JPS6121710B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、実質的にベル形の形状であり回転
可能でかつ噴霧粒子を帯電させることができるス
プレー装置に関する。なお、本明細書中で軸線方
向、同軸等の「軸」はベル形状スプレー装置の中
心軸をいうものとする。また、半径方向とはこの
軸に対し直角な方向である。

このスプレー装置は帯電された霧状塗料粒子を
品物に吹きつけ静電塗装をする装置において、軸
線方向（ベル形状の中心軸方向）に供給された２
成分系塗料などの液状塗料を霧化するために使用
される。このベル形スプレー装置は、塗料を流出
させるための装置と同軸の環状案内面と、該案内
面の半径方向および軸線方向についての外縁部か
ら軸線方向前方に突出している唇状縁部とを有
し、この唇状縁部の半径方向内側表面には、唇状
縁部の周面に均一に配列したほぼ液状塗料の流れ
る方向に伸長した複数の溝が設けてあり、この溝
は唇状縁部の噴霧部に開放端部が揃えられてい
る。

西独の公開公報第8000844号に開示されたこの
種のスプレー装置においては、比較的短い溝が液
状塗料の自然の流れ方向に伸びており、液状塗料
の各流れは溝の壁に沿つて円周方向に流れるので
円周方向の相対移動はない。

この公知のスプレー装置は、２成分系ラツカー
のように少くとも２成分からなる塗料を噴霧する
場合に、案内面上を流れる前に静的混合装置内で
の塗料成分の混合が不完全な場合の不具合を解消
できない。

この発明の目的は、塗装において上述したよう
な欠点を解消した前記形式のスプレー装置を提供
することにある。

この発明によればこの目的は、溝（32：132）
を交ささせることによつて達成される。

このような構成によつて、塗料は噴霧部に到達
するまでに各溝内で混合されるので、混合が不完
全な塗料であつても溝内を流れる間に完全混合状
態になる。

この発明の好適実施例であるスプレー装置は、
唇状縁部１６，１１６の半径方向内向きの隆起部
３６，１３６に溝３２，１３２を機械加工で形成
してあり、溝の底部３８，１３８と案内面３０，
１３０とが同一面上で連続的に接合していること
（滑らかな接合）を特徴としている。これ等の実
施例の利点は、液が案内面から各溝に流入する時
に、隆起部のない材料に溝を加工した場合に生ず
る不連続部（溝による段差）によつて流れが悪影
響を受けることがないことである。

各溝２３２を２ないし４本の他の溝２３２と交
角α＝30゜ないし90゜で交ささせると特に良好な
混合ができる。実験結果によれば、溝２３２の形
状が最大巾ｂ＝0.2ないし0.4mm、深さｓ＝最大巾
ｂの２分の１の三角形断面で、唇状縁部２１６の
巾が隣り合う互いに平行な溝２３２の中心間垂
直距離ｔの約２倍であるのが好適である。

この発明によるスプレー装置のいくつかの実施
例によつて、添付図面を参照してこの発明の詳細
について説明する。添付図面はこの発明の実施例
を示すものである。

第１ないし第３図に示す第１実施例は、底部１
２と環状部１４と唇状縁部１６とでベル形状の単
体として形成した噴霧部材１０と、中心軸部２０
と板状部２２とを有する同軸の中心部材１８と、
環状部１４にきつちりはめ込んであり、一方では
噴霧部材１０の底部１２にそして他方では中心部
材１８の板状部２２にボルトで固定してある同軸
の中間部材２４とを具備している。中心部材１８
と中間部材２４とで環状流路２６を形成してあ
る。この環状流路２６は、塗料を最初軸線方向に
流し続いて偏向して半径方向に広げて流し、さら
に、板状部２２の外縁と環状部１４との間に形成
された環状隙間２８を通して、噴霧部材１０の環
状部４および唇状縁部１６の部分に形成した同軸
状の環状凹面の案内面３０に流流出させている。

案内面３０の軸線方向ならびに半径方向につい
ての外縁部に軸線方向に突出した唇状縁部１６が
形成してある。唇状縁部１６の半径方向内側には
直線状の複数の溝３２が唇状縁部周面上に均等に
形成してある。これらの複数の溝は唇状縁部１６
を平面に展開した状態で各々略平行な複数の溝を
１セツトとして、２セツトの複数の溝として形成
され、一方のセツトの各溝は他方のセツトの溝と
交差している。これ等の溝３２は、対の状態で交
差部４０において30゜の角で相互に交差してい
る。この交差角の２等分線は唇状縁部６の環状噴
霧縁３４に対して垂直である。これ等の溝３２は
唇状縁部１６の半径方向内側に向つて突出してい
る隆起部３６に切り込み加工してあり、溝３２の
底３８は段差なしに案内面３０と滑らかに接合し
ている。

流路２６を経て送り込まれた液状塗料は環状隙
間２８から案内面３０上に流出しこの案内面上で
軸線方向前方および半径方向外方に向つて膜状に
広がる。液状塗料の膜状の流れは溝３２によつて
分割され、各溝に沿つた流れは噴霧縁３４に到達
する前に、溝の交差部４０で混合される。

第４，５図に示した第２実施例のスプレー装置
は第１実施例のスプレー装置とだいたい同一構成
である。第２実施例のスプレー装置の部品で第１
実施例のスプレー装置の部品と同じものもしくは
相当するものは、第１実施例の説明に使用した参
照数字に100を加えた参照数字で示し、説明は省
略した。

第２実施例の第１実施例との相違点の１つは、
溝１３２の交差状態であり、第２実施例において
は、各溝１３２は他の平行な２本の溝１３２と交
差している。即ち、複数の溝１３２は唇状縁部を
平面に展開した状態で略平行となる複数の溝を１
セツトとして、２セツトの溝として形成され、１
つのセツト内の各溝は別のセツト内の２本の溝と
交差している。そのために交さ部１４０の共軸状
円形列が２列形成されている。

第６図は、この発明の別の実施例による溝配列
の一形式を示し、唇状縁部の展開寸法詳細は下記
の通りである。

すなわち ＝（1.6〜2.5）×ｔ、ｔ＝0.5〜0.8mm ｂ＝0.4〜0.8mm、ｓ＝0.2〜0.4mm α＝30〜90゜。

ここに、＝噴霧縁２３４を含む唇状縁部２１
６の巾、ｔ＝隣り合う平行な溝の底２３８の間の
垂直距離、ｂ＝各溝２３２の最大巾、ｓ＝各溝の
深さ、すなわち隆起部２３６の隆起高さ、α＝互
いに交さする溝２３２の交さ角である。

各溝２３２は交さ部２４０が３箇所ある。この
ような溝構成の場合は、ローレツト切り工具によ
つて溝を形成するのが好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明よるスプレー装置の第１実施
例の縦軸に沿つた断面図、第２図は第１図の部分
拡大図、第３図は第１実施例の第２図における線
―に沿つた部分断面図、第４図は第２実施例
の縦断面の第２図に相当する部分を示す図、第５
図は第２実施例の第４図における線―に沿つ
た断面で第３図に相当する部分を示す図、第６図
はこの発明によるスプレー装置の唇状縁部の部分
展開上面図である。 図中参照数字はそれぞれ、１０…噴霧部材、１
２…底部、１４…環状部、１６，１１６，２１６
…唇状縁部、１８…中心部材、２０…中心軸部、
２２…板状部、２４…中間部材、２６…環状流
路、２８…環状隙間、３０，１３０…案内面、３
２，１３２，２３２…溝、３４，１３４，２３４
…噴霧縁、３６，１３６，２３６…隆起部、３
８，１３８，２３８…溝の底、４０，１４０，２
４０…交さ部、を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転可能でありかつ塗料粒子を帯電させるこ
   とができ、実質的にベルの形状を有し、帯電され
   噴霧された霧状塗料粒子を品物に静電塗布する装
   置に適用され、軸線方向に供給された２成分系ラ
   ツカーなどの液状塗料の霧を発生させるスプレー
   装置において、該ベル形状スプレー装置全体の中
   心軸と同軸で環状の液状塗料案内面と、前記案内
   面の半径方向ならびに軸線方向についての外縁部
   から軸線方向前方に向つて突き出た環状の唇状縁
   部とを有し、前記唇状縁部の半径方向内側には液
   状塗料の流路となる複数の溝が設けてあり、これ
   等の溝は前記唇状縁部の内周面に均等配置してあ
   りしかも液状塗料の流れ方向とほぼ同じ方向に沿
   つて伸長するように形成してあり、前記複数の溝
   は前記唇状縁部の前面の噴霧位置に開放端部を揃
   えて有する構成で、前記複数の溝は、各々複数の
   溝からなる２セツトの溝を形成し、一方のセツト
   の各溝は少くとも１本の他方のセツトの溝と交差
   するように構成したスプレー装置。 ２ 前記唇状縁部には実質的に半径方向内向きの
   隆起部が設けてあり、前記溝は前記隆起部に形成
   してあり、前記溝の底面が前記案内面と連続的に
   接するように形成してある特許請求の範囲第１項
   に記載したスプレー装置。 ３ 前記溝の各々は２ないし４本の他の溝と30゜
   ないし90゜の角度で交さしているような構成であ
   る特許請求の範囲第１項又は第２項に記載したス
   プレー装置。 ４ 前記各溝の断面形状は三角形であり、各溝の
   最大巾が0.2ないし0.4mm、深さがその最大巾の２
   分の１であるような特許請求の範囲第１項から第
   ３項までのいずれか１項に記載したスプレー装
   置。 ５ 前記唇状縁部の巾が隣接するほぼ平行な溝の
   中心間の垂直距離のほぼ２倍であるように構成し
   た特許請求の範囲第３項又は第４項に記載したス
   プレー装置。