JPS6122535B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、架空絶縁電線の溶断防止装置に関す
るものである。

一般に架空絶縁電線は、碍子引工事によつて第
２図のように布設されている。

第１図、第２図において、絶縁電線３は導体
１、絶縁体２により形成されており、碍子４にバ
インド線５を介し縛着固定されている。

そして、この絶縁電線３において雷サージによ
る絶縁破壊後の続流アークにより、電線が溶断、
あるいは導体１の一部溶融と云う現象を起こすこ
とがある。

電線が溶断した場合は、目視等で比較的検出は
容易であるが、導体の一部溶断の場合は電線が碍
子で支持されているため、通電しても一見異常の
無いように見える。しかし、一部溶断の溶融部か
ら浸水して導体が腐食する等の問題があるので、
放置して置く訳にはいかないが、地上数ｍの地点
に布設されているため、地上からの目視では一部
溶断部の検出は非常に困難である。

本発明は上記の状況に鑑みてさなされたもので
あり、続流アークによる溶断あるいは導体の一部
溶融を防ぐとともに、続流アークが発生したこと
を目視で検出できる架空絶縁電線の溶断防止装置
を提供することを目的としたものである。

本発明の架空絶縁電線の溶断防止装置は、架空
絶縁電線の絶縁体中に外側から絶縁層厚さのほぼ
中間まで一端側が刺し込まれ、他の一端側が気中
に露出された絶縁金属線と、この絶縁金属線を保
持する手段とを設けたものである。

以下本発明の架空絶縁電線の溶断防止装置の一
実施例を、従来と同部品は同符号で示し、同部分
の説明は省略し第３図ないし第６図により説明す
る。７は金属線８及び金属線８を被覆する絶縁体
９からなる絶縁金属線で、第６図に示す如く絶縁
物支持台６に固定されている。

そして、絶縁物支持台６は第３図、第４図のよ
うに絶縁電線３とともにバインド線５を介し碍子
４に縛着固定され、絶縁金属線７の金属線８の一
方の端部は絶縁電線３の絶縁体２の絶縁層のほぼ
中間位置まで刺し込まれており、絶縁金属線７の
金属線８の他端は気中に露出されている。

絶縁電線３は、このように絶縁体２の内部中間
部分まで絶縁金属線７が刺し込まれているので、
他の部分に比べると絶縁レベルが低くなり、即ち
電気的弱点部が形成され、雷サージによる絶縁破
壊は、この絶縁金属線７の刺し込み部分に限定さ
れるように形成されている。

そして、絶縁金属線７の刺し込み部は、絶縁体
の途中までであるので、導体１内への浸水等の心
配はない。

また、絶縁破壊後、続流アークが流れる場合、
金属線８がアークホーンとなり、遮断器によつて
電流が遮断されるまで続流アークが金属線８に集
中し、絶縁電線３は影響を免がれることができ
る。そして、絶縁破壊部を検出する際は、アーク
ホーンの損傷状況を見ればよいので、地上からで
も目視で検出が容易である。また、金属線８は絶
縁体９で被覆されているので保安上も安全であ
る。

尚、絶縁金属線７の絶縁電線３に対する取付位
置は、碍子近傍が好ましい。

このように、本実施例の絶縁電線の溶断防止装
置は、絶縁電線の一部に電気的弱点部を形成して
いるので、雷サージによる絶縁破壊部および続流
アークの発生をこの電気的弱点部に集中させるこ
とができ、即ち、雷サージによる絶縁破壊の位置
を金属線の刺し込み位置に限定できる。

そして、絶縁破壊後続流アークが流れる場合、
金属線がアークホーンとなり、絶縁電線に影響を
与えないようにすることができる。

以上記述した如く、本発明の架空絶縁電線の溶
断防止装置は、続流アークによる溶断あるいは導
体の一部溶融を防ぐとともに、続流アークが発生
したことを目視で検出できる効果を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は絶縁電線の断面図、第２図は第１図の
絶縁電線を碍子に縛着固定時の正面図、第３図は
本発明の架空絶縁電線の溶断防止装置の一実施例
の断面図、第４図は第３図の右側面図、第５図は
絶縁電線に第３図の装置を取付時の第４図Ｖ−Ｖ
矢視断面図、第６図は第５図の絶縁電線を除いた
時の断面図である。 １：導体、２，９：絶縁体、３：絶縁電線、
４：碍子、５：バインド線、６：絶縁物支持台、
７：絶縁金属線、８：金属線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 架空絶縁電線の絶縁体中に外側から絶縁厚さ
   のほぼ中間まで一端側が刺し込まれ、他の一端側
   が気中に露出された絶縁金属線と、該金属絶縁線
   を保持する手段とを設けてなることを特徴とする
   架空絶縁電線の溶断防止装置。