JPS6119539Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、アンテナと受像機との間や、テレ
ビジヨン共聴システム中に介在し、高周波入力信
号を増幅して送出する高周波増幅器に関する。

従来、高周波増幅器としては、第１図に示すよ
うな回路構成を有するものがある。

第１図において１は入力接栓で、入力接栓１の
中心端子２は、プリント基板３上に構成された高
周波増幅回路４の入力側に接続されている。また
入力接栓１の外周端子５は、プリント基板３のア
ース面６に接続されている。

高周波増幅回路４は、トランジスタ、コイル等
（図示せず。）の部品で構成され、その出力側は、
コンデンサ７を介して出力接栓８の中心端子９に
接続されている。また出力接栓８の外周端子１０
は、アース面６に接続されている。コンデンサ７
は、高周波増幅回路４の高周波信号出力のみを通
過させるような容量を有している。

コンデンサ７と中心端子９の接続点は、コイル
１１、ダイオード１２、電解コンデンサ１３を介
してアース面６に接続されている。このコイル１
１は、高周波増幅回路４の高周波信号出力を通過
させないようにインダクタンスを有している。

ダイオード１２と電解コンデンサ１３との接続
点は、抵抗１４及び電解コンデンサ１５を介して
アース面６に接続され、さらに抵抗１４と電解コ
ンデンサ１５との接続点は、高周波増幅回路４に
接続されている。

この電解コンデンサ１３、抵抗１４、電解コン
デンサ１５は、π型の平滑回路１６を形成してい
る。

この高周波増幅器は、出力接栓８に接続された
同軸ケーブル（図示せず。）から、この高周波増
幅器の高周波信号出力に受信点側から重畳して送
られる交流電流を、ダイオード１２で整流し、平
滑回路１６によつて平滑することにより作動電流
が供給される。

しかし、このように構成された高周波増幅器
は、次のような欠点がある。

このように取り扱う周波数が高い高周波増幅器
では発振防止等のために、アース面６が高周波増
幅回路４の回路構成部品を、取り囲むような形で
近接して設けられている。そのため、高周波増幅
回路４中に使用されているコイル（図示せず。）
からの漏洩高周波磁束によつて、アース面６に渦
流が生じる。この渦流は、コイルに流れる電流と
同一の周波数、すなわちテレビジヨン電波と同一
の周波数を有しているので、高周波増幅器構成部
品の中でも大形の電解コンデンサ１３，１５の接
地側極板に共振し、この渦流が、接地側極板をア
ンテナとして、電波となつて放射されることがあ
つた。

この渦流による電波が、高周波増幅回路４の入
力側へ混入すると、高周波増幅回路４が発振を起
こす欠点があつた。このような場合、プリント基
板３の大きさやパターン、もしくは回路の変更を
行なわなければならなかつた。

この考案は、簡単な方法でアース面６に発出し
た渦流が、平滑回路１６の電解コンデンサ１３，
１５の接地側極板をアンテナとして電波となつて
放射されないようにしようとするものである。

以下、この考案を図示の一実施例に基づいて説
明する。なお、従来例と同一部分については同一
符号を付し、説明を省略する。

第２図において、１７は高周波チヨークコイル
で、この高周波チヨークコイルは従来例と同様に
構成された高周波増幅器の電解コンデンサ１３，
１５のそれぞれの接地側端子と、アース面６との
間に挿入されている。

そして、この高周波チヨークコイル１７の値
は、これと電解コンデンサ１３，１５の接地側極
板との共振周波数が下がるように選択してある。
よつて、渦流と共振しなくなるので渦流が電波と
して放射されることはない。したがつて、高周波
増幅回路４が発振を起こす事を防止するこができ
る。この考案と同様にコンデンサと基準電位点と
の間にインダクタンス素子を介在させたものとし
ては、例えば実開昭50−101865号公報に開示され
ているものがある。しかし、これは、この考案の
ように電源回路の平滑用コンデンサと基準電位点
との間に介在させるものではなく、高周波増幅回
路を構成しているトランジスタのエミツタに接続
されているコンデンサと基準電位点との間に介在
させたものであつて、構成が異なる。しかも、そ
の効果は循環電流を減少させ、増幅回路の不安定
性、再現の困難性を少なくし、利得の低下を防止
するものであつて、この考案の効果とは全く異な
つている。

なお、上記実施例では、それぞれの電解コンデ
ンサ１３，１５に高周波チヨークコイルを接続し
たが、電解コンデンサ１３の接地側端子と電解コ
ンデンサ１５の接地側端子を接続し、その接続点
を高周波チヨークコイル１７を介してアース面６
に接続してもよい。また高周波チヨークコイル１
７を用いる代りに、フエライトや圧粉磁心材料の
穴あきコアに、電解コンデンサ１３，１５の接地
側リド線を挿通してもよい。

また、上記実施例では高周波増幅器にこの考案
を実施したが、高周波増幅回路と平滑回路を有す
るものであれば、その他コンバータ等にこの考案
を実施できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高周波増幅器の接続図、第２図
はこの考案に基づく高周波増幅器の接続図であ
る。 １……入力端子、３……プリント基板、４……
高周波増幅回路、８……出力端子、１２……ダイ
オード、１３，１５……電解コンデンサ、１７…
…高周波チヨークコイル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高周波入力信号が加えられる入力端子と、この
   入力端子に接続され基板上に構成された高周波増
   幅回路を含む電子回路と、この電子回路の出力を
   送出する出力端子と、上記基板上に構成され交流
   電源から供給される交流電流を整流し平滑用コン
   デンサで平滑して上記電子回路へ直流電流を供給
   する電源回路とからなる高周波増幅器において、
   上記平滑用コンデンサの接地側端子をインダクタ
   ンス素子を介して上記基板の接地電位点に接続す
   ると共に、このインダクタンス素子と上記平滑用
   コンデンサの接地側極板との共振周波数が上記電
   子回路からの漏洩高周波磁束の周波数より低くな
   るように上記インダクタンス素子の値を選択した
   ことを特徴とする高周波増幅器。