JPS6119446B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車用ウインドガラスの振れ止めを
行うガラススタビライザに関する。

自動車でも、特にサツシユレスドア型車では走
行時やドアガラス開閉時のドアガラスの振動防止
対策として、ドア本体内にドアガラススタビライ
ザを配設し、このドアガラススタビライザでドア
ガラスの振れを抑えるようにしている。（実開昭
53−82119号公報参照） このドアガラススタビライザとしては各種のタ
イプのものが知られているが、中でも簡易的なも
のとしてゴム等の弾性材からなるブロツクタイプ
のものがある。これは、第１，２図に示すよう
に、ドア本体Ｄのドアアウタパネル１のドアウエ
スト開口縁内側に固設したアウタレインフオース
２にゴムブロツクからなるドアガラススタビライ
ザ３を接着、ボルト・ナツト固定等適宜の手段で
組付け、該スタビライザ３をドアガラスＧ面に摺
接させて弾性的にドアガラスＧの振れ止めを行わ
せるようにしたものである。このスタビライザ３
はその下側端部に斜状のガイド部５を形成して、
ドアガラスＧ上昇時にドアガラスＧ上端をこのガ
イド部５からフラツトなドアガラス摺接面４に案
内して、ドアガラス上端がこのスタビライザ３に
かじりつくことのないようにしてある。

ところで、このスタビライザ３の前記ガイド部
５を含めたドアガラス摺接面４には、摺動抵抗を
少なくするために通常図示のように植毛６を施し
ている。これは、基布７に予めナイロン系繊維を
カール状に植毛したものを、前記ガイド部５を含
めたドアガラス摺接面４に接着するもので、植毛
６をこのようにカール状とすることによつて優れ
たクツシヨン性と摺動性が得られ、ドアガラスＧ
面を傷めることなく振れ止めを適切に行えるので
ある。

ところが、このような植毛６としてナイロン系
繊維のカール状のものを使用した場合、前述のよ
うにクツシヨン性、摺動性に優れる反面、降雨、
洗車後等、ドアガラスＧ面に水滴が付着している
状態でドアガラスＧを昇降させて、植毛６が含水
すると、ドアガラスＧの摺動時に不快な擦り音を
生じて品質感を低下させてしまう不具合があつ
た。また、この異音発生は植毛６が乾燥する直前
にも生じ易いことが経験的に知られている。

一方、植毛としてテフロン等のフツ素系樹脂繊
維のものでは前述の如き異音発生の問題を生じる
ことはないが、このフツ素系樹脂繊維は非常に高
価であるため、スタビライザ３の摺動面４全体に
この植毛を施すことはコスト的に不利となつてし
まう。更に、該フツ素系樹脂は前記ナイロン系繊
維と異なつてカール状に植毛することができず、
直毛となつてしまい、しかも早期に方向性をもつ
て寝てしまうことからクツシヨン性に乏しく制振
効果が小さいため、スタビライザ３用の植毛とし
ては実用的ではなかつた。なお、第１図中８はド
アインナパネル、９は同インナレインフオース、
１０はドアウエスト開口部、１１はウエストウエ
ザーストリツプ、１２はドアトリムを示す。

本発明はかかる従来の実状に鑑み、植毛含水時
の異音発生がなく、かつクツシヨン性に優れた弾
性材製のウインドガラススタビライザを提供する
ことを目的とするものである。

前記目的を達成するため、本発明は前記ナイロ
ン系繊維の一般の植毛と、フツ素系樹脂繊維の植
毛のもつ利点を活かし、スタビライザのウインド
ガラス摺動面の略中央部にランド部を形成して実
質的に摺動面の面積を狭めて、このランド部にフ
ツ素系樹脂繊維の直毛を施すことによつてコスト
的に有利に含水時の異音発生を解消する一方、前
記ランド部の周囲の面にはナイロン系繊維でカー
ル状の植毛を施してクツシヨン性、摺動性を確保
するようにしている。

以下、本発明の実施例を図面と共に前記従来の
構成と同一部分に同一符号を付して詳述する。

第３図において、ゴム等の弾性材ブロツクから
なるドアガラススタビライザ３は、その下側端部
に斜状のガイド部５を有すると共に、このガイド
部５を含めたドアガラス摺接面４の略中央部にラ
ンド部４Ａを形成して、ドアガラスＧ面が摺接す
る面積を実質的に狭めている。そして、このラン
ド部４Ａにフツ素系樹脂繊維の直毛１３を施すと
共に、ランド部４Ａの周囲の摺接面４に一般のナ
イロン繊維等からなるカール状の植毛６を施して
いる。フツ素系樹脂繊維直毛１３、ナイロン繊維
カール状植毛６は何れも同一基布７上に設けて、
この基布７をスタビライザ３のドアガラス摺接面
４に接着してある。また、前述のランド部４Ａは
斜状ガイド部５から連続した状態で成形し、ラン
ド部４Ａとガイド部５との間に段差が生じてドア
ガラスＧ上昇時にドアガラス上端が突掛かること
のないようにしてあることは勿論である。また、
ガイド部５の下側止端部には段部１４を形成し、
この段部１４に基布７を折り返すようにして接着
して、基布７の下端部からの剥離を防止するよう
にしている。また、基布７上端も延長してスタビ
ライザ３上面に接着してより確実な接着固定を行
つている。

以上の実施例構造によれば、ドアガラスＧの上
昇時に、ドアガラスＧ上端がスタビライザ３のガ
イド部５に突当ると、基布７には剥離方向の引張
荷重が作用するが、基布７下端が段部１４に廻り
込んで接着しているためこの剥離荷重に十分に対
向し、繰返されるドアガラスＧの昇降によつても
簡単に剥離するようなことはない。また、このガ
イド部５はナイロン系繊維のカール状植毛６を施
してあるため、該植毛６によつてドアガラスＧ上
端は滑かに摺動してランド部４Ａに導びかれる。
このランド部４Ａはフツ素樹脂繊維の直毛１３で
覆われているが、前記カール状植毛６を滑つてく
るドアガラスはこの直毛１３部分を連続的に滑つ
て上昇し、摺動性が変化するようなことはない。
降雨、洗車後等、ドアガラスＧ面に水滴が付着し
ている状態でドアガラスＧを昇降した場合、カー
ル状の植毛６および直毛１３は含水するが、この
ドアガラスＧの昇降の際に、面圧を大きく受けて
該ドアガラスＧ面と摺接するのは前記ランド部４
Ａの直毛１３であり、しかも、該直毛１３がフツ
素系樹脂繊維であるため含水に起因する不快な擦
れ音を発生することはない。一方、この直毛１３
はクツシヨン性に乏しいが、該直毛１３はドアガ
ラス摺接面４の略中央部の面積の小さなランド部
４Ａのみにあるだけであつて、このランド部４Ａ
の周囲にはクツシヨン性に富むカール状植毛６が
存在するため、これら植毛６でクツシヨン性を十
分に確保することができ、仍つて制振効果を悪化
させることはない。また、フツ素系樹脂繊維の直
毛１３は高価につくが、この直毛１３はスタビラ
イザ３の実質的に摺接面を狭めたランド部４Ａの
みに施すものであるからコスト的にも非常に有利
となる。

以上のように本発明によれば、フツ素系樹脂繊
維の直毛と、ナイロン系繊維のカール状の植毛の
特長を活かしてクツシヨン性、摺動性を損わずに
植毛含水時の異音発生を防止することができる仍
つて品質感を一段と向上できる実用上大なる効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はウインドガラススタビライザの取付状
態を示す断面図、第２図は従来のウインドガラス
スタビライザを示す断面図、第３図は本発明ウイ
ンドガラススタビライザの一実施例を示す断面図
である。 １……ドアアウタパネル、２……アウタレイン
フオース、３……ドアガラススタビライザ、４…
…ドアガラス摺接面、４Ａ……ランド部、５……
ガイド部、６……ナイロン系繊維のカール状の植
毛、７……基布、８……ドアインナパネル、９…
…インナレインフオース、１０……ドアウエスト
開口部、１３……フツ素系樹脂繊維の直毛、Ｄ…
…ドア本体、Ｇ……ドアガラス。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ガラス格納パネル本体内のウエスト開口部付
   近に組付けてウインドガラス面に摺接させ、該ウ
   インドガラスの振れ止めを行う弾性材からなるウ
   インドガラススタビライザにおいて、前記ウイン
   ドガラスと摺接する面の略中央部にランド部を形
   成し、このランド部にフツ素系樹脂の直毛を施す
   一方、ランド部周囲の面にナイロン系繊維でカー
   ル状に植毛を施したことを特徴とするウインドガ
   ラススタビライザ。