JP2006248255A - ガラスラン - Google Patents
ガラスラン Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006248255A JP2006248255A JP2005063556A JP2005063556A JP2006248255A JP 2006248255 A JP2006248255 A JP 2006248255A JP 2005063556 A JP2005063556 A JP 2005063556A JP 2005063556 A JP2005063556 A JP 2005063556A JP 2006248255 A JP2006248255 A JP 2006248255A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seal lip
- vehicle
- vehicle interior
- side wall
- lip
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Seal Device For Vehicle (AREA)
Abstract
【課題】車内側シールリップの先端から中央部までの部位の剛性を上げて当該部位での車内側シールリップの変形を抑制し、車内側シールリップを略平板状のまま倒れるように変形させるガラスランを提供する。
【解決手段】ガラスラン10の車内側シールリップ60は、略平板状に形成され、その付根部61内面に凹部が設けられ、その先端部62下面から車内側側壁30方向に延出するサブリップ63が設けられ、サブリップ63の先端は車内側シールリップ60の先端部62よりも長手方向において前方側に位置し、ドアガラス5との接触面側に摺動層65が形成されている。摺動層65の肉厚において、先端の角部の範囲Eの肉厚をA、角部の曲率端から中央部までの範囲Fの肉厚をB、中央部から付根部までの範囲Gの肉厚をCとした場合に、B>A≧Cの関係が成立するように構成され、Aを0.1mm以上に構成したことを特徴とするガラスラン。
【選択図】 図2
【解決手段】ガラスラン10の車内側シールリップ60は、略平板状に形成され、その付根部61内面に凹部が設けられ、その先端部62下面から車内側側壁30方向に延出するサブリップ63が設けられ、サブリップ63の先端は車内側シールリップ60の先端部62よりも長手方向において前方側に位置し、ドアガラス5との接触面側に摺動層65が形成されている。摺動層65の肉厚において、先端の角部の範囲Eの肉厚をA、角部の曲率端から中央部までの範囲Fの肉厚をB、中央部から付根部までの範囲Gの肉厚をCとした場合に、B>A≧Cの関係が成立するように構成され、Aを0.1mm以上に構成したことを特徴とするガラスラン。
【選択図】 図2
Description
本発明は、自動車ドアのドアフレームの内周に取付けられ、ドアガラスの昇降を案内する自動車用のガラスランに関するものであって、特に摺動層を有する車内側シールリップの構造に関するものである。
図5に示すように、自動車ドア1のドアフレーム2の内周にドアガラス5の昇降を案内するガラスラン110が取付けられている。その従来の断面構造を図6に示す。図6は、図5のX−X線に沿った断面図である。
従来、ガラスラン110は、図5に示すようにドアフレーム2のチャンネル3内に取付けられて、ドアガラス5の昇降を案内するとともにドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。ガラスラン110は、押出成形により成形された直線状の押出成形部分をドアフレーム2の形状に合わせて形成する型成形部分で接続している。
ガラスラン110は、車外側側壁120と、車内側側壁130と、底壁140からなる断面略U字状の本体部を有している。車内側側壁130の先端付近から車内側シールリップ160が上記断面略U字状の本体部の内側に向けて延出するように設けられている。また、車外側側壁120にもその先端付近から車外側シールリップ150が断面略U字状の内側に向けて延出するように設けられている。
なお、上記底壁140の横方向の外面またはその近傍からは、外側に向かって保持リップ170、180が突出されている。
そして、車外側側壁120、車内側側壁130と底壁140の本体部がチャンネル3内に挿入され、各壁の外面がチャンネル3の内面に当接されるとともに、上記保持リップ170、180によってガラスラン110がチャンネル3内に保持される。
ドアガラス5は、このガラスラン110の断面略U字状の本体部の内側を摺動するとともに、上記車外側シールリップ150と車内側シールリップ160によってその端部の両側面がシールされて保持されている。このため、両シールリップ150、160のドアガラス5との接触面側には、ドアガラス5との摺動を良好にするために摺動層190、200が設けられている。
しかしながら、ドアガラス5は、自動車が高速走行する場合には車外側に吸い出されたり、車体の振動に伴って振動する場合がある。そのため、両シールリップ150、160は湾曲状に形成されて、このドアガラス5の移動に追従し易くしている。
しかし、この場合、各シールリップ150、160とドアガラス5との接触点が各シールリップ150、160の変形に伴って移動するため、各シールリップ150、160の表面にはどの位置が接触点になっても良好な摺動性が得られるように、全面にわたるほぼ均一肉厚の摺動層190、200が設けられるのが一般的であった(例えば、特許文献1参照。)。
また、上記のようにドアガラス5が振動した場合、その振動を抑制するために、例えば、車内側シールリップ160の先端部の下面から略直角状にサブリップ165を突出させ、車内側側壁130に当接させることにより、車内側シールリップ160を保持するものがあり、さらに、この構成のものにおいて車内側側壁130からの反力を低減するように工夫したものもある(例えば、特許文献2参照。)。
さらにまた、ドアガラス5との接触面積を減らすために、摺動材(190、200)を断面略三角形等の複数本の線条にシールリップの表面に形成したものもあった(例えば、特許文献3参照。)。
特開平10−193985号公報
特開2002−67700号公報
特開昭58−89415号公報
しかしながら、上記のガラスランでは、シールリップが湾曲状に形成されているため、ドアガラスが振動した場合に、シールリップが扁平状に変形されるか、湾曲状のまま側壁側に倒されるように変形させられるかの2通りの変形の態様がある。前者の変形ではドアガラスとの接触面積が増え、摺動抵抗が増加するという不具合があり、後者の変形ではドアガラスとの接触位置が変化(移動)するため、接触面積は増加しないが、摺動材を広範囲に設けなければならず、また、摺動材を線条としても複数本形成しなければならないという不具合がある。
そのため、車内側シールリップを略平板状に形成し、先端部の角部のみをドアガラスに接触させ、ドアガラスが振動した場合に、車内側シールリップが略平板状のまま車内側側壁方向に倒されるように変形させて、上記の不具合を解消するガラスランが考えられる。
しかし、このように構成すると、車内側シールリップはその付根部がヒンジとなり、ヒンジの剛性(弾性)だけで上記のドアガラスの振動に伴う車内側シールリップの振動を吸収しなければならなくなるので、耐久性等の問題から従来のように車内側シールリップの先端部に、更にサブリップを設ける必要性が生じる。
しかしながら、このサブリップを設けた構成のものでは、サブリップの先端が車内側側壁と当接した時に、車内側側壁からの反力により、車内側シールリップが先端から中央部にかける部位で、先端部だけを回転させるように変形させようとする力が作用する。そして、一旦その部位で変形が生じ、癖付けされてしまうと車内側シールリップが本来の機能を果さなくなる恐れがある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、車内側シールリップの先端から中央部にかける部位での剛性を上げて当該部位での車内側シールリップの変形を抑制し、車内側シールリップを略平板状のまま倒れるように変形させることのできるガラスランを提供することにある。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.自動車ドアのドアフレームの内周に取付けられ、ドアガラスの昇降を案内し、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略U字状の本体部を備え、上記車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ上記断面略U字状の本体部の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、該車外側シールリップと車内側シールリップにより上記ドアガラスの両側端部の車外側面及び車内側面をシールするガラスランにおいて、上記車内側シールリップは略平板状に形成され、その付根部内面に凹部が設けられ、その先端部下面から上記車内側側壁方向に延出するサブリップが設けられ、該サブリップの先端は上記車内側シールリップの先端部よりも上記車内側シールリップの長手方向においてさらに先端側に位置し、上記車内側シールリップの上記ドアガラスとの接触面側に摺動層が形成されたガラスランであって、上記摺動層の肉厚において、先端の角部の範囲Eの肉厚をA、角部の曲率端(Rエンド)から中央部までの範囲Fの肉厚をB、中央部から付根部までの範囲Gの肉厚をCとした場合に、B>A≧Cの関係が成立するように構成されるとともに、Aを0.1mm以上に構成したことを特徴とするガラスラン。
上記手段1によれば、車内側シールリップの摺動層の肉厚において、先端の角部の範囲Eの肉厚をA、角部の曲率端(Rエンド)から中央部までの範囲Fの肉厚をB、中央部から付根部までの範囲Gの肉厚をCとした場合に、B>A≧Cの関係が成立するように構成されるとともに、Aを0.1mm以上に構成したため、車内側シールリップの先端から中央部にかける部位での剛性を高めることができ、当該部位での車内側シールリップの変形を防止することができる。
また、上記手段1では、車内側シールリップは略平板状に形成され、その付根部内面に凹部が設けられているので、ドアガラスの振動時に、車内側シールリップは略平板状のまま倒れるように車内側側壁側に移動する。そのため、ドアガラスとの接触位置は、先端の角部のみとなり、ドアガラスとの摺動が安定する。
さらに、上記車内側シールリップの先端部下面から上記車内側側壁方向に延出するサブリップが設けられ、サブリップの先端は上記車内側シールリップの先端部よりも上記車内側シールリップの長手方向においてさらに先端側に位置するように設けられているので、サブリップの車内側側壁との当接によってドアガラス振動時における過度の車内側シールリップの倒れ変形を抑制することができるとともに、サブリップによってドアガラスが正規位置に押し戻され、車内側シールリップの付根部のヒンジの補助を行っている。
なお、サブリップの先端の車内側側壁との当接位置と、ドアガラスと車内側シールリップの先端部の角部との当接位置とでは、ドアガラスによる車内側シールリップの押圧方向においてオフセットされているので、サブリップは車内側側壁との当接の当初の段階で車内側側壁上を滑るように移動するとともに、サブリップ自身がその先端方向に延びるように変形する。このため、車内側側壁からの反力は低減される。
しかしながら、ドアガラスが大きく振動した場合には、サブリップ自身が変形しきれなくなり、上記のように当接位置のオフセットにより、車内側シールリップの先端から中央部にかける部位に曲げモーメントが発生し、当該部位で車内側シールリップを変形させようとする。
しかし、上記のように、この手段1の構成では、車内側シールリップの先端から中央部にかける部位での剛性を高めることができ、当該部位での車内側シールリップの変形を防止することができる。
手段2.上記ガラスランの本体部はオレフィン系の熱可塑性エラストマーで形成され、上記摺動層はオレフィン系の熱可塑性エラストマー又は熱可塑性樹脂で、上記本体部と同時押出成形によってその表面に一体に形成されていることを特徴とする手段1に記載のガラスラン。
上記手段2によれば、上記ガラスランの本体部と上記摺動層は、同様のオレフィン系の熱可塑性エラストマー又は熱可塑性樹脂で成形され、上記摺動層は上記本体部と同時押出成形によってその表面に一体に形成されているので、両者が剥離することなく強固に積層させることができ、しかも摺動層の厚みを部分的に変える構成にしても容易に製造することができる。
なお、上記摺動層のオレフィン系の熱可塑性エラストマー又は熱可塑性樹脂材料は、比較的硬質のため、弾性変形領域が少なく、一旦過度に変形して癖付けされてしまうと形状が変わってしまうため、車内側シールリップの本来の機能を果さなくなる恐れがあるので、本件のように、部分的に過度に変形しないように構成することが望ましい。
手段3.上記車内側シールリップの先端の角部には、上記ドアガラス側へ膨出する膨出部が設けられていることを特徴とする手段1に記載のガラスラン。
上記手段3によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏されるとともに、車内側シールリップの先端の角部に設けられたドアガラス側へ膨出する膨出部によって、車内側シールリップが車内側側壁に向かってどのように倒れ変形しても、ドアガラスとの摺動位置がこの膨出部の曲率(R)の範囲内となり、ドアガラスとの摺動を安定させることができる。
手段4.上記サブリップは、その肉厚において最も厚い部分でも、上記摺動層を含めた車内側シールリップの肉厚の半分以下で略平板状又は先細り形状に形成されていることを特徴とする手段1乃至手段3に記載のガラスラン。
上記手段4によれば、サブリップは、その肉厚において最も厚い部分でも、上記摺動層を含めた車内側シールリップの肉厚の半分以下で略平板状又は先細り形状に形成されているので、サブリップの車内側側壁との当接によってドアガラス振動時における過度の車内側シールリップの倒れ変形を抑制することができるとともに、サブリップの変形を容易にすることができる。なお、サブリップは、ドアガラスを正規位置に押し戻し、車内側シールリップの付根部のヒンジの補助作用もなしている。
また、上記したようにサブリップの先端の車内側側壁との当接位置と、ドアガラスと車内側シールリップの先端部の角部との当接位置とでは、ドアガラスによる車内側シールリップの押圧方向においてオフセットされているので、サブリップの肉厚の薄さによる剛性の低下と相俟って、サブリップは車内側側壁との当接の当初の段階で車内側側壁上を滑るように移動するとともに、上記車内側シールリップの長手方向において前方側に位置するように先端方向に延びるように変形する。このため、車内側側壁からの反力は低減される。
本発明は、上記のように構成したので、ガラスランの車内側シールリップの先端から中央部にかける部位での剛性を上げることができ、当該部位での車内側シールリップの変形を抑制し、車内側シールリップを略平板状のまま倒れるように変形させることができるガラスランを得ることができる。
また、ドアガラスの振動によって車内側シールリップの先端部のサブリップの先端が車内側側壁に当接したときに、車内側側壁からの反力を下げるとともに、車内側シールリップが部分的に過度に変形しないようにでき、さらに、車内側シールリップとドアガラスとの間の摺動抵抗を下げてドアガラスの昇降をスムースにすることができる。
本発明の実施の形態を図1〜図5に基づき説明する。
図5は自動車ドアの側面図である。図5に示すように自動車のドア1の上部にはドアフレーム2が設けられ、ドアガラス5が昇降自在に取付けられる。すなわち、ドアフレーム2の内周には、チャンネル3が設けられ、チャンネル3にはガラスラン10が取付けられ、ドアガラス5の昇降を案内するとともに、ドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。
ガラスラン10は、全体として押出成形で形成された略直線状の押出成形部分11と、型成形で形成されて押出成形部分11を接続する型成形部分12とからなる。
押出成形部分11は、ドアフレーム2の上辺部に取付けられる部分11bと、ドアフレーム2のリヤ側縦辺部に取付けられる部分11cと、ドアフレーム2のフロント側縦辺部に取付けられる部分11aとからなる。
型成形部分12はこれらの押出成形部分11をドアフレーム2に対応した形状となるように成形して接続しており、ドアフレーム2のコーナー部に装着される部分となる。
ドアフレーム2のリヤ縦辺部に取付けられる押出成形部11の部分11cの断面形状は、図1に示すように、車外側側壁20と、車内側側壁30と、底壁40とから断面略U字状に形成されている。図1は、図5のX−X線に沿った部分の断面図である。同様に、ドアフレーム2の上辺部に取付けられる押出成形部11の部分11bの断面形状を図4に示す。なお、図4は、図5のY−Y線に沿った部分の断面図である。
ガラスラン10の本体部は、ドアフレーム2の縦辺部に取付けられる部分も上辺部に取付けられる部分も基本的にはほぼ同様な断面形状を有しており、底壁40において上辺部に取付けられる部分には底壁リップ41を有し、縦辺部に取付けられる部分には底壁条溝42を有する点が異なるだけである。
車内側側壁30の先端からは、略平板状の車内側シールリップ60が上記断面略U字状の本体部の内側に向けて延設されており、車内側カバー突起31が車内側側壁30の先端で車内方向に延設されている。
また、車外側側壁20の先端付近からは、車外側シールリップ50が上記断面略U字状の本体部の内側に向けて延設されている。また、車外側カバー突起24が車外側側壁20の先端で車外方向に延設されている。
車内側側壁30は、断面略板状をなし、車内側側壁30の先端には、その外方に向かって車内側カバー突起31が設けられ、車内側側壁30の外面と車内側カバー突起31の下面にチャンネル3の車内側側壁が当接されている。また、車外側側壁20の外面と車外側カバー突起24の裏面にチャンネル3の車外側側壁が当接され、車内側側壁30の外面と車内側カバー突起31の裏面にチャンネル3の車内側側壁が当接されて、これらの構造でチャンネル3の先端をカバーするとともにガラスラン10を保持している。
車内側側壁30の先端内面には、車内側シールリップ60が一体的に設けられている。車内側シールリップ60は断面略平板状であり、車内側側壁30との連続部分である付根部61は内面に凹部が設けられて、車内側シールリップ60が車内側側壁30方向に略平板状のまま倒れるように変形できるようになっている。
また、車内側シールリップ60のドアガラス5との接触面側に摺動層65が形成されている。図2に示すように、この摺動層65の肉厚においては、先端の角部の範囲Eの肉厚をA、角部の曲率端(Rエンド)から中央部までの範囲Fの肉厚をB、中央部から付根部までの範囲Gの肉厚をC、とした場合に、B>A≧Cの関係が成立するように構成されるとともに、Aを0.1mm以上に構成した。
さらに具体的には、車内側シールリップ60の肉厚を1.0〜1.5mmとした場合において、上記の摺動層65の肉厚は、先端の角部の範囲Eの肉厚Aを0.1〜0.3mm、角部の曲率端(Rエンド)から中央部までの範囲Fの肉厚:Bを0.2〜0.5mm、中央部から付根部までの範囲Gの肉厚:Cを0.05〜0.2mmで構成したものである。
車内側シールリップ60の先端部62の下面からはサブリップ63が車内側側壁30方向に延出するように設けられている。すなわち、サブリップ63は、車内側シールリップ60の先端部62の下面から、車内側側壁30方向に延出し、その先端は車内側シールリップ60の先端部62よりも、車内側シールリップ60の長手方向においてさらに先端側に位置するように延出されている。
ガラスラン10がチャンネル3に装着され、ドアガラス5の昇降時等にドアガラス5によって車内側シールリップ60が車内側側壁30方向に押される時、車内側シールリップ60は、その付根部61を中心に略平板状のまま倒れるように回転する。そして、このサブリップ63の先端は車内側側壁30に当接する。この時、過度の車内側シールリップ60の倒れ変形を抑制することができるとともに、サブリップ63によってドアガラス5が正規位置に押し戻される方向に力が作用する。従って、サブリップ63は車内側シールリップ60の付根部61のヒンジの補助を行っている。
なお、サブリップ63の肉厚は、最も肉厚の部分でも摺動層65を含めた車内側シールリップ60の肉厚の半分以下で形成されている。
そのため、ドアガラス5の振動時に、車内側シールリップ60は略平板状のまま倒れるように車内側側壁30方向に回転(移動)するとともに、摺動層65とドアガラス5の接触位置は、車内側シールリップ60の先端部62の角部のみとなり、ドアガラス5との摺動が安定する。
また、サブリップ63先端の車内側側壁30との当接位置と、ドアガラス5と車内側シールリップ60の先端部62の角部との当接位置とでは、ドアガラス5による車内側シールリップ60の押圧方向においてオフセットされているので、サブリップ63は車内側側壁30との当接の初期の段階で車内側側壁30上を滑るように移動するとともに、サブリップ63自身が前方側に延びるように変形する。このため、車内側側壁30からの反力は低減される。
さらに、ドアガラス5が大きく振動した場合には、サブリップ63自身が変形しきれなくなり、上記のように当接位置のオフセットにより、車内側シールリップ60の先端部62から中央部にかけての部位に曲げモーメントが発生し、当該部位で車内側シールリップ60を変形させようとするが、上記のようにこの部分での摺動層65の肉厚を厚く構成し、剛性を上げたので、当該部位での変形を防止することができる。
なお、上記ガラスラン10の本体部はオレフィン系の熱可塑性エラストマーで形成され、上記摺動層65はオレフィン系の熱可塑性エラストマー又は熱可塑性樹脂で、上記本体部と同時押出成形によってその表面に一体に形成されている。
そのため、両者が剥離することなく強固に積層される。しかも、摺動層65の厚みを部分的に変える本実施の形態の構成のガラスラン10を容易に製造することができる。
また、上記摺動層65のオレフィン系の熱可塑性エラストマー又は熱可塑性樹脂材料は、比較的硬質のため、弾性変形領域が少なく、一旦過度に変形して癖付けされてしまうと形状が変わってしまうため、シールリップの本来の機能を果さなくなる恐れがあるが、本実施の形態の構成のガラスラン10のように、車内側シールリップ60が部分的に過度に変形しないように構成するで、車内側シールリップ60の本来の機能を果すことができる。
なお、車外側シールリップ50は、車内側シールリップ60よりもリップの断面の長さが短く、肉厚も比較的に薄い。このため、車外側シールリップ50は略平板状に形成されておらず、ドアガラス5に向けて凸状に湾曲して形成されている。そして、弾性的に容易に撓むことができ、ドアガラス5と線接触的に当接することができるため、ドアガラス5の昇降時におけるドアガラス5との摺動抵抗を下げ、ドアガラス5の昇降をスムースにすることができる。
さらに、ガラスラン10の本体部の内部でドアガラス5をドアフレーム2の車外側に近づけることができ、ドアガラス5とドアフレーム2との車外側面の段差を少なくして、空気抵抗を減少させるとともに車体の表面が平滑になり外観上好ましい。
また、車外側シールリップ50の車外側側壁20との連続部分はシールリップの付根部51であり、また、少なくともドアフレーム2の縦辺部に取付けられる部位においては、車外側シールリップ50の先端には断面略半円状に突出した先端部52が形成されている。
さらに、ドアガラス5の振動時において車外側シールリップ50が押されて、その先端部52が車外側側壁20の内面に当接する時に、この当接する部分の車外側側壁20の内面には、底壁側側壁凹部23が設けられている。この底壁側側壁凹部23は、車外側シールリップ50の先端部52の断面略半円形の円弧状に対応した略同一の断面形状をなして長手方向に連続して形成されている。
なお、本実施の態様においては、車外側側壁20の内面に条溝21を設けたが、車外側側壁20と車外側シールリップ50の貼り付き力が弱い場合には、条溝21を設けずに、先端側側壁凹部25のみを設けることも可能である。
また、車外側側壁20及び車内側側壁30と底壁40との連結部分には、それぞれ車外側溝部43と車内側溝部44が設けられている。この車外側溝部43と車内側溝部44により、車外側側壁20と車内側側壁30が底壁40に対して柔軟に折れ曲がることができ、ドアフレーム2のチャンネル3にガラスラン10を容易に嵌め込むことができる。
図4に示すようにドアフレーム2の上辺部に取付けられるガラスラン10には、その底壁40に底壁リップ41が設けられている。この底壁リップ41により、ドアガラス5が上昇してガラスラン10の底壁40に当接するときにクッション作用をすることができ、ドアガラス5が上昇してガラスラン10の底壁40に達したときに急激な突き当たりを防止することができる。
また、底壁リップ41の表面には低摺動部材を設けることができ、ドアガラス5との摺動抵抗を減少させることができる。
なお、ドアフレーム2の上辺部に取付けられるガラスラン10においては、ドアガラス5が若干車内側に振られて上昇された場合においても、ドアガラス5の上端縁が最初に当接する車内側シールリップ60の摺動層65の部分が、厚肉に形成されているので、摺動層65の耐久性を向上させることもできる。
また、ドアフレーム2の縦辺部に取付けられるガラスラン10には、図1に示すように、上記の底壁リップ41は設けられていない。その替わりに底壁40の内面に長手方向に複数の底壁条溝42を設けて摺動抵抗を減らしたり、底壁40の内面に低摺動部材を設けている。
低摺動部材は、ドアガラス5との摩擦抵抗の低いものであれば使用することができるが、例えば、TPOシート、ポリエチレンシート、シリコンコート、ウレタンコート等を使用することができる。なお、低摺動部材は、シールリップの場合と同様にTPOシートの同時押出成形による一体成形したものが好ましい。
次に本発明のガラスラン10の製造方法について説明する。
ガラスラン10は、まず押出成形部分11を成形する。押出成形は軟質のソリッド材を使用して成形する。
押出成形時のガラスラン10の断面形状は、略U字状の開口部分である先端部が少し開いた形状で押出成形される。これによって、チャンネル3への装着時に、チャンネル3の側壁への押圧力が得られる。また、車外側側壁20、車内側側壁30、底壁40、車外側シールリップ50と車内側シールリップ60へ低摺動部材を形成する場合にはその成形がし易くなる。
成形材料は、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂が使用され、例えば合成ゴムでは、EPDMゴム、熱可塑性エラストマーでは、ポリオレフィン系エラストマー、軟質合成樹脂では、軟質塩化ビニル等が使用される。
合成ゴムの場合は、押出成形後に加硫槽に搬送されて、熱風や高周波等により加熱されて加硫が行われる。熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂の場合は、冷却され固化される。その後所定の長さに切断されて、押出成形部分は製造される。
次に、型成形部分12の成形は、上記により製造された押出成形部分11の端部を型成形部分12を成形する金型に挟持して、その金型のキャビティーに型成形部分12を形成するソリッド材を注入する。
型成形部分12の断面形状は押出成形部分11の断面形状と略同じである。成形材料は、押出成形部分11に使用した材料と同じ種類のものを使用することが好ましい。合成ゴムの場合は、金型に注入した後に金型を加熱して加硫する。
このとき、押出成形部分11と型成形部分12は同じ材料あるいは同種類の材料を使用して加硫接着をすることができるため、一体的に固着する。熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂の場合は、金型に注入されたときに注入材料は溶融されているため、その熱と圧力とで押出成形部分11と型成形部分12は一体的に融着される。
上記の実施の形態では、車内側シールリップ60の先端部62の角部は、Rの付いた角部であるが、図3に示すように、この角部に少なくとも、ドアガラス5側へ膨出する膨出部67を設けても良い。
この車内側シールリップ60の先端部62の角部に設けられたドアガラス5側へ膨出する膨出部67によって、車内側シールリップ60が車内側側壁30に向かってどのように倒れ変形してもドアガラス5との摺動位置がこの膨出部67の曲率(R)の範囲内となり、ドアガラス5との摺動を安定させることができる。
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、フロントドアに対応するガラスラン10について具体化しているが、リヤドア、スライドドア等の他のドアに設けられるガラスランについて適用することも可能である。
(b)上記の摺動層の構成を車外側シールリップ50にも適用させても良い。
(c)上記実施形態では、サブリップ63の形状を略平板状にしたものを示したが、サブリップは、その肉厚が最大の部位でも車内側シールリップの肉厚の半分以下であれば、先細り形状でも良く、また、湾曲形状でも良い。勿論、このサブリップにはその可撓性を確保するために摺動層は形成されないが、その先端が当接する車内側側壁には、サブリップの滑りを良くするために摺動層を設けても良い。
1 ドア
2 ドアフレーム
5 ドアガラス
10 ガラスラン
20 車外側側壁
30 車内側側壁
40 底壁
50 車外側シールリップ
60 車内側シールリップ
61 付根部
62 先端部
63 サブリップ
65 摺動層
A、B、C 摺動層の肉厚
2 ドアフレーム
5 ドアガラス
10 ガラスラン
20 車外側側壁
30 車内側側壁
40 底壁
50 車外側シールリップ
60 車内側シールリップ
61 付根部
62 先端部
63 サブリップ
65 摺動層
A、B、C 摺動層の肉厚
Claims (4)
- 自動車ドアのドアフレームの内周に取付けられ、ドアガラスの昇降を案内し、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略U字状の本体部を備え、上記車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ上記断面略U字状の本体部の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、車外側シールリップと車内側シールリップにより上記ドアガラスの両側端部の車外側面及び車内側面をシールするガラスランにおいて、
上記車内側シールリップは略平板状に形成され、その付根部内面に凹部が設けられ、その先端部下面から上記車内側側壁方向に延出するサブリップが設けられ、該サブリップの先端は上記車内側シールリップの先端部よりも上記車内側シールリップの長手方向においてさらに先端側に位置し、上記車内側シールリップの上記ドアガラスとの接触面側に摺動層が形成されたガラスランであって、
上記摺動層の肉厚において、先端の角部の範囲Eの肉厚をA、角部の曲率端(Rエンド)から中央部までの範囲Fの肉厚をB、中央部から付根部までの範囲Gの肉厚をCとした場合に、B>A≧Cの関係が成立するように構成されるとともに、Aを0.1mm以上に構成したことを特徴とするガラスラン。 - 上記ガラスランの本体部はオレフィン系の熱可塑性エラストマーで形成され、上記摺動層はオレフィン系の熱可塑性エラストマー又は熱可塑性樹脂で、上記本体部と同時押出成形によってその表面に一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガラスラン。
- 上記車内側シールリップの先端の角部には、上記ドアガラス側へ膨出する膨出部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガラスラン。
- 上記サブリップは、その肉厚において最も厚い部分でも、上記摺動層を含めた車内側シールリップの肉厚の半分以下で略平板状又は先細り形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のガラスラン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005063556A JP2006248255A (ja) | 2005-03-08 | 2005-03-08 | ガラスラン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005063556A JP2006248255A (ja) | 2005-03-08 | 2005-03-08 | ガラスラン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006248255A true JP2006248255A (ja) | 2006-09-21 |
Family
ID=37089209
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005063556A Pending JP2006248255A (ja) | 2005-03-08 | 2005-03-08 | ガラスラン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006248255A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010173541A (ja) * | 2009-01-30 | 2010-08-12 | Tokai Kogyo Co Ltd | ガラスランチャンネル |
JP2017149339A (ja) * | 2016-02-26 | 2017-08-31 | 豊田合成株式会社 | 自動車用ウエザストリップ |
-
2005
- 2005-03-08 JP JP2005063556A patent/JP2006248255A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010173541A (ja) * | 2009-01-30 | 2010-08-12 | Tokai Kogyo Co Ltd | ガラスランチャンネル |
JP2017149339A (ja) * | 2016-02-26 | 2017-08-31 | 豊田合成株式会社 | 自動車用ウエザストリップ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4375273B2 (ja) | 自動車用ガラスラン | |
JP4344809B2 (ja) | ドアウエザストリップ | |
JP4475529B2 (ja) | 自動車用ガラスラン | |
JP6311553B2 (ja) | 自動車用ガラスラン | |
JP2015182722A (ja) | 自動車用ガラスラン | |
JP2005008140A (ja) | 自動車用ガラスラン | |
JP2006182251A (ja) | 自動車用ウエザストリップ | |
JP4375072B2 (ja) | 自動車用ガラスラン | |
JP5013207B2 (ja) | 自動車用ガラスラン | |
JP2009001143A (ja) | 自動車用ガラスラン | |
JP2006248255A (ja) | ガラスラン | |
JP2005153694A (ja) | 自動車用ガラスラン | |
JP4370574B2 (ja) | 自動車用ガラスラン | |
JP2008132958A (ja) | 自動車用ウエザストリップ | |
JP4548458B2 (ja) | ガラスラン | |
JP2006232242A (ja) | 自動車ドアのシール構造 | |
JP4300578B2 (ja) | 自動車用ドアウエザストリップ | |
JP2005329728A (ja) | 自動車用ガラスラン | |
JP2014065373A (ja) | 自動車用ガラスラン | |
JP2006281833A (ja) | 自動車用ガラスラン | |
JP2007314143A (ja) | ドアウエザストリップ | |
JP4300467B2 (ja) | 自動車用ガラスラン | |
JP2006281831A (ja) | 自動車用ガラスラン | |
JP2009179098A (ja) | ガラスランの取付け構造 | |
JP4048957B2 (ja) | ガラスラン |