JPS6122329Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はアレイアンテナ等に用いられる電力分
配器に関するものである。

分布定数によるプリント板回路において、一つ
の信号を複数に分配する場合、または複数の信号
を結合して一つの信号にする場合には、第４図に
示す如く従来ウイルキンソン型分岐を複数直列に
重ねて、まず入力を２分配し、その信号を４分配
しそれをさらに同方法で必要数まで分配するのが
一般的である。第４図において、１０１はウイル
キンソン型分岐、１０２はアイソレーシヨン抵
抗、１０３は入力端子、１０４は出力端子を示
す。

しかしながら、上記方法は入力信号が出力され
るまでに分岐路を複数個通過し、各入出力端子間
の伝送路が分岐路の増加とともに長くなるため損
失が大きくなる欠点がある。

本考案は、このような損失を軽減し、かつアレ
イアンテナに使用した場合、ビーム方向が温度変
化の影響を受け難い電力分配器を提供するもので
ある。

本考案は、第２図に示す如く、全長のほゞ中央
に全体を２分配する回路と入力端子を配置し、前
記２分配する回路の２つの出力端を互いに反対方
向に方向性結合器を直列に適当な間隔で複数個配
列した電力分配器または電力結合器である。

次に本考案の一実施例の斜視図を示す第１図を
参照して説明する。

シヤーシ本体６にはプリント板４が密着塔載さ
れている。プリント板４の表面には伝送線路１
６，１７、ラツトレース回路を構成する線路２
６、伝送線路１６と所定の結合度で結合され結合
回路を構成する線路１８，１９，２０及び２１、
伝送線路１６に信号を供給する線路１４が形成さ
れている。シヤーシ本体６の側面にはコネクタ取
付穴７，９，１０，１１及び１２を介してコネク
タ８が取り付けられ、各々線路１８，１９，１
４，２０及び２１と接続されているで又、プリン
ト基板６には４個の切欠きが形成され、この切欠
きには各々リボンリード線の一方が線路１８〜２
１に接続されれた終端抵抗器２２〜２５が配設さ
れている。終端抵抗体の下側の他方のリボンリー
ド線は裏面の金属膜５にそれぞれハンダ付けされ
ている。このときプリント基板４の厚さはリボン
リード線の厚さを含んだ終端抵抗体の厚さとほぼ
等しいものを使用する。また、ラツトレース回路
２６の端子１５はアイソレーシヨン端子でコネク
タ取付穴１３を介したコネクタで終端器が設けら
れてある。更にプリント板４の上に反対面に金属
膜３が形成されたプリント板２を密着させ、シヤ
ーシの上ブタ１をその上から載せて固定する。プ
リント板２はプリント基板４と接する面は全面誘
電体であり上ブタ１と接する面は金属膜３で全面
被覆されトリプレートを形成する。

次に伝送線路の説明を行なうと、全長のほぼ中
央の端子の線路１４から供給された信号は、ラツ
トレース回路を形成する２６で同位相で伝送線路
１６，１７に２分配される。伝送線路１７と線路
１８，１９及び伝送線路１６と線路２０，２１は
方向性結合器を形成し、適当な結合度で適当な間
隔で配置されている。上記構造と同じ方向性結合
器を１６および１７の伝送線路の延長上に多数並
べ適当な結合度で配置して伝送線路１６と１７の
先端を抵抗器で終端すれば電力分配器が構成され
る。

上記本考案による電力分配器の概念を示す回路
図が第２図に示されている。第２図において、２
０１は方向性結合器、２０２はラツトレース回
路、２０３は終端抵抗器、２０４は入力端子、２
０５は出力端子を示す。

さて、出力端１４に対し対称な結合度と間隔に
配置された多数の方向性結合器によつて構成され
る上述した如き本考案による電力分配器は、ウイ
ルキンソン型分岐を多数重ねた分配器に比べ分岐
路の数がはるかに少なく、各入出力端子間の伝送
路長もはるかに短いため、損失を大幅に減じるこ
とができる。また本考案による電力分配器は、温
度変化に対し、個々の方向性結合器の出力位相は
回転するが、中心に対しては対称に変化するため
本電力分配器をアレイアンテナ等に接続した場
合、第３図に示す如くビーム方向が不変で温度特
性の影響を受けない良好な特性を示す。第３図は
全体温度変化が正の時（温度上昇）のビーム指向
性の変化を示す説明図である。一般に電力分配器
の基盤となるテフロン（登録商標）グラスフアイ
バーは温度上昇とともに誘電率が低下し、波長短
縮率が小さくなる。このため、中央の給電点から
方向性結合器までの位相の遅延は、温度上昇があ
ると当初温度の時に比べ小さくなる。即ち、方向
性結合器の出力位相は当初温度の時に比べ進むこ
とになる。図のＡは温度上昇が発生したときの各
方向性結合器の位相分布が、Ｂのようになつてい
たとする。温度上昇があると、Ａの部分だけ加算
され、位相分布は点線Ｃのようになる。従つて温
度上昇があると、給電点の上側にある方向性結合
器の出力で形成されるビーム指向は当初指向より
下を向き、下側にある方向性結合器の出力で形成
されるビーム指向は当初指向より上を向く。上・
下それぞれの指向変化分の方向は反対となるが、
絶対値は全体温度変化の場合、同一であるので
上・下各方向性結合器の出力で形成されるビーム
の合成である全体のビームの指向性は結局不変で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、
第２図は本考案の概念を示す回路図、第３図は本
考案の電力分配器の温度変化に対する特性と、ビ
ーム指向方向を示す説明図、第４図は従来の電力
分配器の回路図である。 １：シヤーシ（外部導体）、２：プリント板
（誘電体）、３，５：金属膜、４：プリント基板、
６：シヤーシ（外部導体）、７，９〜１３：コネ
クタ取付穴、８：コネクタ、１４：出力線路、１
６，１７：伝送線路、１８〜２１：結合器を構成
する線路、２２〜２５：リボンリード線付抵抗
器、２６：ラツトレース回路を構成する線路、１
０１：ウイルキンソン型分岐、１０２：アイソレ
ーシヨン抵抗、１０３，２０４：入力端子、１０
４，２０５：出力端子、２０１：方向性結合器、
２０２：ラツトレース回路、２０３：終端抵抗
器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電力を分配する方向に延びた伝送線路と、この
   伝送線路と結合する入力線路と、この入力線路と
   結合され前記伝送線路に電力を分配する分配回路
   と、前記入力線路を中心に前記伝送線路の方向の
   対称位置に設けられ前記伝送線路からの電力を出
   力側に分配する少なくとも一対の方向性結合器と
   を備えて成ることを特徴とする電力分配器。