JPH0242032Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、電線用引留クランプ、主として、
連続した状態で、配電線が引き留められる電線用
引留クランプに関するものである。

〔従来の技術〕

従来の電線用引留クランプは、特に配電線用い
おいては、一般に、電線が、切断されることな
く、連続させたまま、電線を引留クランプに挿入
して圧縮締め付けてクランプするか、若しくは、
クランプ本体内を摺動するくさびと上記クランプ
本体との間に電線を挟んでくさび作用により、電
線をクランプ本体にクランプするか、又は、ボル
トにより締付けクランプするか等の方法によつて
いた。あるいは又、時としては、圧縮引留部と縁
廻し線とに切断分離し、圧縮引留部を引留クラン
プにクランプするとともに、縁廻し線も、引留ク
ランプ本体に取り付け、クランプ本体を介して、
電気的に接続するものもあつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このような従来の引留クランプは、一般に鋳造
品によつて構成されており、電線引留部や電線案
内部又はその他の部分に機械加工を必要とする部
分が多々あり、また、構成部品数も多く、更に碍
子取付用の金具も付加しなければならず、更に
又、電線引留部に電線を挿入して圧縮締め付けた
場合には彎曲し、あるいは又、電線引留部と縁廻
し線とを切断し、それぞれを別個にクランプ本体
にクランプしなければならず、これらはいずれ
も、外観上も凹凸が多く、あるいは彎曲して美観
を著しく害し、市街地においては環境を害して不
都合であるという問題点を有していた。

この考案は、上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、構成部品数も少なく外観上
の凹凸も少なく、また、真直であつてシンプルで
あり、かつ、繁雑な機械加工を必要とせず、しか
も、電線を切断することなく連続した状態でクラ
ンプできるコンパクトで低廉な電線用引留クラン
プを提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る電線用引留クランプは、電線を
挿入して圧縮固定する電線引留部と碍子側連結部
を回避して形成されている電線案内部とが、断面
Ｕ字状に形成され、電線引留部がＵ字状の開口側
に彎曲しているとともに反開口側の外側に長手方
向に対して直角方向に所定の間隔を有して底の肉
厚が所定値を有する複数個の溝部を設け、上記彎
曲は、電線を電線引留部に入れて圧縮クランプし
た際に、溝底の肉厚と協働して、真直になるよう
な彎曲の曲率を有している。

〔作用〕

この考案の電線用引留クランプに電線をクラン
プする際には、碍子側連結部を連結するに先立つ
て、電線用引留クランプの電線引留部および電線
案内部に電線を引き通し、次いで、電線引留部を
圧縮して電線をクランプする。その場合、圧縮に
基づく電線引留部の開口側の伸びおよび溝部底の
伸びによつて、電線引留部は、断面Ｕ字状の背中
側すなわち反開口側に彎曲するが、この彎曲を見
越して、事前に溝部を設けるとともに電線引留部
を開口側に彎曲させているために、圧縮後は真直
となる。

〔実施例〕

以下、この考案をその一実施例を示す図に基づ
いて説明する。

第１図〜第３図において、符号１は電線用引留
クランプであつて、電線が挿入される以前の状態
を示し、２は電線４を挿入し圧縮してクランプす
る部分である電線引留部、３は電線４の縁廻し線
４ａ部分が案内される電線案内部、５は碍子側連
結部である。

この電線引留部２と電線案内部３とは、碍子側
連結部５を回避させ、、電線引留部２と碍子側連
結部５とがほぼ一直線状になるように、傾斜され
ているとともに、それぞれ、第３図に示すよう
に、断面がＵ字状になるように形成されている。

また、電線引留部２は、Ｕ字状の開口側に曲率
半径Ｒをもつて彎曲させるとともに開口側の先端
側を肉薄に形成して圧縮締付けを容易かつ美しく
しており、また、反開口側外側には長手方向に対
して直角方向に所定の肉厚寸法を底部に有するよ
う形成した溝部６が、間隔を有して、複数個設け
られている。なお、上記彎曲は、溝部６の薄くな
つている底部肉厚と電線引留部１の開口側先端の
薄くされている肉厚のために圧縮によつて生ずる
開口側の材料的伸びによる矢印Ａ方向への彎曲を
見越して、圧縮クランプ後に真直になるように彎
曲されており、曲率半径Ｒおよび溝部６の底部肉
厚が定められる。

この実施例は、上記のように構成されるので、
電線のクランプに際しては、碍子側連結部が連結
すなわち連結ピン７が挿入されるのに先立ち、電
線引留部２および電線案内部３に挿入される部分
の電線４の被覆を皮むきして電線用引留クランプ
１の開口側から皮むきされた電線４を電線引留部
２および電線案内部３に挿通し、電線引留部２を
従来の装置および方法によつて、電線 引留部２
を圧縮クランプして、電線４を電線引留部２にク
ランプする。

その圧縮の際、電線引留部２は矢印Ａ方向に彎
曲するが、その彎曲量を見越して、電線引留部２
があらかじめ、曲率半径Ｒを持つように開口側に
彎曲させるとともに溝部６の底部の肉厚を定めて
いるので、圧縮による彎曲によつて、電線引留部
２は真直となる。

また、この実施例では板材からプレス作業によ
り形成することができるので、製作も容易であ
り、価格も低いものが得られる。

〔考案の効果〕

この考案は、上記のようにＵ字形に形成した一
部材だけによつて構成され、しかも、Ｕ字形の開
口側に彎曲させるとともに反彎曲側外側に底部に
所定の肉厚を有する溝部を設け、Ｕ字状の内部に
電線を挿入して圧縮クランプするようにしたの
で、外観上きわめてシンプルになつて柱特に美化
装柱の周囲も美観上良好となり、特に、市街内に
ある場合には特別に良くなり、また、作業も圧縮
のみでクランプでき、圧縮クランプした後は圧縮
された電線引留部が真直になつて、美観とともに
荷重負荷の点からも良好であり、しかも、電線を
切断してクランプの前から縁廻し線を分岐接続す
る必要もなく、作業も簡単であり、また、柱上も
シンプルになつて美しく、コンパクトで低廉な電
線用引留クランプが得られる効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の正面図、第２図
は第１図の平面図、第３図は第１図の−線に
よる断面図である。 １……電線用引留クランプ、２……電線引留
部、３……電線案内部、４……電線（配電線）、
４ａ……縁廻し線、５……碍子側連結部、６……
溝部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電線を挿入して圧縮固定する電線引留部と碍子
   側連結部を回避して形成されている電線案内部と
   が断面Ｕ字状に形成されており、電線引留部は、
   Ｕ字状開口側に所定の曲率を有して彎曲しかつ反
   開口側には所定間隔を有して長さ方向に対して直
   角方向に溝部が設けられており、前記曲率と溝部
   とが協働することにより電線を電線引留部で圧縮
   固定した際、電線引留部がほぼ真直になるように
   してなることを特徴とする電線用引留クランプ。