JPS6119837B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、密閉水槽タンクに蓄圧された空気圧
によつてタンク中の貯水を高所へ送水する圧力水
槽タンクにおいて、タンク中へ圧縮空気を補給す
ると共にタンク中の水位を適当高さに維持する装
置に関する。

従来、斯種圧力水槽タンクにおいては、給水ポ
ンプはタンク内圧が設定下限圧と上限圧の範囲内
に納まる様に自動的に運転或いは停止してタンク
へ適量送水し、タンク中の空気を水面上昇によつ
て圧縮し、タンクの蓄圧によつて水圧を高めてい
る。しかしタンク内の空気は、水使用の送水の
際、水泡となり或いは溶け込んで送り出され次第
に減少するため、空気が設定圧力にまで圧縮され
たときタンク内の水位は過上昇し、空気層による
緩衝作用が減つてタンク内圧の圧力変動が激しく
なりポンプはひんぱんに作動、停止を繰返すこと
になる。圧力水槽タンクの正常な運転を持続する
ためには、タンク中へ適時空気補給を行なう必要
がある。従来は圧力水槽タンクの下部に、常閉の
電磁送気弁を介して空気補給タンクを連設し、該
空気補給タンクに常開の電磁排水弁及び流入方向
にのみ通過を許す空気吸入弁を具えた装置が提案
されている（実開昭49―75109号公報）。該装置は
タンクへの給水時には送気弁を開き、排水弁を閉
じることによつて、水槽タンクの水が補助タンク
に流入して補助タンク中の空気を圧縮し、圧縮状
態の空気を水槽タンクへ流入させる様にしたもの
である。

しかし該タンクの初動時には、タンク中に充満
する大気圧の空気を圧縮して水面は極端に上昇す
るが、空気補給はポンプの給水と同時でないと行
ない得ないため水面を修正して定常運転に移行す
るには200〜300回のポンプの給水作動が必要とな
る。そのためタンクの初動から定常運転に移るま
でには数ケ月の長期間を必要とした。

本発明は圧力水槽タンクの空気補給及び水位規
制の両方をタンク内圧の検出手段によつて制御す
ることにより、装置の簡易化及び作動の円滑を実
現出来る圧力水槽タンクの空気補給兼水位規制装
置を提供するものである。

又、タンクの規制弁を検出手段とは無関係に作
動させて給水、排水を繰返し空気補給を短時間の
うちに完了させることにより、タンクの起動後、
迅速に定常運転に移行し得る装置を提供すること
を目的とする。

以下図面に示す実施例に基づき本発明を具体的
に説明する。

図示例に於て、密閉圧力水槽タンク１は底部に
圧力水の流入、流出管１１，１２を具え、流出管
１２には、開閉弁１６を介して高所へ送水する送
水管１３を接続すると共に、流入管１１にはモー
タ２６で駆動される給水ポンプ２の吐出口を接続
している。

又、前記タンク１には、予め設定したタンク内
圧の上限圧、下限圧を検出する圧力スイツチ等の
検出手段１４が配備され、検出信号を制御部１５
に送り、ポンプ及び後記する補助タンク３の弁３
１，３５は制御部１５に接続されてその作動は制
御される。

給水ポンプ２は前記検出手段１４及び後記タイ
マーT₁，T₂の作動によつて起動、停止を行な
い、定常運転時は検出手段１４の作動に拘束され
タンク内圧が低下し検出手段１４がタンク内圧の
設定下限圧P₂を検出したときに作動してタンク中
に給水し、タンク内圧が上昇し設定上限圧P₁を検
出したとき停止して給水を止め、タンク圧が上、
下限圧P₁，P₂の間に維持されるようになす。

圧力水槽タンク１の側方には補助タンク３が並
設され、該タンク３の上部には、一端をタンク３
に連通し電磁弁の如き常閉のタンク規制弁３１を
具えた導管３２及び流出方向にだけ通過を許容す
る流出逆止弁３３を有す接続管３４及び流入方向
にだけ通過を許す流入逆止弁３７を有す吸気管３
８を取付けて、導管３２の先端は水槽タンク側壁
を貫通しタンクの水部上限位置L₁に開口し、又
接続管３４先端は水槽タンクの側壁上部を貫通し
タンクの気部に夫々開口させる。補助タンク３の
下部には、電磁弁の如き常開の開放規制弁３５を
具えた排出管３６を取付けてタンク３中を常時大
気に開放している。

前記排出管３６上の開放規制弁３５及び導管３
２上のタンク規制弁３１は前記制御部１５中のタ
イマーに制御され、タイマーの作動で一斉に切替
つて開放規制弁３５は閉じタンク規制弁３１は開
いて、水槽タンク１中の圧力水又は圧縮空気を流
入させ、タンク３に充満する任意の設定時間後、
各弁３１，３５は再び切替つて旧に復するもので
ある。

給水ポンプ２は、公知の如く吸込口を貯水槽等
の水源２１に連通しポンプ吐出口を水槽タンクの
流入管１１に接続すると共に、流入管１１及びポ
ンプ吐出口側には弁２２を介して補助水槽２３を
連設する。

補助水槽２３内には水位検出手段２４を具えて
流入管１１から水槽２３へ給水すると共に、水槽
２３は流出方向にだけ通過を許す逆止弁２５を介
して給水ポンプ２の吐出側に連通し、ポンプ停止
時に於てポンプ内が空になるのを防止している。

補助タンク３の排出管３６は前記補助水槽２３
或いは水源２１に連通して排水する。

圧力水槽タンク１には圧力安全弁１７及び排気
弁１８を配備し、タンクの異常圧力上昇を防止す
ると共に、水位が最低レベルL₃にまで下つたと
き、タンク中の圧力空気を放出して流出管１２へ
の空気混入を防止している。

第２図は本発明装置の電気制御回路図の一例で
ある。初期起動時には初期起動スイツチ４を投入
することにより、タンク内圧検出手段１４のスイ
ツチ４１の開閉とは関係なく、２つのタイマー
T₁，T₂を交互に作動させ、２つの規制弁３１，
３５のソレノイドSolA、SolBをタイマーT₁で設
定された数十秒間切替えると同時にポンプモータ
２６のスイツチSWを閉じて給水工程を行ない、
次でタイマーT₂で設定された数分間はポンプス
イツチSWを開きソレノイドSolA，SolBは復帰さ
せて放水工程を行ない、給水、放水工程を繰返し
て、タンク１を定常状態に移行させる。定常に移
つた後は、初期起動スイツチ４から自動スイツチ
５へ手動切替えすることによつて、検出手段１４
のスイツチ４１の開閉によりソレノイドSolA，
SolB及びポンプスイツチSWは作動してタンクの
定常的な自動運転を行ない得るものである。

起動用スイツチ４を含む初動回路４２及び、自
動用スイツチ５とタンク内圧検出手段１４の検出
スイツチ４１を具えた自動回路４３が、夫々リレ
ーX₁，X₂、タイマーT₁，T₂の回路に並列接続さ
れる。

x₁₁，x₁₂，x₁₃はリレーX₁の通電により切替る常
開接点、x₂₂はリレーX₂の通電により切替る常開
接点、t₁はタイマーT₁の常開接点、t₂はT₂の常閉
接点である。

又、４５，４２はポンプスイツチSWのライン
に並列に設けられた接点であつて、４５は初動回
路押釦４を押すと切替る常閉接点、４２はタンク
内圧検出手段１４の作動に連動し、前記スイツチ
４１と同時に開閉する接点である。

第３図に示した実施例は、補助タンク３の上部
に常閉のタンク規制弁３１を具えた導管３２及び
流出方向にだけ通過を許容する流出逆止弁３３を
具えた接続管３４及び流入方向にだけ通過を許す
流入逆止弁３７を取付けて、導管３２の先端は水
槽タンク側壁を貫通しタンクの水部下限位置L₂
に開口し、又接続管３４先端は水槽タンクの側壁
上部を貫通しタンクの気部に夫々開口させる。そ
して補助タンク３の下部には、開放規制弁３５を
具えた排出管３６を取付けてタンク３中を常時大
気に開放しており、該実施例では、前記排出管３
６上の開放規制弁３５及び導管３２上のタンク規
制弁３１は制御部１５中のタイマーに制御され、
タンク内圧が設定下限圧P₂まで圧力下降し、検出
手段１４が作動したとき一斉に切替つて開放規制
弁３５は閉じ、タンク規制弁３１は開いて、水槽
タンク１中の圧力水又は圧縮空気を補助タンク３
へ流入させ、タンク３を圧力水又は圧縮空気で充
満するに要する任意の設定時間（数十秒間）後、
各弁３５，３１は再び切替つて旧に復する。

なお、第２実施例の電気制御回路は第１実施例
のものと同一である。

然して水槽タンク１の初期起動に際しては、起
動用スイツチ４を閉じ、タイマーT₂の回路スイ
ツチ４４を連動して閉じると同時に、リレーX₁
に通電する。リレー接点x₁₁，x₁₂，x₁₃の閉成によ
つて２つのソレノイドSolA，SolBが一斉に切替
り、補助タンク３と水槽タンク１とを連通させ、
スイツチSWはポンプモータ２６に通電して運転
を開始する。

ポンプ２の給水によりタンク１，３中の大気圧
の空気は圧縮され水面は上限位L₁を越えて極端
に上昇する。給水時間はタイマーT₁によつて規
制されており、数十秒後にタイマーT₁の作動に
より、接点t₁を閉じ、リレーX₂を作動して、リレ
ーX₁の作動を止め、ポンプ２を停止すると同時
に規制弁３１，３５を復帰して補助タンク３中の
圧力水を補助水槽２３へ放出し大気を吸入する。
放出時間はタイマーT₂で規制されており、数分
後にタイマーT₂の作動により接点t₂を開きリレー
X₂の通電を止めて再び元状態に戻し、リレーX₁
を作動して給水を繰返す。上記の給水と放水の繰
返しにより水槽タンク１中には圧縮空気が貯えら
れてゆき、定常運転時の圧力状態に速やかに達す
るのである。

その後は、スイツチの切替操作で自動用スイツ
チ５を閉じ、起動用スイツチ４，４４は開かれる
スイツチ４５は閉じられるから、放水時間がタイ
マーT₂で規制されることはなく、水槽タンク１
中の圧力が制限値P₂より低下したときにだけ検出
スイツチ４１が閉じ、自動給水を行なうのであ
る。

定常運転時、補助タンク３は大気に開放され、
水槽タンク１の内圧は上、下限範囲（P₁〜P₂）に
納まつている。水の使用により圧力水槽タンク１
の内圧が設定下限圧P₂以下に下つたとき、検出手
段１４が作動して自動回路４３のスイツチ４１，
４２を閉じ、自動給水を開始する。

同時に規制弁３１，３５が切替つて、補助タン
ク３が水槽タンク１に連通し、導管３２に圧力水
若しくは圧縮空気が流入して水槽タンク１中の過
剰の水又は空気を補助タンク３に流入させる。

タンク内圧が給水によつて高まり、上限圧P₁以
上となつたときスイツチ４１，４２が開き、自動
的に給水を止め、規制弁３１，３５を復帰させ
て、補助タンク３に流入した過剰の水若しくは空
気を放出し、水槽タンク１中の水面を上又は下限
位L₁，L₂に維持するのである。

本発明は上記の如く、タンク水面の上限或は下
限水位を単に導管３２先端の開口位置で決定出来
るから、構造は極めて簡単で水面検出器は不要で
あり、補助タンク３の弁３１，３５の切替作動毎
に水面を基準高さに修正出来るため水槽タンク１
の定常運転を維持できる。又、タンク初期起動時
において、タンク３の両規制弁３１，３５を検出
手段とは無関係に一定時間々隔で開、閉を繰返す
ようにしたから、短時間で定常運転を実現できる
許りでなく、ポンプの起動頻度も使用開始時から
低く押えることができ、ポンプの耐久性を延すこ
とができる等、優れた効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す正面図、第２図
は制御電気回路図、第３図は第２実施例を示す正
面図である。 １…圧力水槽タンク、１１…流入管、１２…流
出管、１４…圧力検出手段、２…給水ポンプ、３
…補助タンク、３１…タンク規制弁、３３…流出
逆止弁、３５…開放規制弁、３７…流入逆止弁、
P₁…設定上限圧、P₂…設定下限圧、L₁…水部上
限位置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 密閉圧力水槽タンクに圧力水の流水を、流出
   管及びタンク内圧を検出する検出手段を配設し、
   流入管には前記検出手段に応動してタンク内圧が
   設定上限圧に上昇したとき作動を止め設定下限圧
   に下降したとき作動する給水ポンプを連通すると
   共に、圧力水槽タンクには補助タンクを配備し
   て、該補助タンクは常閉のタンク規制弁を介し密
   閉圧力水槽タンクの水部上限位置又は水部下限位
   置に連通し、又流出方向にだけ通過を許す流出逆
   止弁を介し圧力水槽タンクの気部に連通してお
   り、前記補助タンクには更に常開の開放規制弁及
   び流入方向だけ通過を許す流入逆止弁を介して
   夫々大気に連通しており、前記タンク規制弁及び
   開放規制弁は、検出手段に応動して一斉に切替つ
   て設定時間後に復帰する様に制御する制御回路及
   び、検出手段とは関係なく給水ポンプによりタン
   ク内圧を上限圧まで上昇させる給水時間T₁の
   間、給水ポンプを運転すると共にタンク規制弁は
   開状態、開放規制弁は閉状態に保ち、給水時間
   T₁の経過後は補助タンク放水時間T₂の間、給水
   ポンプは停止しタンク規制弁は閉状態、開放規制
   弁は開状態に保ち、時間T₁とT₂の間隔で繰返す
   初動回路とを具えている圧力水槽タンクの初期運
   転用水位規制装置。