JP4717619B2 - ルーフモールの製造方法 - Google Patents

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本発明は、ルーフモールの製造方法に関する。
従来、図7及びその一部を拡大して示す図8のように、自動車のルーフRにはルーフモール50が取付けられることがある。前記ルーフモール50は、ルーフモール50を外したルーフRの一部を示す図9から理解されるように、ルーフRの中央パネルR1と側部パネルR2が一体に接合される継ぎ目部分を隠すため、前記継ぎ目部分に形成された溝部R3に装着される。
前記ルーフモール50は、図10に示すように、頭部53と、前記頭部53の下面に頭部53よりも幅を狭くして形成された脚部54とよりなるモール本体51を備える。さらに前記脚部54には、その下部に外方へ張り出すように形成されたリップ55と、温度変化による伸縮を主として抑えるために埋設される芯材56とを備える。前記頭部53は、前記溝部R3に蓋をする幅からなり、前記頭部53の上面は、耐候性及び耐傷付き性の高い樹脂からなる表面材57が層状に積層されている。前記リップ55は、弾性に富む樹脂からなり、前記溝部R3に前記モール本体51の脚部54及びリップ55が挿入された際に、前記リップ55の先端側が溝部R3内の側面と圧接してルーフモール50の浮き上がりを抑える。また、前記芯材56は、鉄などの棒状あるいは帯状の金属からなる。
前記モール本体51は、樹脂を口金から一定断面形状で押し出す押出成形法により形成された長尺のモール素材を、所定長さに切断したものが用いられる。図11には、前記モール本体51に用いられるモール素材51Sを示す。前記押出成形は、高価な成形型が不要で、しかも一定断面形状の長尺体を連続的に効率良く形成できることから、安価に成形品が得られる利点がある。しかし、押出成形され、所定の長さに切断されたモール素材51Sだけでルーフモールを構成すると、ルーフモールの端部が見苦しくなる問題がある。そこで、図12のように所定長さに切断されたモール素材51Sでモール本体51を構成すると共にモール本体51の端末部51Aで前記脚部54の下側をリップ55と共に除去し、前記端末部51Aの先端51Fと前記脚部54の除去跡51Gに、図10のように端末部材58を射出成形してルーフモール50を形成することが行われている。なお、前記ルーフモール50は、車両に取り付けられたクリップなどに対する嵌合部が端末部材58の射出成形時に形成されることもある。
ところで、前記ルーフRは、車両の前後で下方へ湾曲しているため、前記ルーフRに形成されている溝R3も端部で下方へ湾曲している。そのため、ルーフモール50の端末部が溝R3から浮き上がる場合には、予め前記ルーフモール50の端末部を治具に当てるなどして下方へ曲げ、その後にルーフモール50を前記溝R3に装着することが行われている。
しかし、ルーフモール50の端末部を曲げる作業が面倒であり、しかも前記ルーフモール50は、前記溝R3に装着された後に復元力で曲げが戻り易く、端末部が前記溝R3から浮き上がり易い問題がある。
実開昭62−22154号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、ルーフの溝に容易かつ確実に装着することができ、装着後に端末部の曲げが戻りにくいルーフモールの提供を目的とする。
本発明は、押出成形によって成形されたモール本体の端末部に端末部材が射出成形されたルーフモールの製造方法であって、前記モール本体は、頭部と前記頭部の下面に該頭部より幅を狭くして形成された脚部を有し、前記脚部は、該脚部の下部に外方へ張り出すように形成されたリップと該脚部に埋設された芯材を備え、前記端末部では前記脚部の下側を前記リップおよび前記芯材と共に除去し、前記下側が除去された脚部を下方へ曲げた状態で射出成形型にセットし、前記端末部が下方へ曲がった状態で、前記端末部材を前記下側が除去された脚部の下面及び側面に一連に射出成形することを特徴とする。
本発明によれば、モール本体の端末部で脚部の下側を除去し、前記下側が除去された脚部の下面及び側面に端末部材が一連に射出成形されて前記端末部が下方へ曲がっているため、モール本体の端末部の曲げが端末部材で固定され、モール本体の復元力によっても曲げが戻りにくくなる。さらに、下側が除去された脚部の下面及び側面に一連に端末部材が射出成形されているため、モール本体と端末部材の接合面積が大になってモール本体と端末部材の接合強度を増大させることができると共に、端末部材の断面形状によって端末部材自体が上方へ変形し難くなってルーフモールの復元による曲げの戻りを効果的に防ぐことができる。
以下本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明における第1実施形態に係るルーフモールの斜視図、図2は第1実施形態に係るルーフモールの断面図、図3は第2実施形態に係るルーフモールの斜視図、図4は第2実施形態に係るルーフモールの断面図、図5は第1実施形態及び第2実施形態のモール本体用として押出成形されたモール素材の斜視図、図6は第1実施形態及び第2実施形態のモール本体の斜視図である。
図1及び図2に示す第1実施形態のルーフモール10Aは、図7及び図8で示した自動車のルーフRに形成された溝部R3に装着されて、前記溝部R3を塞ぐものである。前記ルーフモール10Aは、モール本体11と、前記モール本体11の端末部11aに射出成形で一体に設けられた端末部材18とよりなる。
前記モール本体11は、図5に示すモール素材11Sの端末部の下部を図6のように除去したものからなる。前記モール素材11Sは、表面に表面材17が設けられた頭部13と、前記頭部13の下面に頭部14よりも幅を狭くして形成された脚部14を備える共に、前記脚部14には、前記脚部14の下部に外方へ張り出すように形成されたリップ15と、温度変化による伸縮を主として抑えるために埋設された芯材16とを備える押出成形品を所定長さに切断したものからなる。前記端末部において除去される部分は、本実施例では、図6に示すように前記芯材16及びリップ15を含む脚部14の下側であり、除去範囲は前記端末部材18を射出成形可能な範囲とされる。符号11Gは前記モール本体11における脚部14の除去跡である。
前記表面材17は、前記頭部13の上面に設けられている。前記表面材17を構成する樹脂は、ポリオレフィン系樹脂等、適宜の樹脂とされるが、少なくとも前記モール本体11の他部よりも耐候性及び耐傷付き性の高い性質の樹脂とされる。また、前記表面材17の厚みは、適宜とされるが、例として0.3〜10mmを挙げる。
前記頭部13は、前記ルーフRの溝部R3を塞ぐことのできる幅からなって、前記ルーフモール10Aが溝部R3に装着された際に、溝部R3内を隠蔽する。前記頭部13を構成する樹脂は、ポリオレフィン系樹脂などの適宜の樹脂とされる。
前記脚部14は、前記頭部13の幅より狭く、かつ前記溝部R3に挿入可能な幅からなって、前記モール本体11の長さ方向に沿って設けられている。図示の例では、前記頭部13の下面において頭部13の幅方向中央位置に前記脚部14が設けられ、前記脚部14の両外側へ前記頭部13の両側部が張り出している。前記脚部14を構成する樹脂は、ポリオレフィン系樹脂などの適宜の樹脂とされる。
前記リップ15は、前記モール本体11の他部よりも柔軟な材質からなり、前記脚部14の下部において脚部14の両外側へ張り出して形成されている。前記脚部14の両側におけるリップ15先端間距離は、前記溝部R3の幅よりも大とされ、それによって前記脚部14と共にリップ15が前記溝部R3に挿入された際に、前記リップ15の先端が溝部R3の側面と圧接してルーフモール10Aの浮き上がりを抑える。前記リップ15を構成する材質は、ポリオレフィン系樹脂等適宜の樹脂とされる。
前記芯材16は、鉄などの棒状あるいは帯状の金属からなる。前記芯材16の脚部14内における位置は、前記頭部13に接近し過ぎると、前記頭部13の表面に凹凸を生じ易くなる問題があることから、前記頭部13から遠い位置がよく、また、温度変化によるモール本体11の伸縮及びその伸縮による反りを効率よく抑えるためには、モール本体11の断面における重心位置付近がよいことの両方を考慮して決定される。図示の例では、前記脚部14の中央より幾分下方位置に前記芯材16が埋設されている。
前記モール本体11は、図1及び図2に示すように端末部11aが下方へ曲げられた状態で、前記端末部材18と一体となっている。前記下方への曲げ具合は、前記ルーフRの溝R3の端部付近の下方への湾曲に合わせるのが好ましい。
前記端末部材18は、前記脚部14の下側が除去されたモール本体11の端末部11aを下方へ曲げた状態で射出成形型にセットし、公知の射出成形によって前記モール本体11の端末部の先端11F及び裏側の除去跡11Gにモール本体11と一体として形成されたものである。前記端末部材18を構成する樹脂は、適宜選択されるが、端末部材18の射出成形時に前記モール本体11との接着性が良好な樹脂、例えばモール本体11と同系の樹脂とするのが好ましい。
前記端末部材18は、前記モール本体11における端末部11aの先端11Fでは、前記端末部の先端11Fを覆うエンドキャップ19を構成し、一方、前記端末部11aの裏側の前記除去跡11Gでは接合補強部20を構成している。前記エンドキャップ19は、前記ルーフRの溝R3の開口端部を塞ぐように形成されている。一方、前記接合補強部20は、前記下側が除去された脚部14の下面14aに形成された底壁20aと、前記下側が除去された脚部14の側面14b,14cに形成された立ち壁20b,20cとよりなり、前記底壁20aと立ち壁20b,20cが一連にモール本体11の長さ方向に所定長さで形成されたものである。
このように、前記モール本体11の端末部11aは、前記下側の除去された脚部14の下面14aのみならず、脚部14の側面14b,14cにおいても前記接合補強部20と接合しており、しかも前記接合補強部20がモール本体11の長さ方向に所定長さで形成されているため、前記モール本体11の端末部11aと端末部材18との接合面積が増大し、接合強度が大になる。そのため、前記モール本体11の端末部11aが曲げを戻そうとする復元力に対して、前記端末部材18が効果的に抗することができ、前記端末部11aの曲げ状態を維持することができる。さらに、前記接合補強部20は、前記モール本体11の端末部11aの曲げ解消方向(上方向)に対して、前記立ち壁20b,20cが縦リブのように作用して前記接合補強部20自体の剛性を高めるため、より効果的に端末部11aの曲げの戻りを防ぐことができる。加えて、本実施例では、前記接合補強部20の立ち壁20b,20cは、前記下側の除去された脚部14における左右の側面14b,14cに形成されているため、前記接合面積が一層増大すると共に前記接合補強部20の剛性が一層増大し、より確実に前記端末部11aにおける曲げを維持し、曲げの戻りを防ぐことができる。
前記接合補強部20の立ち壁20b,20cの上端は前記頭部13の下面との間に隙間dを設けるのが好ましい。前記隙間dの存在により、前記端末部材18の射出成形で前記頭部13にひけなどの不具合を生じるのを防ぐことができる。
また、前記接合補強部20の立ち壁20b,20cは、前記下側の除去された脚部14における片側の側面だけに形成されてもよい。図3及び図4に示すルーフモール10Bは、端末部材180における接合補強部200の立ち壁200bが、前記下側の除去された脚部14における片側の側面14bだけに設けられた例であり、その他の構成は、前記第1実施形態のルーフモール10Aと同様である。なお、符号190はエンドキャップ、200aは前記接合補強部200の底壁を示す。
前記第1実施形態のルーフモール10A及び第2実施形態のルーフモール10Bは、前記ルーフRの溝R3に装着される。その際、前記モール本体11の端末部11aが予め下方へ曲げられていて、その曲げ状態が前記端末部材18,180で維持されているため、前記端部が下方へ湾曲している溝R3に容易にルーフモール10A,10Bを装着することができる。しかも、前記ルーフモール10A,10Bは溝R3に装着された後も前記モール本体11の端末部11aで曲げが戻りにくく、前記溝R3から浮き上がるのを防ぐことができる。
このように、本発明においては、押出成形品からなるモール本体の端末部に端末部材が射出成形されたルーフモールにおいて、前記モール本体が、頭部の下面に脚部を有すると共に前記端末部では前記脚部の下側が除去されて下方へ曲げられており、前記下側が除去された脚部の下面及び側面には前記端末部材が一連に射出成形されて前記端末部の曲げ状態が前記端末部材で維持されている。そのため、自動車のルーフにおいて端部が下方へ湾曲している溝に容易にルーフモールを装着することができ、しかも、ルーフモールは溝に装着後もモール本体の端末部で曲げが戻りにくく、溝から浮き上がるのを効果的に防ぐことができる。
本発明における第1実施形態に係るルーフモールの斜視図である。 第1実施形態に係るルーフモールの断面図である。 第2実施形態に係るルーフモールの斜視図である。 第2実施形態に係るルーフモールの断面図である。 第1実施形態及び第2実施形態のモール本体用として押出成形されたモール素材の斜視図である。 第1実施形態及び第2実施形態のモール本体の斜視図である。 ルーフモールが装着された自動車の一例の部分斜視図である。 そのルーフの一部を示す拡大図である。 ルーフモールを取り外したルーフの一部を示す拡大図である。 従来のルーフモールを示す斜視図及び断面図である。 従来のモール本体用として押出成形されたモール素材の斜視図である。 従来のモール本体の斜視図である。
符号の説明
10A,10B ルーフモール
11 モール本体
11S モール素材
11F モール本体の端末部の先端
11G モール本体の端末部における除去跡
13 頭部
14 脚部
14a 下側の切除された脚部の下面
14b,14c 下側の切除された脚部の側面
15 リップ
16 芯材
17 表面材
18,180 端末部材
20,200 接合補強部
20a,200a 接合補強部の底壁
20b,20c,200b 接合補強部の側壁

Claims (1)

  1. 押出成形によって成形されたモール本体の端末部に端末部材が射出成形されたルーフモールの製造方法であって
    前記モール本体は、頭部と前記頭部の下面に該頭部より幅を狭くして形成された脚部を有し、
    前記脚部は、該脚部の下部に外方へ張り出すように形成されたリップと該脚部に埋設された芯材を備え、
    前記端末部では前記脚部の下側を前記リップおよび前記芯材と共に除去し、
    前記下側が除去された脚部を下方へ曲げた状態で射出成形型にセットし、
    前記端末部が下方へ曲がった状態で、前記端末部材を前記下側が除去された脚部の下面及び側面に一連に射出成形することを特徴とするルーフモールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004237807A (ja) * 2003-02-04 2004-08-26 Tokai Kogyo Co Ltd 車両用ルーフモールの装着構造及び装着具

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