JPH0515429B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 産業上の利用分野 本発明は煙草製品の通気手段に関するものであ
り、特に吸口片の入口端から出口端まで煙流を制
御する煙草製品用の吸口栓に関するものである。

従来技術 煙草製品分野において、シガレツト等の喫煙物
品の一端に周縁空気を導入して流過時に煙流を希
釈し喫煙者の口中に達する煙流中の固形物及びガ
ス成分を減少させるための通気手段を備えた吸口
片またはフイルターを設けることは公知であり、
例えば米国特許第4457319号（1984年７月３日付
Charles G.Lamb）に示されているところであ
る。また、煙流を遮断し吸口栓の周囲の通路に沿
つてのみ煙流を流出させる吸口栓を備えた煙草喫
煙製品についても多数のものが知られており、米
国特許第3336928号（1967年８月22日付S.A.
Morehouse）、同第3577996号（1970年５月11日
付JosephH.Sherrill）、同第3638661号（1972年２
月１日付Jesse R.Pinkham）、同第3910288号
（1975年10月７日付Hammersmith他）等に示さ
れるところである。

発明が解決しようとする問題点 然しながら、これらの特許は何れも喫煙者の口
中への一服毎の一定の煙の供給と煙のタール分を
減少させるための適切な通気の重要性についての
認識がない。従つて本発明は製造及び組立てが容
易で経済的であり、しかも組立てられた時に煙草
喫煙中一貫してずつと喫煙者に適切な通気により
タール分の減少した柔かい旨味の煙を供給するた
めのものである。

本発明のその他の種々の特徴は以下の説明を読
むことによつて、当業者に明らかにされるところ
である。

発明の構成 問題点を解決するための手段 すなわち、本発明は煙草煙流の上流側に煙入口
端、下流側に煙出口端を有する煙不透過性プラグ
部材；該プラグ部材の長さ方向軸に実質的に平行
に、プラグ部材の周縁に沿つて長さ方向に伸び煙
入口端から煙出口端に達する溝；及び該プラグ部
材を包み、溝に連通する透孔を有する透孔チツプ
材からなり、該溝の断面積がプラグ部材の煙出口
端隣接部よりも煙入口端隣接部で小さく、プラグ
部材が煙入口端隣接部で閉塞されて煙不透過性で
あり、溝によつてプラグ部材の煙入口端から煙出
口端までの主要流路が形成されている煙草吸口片
を提供するものである。

実施例 以下に本発明の実施例を示すが、当業技術者が
本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、本発
明の煙草製品用吸口片の形状、寸法、構造等を変
更し得るものであることは当然理解されるところ
である。

図面において、第１図は本発明の煙草用吸口片
の一例を示す斜視図で、透孔チツプ材が一部捲か
れていない状態のもの、第２図は本発明の別の一
例を示す斜視図で、同様の状態のもの、第３図は
一服毎に吸入される全固形分量について本発明の
ものを公知フイルターと比較したグラフ、第４図
は一服毎の通気量について本発明のものを公知フ
イルターと比較したグラフである。

第１図で、本発明の煙草吸口片は上流部に煙流
入口端３を下流部に煙流出口端４を備えた一般に
円筒形のプラグ部材２として示される。このプラ
グ部材２はプラスチツクポリエチレン等の適当な
材料から選ばれるものでよく、上流部に煙入口端
３、下流部に煙出口端４を備えた煙不透過性のも
のであればよい。プラグ部材２の煙入口端３に接
して長さ方向に伸びる第１群の溝が設けられてい
る。図面からわかるように、この第１群の溝は対
向して隔離され、プラグ部材２の長さ方向軸に平
行にプラグ部材の周壁に煙入口端３から煙出口端
４まで長さ方向に伸びる実質的に平行な周縁溝６
からなり、第１図のプラグ部材２では、この溝６
が約0.4〜0.6mmという溝の流体力学的直径に対応
して溝の全長にわたつて約0.13〜0.28mm²の範囲の
実質的に均一な断面積を有することが望ましいこ
とが知られている。この断面積は希望する通気度
と溝の数によつて決まるもので、プラグ部材２の
全直径が約５〜９mmであり、全長が約14〜35mmで
あることに基いている。

プラグ部材２の煙出口端４に向かつて、等間隔
の実質的に平行な４個の周縁溝からなる第２群の
溝７が設けられている。図面からわかるように、
この溝群７は溝群６とは離れており、これらの溝
は溝６の約３〜４倍の長さを有し、約0.5〜1.2mm
の範囲のその流体力学的直径に対応する全長にわ
たつて実質的に均一な断面積を有することが望ま
しいことが知られている。この断面積は溝７の通
気度、圧力低下、溝の数に基いて決められる。

プラグ部材２には環状周縁溝８が溝６と溝７の
間に設けられていて、両者を相互に連通させ、そ
れによつて煙が煙遮断入口端３から煙遮断出口端
４に溝に沿つて流過することができる。溝６及び
７に煙を流入させるとともに煙がプラグ入口端３
からプラグ出口端４まで流過する間に適切な通気
量を確保するために、適当なチツプ紙９がプラグ
部材２の外周壁を包んでおり、このチツプ紙９に
は環状溝８と連通する一列の隔離透孔１１が設け
られ、プラグの煙入口端３からプラグの煙出口端
４への煙の主流路である溝群６及び７に沿つて煙
が流過する際に空気を流入させる。

第２図に本発明の別のプラグ部材１２が示され
ている。このプラグ部材もプラグ煙入口端１３及
び煙出口端１４を有し、プラグ２と同様な材料か
らつくられ得るが、環状溝８がなく、プラグ部材
２の溝群６及び７の場合のような溝群１６及び１
７は相互に直接に結合されている。第２図からわ
かるように、各群に４個づつの溝があり、下流側
の溝１７はそれぞれ上流側の溝１６に結合されて
いる。これらの溝の断面積は溝６及び７に対応す
る流体力学的な溝直径を有するような寸法である
ことが望ましい。適当なチツプ紙１９がプラグ部
材１２の外周壁を包んでおり、このチツプ紙１９
には溝１７に連通する位置に複数列のい隔離透孔
２１が設けられ、プラグの煙入口端１３からプラ
グの煙出口端１４への煙の主流路である溝群１６
及び１７に沿つて煙が流過する際に空気を流入さ
せる。この場合、チツプ紙と重ねて多孔質のプラ
グラツプを使用し得ることも当然理解されるべき
ことである。

第３図は、本発明の吸口片について一服毎の全
固形物吸入量２２と公知のセルロースアセテート
煙草フイルターについてのそれ２３とを比較した
もので、両者共にシガレツト着火前の通気量60〜
61％、含有タール分５mgのものであつた。一服目
すなわち点火時の一服と最後の一服を除いて、本
発明の吸口片はほぼ一定の一服毎の含有量を達成
した。

第４図は本発明の吸口片についての一服毎の通
気量％24と公知のセルロースアセテート煙草フイ
ルターについてのそれ２６とを比較したもので、
本発明によるシガレツトが喫煙中に通気量が増加
することによつて既に述べたような一服毎の固形
分含有量が一定となる理由が明白に理解できると
ころである。

既に第１図及び第２図において説明したよう
に、本発明の吸口片はプラグ部材２または１２の
上流部煙入口端３または１３に断面積の小さな溝
６または１６を設け、更に、下流部煙出口端４ま
たは１４には断面積の大きい溝７または１７を設
け、該プラグ部材はチツプ紙９または１９で包ま
れている。第１図に示されている本発明の吸口片
のプラグ部材には上流部煙入口端に設けられた溝
６と下流部煙出口端に設けられた溝７との間に環
状溝８が設けられている。前記チツプ紙には空気
流入用の隔離透孔１１または２１が設けられ、該
隔離透孔は環状溝または下流部煙出口端に設けら
れた溝と連通している。

シガレツトに点火され喫煙されると煙は溝６ま
たは１６を通つて吸口片に入り空気はチツプ紙に
設けられた空気流用の隔離透孔を通つて吸口片に
入る。吸口片に入つた時の煙は熱いが、しかし、
吸口片に入ると直ちに煙は冷え始め、煙が冷え始
めるとその中の凝縮物は凝縮されて煙通路、つま
り吸口片の上流部煙入口端に設けられている溝６
または１６および下流部煙出口端に設けられてい
る溝７または１７の中に溜まる。溝６または１６
は溝７または１７に比べて断面積が比較的小さい
ので、喫煙と同時に凝縮により塞がり始める。従
つて、上流部煙入口端の断面積が小さい溝６また
は１６の中を流れる煙流は減少する。しかし、下
流部煙出口端の溝７または１７は比較的断面が大
きいので凝縮物による圧力の低下は少ないので、
喫煙者が強く喫えばもつと多くの空気がチツプ紙
の空気流入用の隔離透孔１１または２１を通つて
吸い込まれる。その結果、煙草がすつかり喫われ
ると上流部煙入口端の断面積が小さい溝６または
１６は益々凝縮物により塞がれることになり、そ
のため入つて来る煙の量は減り、同時に空気は下
流部煙出口端の溝７または１７の中へ入るが、引
用例の空間（溝）は塞がれていないので増大する
ことになる。

発明の効果 煙草が喫われるにしたがつて煙草から出る煙の
中のタール量は増大することは知られている。

本発明の吸口片は喫煙の過程で上流部煙入口端
の断面積が小さい溝６または１６は凝縮物で塞が
り始めるため煙流は減少する。しかし、下流部煙
出口端の溝７または１７は比較的断面積が大きい
ので凝縮物による圧力の低下は少ない。従つて、
煙の全体量を減じると共に、チツプ紙の空気流入
用の隔離透孔を通つて吸い込まれる空気で煙を薄
めることによつて喫煙者が喫うタール分は煙草を
喫い終わる間を通じて減少する。従つて、一服ご
とにタール分が減少した柔らかな煙を供給するこ
とが可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の喫煙用吸口片の一例を示す斜
視図で、透孔チツプ材が一部捲かれていない状態
のもの、第２図は本発明の別の一例を示す斜視図
で、同様の状態のもの、第３図は一服毎に吸入さ
れる全固形分量について本発明のものを公知フイ
ルターと比較したグラフ、第４図は一服毎の通気
量について本発明のものを公知フイルターと比較
したグラフである。 ２，１２……プラグ部材、３，１３……煙流入
口端、４，１４……煙流出口端、６，７，１６，
１７……溝群、８……環状溝、９，１９……チツ
プ紙、１１，２１……透孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上流部に煙入口端、下流部に煙出口端を有す
   る煙不透過性プラグ部材であつて、 上流部の煙入口端には該プラグ部材の長さ方向
   軸に実質的に平行に該プラグ部材の周縁に沿つて
   長さ方向に伸びる比較的断面積が小さい溝と下流
   部の煙出口端には該プラグ部材の長さ方向軸に実
   質的に平行に該プラグ部材の周縁に沿つて長さ方
   向に伸びる比較的断面積が大きい溝を設け、相互
   の溝を連通させ、 該プラグ部材はチツプ紙により包まれ、該チツ
   プ紙には空気流入用の隔離透孔が設けられ、該隔
   離透孔は下流部の煙出口端に設けられた溝と連通
   していることを特徴とする煙草吸口片。 ２ プラグ部材の上流部煙入口端と下流部煙出口
   端の間に環状周縁溝を設け、チツプ紙の隔離透孔
   が該環状周縁溝と連通していることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の煙草吸口片。 ３ 上流部の煙入口端に設けられた溝が約0.4〜
   0.6mmの溝直径に相当する断面積を有し、下流部
   の煙出口端に設けられた溝が約0.5〜1.2mmの範囲
   の溝直径に相当する断面積を有することを特徴と
   する特許請求の範囲第１項または第２項記載の煙
   草吸口片。 ４ 下流部の煙出口端に設けられた溝が、上流部
   の煙入口端に設けられた溝の長さの約３〜４倍の
   長さであることを特徴とする特許請求の範囲第３
   項記載の煙草吸口片。 ５ プラグ部材の全長が約14〜35mmの範囲内であ
   ることを特徴とする特許請求の範囲第３項記載の
   煙草吸口片。