JPH0134911Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は自動車、産業車両などに用いられるワ
イパブレードゴムに関する。このワイパブレード
ゴムはガラス等の面に沿つて摺動し、その摺動に
より面上の水滴等を取り除く働きをするものであ
る。

［従来の技術］ 自動車に用いられるワイパブレードゴムは一般
に、翼部を有する厚肉の基部と、断面略三角形状
の揺動部と、該揺動部を連結するネツク部と、該
揺動部の先端部に設けられた薄い板状のリツプ部
とより長尺状に構成されている。

従来、ワイパブレードゴムを自動車に装着する
にあたつては、長尺な基部の翼部にバツキングプ
レートを保持して該基部の長さ方向の剛性を確保
すると共に、該基部を自動車側のホルダーに装着
することにしている。

［考案が解決しようとする問題点］ このようにワイパブレードゴムを自動車側のホ
ルダーに装着した状態では、バツキングプレート
はその一部が露出するようにされており、このた
め、バツキングプレートの露出部は、ホルダーと
近接した状態で向き合うようにされている。

そのため、ワイパブレードゴムの作動時に、揺
動部がネツク部を中心として揺動すると、バツキ
ングプレートの露出部の一部である側辺部とホル
ダーとが当たり、耳ざわりな音が生じるおそれが
多いといつた問題点があつた。

殊にバツキングプレートやホルダーが金属製で
ある場合には、両者が当たると不快な金属音、い
わゆるカチヤ音が生じるといつた問題点があつ
た。

そのため車室内の静寂性が要請される最近の自
動車部品の分野では、上記した問題点の解決は強
く要請されてる。

本考案は上記した問題点を解決するものであ
る。

［問題点を解決するための手段］ 本考案のワイパブレードゴムは、翼部を有しバ
ツキングプレートが露出するように該翼部の上面
に保持されると共にホルダーが該バツキングプレ
ートの露出部と向き合うように装着される基部
と、該基部の下面側に設けられたネツク部と、該
ネツク部を介して該基部に連続する断面略三角形
状の揺動部と、該揺動部の先端に設けられた薄い
板状のリツプ部とよりなる長尺状のワイパブレー
ドゴムにおいて、 該基部は、翼部の上方へ突出するように該基部
と一体的に形成されたゴム製のつば部を具備し、
該翼部の上面に該バツキングプレートを保持した
ときに、該つば部で該バツキングプレートの少な
くとも側辺部を覆う構成したことを特徴とするも
のである。

基部とは、ホルダーに挿入装着される厚肉の部
位を意味する。基部は従来と同様に主としてソリ
ツドゴムで形成することができる。ソリツドゴム
としては代表的なものに天然ゴムがあり、他にク
ロロプレンゴム、EPDM等も挙げられ、これら
を単独で或いは混合して用いることができる。ま
たソリツドゴムはこれらゴム成分以外にカーボン
ブラツク、加硫剤、充填剤等の成分を配合するこ
とができる。基部は、バツキングプレートを保持
する部位である翼部を有する。基部の断面形状
は、ワイパブレードゴムの種類に応じて適宜設定
する。例えば、第１図に例示したように、基部の
断面形状は、ネツク部と反対側から左右対称的に
頭部、該頭部より巾の狭い首部、該首部より巾の
広い第１翼部、該第１翼部より巾の狭い腰部、該
腰部より巾の広い第２翼部から構成することがで
きる。ネツク部は、基部の下面側に突設されてい
る。

揺動部は断面三角形状で、上記基部とはネツク
部を介して連続している。ネツク部は通常、断面
略三角形状の揺動部の一辺の中央部に設けられて
いる。この揺動部は、ワイパブレードゴムがガラ
ス面等の面を往復摺動する際に揺動する部位で、
ネツク部を中心として右あるいは左に曲り、これ
により基部に対して左右に揺動する。

リツプ部とは、揺動部の断面略三角形の先端に
設けられている薄い板状の突出した部位をいう。
リツプ部は、ガラス面などの面と摺接して該面上
を拭く。このリツプ部は従来より用いられている
構造をそのまま利用できる。

ところでワイパブレードゴムをホルダーに装着
するにあたつては、バツキングプレートを基部の
翼部の上面に保持して該ワイパブレードゴムの長
さ方向の剛性を確保すると共に、該基部をホルダ
ーに装着する。この場合バツキングプレートはそ
の一部が露出するようにされており、又、バツキ
ングプレートの露出部にホルダーが向き合つてい
る。

さて、本考案の要部構成について説明する。即
ち、前記基部には、翼部の上方へ突出するつば部
が形成されている。このつば部は、通常、翼部か
ら突出している。ここで前述したように翼部の上
面にバツキングプレートを保持したときには、こ
のつば部は、該バツキングプレートの側辺部をお
おう機能をもつ。バツキングプレートの側辺部と
は、通常、バツキングプレートの側面部のみを意
味し、場合によつてはバツキングプレートの側面
部近傍の上面部の一部を含む意味である。従つ
て、第１図に例示したようにつば部で、側面部を
おおう他にバツキングプレートの上面部の一部を
もおおう構成としてもよい。バツキングプレート
の上面部の一部をもおおう場合には、つば部は、
第１図に例示したように、翼部の上面から上方へ
突出し更に続けて内方へ突出する構成とする。

なおつば部は、基部を構成するゴムと同一のゴ
ムで作製しても、又、異なる種類のゴムで作製し
てもよく、殊につば部は軟らかいゴム、多孔質体
で作製することが好ましい。多孔質体には発泡樹
脂体、発泡ゴム等が使用できる。特にはウレタン
発泡体、EPDM発泡体等が使用できる。

前記したつば部は、第３図に例示したように、
翼部の上面に対して90度の角度で該上面から突出
している構成とすることができる。又、つば部
は、第４図に例示したように、翼部の上面に対し
て90度以内の角度で、該上面の両端からつば部先
端が互いに近接するように突出している構成とす
ることができる。

本考案のワイパブレードゴムは一般には、押出
成形で製造される。この製造方法は、通常、ワイ
パブレードゴムを構成する未加硫状態のゴムを多
色（２色あるいは３色）押出成形し、断面一定の
長い押出成形素材を作る。この押出成形素材は通
常、２個のワイパブレードゴムがリツプ部先端で
一体的に接合した断面一定の長尺体である。この
押出された押出成形素材を加硫温度に加熱して加
硫し、その後リツプ部を形成する中央部にカツタ
ーを入れて切り開き、２個のワイパブレードゴム
とするものである。

なお、押出成形そのものは、通常のゴムの多色
押出成形方法をそのまま採用することができる。

［作用］ ワイパブレードゴムの作動時には、揺動部がネ
ツク部を中心として揺動し、このような揺動部の
揺動によりリツプ部がガラス面等の面上を拭き運
動する。

このとき本考案では、基部は、翼部の上方へ突
出するように該基部と一体的に形成されたゴム製
のつば部を具備し、該翼部の上面に該バツキング
プレートを保持したときに、該つば部で該バツキ
ングプレートの少なくとも側辺部を覆う構成であ
る。そのため、従来とは異なり、バツキングプレ
ートの側辺部とホルダーとは直接当たらない。

従つてバツキングプレートの側辺部とホルダー
とが直接当たる際に生じる不快な音を和らげたり
音の発生を抑えることができる。

［考案の効果］ 本考案のワイパブレードゴムにおいては、バツ
キングプレートの側辺部とホルダーとが直接に当
たる際に生じる不快な音を和らげたり音の発生を
抑えることができる。

殊に、つば部を軟らかいゴム、多孔質体等で作
製した場合には、不快な音の発生を一層抑えるこ
とができる。

従つてバツキングプレートやホルダーを金属か
ら作製した場合であつても、従来生じていた金属
と金属とが当たる際に生じるいわゆるカチヤ音の
発生を抑えることができる。

［実施例］ 本考案の第１実施例を第１図及び第２図に示
す。このワイパブレードゴムは断面多角形の基部
１と、ネツク部２と、断面略三角形状の揺動部３
と、該揺動部３の先端に設けられたリツプ部４と
を有する構成とされている。基部１は断面形状
で、ネツク部２と反対側から左右対称的に頭部１
０、該頭部１０より巾の狭い首部１１、該首部よ
り巾の広い第１翼部１２、該第１翼部１２より巾
の狭い腰部１３、該腰部１３より巾の広い第２翼
部１４から構成されている。本例を特色づけるつ
ば５は、第１図に示すように基部１の一部である
第１翼部１２の上面の外縁部から上方へ突出し、
更に内方へ向けて突出している構成である。ちな
みに、つば部５の第１翼部１２の上面からの突出
量Ｈは２ミリメートル程度、つば部５の内方への
突出量Ｔは１ミリメートル程度であり、つば部５
の厚みｔは１ミリメートル程度であり、リツプ部
４の先端から頭部１０先端までの高さは約12ミリ
メートル程度、第１翼部１２間の幅は約９ミリメ
ートル程度、リツプ部４の厚さは0.8ミリメート
ル程度である。本例のワイパブレードゴムは、押
出成形で製造される。

第１図は本例のワイパブレードゴムがホルダー
８の装着されている状態を示す。このように装着
された状態においては、頭部１０の下面と第１翼
部１２の上面との間にバツキングプレート９が挿
入されて保持され、該バツキングプレート９の上
面９ｂの一部が露出していると共に、第１翼部１
２と第２翼部１４との間にホルダー８の端辺部８
ａが挿入されて保持されている。

ところで本例ではバツキングプレート９及びホ
ルダー８に対して基部１を長さ方向に相対移動さ
せれば、ワイパブレードゴムを取外すことがで
き、よつてワイパブレードゴムを新しいものに交
換することができる構成とされている。

さて、本例の作用効果について説明すると、即
ち、ワイパの作動時には、揺動部３がネツク部２
を中心として左右に揺動し、これによりリツプ部
４がガラス面上を拭き運動する。このとき本例で
は、基部１の第１翼部１２から上方へ向けてゴム
製のつば部５が突出しており、このつば部５でバ
ツキングプレート９の側面部９ａをおおい、更に
つば部５の内方の突出する部位でバツキングプレ
ート９の上面部９ｂのうち側面部９ａ近傍の部位
をおおつている。従つてワイパが作動して拭き運
動を行なう際に、バツキングプレート９の側面部
とホルダー８とが直接に当たることを防止するこ
とができる。勿論、バツキングプレート９の上面
部９ｂとホルダー８とが直接に当たることを防止
することもできる。故にバツキングプレート９及
びホルダー８を金属で作製した場合であつても、
金属と金属とが直接に当たることにより生じるい
わゆるカチヤ音の発生を、未然に防止することが
できる。

ところで前記したカチヤ音を未然に防止するだ
けならば、バツキングプレートと基部とをインサ
ート成形してバツキングプレートを基部の内部に
埋設し、これによりバツキングプレートの全面を
おおうことも考えられる。然しながらインサート
成形した場合には、バツキングプレートは埋設さ
れているためバツキングプレートから基部を取り
外して脱着し、基部のみを新しいものに変換する
ことは事実上不可能となる。この点本例において
は、バツキングプレート９もしくは基部１を長さ
方向に相対移動させればバツキングプレート９や
ホルダー８から基部１を取り外して分離すること
ができる。故に本例では、リツプ部４やネツク部
２が損傷したり劣化したりした場合は、バツキン
グプレート９やホルダー８から基部１を分離させ
て、ワイパブレードゴムを新しいものに交換する
ことができる利点がある。

第３図は本考案の第２実施例を示すものであ
る。第２実施例の場合には、つば部３５は第１翼
部１２の上面に対して90度で突出してバツキング
プレート９の側辺部９ａを覆つており、かつ、つ
ば部３５の先端部３５ａはバツキングプレート９
の上面９ｂよりも寸法ｄ分上方へ突出している。
寸法ｄは通常0.2〜0.5ミリメートル程度とする。
上記した第２実施例においても、金属製のバツキ
ングプレート９と金属製のホルダー８とが直接当
たることにより生じるいわゆるカチヤ音の発生を
防止することができる。特に第２実施例の場合に
は、つば部３５の先端部３５ａが寸法ｄぶん上方
へ突出しているため、第１図に示す第１実施例の
ようにつば部５の先端を内方へ突出させる構成と
せずとも、バツキングプレート９の上面９ｂとホ
ルダー８とが当たることを抑制できる。

第４図は本考案の第３実施例を示すものであ
る。第３実施例の場合には、つば部４５は、つば
部先端４５ａがバツキングプレート９の上面９ｂ
から寸法ｄぶん突出するように、第１翼部１２の
上面の両端からつば部先端４５ａが互いに近接す
るように突出している。ここでつば部４５の傾斜
する角度θは通常、60〜90度に設定する。このよ
うにつば部４５を傾斜させれば、つば部４５でバ
ツキングプレート９の側辺部９ａをつかむことが
でき、従つてバツキングプレート９のがたつきを
少なくしたり抑制したりすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示したものである。第
１図及び第２図は本考案の第１実施例を示し、第
１図はワイパブレードゴムのホルダーを装着した
状態を示す断面図、第２図はワイパブレードゴム
をホルダーに装着した状態を示す要部の斜視図で
ある。第３図は本考案の第２実施例を示し、ワイ
パブレードゴムの断面図である。第４図は本考案
の第３実施例を示し、ワイパブレードゴムの断面
図である。 図中、１は基部、１０は頭部、１１は首部、１
２は第１翼部、１３は腰部、１４は第２翼部、２
はネツク部、３は揺動部、４はリツプ部、５，３
５，４５はつば部、８はホルダー、９はバツキン
グプレート、９ａはバツキングプレートの側面
部、９ｂはバツキングプレートの上面部をそれぞ
れ示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 翼部を有しバツキングプレートが露出するよ
   うに該翼部の上面に保持されると共にホルダー
   が該バツキングプレートの露出部と向き合うよ
   うに装着される基部と、該基部の下面側に設け
   られたネツク部と、該ネツク部を介して該基部
   に連続する断面略三角形状の揺動部と、該揺動
   部の先端に設けられた薄い板状のリツプ部とよ
   りなる長尺状のワイパブレードゴムにおいて、 該基部は、翼部の上方へ突出するように該基
   部と一体的に形成されたゴム製のつば部を具備
   し、該翼部の上面に該バツキングプレートを保
   持したときに、該つば部で該バツキングプレー
   トの少なくとも側辺部を覆う構成としたことを
   特徴とするワイパブレードゴム。 (2) つば部は、翼部の上面に対して90度の角度で
   該上面から突出している実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のワイパブレードゴム。 (3) つば部は、翼部の上面に対して90度以内の角
   度で、該上面の両端からつば部先端が互いに近
   接するように突出している実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のワイパブレードゴム。 (4) つば部は、翼部の上面から上方へ突出し更に
   続けて内方へ突出する構成である実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のワイパブレードゴム。 (5) 基部は、断面形状でネツク部と反対側から左
   右対称的に、頭部、該頭部より巾の狭い首部、
   該首部より巾の広い第１翼部、該第１翼部より
   巾の狭い腰部、該腰部より巾の広い第２翼部を
   具備し、該頭部の下面と該第１翼部の上面との
   間にバツキングプレートを挿入して該バツキン
   グプレートを脱着可能に保持する構成であると
   共に、該第１翼部と該第２翼部との間にホルダ
   ーの端辺部を挿入して該ホルダーを脱着可能に
   装着する構成である実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のワイパブレードゴム。