JPS6126353B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はシガレツトフイルターに関するもの
で、一面においては新規の通気手段を有するフイ
ルターに関するものであり、他面においてはフイ
ルター吸口端にフイルターを通して濾過された煙
を運びながらフイルター吸口端に通気用空気を運
ぶための流路溝を有するシガレツトフイルターに
関するものである。さらに別の面では、本発明は
特別の喫煙条件下で、少くとも一部分の通気用空
気が流路溝を通つてフイルター内に入つてフイル
ター内を流れる煙がフイルターの吸口端に達する
以前に混合希釈する上述の種類のシガレツトフイ
ルターに関するものである。

周縁空気をフイルター内に導入しその中を流れ
る煙の流れを希釈するための通気手段を備えたフ
イルターをシガレツトに取り付けることは当業者
にとつて周知である。煙の流れを希釈することに
よつて喫煙者の口に達する煙粒子の量がガス成分
と同様に減少するからである。シガレツトに新鮮
な空気を導入するための手段としてはこれまでに
も多くのものが提案され利用されてきた。例え
ば、シガレツトの煙草の巻き紙を多孔質材料でつ
くつてシガレツトの全長に亘つて空気の導入を可
能としそこを通過する煙と混合させて喫煙者の口
に入る前に煙の流れを希釈することができる。ま
た他の例では、シガレツトの長さ方向に沿つてシ
ガレツトの巻き紙の一定位置に孔をあけそこを通
つて新鮮な空気がシガレツト内部に入るようにさ
れている。さらに別の例では、フイルターシガレ
ツトのフイルターの巻き紙に孔をあけ新鮮な空気
がフイルター内に入つてフイルターを流過する煙
の流れを希釈することも示されている。煙の流れ
の中に通気用空気の導入を容易にするのにフイル
ターシガレツトのフイルター内に溝を設ける提案
もまた多数知られている。

例えば、米国特許第3596663号は波形の多孔質
ラツプ材でフイルターを巻いたものを透孔を有す
るチツプ紙で巻いた煙草フイルターに関するもの
で、通気用空気はチツプ紙の透孔からフイルター
内及び溝に入り喫煙者の口に達する。また米国特
許第4256122号には非多孔質のプラグラツプによ
つて巻かれたフイルター棒の外表面に沿つて長さ
方向に延びる溝を有しこれを通気性チツプ紙で巻
くことによつて使用時には通気用空気のみが溝を
通り煙草の煙のみがフイルターを通るようにした
シガレツト用フイルターが示されている。シガレ
ツトフイルターに通気用空気を導入するためにフ
イルター材周縁に溝を設けるようにしたシガレツ
トフイルターに関してはこの他に米国特許第
3577995号、同第3752347号、同第3490461号、同
第3788330号、同第3773053号、同第3752165号、
同第3638661号、同第3608561号、同第3910288
号、同第4256122号及び同第3910288号がある。

本発明は一面において低乃至中程度の効率のフ
イルターでもつて本質的に正常な煙草の圧力低下
を達し得るシガレツトフイルターの直線的配置を
有利に提供するものであり、さらにまた、煙草の
煙の濾過とともに主として通気によつてタール分
を低下させるためのシガレツトフイルターを提供
するものである。また本発明はチツプ紙の通気透
孔からフイルターの吸口端に至るフイルタープラ
グの溝を利用するシガレツト用フイルター通気シ
ステムを提供するものであり、さらにまた、溝壁
面が溝の全長にわたつて空気透過性であり、フイ
ルターの円周表面の残部が空気不透過性である溝
付きシガレツトフイルターを提供するものであ
る。

本発明はまた溝壁面が一部、フイルター吸口端
に隣接した位置で空気透過性であり、溝壁面の残
部がフイルター円周表面と同様に空気不透過性で
ある溝付きシガレツトフイルターを提供するもの
である。

すなわち、本発明は一般的に円筒形状をした多
孔質フイルターロツド、該ロツドの一端から反対
端まで長さ方向に延び該ロツドの両端を残して該
ロツドを包囲する空気不透過性ラツパーであつ
て、該ラツパーには該フイルターロツドに没入し
た１個以上の溝が設けられ、該１個以上の溝は該
フイルターロツドの一端に開放されそこから該フ
イルターロツドの長さよりも短かい距離だけ該フ
イルターロツドの長さ方向に延びているもの、該
溝の実質的に全長にわたつて該ラツパーの没入部
分で形成される該１個以上の溝の壁部分に設けら
れ、該１個以上の溝以外のラツパーの残りの周縁
部は空気不透過性とされている空気透過手段、及
び該ラツプフイルターロツドの長さ方向に延びこ
れを包んで該１個以上の溝と重なつている区域で
空気透過性であるチツプ材とからなることを特徴
とするシガレツトフイルターを提供するものであ
る。

特に本発明は一般的に円筒形の多孔質フイルタ
ーロツド、該フイルターロツドの一端から反対端
まで長さ方向に沿つて延びフイルターロツドの両
端を残して包囲する空気不透過性ラツパーであつ
て、該ラツパーにはフイルターロツドに没入した
１個以上の溝が設けられ該１個以上の溝はフイル
ターロツドの吸口端に開放され通常フイルターロ
ツドの長さ方向にフイルターロツドの長さよりも
短かい距離だけ延びているもの、該ラツパーの没
入部分により形成される該１個以上の溝壁の吸口
端に近い区域に設けられラツパーの溝の残部及び
周縁表面は不透過性のままである空気透過手段、
及び該ラツプフイルターロツドを包囲して長さ方
向に延び該１個以上の溝に重なる区域が空気透過
性であるチツプ材とからなることを特徴とするシ
ガレツトフイルターを提供するものである。

以上の本発明の特徴及びその他の本発明の特徴
は添付図面に関連しての以下の説明を読むことに
より一層明瞭となるところである。なお図面で同
一番号は全図面において同一部分を示す。

図面において、第１図は細部を詳細に示すため
にチツプ材を取り付けていない本発明のシガレツ
トフイルターの斜視図、第２図は第１図２―２線
に沿つた拡大端面図、第３図はチツプ材を一部巻
いた状態の第１図のフイルターを取り付けたシガ
レツトの斜視図、第４図は通気用溝の好ましい具
体例を示す第１図のフイルターの一部拡大斜視
図、第５図は通気用溝の別の具体例を示すための
第１図のフイルターの一部拡大斜視図、第６図は
さらに別の通気用溝の具体例を示すための一部拡
大斜視図、第７図は細部を詳細に示すためにチツ
プ材を取り付けていない本発明のシガレツトフイ
ルターの拡大斜視図、第８図は第７図８―８線に
沿つた拡大端部断面図、第９図はチツプ材を一部
巻いた状態の第７図のフイルターを取り付けたシ
ガレツトの拡大斜視図、第１０図は通気用溝の好
ましい具体例を示す第７図のフイルターの一部拡
大斜視図、第１１図は通気用溝の別の具体例を示
すための第７図のフイルターの一部拡大斜視図、
第１２図はさらに別の通気用溝の具体例を示すた
めの第７図のフイルターの一部拡大斜視図、第１
３図はさらに別の通気用溝の具体例を示すための
第７図のフイルターの一部拡大斜視図、第１４図
は本発明の特徴を示す好ましい具体例を示すため
の第１２図１４―１４線に沿つた拡大縦断面図、
第１５図は本発明の特徴を示すための別の具体例
を示すための第１２図、第１３図の１５―１５線
に沿つた縦断面図、第１６図は通気用溝のさらに
別の具体例を示すための第７図のフイルターの一
部拡大斜視図、第１７図は通気用溝のさらに別の
具体例を示すための第７図のフイルターの一部拡
大斜視図である。

第１図、第２図、第３図は符号１０により本発
明の特徴を備えたシガレツトフイルターを示す。
シガレツトフイルター１０は一般的に円筒形のフ
イルターロツド１２と被覆ラツパー１４とからな
るものとして示されている。ラツパー１４はフイ
ルターロツド１２の一端１６から他端１８までフ
イルターロツドに沿つて長さ方向に延び両端部１
６，１８は連通関係にある。

フイルターロツド１２は例えば繊維状または多
孔質セルロースアセテート等の多孔質材料或は煙
草の煙を濾過するのに適したその他の材料でつく
られる。

シガレツトフイルター１０はまたラツパー１４
に設けられフイルターロツド１２内に没入した複
数の溝２０を有する。溝２０はそれぞれ数字２２
によつて示されているようにフイルターロツド１
２の吸口端１６に開口しそこからフイルターロツ
ド１２の長さ方向にフイルターロツドの長さより
も短い距離だけ延びている。第１図、第２図及び
第３図にはフイルターロツド１２の周囲にそれぞ
れ等間隔に隔てられる４個の溝が示されている。

シガレツト１０の製造に際してラツパー１４は
フイルターロツド１２と一体に成型されても別々
につくられてもよい。ラツプフイルターロツド１
２は例えば一定の位置でラツパー１４を押圧沈下
してフイルターロツド１２内に没入させ溝２０を
形成するために型またはその他の処理手段の中に
おかれる。この方法の一つは業界において一般的
に加熱成型技術と称されている。

第４図、第５図、第６図に関連して延べられる
ように、溝２０の壁部を形成するラツパー１４の
没入部分は空気透過性であつてもなくてもよい
が、溝の外部のラツパーの残りの円周部分は空気
不透過性である。

この目的のために第４図に示すようにラツパー
１４はセルロースアセテート等の多孔質材料でつ
くられる。溝の外部のラツパー１４の残りの円周
部分は空気不透過性とするために多孔質材料の孔
の部分をシールする方法で処理されるが、溝２０
の壁部を形成するラツパーの没入部分はこの処理
を受けないで多孔質のまま残されるため実質的に
その全長にわたつて空気透過性となる。この方法
の一例は例えばラツパーを加熱することによつて
多抗質材料を加熱シールすることである。また別
の有効な処理法は多孔質材料をシールするために
ナトリウムCMCまたはメチルセルロース等の水
溶性物質、或いはエチルセルロース等の水不溶性
物質でラツパーを被覆することである。ラツパー
１４の円周部分だけに被覆を施すための方法の一
つはグラビア用ローラーを使用することである。

また別に第５図に示すように、ラツパー１４は
セルロースアセテート等の多孔質材料でつくら
れ、溝２０の壁部を形成するラツパーの没入部分
と同様に隣接溝２０間の円周部分を含めラツパー
１４の全面積が上に述べたように多孔質材料の孔
部分をシールする方法で空気不透過性にされる。
ラッパーの全面積が処理された後、空気透孔列２
３がパンチその他の方法で実質的に溝の全長にわ
たつて溝壁の厚さを通して形成され溝に空気透過
手段を構成する。

第５図に関連してさらに別の方法は、ラツパー
１４を非多孔性材料でつくり、パンチその他の方
法でラツパー１４の没入部分により形成される溝
壁の厚さを通して空気透過小孔列２３をつくるこ
とである。

第６図においては、ラツパー１４は多孔性材料
でつくつて上に述べたようにして空気不透過性に
してもよく、また空気不透過性材料でつくつても
よい。この具体例では溝壁に空気透孔２３を設け
る代りに溝部分のラツパーを通してスリツト２３
Ａが設けられる。スリツト２３Ａはフイルター吸
口端１６に向けてその一端を開口しそこから実質
的に溝の全長にわたつて長さ方向に延びるように
示されている。

第６図に関しては、溝壁２０を形成する没入部
分を含めてラツパー１４は空気不透過性であり、
溝２０の透過部分は端部１６から実質的に溝２０
の全長にわたつて延びるスリツト２３Ａとして示
される。ラツパー１４を処理しスリツト２３Ａを
つくる方法は第５図に関連して既に述べた方法と
同様にして達成される。

第３図でわかるように、フイルターロツド１２
はラツパーで被覆されたフイルターロツド１２を
包むチツプ材２６で煙草カラムに取り付けられて
フイルターシガレツト２８を構成する。チツプ材
２６は溝２０に重なる区域で空気透過性であり、
そのため通気用空気はそれを通つて溝２０に流入
する。チツプ材２６は溝２０の閉塞端即ちフイル
ターロツド１２の吸口端１６のところの開放端２
２の反対端の附近でのみ空気透過性であることが
望ましい。この目的を達するために、チツプ材２
６は溝の閉塞端附近で溝２０と連通する通気透孔
３０を有するものとして示されている。製造に際
しては空気透孔３０はラツプフイルターロツドを
包囲する相互に隔離する環状円周列状に配置さ
れ、その結果透孔の一部は隣接溝間の区域におい
てラツプフイルターロツドに重なることになるが
通気用空気は溝２０の外部のラツパー１４が空気
不透過性であるために溝２０にのみ流入する。

喫煙者がシガレツト２８の喫煙時にフイルター
１０の吸口端１６を吸うと、通気用空気はチツプ
材２６の通気透孔３０を通して吸入され、溝２０
に沿つてフイルターロツド１２の吸口端１６にあ
る溝２０の開口２２に直接運ばれる。しかしなが
ら、溝２０の開口２２のいくつかが閉塞されたと
きは閉塞された溝内の通気用空気は閉塞溝から溝
壁の適当な透過部分を通つてフイルターロツド１
２内に入り、そこで煙草カラムからのフイルター
ロツドを通過する煙と混合し希釈される。もしも
このようにいくつかの溝が閉塞されて閉塞された
溝の中の通気用空気がフイルターロツド１２内に
流入したとしても、閉塞されていない残りの溝内
を流れる通気用空気はフイルターロツド１２の吸
口端にある閉塞されていない溝の開口２２に直接
送られる。

第７図、第８図、第９図には本発明の特徴を有
するシガレツトフイルターを番号１０によつて示
す。シガレツトフイルター１１０は一般的に円筒
形の形のフイルターロツド１１２と被覆ラツパー
１１４からなるものとして示される。ラッパー１
１４はフイルターロツド１１２の一端１１６から
他端１１８までフイルターロツドに沿つて長さ方
向に延びフイルターロツド両端１１６及び１１８
は相互に連通関係にある。

フイルターロツド１１２は繊維状または多泡状
セルロースアセテート等の多孔質材料或はそれ以
外の煙濾過性材料でつくられる。

シガレツトフイルター１１０はさらにラツパー
１１４にフイルターロツド１１２に没入して設け
られた複数の溝１２０を有する。溝１２０はそれ
ぞれフイルターロツド１１２の吸口端１１６にそ
の一端を開口しそこからフイルターロツド１１２
の長さ方向にフイルターロツドの長さより短い距
離だけ延びている。第７図、第８図、第９図には
フイルターロツド１１２の周囲に相互に等間隔に
離れている４個のこれらの溝が示されている。

シガレツト１１０の製造においてはラツパー１
１４はフイルターロツド１１２と一体に成型され
てもよく別々につくられてもよい。ラツプフイル
ターロツド１１２は例えば型またはその他の処理
手段に入れられて、ラツパー１１４がフイルター
ロツド１１２中に没入されて溝１２０が形成され
る。この方法の一つは業界で一般に加熱成型技術
として知られているものである。

溝１２０の各壁部を形成するラツパー１１４の
没入部分はフイルター１１０の吸口端１１６に隣
接する区域でのみ空気透過性であり、溝壁の残り
の部分は空気不透過性であるとともに溝の外部の
ラツパー１１４の周縁区域も空気不透過性であ
る。この目的のために、第１０図及び第１１図に
示すように、ラツパー１１４はセルロースアセテ
ート等の多孔質材料で製造され得る。各溝１２０
のフイルター１１０の吸口端１１６で“Ａ”によ
つて示される区域を除いて、ラツパー１１４は全
て空気不透過性となるように多孔質材料の孔部分
をシールされ、かくして各溝の未処理区域“Ａ”
のみを多孔質即ち空気透過性のままに残す。

第１０図に示すように、客溝１２０の多孔性区
域“Ａ”はフイルター１１０の吸口端に隣接し、
フイルターの直径の約0.06の直径を有する環状区
域にほぼ相当する区域を占める。例えば、約８mm
の直径を有する一般的な寸法のシガレツトフイル
ターでは、ほぼ0.2mm²の区域を占める多孔性区域
“Ａ”が特定の喫煙条件下で溝１２０からフイル
ターロツド１１２へ空気を導入するための流路と
して、また別の喫煙条件下でのフイルターロツド
から溝内への煙の流れを防止するものとして充分
機能することが確認されている。

第１１図に示すように各溝１２０の多孔性区域
“Ａ”はフイルターの直径の約1/4〜1/2にほぼ等
しい距離だけフイルターの吸口端から離れてい
て、フイルターの直径の約0.06の直径を有する環
状区域にほぼ等しい面積を占めている。通常の寸
法のシガレツトフイルターでは即ち約８mmの直径
のものでは、フイルター吸口端１１６から約２〜
４mm離れていて、約0.2mm²の面積を占める多孔性
区域“Ａ”が溝１２０から或る種の喫煙条件下で
溝１２０からフイルターロツド１１２に空気を通
すための通路を提供し、別の喫煙条件下でのフイ
ルターロツドから溝１２０への煙の流れを防止す
るのに充分役に立つことが知られた。多孔性ラツ
パー材の孔部をシールする方法の一つは例えば空
気不透過性にする場所に熱を適用し孔部を熱シー
ルすることである。また別の効果的な方法は空気
不透過性にすべき場所を、孔をシールするための
エチルセルロース等の水不溶性物質やナトリウム
CMCやメチルセルロース等の水溶性物質で被覆
することである。

また第１２図及び第１３図に示すように、ラツ
パー１１４を非多孔性材料でつくつても、セルロ
ースアセテート等の多孔性材料でつくつてもよ
い。ラツパー１１４が多孔性材料でつくられる場
合は溝１２０の壁部を形成するラツパー１１４の
没入部分を含めて多孔質ラツパー材料の全面積が
上に述べたような多孔質フイルターラツパー１１
４の孔部をシールする方法で処理される。次いで
フイルター吸口端１１６の区域“Ｂ”に通気用孔
隙がパンチその他の方法で溝１２０の壁部分を形
成する空気不透過性ラツパーの没入部分を通して
形成される。

第１３図に示すように、各溝にはフイルター吸
口端１１６に隣接して１個以上の孔隙１２３が形
成され、この孔隙１２３はフイルター直径の約
0.06の直径即ち直径約８mmの通常の寸法のフイル
ターでは1/2mmの直径を有することが望ましい。

第１３図に示すように、各溝の孔隙１２３はフ
イルター１１０の吸口端１１６からフイルター直
径の約1/4〜1/2に相当する距離だけ離して設けら
れ、フイルター直径の約0.06にほぼ等しい直径を
有することが望ましい。約８mmの直径を有する通
常の寸法のシガレツトフイルターに関しては、フ
イルター１１０の吸口端１１６から約２〜４mmの
間の位置に設けられ約1/2mmの直径を有する各溝
１２０の孔隙１２３が、一定の喫煙条件で溝１２
０からフイルターロツド１１２への空気流をつく
るのに好適であることが確認された。図面で示さ
れている１個の孔隙１２３の代わりに各溝に複数
の孔隙を設け得ることは当然理解されるところで
あるが、複数の孔隙が各溝につくられる場合に
は、この複数の孔隙により供給される全流過面積
は孔隙１２３によつて供給される通気用空気流と
ほぼ同量を供給するものでなければならない。

第１４図及び第１５図は溝１２０のラツパー１
１４の厚さを通して形成される孔隙１２３の別の
例である。第１４図では、孔隙１２３はフイルタ
ーロツド１１２の長さ方向軸に実質的に垂直の中
心軸をもつものとして示されている。第１５図で
は孔隙１２３はフイルター軸１１２の長さ方向軸
に鋭角に傾斜した中心軸、即ち溝１２０の壁面か
らラツパー１１４の内面及びフイルターロツドを
通る煙の流れの方向にあるフイルターロツド１１
２に向つて傾斜しているものとして示されてい
る。

第１６図はフイルター吸口端１１６の区域
“Ｂ”で溝１２０の壁面を形成する空気不透過性
ラツパーの没入部分にのみ小スリツト１２３Ａが
形成されているシガレツトフイルターの別の例を
示す。図面からわかるように、各溝のスリツト１
２３Ａはフイルター吸口端１１６にその一端を開
口しそこからフイルターの直径の約1/4〜1/2に相
当する距離だけ溝の長さ方向に延びている。各溝
１２３Ａは望しくはフイルターの直径の0.06に等
しくかつその長さ方向に沿つて実質的に一定の幅
を有するものである。

第１７図は各溝１２０のラツパー１１４の厚さ
を通して環状に延びる１個以上のスリツト１２３
Ｂをするシガレツトフイルター１１０の別の例を
示す。周縁に沿つて延びるスリツト１２３Ｂはフ
イルター直径の約1/4〜1/2に相当する距離だけフ
イルター吸口端１１６から離れた区域“Ｂ”に位
置することが望ましい。またスリツト１２３Ｂは
フイルター直径の約0.06にほぼ等しい幅を有する
ことが望ましい。もしも環状スリツトが各溝に複
数個設けられる場合にはそれらは区域“Ｂ”内に
一群とし既に述べた１個の環状スリツト１２３Ｂ
によつて供給される流量にほぼ等しい空気流量を
供給するものでなければならない。

製造に際しては、フイルターロツド１１２の全
周縁に沿つてラツパー１１４を通して環状スリツ
トが形成され、溝１２０の外部のスリツト部分
（第１７図で点線で示す部分）はシールされる。
このシーリングはエチルセルロース等の水不溶性
溶液やナトリウムCMCまたはメチルセルロース
等の水溶性溶液で被覆することによつて達成され
る。 第９図でよくわかるように、フイルターロ
ツド１１２はラツパーで被覆されたフイルターロ
ツドを包むチツプ材１２６で煙草カラム１２４に
取り付けられフイルターシガレツト１２８とな
る。チツプ材１２６は溝と重なる部分が空気透過
性であるため通気用空気はそこから溝１２０内に
流入する。チツプ材１２６は溝１２０の閉塞端、
即ちフイルターロツド１１２の吸口端１１６にあ
るその開放端とは反対側の端部附近でのみ空気透
過性であることが望ましい。この目的のために、
チツプ材１２６は通気用小透孔１３０を有しこれ
が溝１２０の閉塞端附近だけ溝と連通することが
望しい。製造に際しては、透孔１３０はフイルタ
ーロツド１１２の周縁に相互に離れて円周列状に
設けられ、この場合透孔のいくつかは溝１２０の
間の区域でラツプフイルターロツドに重なるが、
溝の外側のラツパー１１４の部分は空気不透過性
のため通気用空気は溝１２０内にのみ流入する。

シガレツト１２８の喫煙時に喫煙者がフイルタ
ー１１０の吸口端１１６で吸い込むと、通気用空
気はチツプ材１２６の通気用透孔１３０を通つて
溝１２０内に吸入され溝１２０に沿つて直接フイ
ルターロツド１１２の吸口端１１６にある溝１２
０の開放端１２２に移動する。もしも溝１２０の
開放端１２２の１個以上がつまつた場合はつまつ
た溝の通気用空気が、第１０図の多孔性区域
“Ａ”、第１２図、第１３図の区域“Ｂ”の孔隙１
２３、第１６図、第１７図の区域“Ｂ”のスリツ
ト１２３Ａ及び１２３Ｂ等の、つまつた溝の空気
透過性没入壁面を通つてフイルターロツド１１２
内に入りそこで煙草カラムからフイルターロツド
を流過する煙と混合し希釈される。このように仮
りにいくつかの溝がつまつてしまいつまつた溝の
通気用空気が上に述べたようにフイルターロツド
１１２中に流入したとしても、残りのつまつてい
ない溝を流れる通気用空気は直接フイルターロツ
ド１１２の吸口端１１６にあるつまつていない溝
の開放端１２２に送られる。

以上の本発明に関する説明は本発明の理解を助
けるためのものであり、この説明を読むことによ
り当業者にとつて本発明の精神及び特許請求の範
囲を逸脱することなく各種の変形がなされ得るこ
とは明らかであることからこれを本発明の限定と
して理解してはならないことは当然である。

【図面の簡単な説明】

第１図は細部を詳細に示すためにチツプ材を取
り付けていない本発明のシガレツトフイルターの
斜視図、第２図は第１図２―２線に沿つた拡大端
面図、第３図はチツプ材を一部巻いた状態の第１
図のフイルターを取り付けたシガレツトの斜視
図、第４図は通気用溝の好ましい具体例を示す第
１図のフイルターの一部拡大斜視図、第５図は通
気用溝の別の具体例を示すための第１図のフイル
ターの一部拡大斜視図、第６図はさらに別の通気
用溝の具体例を示すための一部拡大斜視図、第７
図は細部を詳細に示すためにチツプ材を取り付け
てない本発明のシガレツトフイルターの拡大斜視
図、第８図は第７図８―８線に沿つた拡大端部断
面図、第９図はチツプ材を一部巻いた状態の第７
図のフイルターを取り付けたシガレツトの拡大斜
視図、第１０図は通気用溝の好ましい具体例を示
す第７図のフイルターの一部拡大斜視図、第１１
図は通気用溝の別の具体例を示すための第７図の
フイルターの一部拡大斜視図、第１２図はさらに
別の通気用溝の具体例を示すための第７図のフイ
ルターの一部拡大斜視図、第１３図はさらに別の
通気用溝の具体例を示すための第７図のフイルタ
ーの一部拡大斜視図、第１４図は本発明の特徴を
示す好ましい具体例を示すための第１２図１４―
１４線に沿つた拡大縦断面図、第１５図は本発明
の特徴を示すための別の具体例を示すための第１
２図、第１３図の１５―１５線に沿つた縦断面
図、第１６図は通気用溝のさらに別の具体例を示
すための第７図のフイルターの一部拡大斜視図、
第１７図は通気用溝のさらに別の具体例を示すた
めの第７図のフイルターの一部拡大斜視図であ
る。 １０，１１０…シガレツトフイルター、１２，
１１２…フイルターロツド、１４，１１４…ラツ
パー、１６，１８，１１６，１１８…フイルター
端、２０，１２０…溝、２２，１２２…溝端、２
３，３０，１３０…空気透孔、２６，１２６…チ
ツプ材、２８，１２８…フイルターシガレツト、
１２３…孔隙。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一般的に円筒形状をした多孔質フイルターロ
   ツド、該ロツドの一端から反対端まで長さ方向に
   延び該ロツドの両端を残して該ロツドを包囲する
   空気不透過性ラツパーであつて、該ラツパーには
   該フイルターロツドに没入した１個以上の溝が設
   けられ、該１個以上の溝は該フイルターロツドの
   一端に開放されそこから該フイルターロツドの長
   さよりも短かい距離だけ該フイルターロツドの長
   さ方向に延びているもの、該溝の実質的に全長に
   亘つて該ラツパーの没入部分で形成される該１個
   以上の溝の壁部分に設けられる空気透過手段、及
   び該ラツプフイルターロツドを包んで長さ方向に
   延び、該１個以上の溝と重なつている区域で空気
   透過性であるチツプ材からなることを特徴とする
   シガレツトフイルター。 ２ チツプ材が該１個以上の溝の閉塞端近くでの
   み空気透過性である特許請求の範囲第１項記載の
   フイルター。 ３ チツプ材が透孔手段により空気透過性にされ
   る特許請求の範囲第１項記載のフイルター。 ４ ラツパーの没入部分によつて形成される該１
   個以上の溝の壁部に設けられる空気透過手段が実
   質的に該１個以上の溝の全長に亘る空隙で構成さ
   れる特許請求の範囲第１項記載のフイルター。 ５ 該ラツパーが空気透過性材料でつくられ、ラ
   ツパーの没入部分により形成される該１個以上の
   溝の壁部分を含む該ラツパーの全表面が空気不透
   過処理に付され、かつラツパーの没入部分により
   形成される該１個以上の溝の壁部分に設けられる
   空気透過手段が該１個以上の溝の実質的に全長に
   亘る孔隙列からなるものである特許請求の範囲第
   １項記載のフイルター。 ６ ラツパーが加熱シール処理されている特許請
   求の範囲第５項記載のフイルター。 ７ ラツパーが水不溶性材料で被覆されている特
   許請求の範囲第５項記載のフイルター。 ８ ラツパーの没入部分により形成される該１個
   以上の溝の壁部分に設けられる空気透過手段が該
   １個以上の溝の実質的に全長に亘つて多孔質の壁
   である特許請求の範囲第１項記載のフイルター。 ９ 該ラツパーが空気透過性材料でつくられ、ラ
   ツパーの没入部分によつて形成される該１個以上
   の溝の壁部分を除いて該ラツパーの円周表面が空
   気不透過処理に付され、該１個以上の溝の実質的
   に全長に亘つて該１個以上の溝の壁部分を空気透
   過性のままにしておく特許請求の範囲第１項記載
   のフイルター。 １０ ラツパーが加熱シール処理されている特許
   請求の範囲第９項記載のフイルター。 １１ ラツパーが水不溶性材料で被覆されている
   特許請求の範囲第９項記載のフイルター。 １２ 該１個以上の溝がフイルターロツドの周縁
   に相互に離れた複数の溝である特許請求の範囲第
   １項記載のフイルター。 １３ 空気透過手段が１個以上の溝の開放端から
   実質的の溝の長さだけ延びている溝の壁部分のス
   リツトである特許請求の範囲第１項記載のフイル
   ター。 １４ 一般的に円筒形の多孔質フイルターロツ
   ド、該フイルターロツドの一端から反対端まで長
   さ方向に沿つて延び、フイルターロツドの両端を
   残して包囲する空気不透過性ラツパーであつて、
   該ラツパーにはフイルターロツドに没入した１個
   以上の溝が設けられ該１個以上の溝はフイルター
   ロツドの吸口端に開放され通常フイルターロツド
   の長さ方向にフイルターロツドの長さよりも短い
   距離だけ延びているもの、該ラツパーの没入部分
   により形成される該１個以上の溝壁の吸口端に近
   い区域に設けられる空気透過手段、及び該ラツプ
   フイルターロツドを包囲して長さ方向に延び該１
   個以上の溝に重なる区域が空気透過性であるチツ
   プ材からなることを特徴とするシガレツトフイル
   ター。 １５ 該空気透過手段がフイルターロツドの吸口
   端に隣接して設けられている特許請求の範囲第１
   ４項記載のフイルター。 １６ 該空気透過手段がフイルターロツドの吸口
   端に隣接して一定の距離離れて設けられている特
   許請求の範囲第１４項記載のフイルター。 １７ チツプ材が該１個以上の溝の反対端に近く
   空気透過性である特許請求の範囲第１５項記載の
   フイルター。 １８ チツプ材がそこに設けられる透孔によつて
   空気透過性にされている特許請求の範囲第１５項
   記載のフイルター。 １９ ラツパーの没入部分により形成される該１
   個以上の溝の壁面に設けられた該空気透過手段
   が、該１個以上の溝の開放端に隣接する１個以上
   の透過空隙である特許請求の範囲第１５項記載の
   フイルター。 ２０ 該１個以上の透過空隙の長さ方向軸がフイ
   ルターロツドの長さ方向軸に直角である特許請求
   の範囲第１９項記載のフイルター。 ２１ 該１個以上の透過空隙の長さ方向軸がフイ
   ルターロツドを流過する通常の流れの方向に対し
   傾斜しフイルターロツドの長さ方向軸に鋭角とな
   つている特許請求の範囲第１９項記載のフイルタ
   ー。 ２２ 該空気透過手段がフイルターロツドの吸口
   端にその一端を開放し、そこからフイルターの直
   径の約1/4〜1/2距離だけ溝の長さ方向に延びてい
   るスリツトである特許請求の範囲第１５項記載の
   フイルター。 ２３ 該空気透過手段が１個以上の周縁に沿つて
   延びるスリツトで、該スリツトはフイルター吸口
   端からフイルター直径の約1/4〜1/2の距離だけ離
   れている特許請求の範囲第１５項記載のフイルタ
   ー。 ２４ フイルターロツドラツパーが空気透過性材
   料で製造され、ラツパーの没入部分により形成さ
   れる該１個以上の溝の壁部を含めてラツパーの全
   表面が空気不透性にされ、該ラツパーの没入部分
   により形成される該１個以上の溝の壁面に形成さ
   れる該空気透過手段が該１個以上の溝の開放端に
   隣接する１個以上の透過空隙である特許請求の範
   囲第１５項記載のフイルター。 ２５ 該ラツパーの没入部分により形成される該
   １個以上の溝の壁面に形成される該空気透過手段
   が該１個以上の溝の開放端に隣接する多孔質の区
   域である特許請求の範囲第１５項記載のフイルタ
   ー。 ２６ ラツパーが空気透過性材料で製造され、ラ
   ツパーの没入部分で形成される該１個以上の溝の
   壁部分の一部が空気不透過性にされ、該１個以上
   の溝の壁部分の残りをそのままに従つて該１個以
   上の溝の開放端に隣接する区域を空気透過性に残
   しておく特許請求の範囲第１５項記載のフイルタ
   ー。