特定の煙吸引条件下での一定の通気用空 気と煙との比率を与えることによってそれが達成されることが知られた。

【００１０】 フィルター出口でのこの瞬間的混合即ち「瞬間攪拌」を可能にするシガレット 用フィルターは下式によって定義され得ることも知られた。

【００１１】

【式１】 ここでＫは常に０．０３５よりも大であり、Ａｖはここのダクトの断面積であ り、Ａｆはフィルターの全表面の断面積である。Ｕはフィルターを出る全流体流 中の通気用空気の％であって下式によって定義される。

【００１２】

【式２】 ここでｑｖは通気用空気の全体流率であり、ｑｓはフィルター素子を通る煙の 流率である。そしてｎは通気用空気のためのダクトの数の３以上である。ダクト の数は７以下である事が望ましく、通気用空気は全体流（通気用空気＋煙）６０ 〜９５％である。フィルター素子の通気ダクトに対する断面積比（Ａｖ／Ａｆ） は０．０１よりも小さく、それによって大部分の煙は１７．５ｃｃ／秒で吸引さ れて標準フィルター（２０〜２７ｃｍ周囲）でフィルター端から１ｃｍ以内で分 散される。さらに好ましくはダクト数４または５、通気用空気６５〜９０％、煙 ７５％以上でフィルター端から１ｃｍ以内に分散される。

【００１３】 本考案はさらに、プラグを介してシガレットから煙を吸引するためにシガレッ ト端に取り付けられた他孔質プラグ及び該プラグの周囲に分散されて設けられた ３個以上の複数の通気用空気ダクトを有するフィルターを備えたフィルターシガ レットを提供するものであって、各ダクトはフィルター吸口端に空気出口開口を フィルターに沿って端部から離れた位置のフィルターシガレットの外面に空気導 入開口を有していて煙の進入を防止するためそれ以上は閉塞されている。ダクト の全断面積はフィルターの全断面積よりも遥かに小さく、ダクトとその進入開口 及び出口開口とは喫煙者がフィルターシガレットを吸った時に口に通気用空気が 約６０〜９５％となるように選択され、それによってフィルターを通過した煙が 、速度１７．５ｃｃ／秒の吸引速度でフィルター端から約１ｃｍ以内で殆ど完全 に分散される。

【００１４】

【実施例】

図面において、第１図は本発明のフィルター素子の一例を示す斜視図、第２図 はチップ材が巻かれていない状態を示したシガレットに取り付けられた第１図の フィルターの斜視図である。第３図はチップ材が巻かれていない状態で示したシ ガレットに取り付けられた本発明のフィルターの別の例を示す斜視図である。

【００１５】 第１図において、周縁２０〜２７ｃｍの本発明のフィルタープラグ２望ましい 一例が示されている。フィルタープラグ２は非多孔質ラッパー１２によって包囲 されたセルローズアセテートフィルター部材１０または他の公知の煙草用繊維材 料または多孔質材料で作られたフィルターからなっている。「非多孔質ラッパー 」という言葉を用いる場合にはフィルター部材とは別の非多孔質ラップ材料と同 様に、フィルター部材と一体化された多孔質材料の非多子出表面をも含むことに 留意する必要がある。このフィルタープラク２は長さ方向に伸びる複数の溝１４ を有している。フィルター素子の周囲に対称に配置された４個の溝が示されてい るだけではあるが、隣接する溝中心部が溝半径の８倍以上、即ち、例えば、０． ００４０ｃｍ^２の溝（半径０．０５ｃｍ）では隣接する溝の中心距離は０．４ｃ ｍ以上であれば、溝は無作為的に離れて配置されてよい。

【００１６】 フィルタープラグ２は一般にセルローズアセテート等の標準的なフィルターロ ッドを非多孔質ラップ材で巻いてから、型またはその他の処理手段により適当に 溝を設けることによって作られる。このような方法の一つは周知のように加熱モ ールディング技術である。 第２図において、第１図のフィルタープラグ２は煙 草カラムまたはシガレット３に取り付けられてチップ紙１６により巻かれる状態 にある。このチップ紙には複数の透孔１８がフィルタープラグ２を包囲して設け られ溝１４と連通して、透孔１８を介して通気用空気が溝内に入るようにされて いる。第２図から知られるように通気用空気は透孔１８を通って人り、溝１４を 流下して喫煙者の口に達する。溝１４と連通する透孔１８の寸法及び数は必要と される通気用空気の量によって決められる。

【００１７】 第３図においては、煙草カラムまたはシガレット７に取り付けられてチップ紙 ３６により巻かれる状態にある本考案の別のフィルタープラグの例が示されてい る。このチップかみには、複数の透孔３８がフィルタープラグ６を包囲して設け られ溝３４と連通して透孔３８を介して通気用空気が溝内に入るようにされてい る。フィルタープラグ６は円筒状プラスチックスリーブ３２で包まれたセルロー ズアセテートフィルター素子３０または他の公知の煙草煙用の繊維材料または多 孔質材料で作られたものからなっている。このプラスチックスリーブ３２は図面 に示すようにその外側に沿って途中までの長さの溝３４を設けてもよく、また実 質的に全長に亘る溝を設けてもよい。もしも溝の長さが全長に亘る場合には煙草 カラムからの煙の進入を防止するために密閉手段を設けるかあるいはスリーブの 断面積を煙草カラムの断面積よりも充分に大きくすることによって溝３４が大気 に解放されるようにする。円筒状スリーブの製造は射出成型等公知の如何なるも のでもよい。

【００１８】 以下具体例を検討することにより本考案のより包括的理解が得られるものであ るが、これらの具体例は本考案を不当に限定するものではない点に留意すること が必要である。

【００１９】 具体例１〜２３ 長さ２７ｍｍ、周囲２４．６ｍｍの標準セルローズアセテートフィルター素子 と、シュバイツァーデビジョン、キンバリークラーク コーポレーション タイ プ３２２の非多孔質ラップ紙で巻いたシガレットを多数用意し、各フィルターに 各々に特定数の溝を設けチップ紙でシガレットまたは煙草カラムに取り付けた。 チップ紙には溝に連通した通気孔を設け、導入空気量は通気孔の寸法と数を変え ることにより調節された。喫煙は既に述べた全米商業委員会により承認された方 法に従って行われた。各試験の結果第１表の通りであった。

【００２０】

【表１】 Ｋ：Ｋ＝１００ｎ÷ＵＡｆ−Ａｖ Ｌ：Ｌ＝各溝の平均半径÷隣接溝間平均距離

【００２１】

【効果】

以上の結果から、表の具体例３〜７，１１〜１３，及び１６〜１８では実質的に 全ての煙がフィルター出口から１ｃｍ以内で分散されることが肉眼観察によって 知られた。また具体例８〜１０および１９〜２３では通気用空気がさや状に働い て煙を分散させる代わりに煙を包囲した。具体例１４〜１５では通気用空気が煙 を分散させるに不足していることが知られた。更に、シガレットの風味テストで は具体例３〜７，１１〜１３，及び１６〜１８が極度に優れた風味を示し、これ に反して他の具体例は風味が減少した。具体例１及び２に関しては煙の分散が極 度に少なく風味も極度に少なかった。

【００２２】 本考案の精神を逸脱することなく既にのべた具体例に各種の変化を与え得るこ とは当業者にとって当然理解できるところである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案のフィルター素子の一例を示す斜視
図、

【図２】 チップ材を巻いていない状態で示したシガレ
ットに取り付けられた図１のフィルターの斜視図

【図３】 チップ材を巻いてない状態で示したシガレッ
トに取り付けられた本考案の別の例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

２，６…プラグ、 ３，７…シガレット、 １２，３２…ラッパー １６，３６…チップ紙 １０，３０…フィルター部分 １４，３４…溝 １８，３８…透孔

Claims (21)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラグを介してシガレットから煙を吸引
   するためにシガレット端に取り付けられた多孔質プラグ
   及び該プラグの周囲に分散配置された３個以上の複数の
   通気用空気ダクトからなり、各ダクトはフィルター吸口
   端に空気出口開口をフィルターに沿って該端部から離れ
   た位置のフィルターシガレットの外面に空気入口開口を
   有し、それ以外は煙の進入を防止するために閉塞されて
   いるフィルターであって、下式により特徴つけられ、 ここでＫ：０．０３５より大きい数字 Ａｖ：各ダクトの平均断面積 Ａｆ：フィルターの全断面積 ｎ：ダクトの数 Ｕ：フィルターを通る全流体流中の通気用空気％であ
   り、約６０〜９５の間にあって次式により定義される ここでｑｖ：ダクトを通る全体流率 ｑｓ：プラグを通る流率 さらに下式によって特徴つけられ Ａｖ／Ａｆ＜０．０１ それによってフィルターを通過する煙の実質的な分数が
   １７．５ｃｃ／秒の速度で１ｃｍ以内となるフィルター
   を有するフィルターシガレット。
2. 【請求項２】 ７個以下の通気用ダクトを有する請求項
   １のフィルター。
3. 【請求項３】 Ｕが約６５と９０の間にある請求項１の
   フィルター。
4. 【請求項４】 複数個の通気用空気ダクトが４〜５個で
   ある請求項１のフィルター。
5. 【請求項５】 フィルターが周囲２０〜２７ｃｍである
   請求項１のフィルター。
6. 【請求項６】 フィルターを通過する煙の７５％が吸引
   速度１７．５ｃｃ／秒でフィルター端から約１ｃｍの距
   離内で分散される請求項１のフィルター。
7. 【請求項７】 ダクトが多孔質プラグの周囲に実質的に
   対称に隔離して配設されている請求項１のフィルター。
8. 【請求項８】 隣接ダクトの中心が溝半径の少くとも８
   倍の距離隔離されている請求項１のフィルター。
9. 【請求項９】 ダクトが溝である請求項１のフィルタ
   ー。
10. 【請求項１０】 溝が実質的に半円形である請求項９の
    フィルター。
11. 【請求項１１】 プラグを介してシガレットから煙を吸
    引するためにシガレット端に取り付けられた多孔質プラ
    グ及び該プラグの周囲に分散配置された３個以上の複数
    の通気用空気ダクトからなり、各ダクトはフィルター吸
    口端に空気出口開口を、フィルターに沿って該端部から
    離れた位置のフィルターシガレットの外面に空気人口開
    口を有し、それ以外は煙の進入を防止するために閉塞さ
    れ、ダクトの全断面積はフィルターの全断面積よりも実
    質的に小さく、とその入口及び出口開口が該プラグ及び
    シガレットに対して禁煙時に全流体の約６０〜９５％の
    通気用空気を喫煙者の口から供給することにより、フィ
    ルターを通過する煙の分散が吸引速度１７．５ｃｃ／秒
    でフィルター端から約１ｃｍの距離以内で達成されるフ
    ィルターシガレット。
12. 【請求項１２】 ７個以下の通気用ダクトを有する請求
    項１１のフィルター。
13. 【請求項１３】 通気用空気が約６５〜９０％の間にあ
    る請求項１１のフィルター。
14. 【請求項１４】 複数庫の通気用空気ダクトが４〜５個
    である請求項１１のフィルター。
15. 【請求項１５】 フィルターが周囲２０〜２７ｍｍであ
    る請求項１１フィルター。
16. 【請求項１６】 フィルターを通過する煙の７５％が吸
    引速度１７．５ｃｃ／鋲でフィルター端から約１ｃｍの
    距離内で分散される請求項１１のフィルター。
17. 【請求項１７】 ダクトが多孔質プラグの周囲に実質的
    に対称に隔離されて配設されている請求項１１のフィル
    ター。
18. 【請求項１８】 隣接ダクトの中心が溝半径の少くとも
    ８倍の距離隔離されている請求項１１のフィルター。
19. 【請求項１９】 ダクトが溝である請求項１１のフィル
    ター。
20. 【請求項２０】 溝が実質的に半円形である請求項１９
    のフィルター。
21. 【請求項２１】 ダクトがフィルターの全長よりも少く
    フィルター吸口端から伸びている請求項１１のフィルタ
    ー。