JPS6121350B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は外箱と内箱と、この両箱の間隙空間に
ポリウレタンフオーム等の発泡断熱材を注入固化
してなる冷蔵庫に係り、特に内箱の側壁等に凹陥
部を有する冷蔵庫内箱の製造方法に関するもので
ある。

従来この種冷蔵庫の内箱内壁に温度調節器や押
釦スイツチ等の冷蔵庫の機能部品を取付ける際、
冷蔵庫本来の食品の貯蔵スペースを有効に確保す
るため、内箱内壁に断熱材側に喰い込む凹陥部を
設け、この間隙に部品を収納する構造が一般的に
採用されていた。

この凹陥部の形成方法の一例として第１図と示
すように真空成形型にアンダーカツトを施し一枚
のプラスチツクシートで内箱に一体に真空成形法
にて形成する方法があるが、凹陥部を設ける位置
が特に背面部を除く側面、上面、および底面の場
合には内箱を成形する際真空成形型から、内箱を
離脱する時に凹陥部が上記成形型にひつかかり、
変形を生ずることがあるため真空成形型に複雑な
回転機構を必要とした。

また、上記のように内箱と一体に凹陥部を成形
した場合、凹陥部は薄肉厚となるため外箱と内箱
の間隙空間に発泡断熱材を注入固化する際、断熱
材の発泡圧からの内箱凹陥部の変形を防止するよ
うにウレタン発泡治具にも凹陥部に対応する凸状
部を設ける必要があるが、内箱をウレタン発泡治
具にセツトする際内箱の側面、上面および底面は
いずれもウレタン発泡治具の摺動面となるので発
泡治具本体に凸状部を設けるためには内箱を発泡
治具にセツトする時、およびウレタン発泡が完了
した時発泡治具から、冷蔵庫箱体を取り外すのに
支障が無いように、上記発泡治具にいわゆるスラ
イド機構を設けて内箱凹陥部に対応する凸状部を
作動させるようにしていた。このため製造上の所
要時間からみてもウレタン発泡治具は多くの数を
必要とするので型の製作費用の面からも非常に高
額なものとなる欠点があつた。

また上記欠点を除去するため第２図に示すよう
に内箱側壁に単に穴を設け、この穴にウレタン発
泡圧に耐え得る強度を持つた板金部品等の凹状部
品４をネジ等で締付固定していた。しかしこの構
造は内箱への穴明加工やねじ締付作業を要するば
かりでなく、発泡断熱材を注入固化する際内箱と
部品の取付面とのスキ間から液洩れが生じやす
く、洩れ止めシール作業を必要とする欠点があつ
た。

本発明は以上の点にかんがみて発明されたもの
で、冷蔵庫の貯蔵室を形成する内箱をプラスチツ
クシートにより真空成形法で形成する際に凹陥部
を形成する部品をあらかじめ真空成形用雄型内に
セツトしておいてからプラスチツクシートを真空
成形を行なうことにより、内箱の表面側の所定の
位置に凹陥部を形成した内箱を提供できるように
したものである。

以下、図示実施例について本発明を詳細に説明
すると、第３図はこの発明に係る冷蔵庫箱体の断
面図で１は冷蔵庫本体、２，３はこの本体を形成
する外箱および内箱、４は本発明により上記内箱
に凝着された凹陥部品、５は上記外箱２と内箱３
を組立てるとともにこれら両箱間に形成される空
間にポリウレタンフオームの発泡原液を注入固化
させて構成した断熱壁である。

第４図において１０は上記内箱を真空成形等で
形成するための真空成形用雄型、１１はこの成形
型の側面に凹陥部品を着脱自在に配設するための
取付部１１で真空成形型１０内に内蔵されたシリ
ンダ１２により出没自在装着されている。

次にこの発明による冷蔵庫箱体の製造手順につ
いて説明すると、まず内箱３を真空成形により成
形加工する。すなわち第５図に示すように真空成
形用雄型１０の取付部１１に凹陥部品４をセツト
する。つぎに上記真空成形型１０の上方に間隙を
おいてプラスチツクシート１３を仮設する。そし
て周知の真空成形法の成形工程によりプラスチツ
クシートを100〜160℃に加熱、軟化させ柔軟な状
態で成形が開始される。すなわち真空成形型１０
の表面にあらかじめ設けられた多数の真空穴（図
示していない）からの真空引き圧によりプラスチ
ツクシートは吸引され真空成形型の表面形状に沿
つて成形される。このとき凹陥部品４は真空成形
型にセツトされて成形型の一部を形成している。
従つてプラスチツクシートは加熱、軟化され真空
成形型１０の形状どおりに吸着されると同様に第
６図に示す様に凹陥部品４を包み込むように成形
される。

この状態でプラスチツクシートすなわち内箱は
冷却され硬化するが、この時のプラスチツクシー
トの冷却収縮により凹陥部品４は強固に内箱に凝
着され冷却・硬化が完了した後、凹陥部品４を保
持していた取付部１１はシリンダ１２の作動によ
り、成形型１０内へ下降する。この時凹陥部品４
は内箱３に凝着されているのでそのまま内箱と一
緒に真空成形型から離型され内箱組立６となる。
そしてこの内箱組立６は外箱２に嵌め込まれ両箱
間に形成された壁間の空間にポリウレタンフオー
ムを注入固化させて断熱壁を形成するものであ
る。

本発明は以上述べたように構成したから、内箱
の凹陥部は凹陥部品と真空成形によるプラスチツ
クシートの二層の部材から成つているため強度を
有しているのでウレタン発泡圧に対する変形防止
用の凸状部を発泡治具に設ける必要もなく、内箱
と外箱との空間に発泡性断熱材を注入固化させて
冷蔵庫箱体は完成する。また凹陥部品を真空成形
法により内箱を成形する際に同時に凝集するよう
にしたから、内箱と凹陥部品がより高度にかつ強
固に密着される。

さらに凹陥部品をあらかじめ射出成形に形成す
るようにすれば例えば凹陥部に収納する機能部品
の取付けのための、ネジボス等を同時に成形して
おくことも可能となる。さらにまた凹陥部品に取
付け強度を必要とする場合には、第７図に示すよ
うに凹陥部品の外周即ち内箱と当接する面に外れ
防止のための凹凸状を設けておけばそれだけ喰い
付きも強くなるなど種々の効果を有するものであ
る。

なお上記説明文中の「真空成形法」は真空成形
型側から、真空引きをする方法であるが、逆にプ
ラスチツクシートの外側から真空成形型に向つて
圧力を加える「圧空成形法」によつても同様の効
果が得られることはもちろんである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の冷蔵庫箱体を構成する
内箱の断面図、第３図ないし第７図は本発明の実
施例に関するもので、第３図は冷蔵庫箱体の断面
図、第４図は真空成形型の断面図、第５図と第６
図は凹陥部品を真空成形型に装置して真空成形工
程前と成形後の状態を示す説明図、第７図は第３
図の要部拡大断面図である。 なお図中、同一符号は同一又は相当部分を示
し、１は冷蔵庫本体、２は外箱、３は内箱、４は
凹陥部品、１０は真空成形型である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 成形雄型側面の所定位置に出没自在に装着さ
   れた取付部にあらかじめ凹陥部品を脱着自在に装
   着し、プラスチツクシートを真空成形法により内
   箱に成形するとともに上記凹陥部品を内箱表面壁
   で包被固着したのち、上記取付部を、成形型内に
   引きこみ成形型を離型して、上記内箱表面側の所
   定位置に凹陥部品を一体に形成したことを特徴と
   する冷蔵庫用内箱の製造方法。