JP4298007B2 - アモルファス磁性材料およびそれを用いた磁気コア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可飽和リアクトルやノイズ抑制素子などとして用いられる可飽和コア、あるいは加速器やレーザー電源などに用いられる磁気コアに好適なアモルファス磁性材料、およびそれを用いた磁気コアに関する。
【0002】
【従来の技術】
スイッチング電源は、電子機器の安定化電源として多用されている。特に、出力制御用としてマグアンプを組み込んだスイッチング電源は、多出力化の容易さと低ノイズのために広く用いられている。
【0003】
マグアンプは主として可飽和リアクトルにより構成され、その主要部として可飽和コアが用いられている。スイッチング電源では、ノイズ抑制素子などとしても可飽和コアが使用されている。このような可飽和コアの構成材料には、角形磁化特性に優れることが必要とされるため、主にFe−Ni系の結晶質合金(パーマロイ)やCo基アモルファス磁性合金が使用されてきた。
【0004】
ところで、最近の電子機器に対する小形軽量化、高性能化などの要求に伴って、スイッチング電源にも小形軽量化が強く要望されている。このため、スイッチング電源ではスイッチング周波数の高周波化が進められている。しかし、従来から使用されてきたFe−Ni系の結晶質合金は、高周波域において保磁力が大きくなり、うず電流損が著しく増大するという欠点を有している。このため、高周波域での使用に適合するものではない。
【0005】
一方、Coをベースとするアモルファス磁性合金は、優れた角形特性や熱安定性に加えて、高周波域においても損失が小さいなどの優れた特性を有する。しかしながら、高価なCoを多量に含有するため、可飽和コアの製造コストが高くなるという難点を有している。
【0006】
Co基以外のアモルファス磁性材料としては、Fe基アモルファス磁性合金が種々の分野で用いられており、さらに微結晶化したFe基軟磁性合金なども知られている。しかし、これらの磁性材料は保磁力や最大磁束密度Bm が大きく、その結果として高周波域での損失が大きくなるため、可飽和コア材料としては不向きである。
【0007】
高周波域での損失の増大は、Fe基アモルファス磁性合金を可飽和コア以外の磁気コアに適用する場合にも問題となる。Fe基アモルファス磁性合金は、チョークコイルやトランスなどの構成材料として使用されているが、使用周波数の高周波化により損失の増大が問題となっている。Fe基アモルファス磁性合金は、磁気特性の熱安定性が低いというような欠点も有している。
【0008】
さらに、従来のCo基アモルファス磁性合金やFe基アモルファス磁性合金は、いずれも融点が高く、その結果として液体急冷法などで薄帯化した場合に、表面粗さが大きくなりやすいという欠点を有している。アモルファス磁性合金薄帯の表面性の低下は、それを巻回または積層して磁気コアとした場合に、角形比などの磁気特性の劣化原因となる。
【0009】
従来のアモルファス磁性材料としては、Co基やFe基のアモルファス磁性合金以外に、Fe−Niをベースとしたアモルファス磁性合金が知られている。例えば、特開昭 58-193344号公報には、(Fe1-a Nia )100-x-y Six By ( 0.2≦ a≦0.4 、20≦ x+y≦25at% 、 5≦ x≦20at% 、 5≦ y≦20at% )で表される組成を有するアモルファス磁性合金が記載されている。
【0010】
さらに、特表平4-500985号公報には、Fea Nib Mc Bd Sie Cf (MはMo、Cr、39≦ a≦41at% 、37≦ b≦41at% 、 0≦ c≦3at%、17≦ d≦19at% 、 0≦ e≦2at%、 0≦ f≦2at%)で表される組成を有し、少なくとも 70%がガラス質である磁性金属ガラス合金が記載されている。特開平5-311321号公報には、Fe100-X-Y-Z NiX SiY BZ ( 1≦ X≦30at% 、10≦ Y≦18at% 、 7≦ Z≦17at% 、 X+Y+Z<80at% )で表される組成を有する極薄軟磁性合金薄帯が記載されている。
【0011】
上記した各アモルファス磁性合金は、Fe−Niを磁性合金のベース成分としているものの、Feを主成分とするFeリッチの磁性合金である。このため、上述したFe基アモルファス磁性合金と同様に損失が大きく、さらに磁気特性の熱安定性が低いというような欠点を有している。液体急冷法などで薄帯化した場合に、表面粗さが大きくなりやすいという欠点についても同様である。
【0012】
なお、特公昭60-16512号公報には、(Fe1-a Nia )100-y Xy (XはSiおよびB、 0.3≦ a≦0.65、15< y≦30at% )で表される組成を有し、耐食性がよく、かつ耐応力腐食割に優れるアモルファス磁性合金が記載されている。特開昭 57- 13146号公報には、(Fe1-a Nia )100-x-y Six By ( 0.2≦ a≦0.7 、 1≦ x≦20at% 、 5≦ y≦9.5at%、15≦ x+y≦30at% )で表されるアモルファス合金が記載されている。
【0013】
これらアモルファス磁性合金も上述したFe−Ni基アモルファス磁性合金と同様に、基本的にはFeリッチの合金組成を有している。さらに、高周波域で使用される可飽和コア、低損失コア、高透磁率コアなどの構成材料を想定していないため、SiやBの組成比は高周波域での使用に対応しておらず、さらにこれら基本成分以外の添加元素についても十分に検討されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の可飽和コア材料として用いられてきたCo基アモルファス磁性合金は、高価なCoを多量に含有するため、磁気コアの製造コストが高くなるという難点を有している。一方、Co基以外の磁性材料のうち、Fe基アモルファス磁性合金やFeリッチのFe−Ni基アモルファス磁性合金は、高周波域での損失が大きい、熱安定性が低いというような欠点を有している。さらに、これら従来のアモルファス磁性合金はいずれも融点が高く、その結果として液体急冷法などで薄帯化した場合に、表面粗さが大きくなりやすいという欠点を有している。
【0015】
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、可飽和コア、低損失コア、高透磁率コアなどとして用いる場合に、高周波域での使用に適合するような磁気特性を有し、さらに磁気特性の熱安定性に優れる、安価なアモルファス磁性材料、さらには液体急冷法などで薄帯化した場合に、表面の平滑性を向上させることが可能なアモルファス磁性材料を提供することを目的としている。また、そのようなアモルファス磁性材料を用いることによって、安価で磁気特性に優れる磁気コアを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のアモルファス磁性材料は、
一般式:(Fe1-a-bNiaMb)100-x-ySixBy
(式中、MはMn、Cr、Co、Nb、V、Mo、Ta、WおよびZrから選ばれる元素であって、Mn、CrおよびCoから選ばれる2種以上を含む元素を示し、a、b、xおよびyはそれぞれ0.395≦a≦0.7、0.001≦b≦0.1、1-a-b<a、6≦x≦18at%、10≦y≦18at%を満足する値である)
で表される組成を具備し、最大磁束密度B m が0.5T以上0.9T以下であることを特徴としている。
【0019】
本発明のアモルファス磁性材料は、例えばアモルファス磁性薄帯として使用される。この場合、アモルファス磁性薄帯は、その両平マイクロ板厚を重さから換算した板厚で割った値で表される表面粗さKsが1≦Ks≦1.5を満足するような表面平滑性を有する。また、アモルファス磁性薄帯は30μm以下の平均板厚を有することが好ましい。
【0020】
そして、本発明の磁気コアは、上記した薄帯形状を有する本発明のアモルファス磁性材料の巻回体または積層体を具備することを特徴としている。
【0021】
本発明の磁気コアのより具体的な形態としては、コアの作製に用いるアモルファス磁性材料は、キュリー温度Tcが473K以上573K以下、残留磁束密度Brと最大磁束密度Bmとの比Br/Bmが0.6以上である磁気コアが挙げられる。他の形態としては、コアの作製に用いるアモルファス磁性材料は、キュリー温度Tcが473K以上573K以下、残留磁束密度Brと最大磁束密度Bmとの比Br/Bmが0.5以下であるである磁気コアが挙げられる。
【0022】
本発明においては、アモルファス磁性材料のベース成分としてNiリッチな Fe−Niを用いており、このようなベース成分にアモルファス化に必須のSiおよびBを所定の比率で配合している。このような合金組成によれば、Coに比べて安価なFe−Niをベース成分とした上で、Co基アモルファス磁性材料に匹敵する可飽和磁気特性、低損失特性、高透磁率性などの優れた磁気特性を得ることができる。
【0023】
さらに、本発明のアモルファス磁性材料では、Mn、Cr、Co、Nb、V、Mo、Ta、WおよびZrから選ばれる少なくとも 1種の元素のM元素を配合することによって、上記したような磁気特性の熱安定性を高めることができる。特に、M元素としてMn、CrおよびCoから選ばれる 2種以上の元素を使用することによって、より一層良好な熱安定性が得られる。
【0024】
NiリッチなFe−Niをベースとするアモルファス磁性材料は、従来のCo基やFe基のアモルファス磁性材料に比べて融点が低い。従って、本発明のアモルファス磁性材料は、液体急冷法などで薄帯化した場合に、表面の平滑性を向上させることができる。表面の平滑性に優れるアモルファス磁性材料は、それを巻回または積層した磁気コアの特性向上に寄与する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0026】
本発明のアモルファス磁性材料は、
一般式:(Fe1-a-bNiaMb)100-x-ySixBy ……(1)
(式中、MはMn、Cr、Co、Nb、V、Mo、Ta、WおよびZrから選ばれる元素であって、Mn、CrおよびCoから選ばれる2種以上を含む元素を示し、a、b、xおよびyはそれぞれ0.395≦a≦0.7、0.001≦b≦0.1、1-a-b<a、6≦x≦18at%、10≦y≦18at%を満足する値である)
で表される組成を有する。
【0027】
(1)式から明らかなように、本発明のアモルファス磁性材料(アモルファス磁性合金)は、NiリッチなFe−Niをベース成分として含有するものである。このようなアモルファス磁性材料は、単ロール法などの通常の液体急冷法を適用して、上記 (1)式の組成を満足する合金溶湯を超急冷することにより得られる。本発明のアモルファス磁性材料の具体的な形状としては薄帯が挙げられる。
【0028】
アモルファス磁性薄帯の平均板厚は、損失の低減を図る上で30μm 以下とすることが好ましい。アモルファス磁性薄帯の平均板厚は、さらに20μm 以下とすることが好ましい。アモルファス磁性薄帯の平均板厚を20μm 以下とすることにより、うず電流損を十分に小さくすることができるため、特に高周波域での損失低減を図ることができる。アモルファス磁性薄帯のより好ましい平均板厚は15μm 以下である。なお、ここで言う平均板厚とは、平均板厚=重量/(密度×長さ×薄帯の幅)により求められる値を指すものである。
【0029】
上記 (1)式において、NiおよびFeは磁性合金のベースとなる元素である。本発明では、NiリッチなFe−Niをベース成分としている。従って、Niの配合比を示す aの値は、Feの配合比を示す (1-a-b)の値より大きく設定されている。言い換えると、 aの値は (1-b)/2<a を満足するものである。
【0030】
ここで、Niのみをベースとするアモルファス磁性合金では、十分な磁束密度を得ることができず、さらにはキュリー温度Tc が低くなりすぎて、磁性合金としての安定性が得られない。Feのみをベースとするアモルファス磁性合金では、前述したように、保磁力や最大磁束密度Bm が大きくなりすぎて、損失の増大などを招き、さらには熱安定性などが低下する。また、液体急冷法などで薄帯化した場合に、表面の平滑性も低下する。
【0031】
そこで、本発明においては、高磁束密度化などに寄与するFeを配合したNiを磁性合金のベース成分として用いている。すなわち、本発明のアモルファス磁性合金はNiリッチなFe−Niをベース成分として含有する。このようなアモルファス磁性合金によれば、従来のCo基アモルファス磁性合金に近い磁気特性を、安価なFe−Niベースで得ることができる。さらに、NiリッチなFe−Niベースのアモルファス磁性合金は、Co基やFe基のアモルファス磁性合金に比べて低融点であるため、アモルファス磁性合金を液体急冷法などで薄帯化した場合に、表面の平滑性を向上させることができる。
【0032】
上記 (1)式におけるNiの配合比a は、 (1-b)/2<a の条件を満足させた上で、 0.395≦ a≦0.7 の範囲としている。Niの配合比を示す aの値が 0.395未満であると、NiリッチなFe−Niベースによる効果が得られない。すなわち、相対的にFe量が増加することによって、磁歪が大きくなると共に、損失の増大や熱安定性の低下などを招く。さらに、液体急冷法で薄帯化した場合に薄帯表面の平滑性も低下する。一方、 aの値が 0.7を超えると最大磁束密度Bm が低くなりすぎると共に、キュリー温度Tc が低下して実用的な磁気特性の安定性が得られない。
【0033】
このように、アモルファス磁性合金のFe−Niベース中のNi配合比a を、 (1-b)/2<a かつ 0.395≦ a≦0.7 とすることによって、実用的な磁気特性の安定性を確保した上で、低損失、低磁歪などの優れた磁気特性を、Co基アモルファス磁性合金に比べて安価なFe−Niベースで実現することが可能となる。さらに、アモルファス磁性合金を液体急冷法などで薄帯化した場合に、表面の平滑性を向上させることができる。Niの配合比a は、特に 0.5〜 0.7の範囲とすることが好ましい。
【0034】
Mn、Cr、Co、Nb、V、Mo、Ta、WおよびZrから選ばれる少なくとも1種のM元素は、磁性合金の熱安定性や磁気特性の向上に寄与する成分である。ただし、M元素の配合比を示すbの値が0.21を超えると、安定した軟磁気特性が得られにくくなる。一方、M元素による熱安定性の向上効果を有効に得るためには、M元素の配合比bを0.001以上とすることが好ましい。M元素の配合比bは0.001〜0.1の範囲とする。
【0035】
M元素は上記した元素のうち 2種以上の元素を併用することが好ましい。特に、Mn、CrおよびCoから選ばれる 2種以上の元素を、M元素として使用することが好ましい。これらのうち、さらにMnとCrを使用することが望ましい。M元素としてMn、CrおよびCoの 3元素の配合した組成であってもよい。このようなM元素によれば、特にNiリッチなFe−Niベースのアモルファス磁性合金の熱安定性をより一層高めることができる。熱安定性が向上すると経時変化に強い磁性合金となり、使用環境の変化、特に温度変化に強い磁性材料が得られる。Mnは磁性合金の融点の低下に対しても効果を発揮する。
【0036】
ここで、経時変化とは磁気コアが使用される環境下での磁気特性の変化の度合いを示す。経時変化特性に優れるということは、使用環境、特に温度が高い環境下に放置された後でも所定の磁気特性が保たれることを意味する。経時変化特性は、例えば[{(一定時間ある環境下に放置した後の常温での磁気特性)−(常温で測定した初期の磁気特性)}/(常温で測定した初期の磁気特性)]×100 (%) で表すことができる。例えば本発明のアモルファス磁性材料は、393Kで 200時間放置した後の常温での直流保磁力Hc の経時変化率を5%以下とすることができる。
【0037】
本発明のアモルファス磁性材料は、温度変化特性にも優れている。温度変化特性とは、常温から温度を上げていったときの磁気特性の変化の割合である。例えば、温度変化特性としての 50kHz,80A/m での磁束密度B80の293Kと373Kでの変化率を 20%以下とすることができる。
【0038】
M元素としてMnとCrを使用する場合、これらの配合比はそれぞれ0.001〜0.05の範囲とすることが好ましい。すなわち、上記(1)式において、Mnの配合比をb1、Crの配合比をb2としたとき、
一般式:(Fe1-a-bNiaMnb1Crb2)100-x-ySixBy ……(2)
(式中、a、b1、b2、xおよびyはそれぞれ0.395≦a≦0.7、0.001≦b1≦0.05、0.001≦b2≦0.05、1-a-b<a、6≦x≦18at%、10≦y≦18at%を満足する値である)
で表される合金組成を適用することが好ましい。(2)式で表される合金組成は、さらにCoもしくはNb、V、Mo、Ta、WおよびZrから選ばれる少なくとも1種のM′元素を含有することができる。これら元素の配合比b3は、M元素としての配合比bが0.1以内となるように設定する。すなわち、b1+b2+b3≦0.1とする。
【0039】
SiおよびBはアモルファス化のための必須の元素である。Siの配合比x は 6≦ x≦18at% 、Bの配合比y は10≦ y≦18at% とする。Siの配合比x が6at%未満またはBの配合比y が10at% 未満の場合は薄帯が脆くなり、良質の磁性薄帯を得難くなり好ましくない。一方、Siの配合比x が18at% 超える、またはBの配合比y が18at% を超えると、最大磁束密度Bm および熱安定性が低下する。
【0040】
これらSiとBの合計量x+y は15〜30at% の範囲とすることが好ましい。SiとBの合計量が 15at%未満であると、結晶化温度がキュリー温度と同等もしくはそれ以下となり、低保磁力および高角形比が得られなくなるおそれがある。一方、SiとBの合計量が 30at%を超えると最大磁束密度Bm および熱安定性が低下する。SiとBの合計量のより好ましい範囲は18〜24at% である。
【0041】
さらに、SiとBの比率はBリッチ、すなわち x< yとすることが好ましい。NiリッチなFe−Niベースのアモルファス磁性材料においては、アモルファス元素をBリッチとすることによって、磁気特性をより一層高めることができる。従って、 xおよび yは 7≦ x≦9at%、12≦ y≦16at% とすることが望ましい。
【0042】
上述したNiリッチなFe−Niをベースとするアモルファス磁性材料は、 473〜573Kの範囲のキュリー温度Tc を有する。従って、実用的な磁気特性の安定性を得ることができる。アモルファス磁性材料のキュリー温度Tc が473K未満であると、熱安定性が大幅に低下して可飽和コア、低損失コア、高透磁率コアなどの磁気コアとしての実用性が損われる。一方、キュリー温度Tc が573Kを超えると結晶化温度との兼合いから、所望の磁気特性が得られにくくなる。
【0043】
さらに、上述した組成を満足するアモルファス磁性材料において、最大磁束密度Bm は 0.5〜0.9Tの範囲とすることができる。最大磁束密度Bm が0.9Tを超えると損失の増大を招くことになる。一方、最大磁束密度Bm が0.5T未満であると、アモルファス磁性合金を例えば可飽和コアに適用する場合に、十分な角形比を得ることができない。可飽和コア以外の用途に適用する場合においても、最大磁束密度Bm が0.5T未満であると所望の磁束を得るために、コア断面積を大きくする必要があり、その結果コアが大型化し、それを用いる磁性部品をも大型化してしまうことになる。
【0044】
本発明のアモルファス磁性材料の角形比、すなわち残留磁束密度Br と最大磁束密度Bm との比(Br /Bm )は、使用用途に応じて適宜設定可能である。なお、ここで言う角形比は直流角形比のことであり、以後単に角形比と呼ぶ。角形比は後述する熱処理温度などにより制御することができる。本発明のアモルファス磁性材料を可飽和性が要求される用途に使用する場合、角形比は 60%以上に設定することが好ましい。可飽和コアなどに使用する場合の角形比は 80%以上であることがさらに好ましい。
【0045】
アモルファス磁性材料をチョークコイル、高周波トランス、加速器やレーザ電源などに使用される磁気コア、セキュリティーセンサやトルクセンサなどの各種センサ用磁性材料などに用いる場合、角形比は各用途に応じた値に設定される。具体的には、角形比を 50%以下とすることができる。このような角形比も熱処理温度などを制御することにより得られる。
【0046】
さらに、本発明のアモルファス磁性材料は、NiリッチなFe−Niをベース成分としているため、融点を 1273K以下とすることができる。このように、アモルファス磁性材料の融点を 1273K以下とすることによって、液体急冷法などで薄帯化する場合に、薄帯の表面性を向上させることができる。
【0047】
従来のCo基やFe基のアモルファス磁性材料は、いずれも融点が1323〜1473K 程度と高い。液体急冷法で表面性の高い薄帯を得るためには、通常、溶湯の粘性が低い方がよい。従って、液体急冷法で薄帯を作製する際に、溶湯温度は例えば1573〜 1773K程度に設定する必要がある。しかし、溶湯温度が高いと冷却ロールにかかる熱負荷が大きくなり、冷却が困難になるのみではなく、冷却ロールの表面が荒れ、結果として薄帯の表面性が低下してしまう。
【0048】
これに対して、本発明のアモルファス磁性材料は、融点が 1273K以下と低いため、従来より溶湯温度を下げた状態で薄帯を作製することができる。従って、冷却ロールなどにかかる熱負荷が軽減され、液体急冷法による薄帯の製造性を向上させることができると共に、薄帯表面の平滑性を高めることができる。
【0049】
本発明のアモルファス磁性材料によれば、アモルファス磁性薄帯の表面粗さ Ks を 1≦Ks ≦1.5 の範囲とすることが可能となる。この表面粗さKs とは、
Ks =(両平マイクロ板厚/重さから換算した板厚)
で表される値である。両平マイクロ板厚とは、両平マイクロメーターで測定した実測値で、具体的には薄帯の任意の 5点を測定した各実測値の平均値であり、この値を重さから換算した理論値の板厚で割ることによりKs 値が算出される。
【0050】
表面粗さKs が 1に近いほど表面性の高い凹凸の少ない薄帯となる。アモルファス磁性薄帯のKs 値が 1.5を超えると、例えば可飽和コアとして用いた場合の角形比などの磁気特性が低下する。可飽和コア以外の用途に適用する場合においても、Ks 値が 1.5を超えると占積率が低下し見かけ上損失が増加する。このように、表面粗さKs が 1≦Ks ≦1.5 の範囲のアモルファス磁性薄帯によれば、優れた磁気特性を安定して得ることが可能となる。
【0051】
上述したように、本発明によれば製造コストの低減が可能な安価なFe−Niをベースとしたアモルファス磁性材料で、Co基アモルファス磁性材料に匹敵する磁気特性を得ることができる。具体的には、低損失、低磁歪、高透磁率、また可飽和性が要求される用途に使用する場合には高角形比などの優れた磁気特性が得られ、さらにはそのような磁気特性の経時変化特性や温度変化特性などの熱安定性を高めることができる。加えて、液体急冷法などで薄帯化したアモルファス磁性薄帯は、優れた製造性および表面平滑性を有する。これらの特性に基づいて、本発明のアモルファス磁性材料は種々の磁気部品に有効に利用することができ、汎用性に優れるものである。
【0052】
本発明のアモルファス磁性材料は、例えば液体急冷法などで薄帯化し、このアモルファス磁性薄帯を所望の形状に巻回したり、あるいはアモルファス磁性薄帯を所望の形状に打ち抜いた後に所望のコア形状に積層することによって、磁気コアとして使用される。
【0053】
図1および図2は本発明の磁気コアの実施形態の構成をそれぞれ示す断面図である。図1に示す磁気コアは、薄帯化した本発明のアモルファス磁性材料、すなわちアモルファス磁性薄帯1を所望の形状に巻回した巻回体2からなる。図2に示す磁気コアは、薄帯化した本発明のアモルファス磁性材料を所望の形状に打ち抜いたアモルファス磁性体片3を積層した積層体4からなる。
【0054】
巻回体2や積層体4からなる磁気コアには、歪取り熱処理を施すことにより、歪を取るだけでなく角形比を制御することができる。この歪取り熱処理は通常、キュリー温度〜結晶化温度の間で行われるが、例えばキュリー温度に+20〜30K 程度で行えば 60%以上の高い角形比を得ることができ、結晶化温度より -20〜30K の温度で行えば 50%以下の低い角形比を得ることができる。
【0055】
本発明のアモルファス磁性材料は、歪取り熱処理の温度を制御することにより角形比を制御することができるが、より角形比を制御するために歪取り熱処理の後に磁場中で熱処理を行うことが効果的である。
【0056】
この磁場中熱処理に関し、印加する磁場の大きさは 1Oe 以上、好ましくは10Oe 以上であり、雰囲気については窒素、アルゴンなどの不活性ガス中、真空中や水素ガスなどの還元雰囲気中、大気中のいずれでもよいが、好ましくは不活性ガス中である。熱処理時間は10分〜 3時間程度が好ましく、特に好ましくは 1〜 2時間である。
【0057】
このような磁場中熱処理を施す際、例えば角形比(Br /Bm )を 80%以上と高める場合には、磁性薄帯1の長さ方向Lに磁場Hを印加しながら熱処理を行うと効果的である。また、角形比を磁気コアの用途に応じて 50%以下、さらには 40%以下とする場合には、例えば図4に示すように、磁性薄帯1の幅方向Wに磁場Hを印加しながら熱処理を行うと効果的である。なお、磁場を印加する方向を示す長さ方向Lおよび幅方向Wとは、必ずしもその方向に水平である必要はなく、多少の傾きは許されるが、好ましくは±20°の範囲である。
【0058】
さらに、磁気コアの使用用途によっては、歪取り熱処理や磁場中熱処理を省くこともできる。この場合、磁気コアの製造工程を減らすことになるため、製造コストを低減することが可能である。
【0059】
上述したような磁気コアは、可飽和コア、低損失コア、高透磁率コア、低磁歪コアなどの種々の用途に使用される。本発明の磁気コアを適用した可飽和コアは、マグアンプの可飽和リアクトルやノイズ抑制素子、また電流センサや方位センサなどに用いられる可飽和コアに好適である。可飽和コアに適用する場合には、前述したように角形比を 60%以上、さらには 80%以上に設定する。
【0060】
本発明の磁気コアは可飽和コア以外にも、低損失性、高透磁率性、低磁歪などを利用して、大電力用を含む高周波トランス、IGBT用コア、コモンモードチョークコイル、ノーモルモードチョークコイル、加速器やレーザ電源などに使用される磁気コア、セキュリティーセンサやトルクセンサなどの各種センサ用磁性コアなどに使用することができる。
【0061】
なお、本発明のアモルファス磁性材料は、アモルファス磁性薄帯の巻回体や積層体からなる磁気コアに限らず、種々の形状の磁性部品として使用することができる。本発明のアモルファス磁性材料は、薄膜磁気ヘッドなどに使用することも可能である。
【0062】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例およびその評価結果について述べる。
【0063】
実施例1、参考例1、比較例1
表1に示す各組成の合金組成物をそれぞれ調合した。これら各合金組成物を母合金として溶融した後、単ロール法で超急冷することによって、それぞれ幅20mm、板厚18μmのアモルファス合金薄帯を作製した。これら各アモルファス合金薄帯のキュリー温度Tc、励磁界10Oeでの直流保磁力、磁界10Oeのときの最大磁束密度B10を測定した。その結果を表1に示す。
【0064】
表中の比較例1は、Niのみをベースとしたアモルファス合金薄帯、Feのみをベースとしたアモルファス合金薄帯、本発明の組成範囲外のFe−Niをベースとしたアモルファス合金薄帯である。これら比較例1の各アモルファス合金薄帯についても、実施例1と同様に特性を評価した。それらの結果を併せて表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
実施例2、参考例2、比較例2
表2に示す各組成の合金組成物をそれぞれ調合し、これら各合金組成物を溶融した。各合金のキュリー温度Tcおよび融点は表2に示す通りである。これら各母合金の溶湯を単ロール法で超急冷することによって、それぞれ幅20mm、板厚18μmのアモルファス合金薄帯を作製した。これら各アモルファス合金薄帯の表面粗さKsを測定した。その結果を表2に示す。表面粗さKsは前述したように、両平マイクロ板厚と重さから換算した板厚とから求めたものである。
【0067】
【表2】
【0068】
実施例3、参考例3、比較例3
表3に示す各組成の合金組成物をそれぞれ調合し、これら各合金組成物を溶融した。これら各母合金の溶湯を単ロール法で超急冷することによって、それぞれ幅20mm、板厚18μmのアモルファス合金薄帯を作製した。
【0069】
これら各アモルファス合金薄帯の 50kHz,80A/m での磁束密度B80を測定した。磁束密度B80は、まず293Kの温度環境下で測定した後、温度を373Kまで上げて再度測定した。これら293Kでの磁束密度B80と373Kでの磁束密度B80とから変化率を求め、温度変化特性を評価した。これらの結果を表3に示す。
【0070】
【表3】
【0071】
実施例4、参考例4、比較例4
表4に示す各組成の合金組成物をそれぞれ調合し、これら各合金組成物を溶融した。これら各母合金の溶湯を単ロール法で超急冷することによって、それぞれ幅20mm、板厚18μmのアモルファス合金薄帯を作製した。
【0072】
これら各アモルファス合金薄帯の初期保磁力Hc1と393Kで 200時間放置した後の保磁力Hc2をそれぞれ常温下で測定した。これら初期保磁力Hc2と高温放置後の保磁力Hc2とから変化率を求め、経時変化特性を評価した。これらの結果を表4に示す。
【0073】
【表4】
【0074】
実施例5、参考例5、比較例5
表5に示す各組成の合金組成物をそれぞれ調合し、これら各合金組成物を溶融した。これら各母合金の溶湯を単ロール法で超急冷することによって、それぞれ幅20mm、板厚18μmのアモルファス合金薄帯を作製した。
【0075】
これら各アモルファス合金薄帯を幅 5mmにスリットした後、それぞれ外径12mm×内径 8mmとなるように巻回して、上記した各組成のアモルファス合金薄帯からなるトロイダルコアを作製した。これら各トロイダルコアに683K×20分の条件で歪取り熱処理を施した後、さらに励磁界10Oe の条件下で、各コアの薄帯の長さ方向に磁場を印加しながら熱処理を行い、角形比(Br /B10)を測定した。その結果を表5に示す。
【0076】
また、上記した磁場中熱処理を行わず、表5の試料1と同様の組成(キュリー温度549K、結晶化温度742K)で歪取り熱処理を593K(試料8)、663K(試料9)、713K(試料10)と変えたコアについても角形比を測定した。その結果を併せて表5に示す。
【0077】
【表5】
【0078】
実施例6、参考例6、比較例6
表6に示す各組成の合金組成物をそれぞれ調合し、これら各合金組成物を溶融した。これら各母合金の溶湯を単ロール法で超急冷することによって、それぞれ幅25mm、板厚15μmのアモルファス合金薄帯を作製した。
【0079】
これら各アモルファス合金薄帯を、表6に示す層間絶縁用フィルムと共に巻回して、それぞれ外径70mm×内径34mmの加速器用コアを作製した。これら各コアの角形比、比透磁率μrおよび同価損失抵抗Rを測定した。さらに、比透磁率μrと同価損失抵抗RとからR/μr値を求めた。ここでは、コア形成後の歪取り熱処理を行った場合と行わない場合とで、比透磁率μrおよび同価損失抵抗Rを測定した。
【0080】
また、本発明との比較例として、一般に鉄損が低いCo基アモルファス合金薄帯を用いて、同形状のコアを作製した。これら比較例のコアについても比透磁率μrと同価損失抵抗Rを測定し、さらにR/μrを求めた。これらの測定結果を表6に併せて示す。
【0081】
【表6】
【0082】
さらに、本発明のアモルファス合金薄帯を用いた磁気コアは、歪取り熱処理の有無にかかわらず、良好な特性を示すことが分かる。このように、本発明によれば歪取り熱処理を施すことなく、低損失化した加速器用コアを提供することができる。熱処理工程を省くことは磁気コアの製造工程の簡素化につながるため、磁気コアのより一層の低コスト化が達成される。
【0083】
なお、加速器用コアとして用いた実施例6の磁気コアは、いずれも 45%以下の角形比を有するものである。このように角形比の低い材料の方が適する分野においても良好な結果を示す。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のアモルファス磁性材料によれば、高周波域での使用に適合する磁気特性、熱安定性、表面平滑性などを、安価なFe−Niベースのアモルファス磁性材料で実現することができる。従って、そのようなアモルファス磁性材料を用いることによって、各種用途に求められる特性を満足させた上で、製造コストの低減を図った磁気コアなどを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による磁気コアの構成を示す断面図である。
【図2】 本発明の他の実施形態による磁気コアの構成を示す断面図である。
【図3】 本発明の磁場中熱処理における磁場印加方向である薄帯の長さ方向を示す図である。
【図4】 本発明の磁場中熱処理における磁場印加方向である薄帯の幅方向を示す図である。
【符号の説明】
1……アモルファス磁性薄帯
2……巻回体
3……アモルファス磁性体片
4……積層体
Claims (16)
- 一般式:(Fe1-a-bNiaMb)100-x-ySixBy
(式中、MはMn、Cr、Co、Nb、V、Mo、Ta、WおよびZrから選ばれる元素であって、Mn、CrおよびCoから選ばれる2種以上を含む元素を示し、a、b、xおよびyはそれぞれ0.395≦a≦0.7、0.001≦b≦0.1、1-a-b<a、6≦x≦18at%、10≦y≦18at%を満足する値である)
で表される組成を具備し、最大磁束密度B m が0.5T以上0.9T以下であることを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 請求項1記載のアモルファス磁性材料において、
前記M元素は、Mn、CrおよびCoを含むことを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 請求項1記載のアモルファス磁性材料において、
前記Siの含有量xおよび前記Bの含有量yは15≦x+y≦30at%を満足することを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 請求項1記載のアモルファス磁性材料において、
前記Siの含有量xと前記Bの含有量yはx<yの関係を満足することを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 請求項1記載のアモルファス磁性材料において、
キュリー温度Tcが473K以上573K以下であることを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 請求項1記載のアモルファス磁性材料において、
残留磁束密度Brと最大磁束密度Bmとの比Br/Bmが0.6以上であることを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 請求項6記載のアモルファス磁性材料において、
前記Br/Bm比が0.8以上であることを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 請求項1記載のアモルファス磁性材料において、
残留磁束密度Brと最大磁束密度Bmとの比Br/Bmが0.5以下であることを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 請求項1記載のアモルファス磁性材料において、
前記アモルファス磁性材料の融点は1273K以下であることを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 請求項1記載のアモルファス磁性材料において、
前記アモルファス磁性材料は薄帯形状を有することを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 請求項10記載のアモルファス磁性材料において、
前記薄帯形状を有するアモルファス磁性材料は、その両平マイクロ板厚を重さから換算した板厚で割った値で表される表面粗さKsが1≦Ks≦1.5を満足することを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 請求項10記載のアモルファス磁性材料において、
前記薄帯形状を有するアモルファス磁性材料は30μm以下の平均板厚を有することを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 請求項10記載の薄帯形状を有するアモルファス磁性材料の巻回体または積層体を具備することを特徴とする磁気コア。
- 請求項13記載の磁気コアにおいて、
前記アモルファス磁性材料は、キュリー温度Tcが473K以上573K以下、残留磁束密度Brと最大磁束密度Bmとの比Br/Bmが0.6以上であることを特徴とする磁気コア。 - 請求項13記載の磁気コアにおいて、
前記アモルファス磁性材料は、キュリー温度Tcが473K以上573K以下、残留磁束密度Brと最大磁束密度Bmとの比Br/Bmが0.5以下であることを特徴とする磁気コア。 - 請求項10記載の薄帯形状を有するアモルファス磁性材料であって、キュリー温度Tcが473K以上573K以下、残留磁束密度Brと最大磁束密度Bmとの比Br/Bmが0.6以上であるアモルファス磁性材料の巻回体または積層体を具備することを特徴とする可飽和コア。
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