JPS6119701B2 - - Google Patents

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JPS6119701B2
JPS6119701B2 JP54108078A JP10807879A JPS6119701B2 JP S6119701 B2 JPS6119701 B2 JP S6119701B2 JP 54108078 A JP54108078 A JP 54108078A JP 10807879 A JP10807879 A JP 10807879A JP S6119701 B2 JPS6119701 B2 JP S6119701B2
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zirconium
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alloy
magnetic flux
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JP54108078A
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Takeshi Masumoto
Shigehiro Oonuma
Kiwamu Shirakawa
Kyoyuki Esashi
Masateru Nose
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は磁束密度が高く、磁歪の小さな鉄基非
晶質合金に関し、特に鉄損が小さい高透磁率非晶
質合金に関するものである。 一般に透磁率が非常に大きい点を強調して磁心
材料として使用される合金は高透磁率合金と呼ば
れ、透磁率が大きくヒステリシス損失や保磁力の
小さい特性が望まれる。 また、磁心材料としては一般に交流磁場で用い
られるので渦流損失が小さいことが必要であり、
このためには電気抵抗が大きく板厚が薄いほど良
いことになる。 従来結晶構造を有する通常の金属、合金におい
て、磁束密度が8000G以上を有する高透磁率金属
材料としては高純度Fe、Fe−Si合金、Fe−Ni−
Mo合金などがありそれぞれの特性に応じて種々
の分野で使用されているが、これらの金属材料は
製造上ならびに使用上それぞれ下記のような欠点
がある。 高純度鉄は主として継電器に使用されている
が、飽和磁束密度Bsと残留磁束密度Brの角形比
Br/Bsは約50%強であり、大電流の整流、高増
幅度を要する材料としては適当でない。 Fe−Si合金は変圧器、モータの鉄心として多
量に使用されているが、製造工程が複雑で、これ
を製造するのに要する燃料と電力の費用も多大で
原材料費の割合には高価な合金となつている。 またFe−Si合金を磁心として使用した場合に
問題となるのは熱として消費される損失が大きい
ことであり、全電力量の約0.4%が損失として消
費されてしまうので、僅かな改良でも電力の節約
におよぼす影響は極めて大きい。 Fe−Ni合金、Fe−Ni−Mo合金等はパーマロイ
と総称され、主として磁気増幅器、リアクトル、
パルストランス等の材料として使用されているが
ニツケルを45〜85%含み、原材料費が非常に高価
となるばかりでなく、Fe−Ni−Mo合金(79%
Ni、5%Mo、残部Feよりなる合金)は保磁力
0.006Oe、最大透磁率500000〜600000と優秀な軟
磁気特性を有するが、飽和磁束密度が8000G以下
と小さく大電流増幅には向かない。 またニツケルを45%含むFe−Ni合金はJIS−PB
級パーマロイと呼ばれ15000G程度の飽和磁束密
度を有するが保磁力は約0.1Oe、角形比約50%、
最大透磁率は25000〜60000程度と高価な割には磁
気特性は劣る。 一方、既にFe−P−C系、Fe−Ni−P−B
系、Fe−B系、Fe−Si−B系等の非晶質合金が
開発され、上記の各種結晶質高透磁率金属材料に
比べ、保磁力が小さく、透磁率が大きく、鉄損も
小さい等優れた磁気特性が得られることが知られ
ている。 しかしながら、Fe−P−C系非晶質合金は耐
蝕性並びに熱的安定性に欠け、Fe−Ni−P−B
系非晶質合金は飽和磁束密度が7400G以下と小さ
いという欠点があり、また、Fe−B系およびFe
−Si−B系非晶質合金は飽和磁束密度が15000G
以上と大きく、磁心材料として有望な非晶質合金
であるが、飽和磁歪(以下単に磁歪という)が30
×10-6以上と大きいことが実用上への大きな障害
となつている。 本発明は、従来実用されている結晶質の高透磁
率金属材料が有する前記諸欠点がなく、しかも既
存の鉄基非晶質合金の持つ問題点をも同時に解決
し、磁束密度が高く、耐蝕性および熱的安定性に
優れ、磁歪の小さな高透磁率非晶質合金を提供す
ることを目的とするものであり、特許請求の範囲
記載の合金によつて前記目的を達成することがで
きる。 次に本発明を詳細に説明する。 通常、固体の金属、合金は結晶構造を有する
が、適当な組成をもつ合金を液体状態から急速に
冷却するか、あるいは蒸着法、スパツタ法、メツ
キ法等の種々の技術を用いることにより液体に類
似した周期的原子配列を持たない非結晶構造の固
体が得られ、このような金属は非晶質金属あるい
は非晶質合金と呼ばれる(以下非晶質金属あるい
は非晶質合金を合わせて非晶質合金と称す)。こ
の非晶質合金は前述のように、種々の技術を適当
に用いても得られることがよく知られており(例
えば特開昭49−91014号)、中でも気相から超急冷
するスパツタ法によれば液体急冷法により得られ
る非晶質合金の組成範囲よりも広い組成範囲で非
晶質合金が得られることが知られている。 なお液体急冷法の例として、高速回転する1つ
の円板の外周面上または高速に互いに逆回転する
2つのロールの間に液体金属を連続的に噴出させ
て回転円板または双ロールの表面上で104〜106
℃/秒程度の冷却速度で急冷凝固させる方法があ
る。 又、非晶質合金を組成的にみると、金属−半金
属の組み合せからなるものと、金属−金属からな
るものとに大別することができる。 本発明は本質的に後者、すなわち遷移金属であ
る鉄族元素とジルコニウムから成る非晶質合金で
あり、すでに本発明者らが特願昭54−43838号に
より上記鉄族元素とジルコニウムを含む各種非晶
質合金中その一部が強磁性を有することを新規に
知見して特許出願した。 本発明者らは、上記鉄族元素とジルコニウムを
含む非晶質合金につき、主として磁心材料に適す
る合金とするためにさらに詳細な研究を行なつた
結果、本発明の成分組成を有する合金を非晶質化
することにより、またこれに所定の熱処理を磁場
中あるいは応力下で施すことにより、高磁束密度
を有し、しかも高透磁率、低鉄損等の磁気特性の
他、従来金属−半金属系の鉄基非晶質合金で最も
問題となつていた大きな磁歪(例えばFe−Si−
B系でλs30×10-6以上)が約1/2〜1/4に低減
するという優秀な磁気特性を有することを新規に
知見して本発明に想到した。 第1表および第2表に、本発明の非晶質合金、
既知の金属−半金属系非晶質合金の一部並びに従
来一般に用いられている各種結晶質高透磁率金属
材料について、それらの成分組成および磁気特性
を示した。
【表】
【表】 第1表において、No.1〜9の合金は本発明の
非晶質合金中、高い飽和磁束密度、角形比を有す
る組成の一例であり、No.10、11に掲げた合金は
既存のFe−B−C系およびFe−P−C系非晶質
合金、No.12〜14はそれぞれ市販の高純度鉄、3
%方向性ケイ素鋼板および45Niパーマロイの特
性である。 又、第2表No.1〜7の合金は本発明の非晶質
合金中、保磁力が小さく、実効透磁率が比較的高
い組成の一例であり、No.8に記載の合金は既存
のFe−Ni−P−B系非晶質合金、No.9、10は市
販のFe−Ni−Mo合金およびセンダストである。 本発明合金中、鉄、ジルコニウムの他主として
コバルトを含む合金(第1表)では、飽和磁束密
度が約12000〜17000Gと高く、従来の高純度鉄、
Fe−Si合金および45Niパーマロイと比較して最
大透磁率、保磁力、鉄損において優れた性能を有
することがわかる。 また既存の鉄基非晶質合金と比較して上記の磁
気特性はほぼ同等あるいは若干劣るものの、鉄基
非晶質合金の実用化への最大の障害となつている
磁歪がこれら金属−半金属系非晶質合金のそれと
比較して約1/2〜1/4に低減しているため、実用上
はむしろ優れた性質を示すと考えられる。さらに
本発明合金は広い組成範囲にわたつて室温〜200
℃付近の温度範囲での熱膨脹系数(α)が5×
10-6以下という小さな値を示しまたその一部の合
金の上記熱膨脹系数は0〜−5×10-6であり、い
わゆる不変合金(インバー合金)の特性を有す
る。 これらはこれまでに知られずかつ得られなかつ
た大きな特徴である。 また本発明合金中、鉄、ジルコニウムの他主と
してNiを含み、あるいは比較的少量のコバルト
を含む合金では既存のFe−Ni−P−B系非晶質
合金あるいは結晶質のFe−Ni−Mo合金と比較し
て保磁力、実効透磁率においては同等あるいは若
干劣るものの、飽和磁束密度は8000〜12000Gと
高く、実用上は有利である。 次に本発明の非晶質合金を実験データに基づい
て説明する。 以下で説明するすべての合金は溶融状態から超
急冷し凝固させて非晶質化したもので、非晶質合
金を製造する方法の1つであり、かつ最も簡単な
片ロール法によつて得た幅約2mm、厚さ約20μm
のテープ状試料である。また飽和磁歪λsの求め
方は下記の通りである。 試料の長さl、長手方向に磁界を印加しその時
の試料ののびをδlとすると長手方向の磁歪λ
は、 λ=δl/l (1) で表わされる。 一方、広く知られているように多結晶磁界の式
は λs=2/3(λ−λ⊥) (2) であるが、本試料は長さに比べて厚さ、巾とも極
めて小さいため、λ⊥は実質的に無視出来るので λs=2/3λ (3) とした。 以後、本明細書中に記載のλsは(3)式を使つて
求めた。 第1図は非晶質(FeX−CoY−NiZ90−Zr10系合
金の飽和磁束密度のFe、CoおよびNiの組成比に
対する依存性を示す図である。図中3角形の各辺
に記載の数字はそれぞれ合金中に含まれる鉄族元
素間の各元素の占める割合を表わし、合金中の鉄
族元素の全体を1としたときのFe(X)、Co
(Y)、Ni(Z)の値をそれぞれ示している。
又、図中の曲線上に記載の数字は飽和磁束密度
(KG)の値をそれぞれ示す。 この図に見るように磁束密度の高い値がXが
0.6〜0.9、Yが0.1〜0.62、Zが0〜0.42の範囲に
ある組成(図中斜線で表示した)において得られ
る。殊に16000G以上の値は(Fe0.6〜0.8
Co0.2〜0.4、Ni0〜0.0590−Zr10の組成範囲で得ら
れる。 第2図はFe90−Zr102元系非晶質合金に対する
CoあるいはNiの添加より、Feを置換した際の飽
和磁束密度(Bs)、およびキユーリー温度
(Tc)、結晶化温度(Tx)の変化を示す。 この図からわかるように、Co、Niの量が約8
原子%(以降原子%を単に%と略記する)以下で
はBsが小さく、又Coでは約38%を越えるとTc>
Txとなり熱処理による磁気特性の改善が困難に
なりNiでは約40%を越えるとかえつてBsが低下
することがわかる。 第3図は飽和磁束密度(Bs)、キユーリー温度
(Tc)、結晶化温度(Tx)のZr添加量に対する依
存性を示し、第3図A,Bはそれぞれ(Fe0.8
Co0.2100-x−Zrx、(Fe0.7、Ni0.3100-x−Zrxなる
式で表わされる合金組成について調べたものであ
る。 第3図A,Bから判るように飽和磁束密度のZr
に対する依存性はほぼ直線的であり、Zr添加量の
違いによつて全体として飽和磁束密度は変化する
が、前記第1図に示したFe、CoおよびNi間の組
成比に対する飽和磁束密度の依存性は本質的に同
一の傾向を示す。 第4図Aは本発明合金中Fe54−Co18−Ni18
Zr10非晶質合金を200Oeの磁場中および磁場をか
けない状態で、又BはFe68−Co17−Cr5−Zr10
Fe68−Co17−B5−Zr10の2種の非晶質合金を
200Oeの磁場中で、それぞれ100〜450℃間の各温
度で20分間焼なました際の角形比と保磁力の変化
を示す。 上記第4図A,Bから判るように、急冷材の保
磁力は100〜200mOe程度の値であるが、この合
金を非酸化性雰囲気あるいは真空中において結晶
化温度以下の温度範囲で磁場中焼なましを施すこ
とによりさらに磁気特性が大きく改善され、保磁
力は30mOe程度にまで小さくなる。なお、前記
磁場中焼なましによる磁気特性改善方法は本発明
者の1人が発明し、特開昭51−73923号公報によ
り開示された方法によつた。 一般に、磁気増幅用磁心材料の場合、残留磁束
密度と飽和磁束密度が高く、角形比が大きいこと
が要求される。急冷材の本発明の合金の多くは残
留磁束密度が比較的小さく、角形比も小さいが、
しかし磁場中焼なまし、あるいは張力や捩りなど
の応力下での焼なましにより、これらの性質が著
しく改善されることは従来知られている非晶質磁
性合金の特質改善方法によるのと同じ結果であ
る。 次にFe−(Co、Ni)−Zr系非晶質合金に種々の
元素(Be、B、Al、Si、Ge、Ti、V、Cr、
Mn、Cu、Nb、Ta、Mo、W)をもつて鉄族元素
の一部と置換して、飽和磁束密度(Bs)および
磁歪(λs)に対する添加元素の効果を調べた。 第5図A,B,Cはそれぞれ(Fe0.8、Co0.290
−x−Mx−Zr10(MはB、Be、Al、Si、Ge)、
(Fe0.8、Co0.290-x−Mx−Zr10(MはTi、V、
Cr、Mn、Nb、Ta、W)、(Fe0.7、Ni0.390-x
Mx−Zr10(MはB、Al、Si、Mo、W)系の非晶
質合金の飽和磁束密度(Bs)と磁歪(λs)に対
する添加元素量(x%)の効果を調べたものであ
る。 Fe−Co−Zr系非晶質合金については第5図A
およびBから判るように半金属、特にAl、Bは
飽和磁束密度をあまり低下させることなく磁歪を
低減する効果が大きい。 遷移金属の添加ではTi、Mnが比較的飽和磁束
密度に対する影響が小さく、かつ磁歪低減効果が
大きい。又、Nb、Ta、Wのような原子量の大き
い遷移金属は飽和磁歪、飽和磁束密度ともに大き
く低下させるので、飽和磁束密度がそれほど高い
値を必要としない場合には、磁歪を著しく下げる
添加元素として極めて有効である。 Fe−Ni−Zr系非晶質合金では、第5図Cから
判るように、Bの磁歪低減効果がFe−Co−Zr系
に比較して小さいが、Al、Siの添加によつてMo
とほぼ同等の磁歪低減効果が得られ、しかも飽和
磁束密度の低下はMo、Wよりも少ない。 第6図には、本発明合金の代表例として、
(FeX−CoY−NiZ90−Zr10系合金の室温付近での
熱膨脹系数のFe、CoおよびNiの組成比に対する
依存性を示した。 図中3角形の各辺に記載の数字はそれぞれ合金
中に含まれる鉄族元素間の各元素の占める割合を
表わし、合金中のFe、Co、Niの合計を1とした
ときのFe(X)、Co(Y)、Ni(Z)の値を示し
ている。なお図中斜線でかこまれた領域以外の領
域は特許請求の範囲第1項に該当する組成であ
る。 第6図から明らかなように(Fe0.8、Co0.290
Zr10、(Fe0.8、Ni0.290−Zr10をむすぶ組成でα
0となることがわかる。 α0の線付近の組成を有する合金は飽和磁束
密度も12000〜16000Gと高く、このことはこれら
の合金を磁心材料として使用した場合、使用中に
100〜200℃程度の温度上昇に対してもほとんど熱
膨脹せず、ために熱膨脹からくる磁心の歪の恐れ
がほとんどないことを示している。 次に本発明の非晶質合金において成分組成を限
定する理由を以下に述べる。 特許請求の範囲第1項あるいは第2項に関して
はZrが8%より少ないと超急冷しても非晶質化が
困難であり、第3図A,Bで判るように、14%よ
り多いと飽和磁束密度は著しく低下し、特にFe
−Co−Zr系非晶質合金では第3図Aに示すよう
に結晶化温度もかえつて低下するので8〜14%の
範囲内にする必要がある。さらに9〜12%Zrの範
囲内では飽和磁束密度が高く、結晶化温度も高い
優れた非晶質磁性材料が得られる。 Ni、Co量については第2図から判るように、
約30〜40%迄の添加によつて飽和磁束密度を向上
させるが、8%未満の添加ではキユーリー温度お
よび飽和磁束密度が低く、38%より多いとキユー
リー温度が結晶化温度より著しく高くなり、その
結果熱処理による磁気特性の改善の効果がなくな
る事や、あるいはFe−Ni−Zr3元系非晶質合金の
ごとく飽和磁束密度の低下が見られる等の理由に
より、Ni、Co量は7〜38%の範囲内にする必要
がある。 次に、本発明の特許請求範囲第4項記載の合金
については、添加元素のBe、B、C、N、Al、
Si、P、Geは合金の非晶質化を容易にし特に
Be、B、Al、Siはその効果が大である。 又、第5図A,B,Cから判るように、上記の
添加元素によつても飽和磁束密度はあまり下ら
ず、磁歪が著しく改善される。上記のこれらの元
素は0.1%未満の添加では効果が少なく、また15
%越えて添加すると飽和磁束密度が著しく低下す
るので0.1〜15%の範囲内にする必要があり、望
ましくは7%末満のとき、より高い飽和磁束密度
が得られる。 さらに、上記の元素を添加する場合には、Zr量
が6%以上で非晶質を形成することが出来るが磁
気的性質を損わないためには8%より低減したる
Zr量の約5倍以上の上記元素の添加が必要であ
り、又、飽和磁束密度が著しく低下しないために
Zr量の上限は14%、又鉄族元素の合計は75%以上
とする必要がある。なおZr量は12%以下にするこ
とが好適である。 ここで上記の特許請求の範囲第4項記載の組成
限定範囲を第7図によつて説明する。 第7図中三角形の各辺に記載の数字はそれぞ
れ、X(Fe、Co、Niの原子%の合計)、Y(Zrの
原子%)、Z(添加元素の原子%の合計)を表し
ている。 添加元素の範囲は0.1〜15%で、図中辺FEが下
限、BCが上限をそれぞれ示している。又、鉄族
元素の総量の下限75%は辺AB、Zr量の上限は辺
AF、下限はCDEである。合金中のZr量Yが8%
より少ないとき、その差の5倍以上、すなわち
(8−Y)×5%以上の添加元素量が必要であるた
めに図中CDEがZr量の下限を表わす。 また、上記元素の添加により、飽和磁束密度の
低下、キユーリー温度の低下と結晶化温度の上昇
をもたらすため、Ni、Co添加量は、下限は8%
とし、上限は45%までとする必要がある。 特許請求の範囲第6項記載の合金に関しても前
記特許請求の範囲第4項記載の合金の組成限定理
由と同様の理由で添加元素(Ti、V、Cr、Mn、
Cu、Nb、Ta、Mo、W)の量は0.1〜10%、但
し、Nb、Ta、Mo、Wは飽和磁束密度を著しく低
下させるので望ましくは%以下にするのが良い。
Zr量については7〜14%が必要であり、なかでも
8〜12%が望ましい。但し8%より低減したるZr
量の5倍以上すなわち、(8−Y)×5%以上の上
記添加元素が必要であり、さらに鉄族元素の合計
は80%以上、又、Co、Niは8〜45%とする必要
がある。 これらは第7図中、添加元素量の上、下限をそ
れぞれ辺HI、FEで表わし、Zr量の上限は辺GF、
下限は辺IJE、鉄族元素の合計の下限は辺GHが
表わしている。 特許請求の範囲第8項記載の合金については
Be、B、C、N、Al、Si、P、Geよりなる半金
属群と、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Nb、Mo、Ta、
Wよりなる遷移金属群の中から選ばれるそれぞれ
少なくとも1種の元素が、上記2つの群からの同
時添加の効果を得るためにそれぞれ0.1%以上、
従つて添加元素の下限は0.2%であり、(第7図中
辺E′F′)、上限は飽和磁束密度の著しい低下をさ
けるために、遷移金属群から選ばれる少なくとも
1種の元素は10%以下にする必要があり、なかで
も5%以下が望ましい。半金属群から選ばれる少
なくとも1種の元素は14.9%以下、望ましくは7
%未満の制限下でそれらの合計を15%以下にする
必要があり、なかでも12%以下が望ましい。Zr量
および鉄族元素量については上記特許請求の範囲
第4項記載の合金の組成限定理由と同様の理由に
よりZr量は6〜14%が必要であり、なかでも8〜
12%が望ましい。但しZrが8原子%以下において
は(8−Y)×5%以上の上記2つの群から選ば
れる添加元素量が必要であり、鉄族元素は75%以
上である。結局これらの限定範囲は、第7図中
ABCDE′F′で囲まれる矩形である。 次に本発明を実施例によつて説明する。 実施例 1 (FeX、CoY、NiZ90−Zr10系合金の急冷状態で
の磁歪のFe、Co、およびNiの組成比に対する依
存性を第8図に示した。 図中3角形の各辺に記載の数字は、鉄族元素の
合計を1(X+Y+Z=1)としたときのFe
(X)、Co(Y)、Ni(Z)の組成比を示してい
る。 同図より判る様に特にCoの増加によつて磁歪
が上るが(Fe0.7、Co0.390−Zr10合金でも約20×
10-6と比較的小さいことが判る。 実施例 2
【表】 第3表に、(Fe0.8、Co0.290−Zr10非晶質合金
を基本として各種添加元素を2〜10%添加し、鉄
族元素の一部あるいはジルコニウムの一部を置換
した合金(No.1〜10)及び上記基本合金
(No.11)の磁場中焼なまし後の特性を示す。 同表より半金属及び遷移金属の2%程度の添加
により飽和磁束密度の低下は比較的少なく角形比
及び最大透磁率の向上が見られる。またZrの一部
を半金属で置換した合金は角形比、保磁力、最大
透磁率が特に優れている。 実施例 3 本発明合金中、Fe81−Co9−Zr10、Fe68−Co17
−V5−Zr10、Fe68−Co17−B5−Zr10、の3種の非
晶質合金を、すべて200Oeの磁場中において320
℃で20分間熱処理を施した後、100℃で時効した
際の保磁力の変化を第9図に示す。 同図から判るように、本発明合金の保磁力は約
6000分間の時効によつてもほとんど変化しない。 以上本発明合金は非晶質Fe−(Co、Ni)−Zr系
非非晶質合金を基本とした金属−金属系非晶質高
透磁率材料であり、従来知られている結晶質合金
あるいは金属−半金属系非晶質合金の高透磁率材
料のいずれでも得られない特徴を有する極めて有
望な磁性材料である。
【図面の簡単な説明】
第1図は非晶質(FeX、CoY、NiZ90−Zr10合金
の飽和磁束密度BsのFe、Co、Niの組成比依存性
を示す図、第2図はe−Zr2元系非晶質合金への
Ni、Co添加量に対する結晶化温度(Tx)、キユ
ーリー温度(Tc)および飽和磁束密度(Bs)の
依存性を示す図、第3図A,Bはそそれぞれ
(Fe0.8、Co0.2100-x−Zrx系および(Fe0.7
Ni0.3100-x−Zrx系合金におけるTx、Tc、BsのZr
量依存性を示す図、第4図AはFe54−Co18−Ni18
−Zr10非晶質合金を磁場中および磁場をかけない
状態で、同図BはFe68−Co17−Cr5−Zr10、Fe68
−Co17−B5−Zr10非晶質合金を磁場中で、それぞ
れ100〜450℃の間で20分間焼なました際のHcと
Br/Bsの変化を示す図、第5図A,B,Cは
(Fe0.8、Co0.290−Zr10および(Fe0.7、Ni0.390
Zr10非晶質合金を基本として各種元素を添加した
際のBsとλの添加元素量依存性を示す図、第6
図は、(FeX、CoY、NiZ90−Zr10系非晶質合金の
熱膨脹系数のFe、Co、Niの組成比依存性を示す
図、第7図は本発明合金の特許請求の範囲第4
項、第6項、および第8項を示す図、第8図は
(FeX、CoY、NiZ90−Zr10系非晶質合金の磁歪の
Fe、Co、Niの組成比依存性を示す図、第9図は
Fe59.5−Ni25.5−Si5−Zr10およびFe40−Ni40−P14
−B6非晶質合金を100℃で時効した際の保磁力の
時間変化を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 原子比率でジルコニウム8〜14%、ニツケ
    ル、コバルトの何れか少なくとも1種7〜38%を
    含み、残部実質的に鉄よりなる磁束密度が高く磁
    歪の小さな鉄基非晶質合金。 2 原子比率でジルコニウム9〜12%、ニツケ
    ル、コバルトの何れか少なくとも1種10〜30%を
    含み、残部実質的に鉄より成る特許請求の範囲第
    1項記載の合金。 3 原子比率でジルコニウム6〜14%、ニツケ
    ル、コバルトの何れか少なくとも1種8〜45%、
    ベリリウム、硼素、炭素、窒素、アルミニウム、
    珪素、リン、ゲルマニウムよりなる群より選ばれ
    る何れか1種又は2種以上0.1〜15%、残部実質
    的に鉄より成り、かつ下記の条件下にある組成範
    囲の磁束密度が高く磁歪の小さな鉄基非晶質合
    金。 但し; (イ) 鉄族元素の合計が75原子%以上。 (ロ) ジルコニウムが8原子%未満の組成において
    は8原子%より減少したるジルコニウム元素量
    の5倍以上の上記ベリリウム、硼素、炭素、窒
    素、アルミニウム、珪素、リン、ゲルマニウム
    の群より選ばれる何れか少なくとも1種の元素
    を含む。 4 原子比率でジルコニウム7〜14%、ニツケ
    ル、コバルトの何れか少なくとも1種8〜45%、
    チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、ニ
    オブ、モリブデン、タンタル、タングステンより
    なる群より選ばれる何れか1種又は2種以上の元
    素が0.1〜10%、残部実質的に鉄より成り、かつ
    下記の条件下にある組成範囲の磁束密度が高く磁
    歪の小さな鉄基非晶質合金。 但し; (イ) 鉄族元素の合計が80原子%以上。 (ロ) ジルコニウムが8原子%未満の組成において
    は8原子%より減少したるジルコニウム元素量
    の5倍以上の上記チタン、バナジウム、クロ
    ム、マンガン、銅、ニオブ、モリブデン、タン
    タル、タングステンより成る群より選ばれる何
    れか少なくとも1種の元素を含む。 5 原子比率でジルコニウム6〜14%、ニツケ
    ル、コバルトの何れか少なくとも1種8〜45%を
    含み、ベリリウム、硼素、炭素、窒素、アルミニ
    ウム、珪素、リン、ゲルマニウムよりなる群から
    選ばれる何れか少なくとも1種の元素が0.1〜
    14.9%、チタン、バナジウム、クロム、マンガ
    ン、銅、ニオブ、モリブデン、タンタル、タング
    ステンよりなる群から選ばれる何れか少なくとも
    1種の元素が0.1〜10%の範囲内で上記2つの群
    より選ばれるそれぞれ少なくとも1種の元素の合
    計が0.2〜15%であり、残部実質的に鉄よりな
    り、かつ下記の条件下の組成範囲にある磁束密度
    が高く磁歪の小さな鉄基非晶質合金。 但し; (イ) 鉄族元素の合計が75原子%以上。 (ロ) ジルコニウムが8原子%未満の組成において
    は上記ベリリウム、硼素、炭素、窒素、アルミ
    ニウム、珪素、リン、ゲルマニウムよりなる群
    と、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、
    銅、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングス
    テンよりなる群の中から選ばれるそれぞれ少な
    くとも1種の元素の合計が8原子%より減少し
    たるジルコニウム元素量の5倍以上である。
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