JPS6120831Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は配電線をクランプするために使用する
配電用圧縮クランプに関するものである。

従来の配電用クランプはくさび型などのクラン
プであつて圧縮クランプはなかつた。送電線用に
使用される圧縮クランプは実用化されているが、
これは電線の中央の鋼芯のみを圧縮クランプ部品
で圧縮するとともに、その後このクランプ部品と
外周の多層アルミ線を別の圧縮クランプ部品で圧
縮して、それらを結合していたため、電線をクラ
ンプ個所で切断しなければならなかつた。また、
この場合ジヤンパー線も切断された電線を本線と
同様にジヤンパー圧縮クランプで圧縮して、本線
用圧縮クランプとこのジヤンパー線圧縮クランプ
とをボルト結合していた。ところが、配電用支持
柱の径間は短かいため、電線を切断したときには
短径間のものが多く必要となり、それに応じてジ
ヤンパー線も多く必要となるから、各種作業が繁
雑となつた。

また、配電用の電線は既設電線を撤去した後、
その撤去電線を再使用することがあり、その場合
電線が切断されていたのでは再使用ができないた
め、このことからも電線をクランプするのに切断
することは好ましくない。

また、くさび型クランプは一般的に掌握力が不
足しがちであり、さらにそれをおおうカバーも大
きくなるから美観をそこねるという問題もあつ
た。

なお、配電用として使用されている電線として
は、硬アルミ線や、銅線や、鋼芯の周囲にアルミ
線を一層程度設けた鋼芯アルミより線が一般的で
ある。

本考案は、上述したような欠点を解決するため
に考案したもので、電線を切断しなくてもクラン
プでき、クランプ位置を決定しやすく、作業が容
易で熟練の必要がない上に、電線カバーが細長く
外観もよくなる配電用圧縮クランプを提供するこ
とを目的とするものである。

以下図面について本考案の一実施例を説明す
る。

本考案においては、アルミ引き抜き材等よりな
る管状体の一側面を開放して開放溝１を形成し、
この開放溝１内に突条２，３，４を開放溝１の長
手方向に沿つて突設すると共に、外周面の背部に
補強用リブ５を突設し、このように形成した胴部
６の一端部にクレビス状の連結部７を形成すると
共に連結孔８を設け、胴部６の他端部には一枚板
状の連結部９を形成すると共に電線緊線用工具連
結孔１０を設ける。

この圧縮クランプによつて電線をクランプする
には、第３図に示すように開放溝１内に電線１１
を挿入して、電線１１のカテナリーや、ジヤンパ
ー線（図示せず）の形状を決め、電線１１の圧縮
位置を決定して胴部６を圧縮すれば、電線１１は
第３図に示すように圧縮されて確実に把持され
る。なお図中１１ａは電線１１の芯線、１１ｂは
そのまわりに配置したより線、１１ｃは被覆部で
ある。そしてジヤンパー線は開放溝１の端部より
斜め上方に延出させる。

本考案は上記のように構成したため、電線１１
を切断しなくてもよく、圧縮クランプ位置が決定
しやすいから、作業がきわめて容易となり、熟練
も不要となる。また、電線カバーが細長くなるか
ら、外観も好ましいものとなる。

さらに、開放溝１を下方に向けて開口させたも
のは、圧縮後も開放溝１に雨水がたまらないた
め、腐触防止上、および電気的にも好ましいもの
となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案圧縮クランプの斜視図、第２図
はその拡大断面図、第３図は電線をクランプした
状態を示す断面図である。 １……開放溝、２，３，４……突条、５……補
強用リブ、６……胴部、７……連結部、８……連
結孔、９……連結部、１０……電線緊線用工具連
結孔、１１……電線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 管状体の一側面を開放して開放溝を形成し、
   その胴部の端部に連結部を形成してなる圧縮ク
   ランプ。 ２ 開放溝を下方に向けて開口させた実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の圧縮クランプ。