JPH0618810Y2 - 自動車用ドアトリムにおけるウエザーストリップの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《考案の分野》 この考案は自動車用ドアトリムにおけるウエザーストリ
ップの取付構造の改良に関する。

《従来技術とその問題点》 従来のウエザーストリップの取付構造を第３図，第４図
を例示して説明する。

まず、ウエザーストリップ１は、ゴム，軟質樹脂等の弾
性体からなるウエザーストリップ本体２の内部に保形性
を備えた芯金３を埋設して、一体に押出成形することに
より得られ、このウエザーストリップ本体２の一方側面
には、図示しないウインドガラスと摺接するシール舌片
４が条設されている。

このウエザーストリップ１は、ドアトリムのドアウエス
ト部に相当するガーニッシュ５の先端部を折曲形成した
フランジ６の外側面６ａに装着されるが、通常、このガ
ーニッシュ５の表面側に、ドアトリムの表皮を構成する
パッド材付表皮材７が被覆一体化されているため、フラ
ンジ６の外側面６ａとウエザーストリップ本体２との間
にはこのパッド材付表皮材７を介在させた形でステープ
ル８を適宜間隔を配して固定することにより、ウエザー
ストリップ１をドアトリムに取付けるようにしている。

しかし、パッド材付表皮材７のクッション性により、ウ
エザーストリップ１はステープル８の取付箇所のみパッ
ド材が圧縮され、ウエザーストリップ１がその長手方向
に沿って蛇行し、ウインドガラスの円滑な昇降操作なら
びにウインドガラスに対する良好なシール性が確保でき
ないという不具合があった。

そのため、第３図に示すように、フランジ６の外側面６
ａに添設されるパッド材付表皮材７については、パッド
材７ａの端末９がガーニッシュ５のコーナー部に位置す
るように、パッド材７ａを除去することにより、ウエザ
ーストリップ１の蛇行現象を防止しているのが実情であ
るが、このパッド材７ａを剥離する際、端末９に沿って
凹凸が生じやすく、ウエザーストリップ１の上端１ａと
の間に隙間が生じるか、逆に、ウエザーストリップ１が
ウインドガラス側に過度に押圧されることになり、この
パッド材７ａの端末９の処理を精度よく行なわなけれ
ば、ウエザーストリップ１とドアトリムとの合せ部分の
見栄えが悪くなるとともに、ウエザーストリップ１の蛇
行による上述した不具合をさらに助長する結果となる。

ところで、最近の仕様としては、ガーニッシュ５の上端
部に比べウエザーストリップ１の上端１ａを下方位置に
設定する仕様のものが多く、この仕様にした場合、第４
図において符号Ａで示すドアトリムのコーナー部が車室
内はもとより、車外からも製品ラインとして非常に目立
つことになり、上述したようにこの部分でパッド材７ａ
を除去しているため、パッド材７の剥離に伴い、コーナ
ー部Ａにおいて、段部および、微小凹凸が生じることに
なれば、ストレートな製品ラインが形成されず、製品の
外観意匠性を著しく低下させるという問題点が指摘され
ていた。

《考案の目的》 この考案は、上述の事情に鑑みてなされたもので、本考
案の目的とするところは、ガーニッシュの上端位置より
低い位置にその上端を設定したウエザーストリップの取
付構造において、製品ラインを形成するドアトリムのコ
ーナー部に段部や凹凸が生じることがなく、ストレート
な製品ラインを形成するようにして、外観意匠性を著し
く向上させるようにしたウエザーストリップの取付構造
を提供することにある。

《考案の構成と効果》 上記目的を達成するために、本考案はドアウエスト部に
相当するガーニッシュの先端部を折曲してフランジを形
成するとともに、ガーニッシュ表面をパット材付表皮材
により被覆し、かつガーニッシュのフランジ面に添設さ
れる部位のパッド材を剥離して、このフランジの外側面
にウインドガラスをシールするシール片を備えたウエザ
ーストリップをステープル、もしくはウエザーストリッ
プ内部に埋設した芯金を切り起こし形成した係止爪等の
係止部材により固定するようにしたウエザーストリップ
の取付構造において、 前記ウエザーストリップの長手方向のほぼ中央ラインに
沿って段部を設け、この段部を境としたウエザーストリ
ップの上部とガーニッシュのフランジ外側面との間に間
隙を形成し、上記間隙内にパッド材の端末を設定したこ
とを特徴とする。

すなわち、前記構成によれば、ウエザーストリップはそ
の長手方向のほぼ中央ラインに沿って段部が設けられて
おり、ウエザーストリップをガーニッシュに取付けた状
態ではガーニッシュのフランジ外側面と前記段部を境と
したウエザーストリップの上部との間に間隙が形成さ
れ、この間隙内にパッド材の端末がくるようにしたもの
であるから、ドアトリムの製品ラインを形成するコーナ
ー部分は従来のように段部や凹凸が生じることなく、一
様にパッド材で被覆されているため、ストレートな製品
ラインが確保でき、外観意匠性が著しく向上する利点が
ある。

さらに、ウエザーストリップを長手方向のほぼ中央ライ
ンに沿って段部を設けるようにして、剛性を強化させる
ようにしたから、例えばガーニッシュ等が熱変形して、
それにつれてウエザーストリップが変形するのをこの剛
性強化により防止でき、長期にわたりウインドガラスの
円滑な昇降性ならびに良好なウインドガラスに対するシ
ール性が確保できる利点がある。

《実施例の説明》 以下、本考案に係るウエザーストリップの取付構造につ
いて添付図面を参照しながら詳細に説明する。

第１図はドアトリムのドアウエスト部分に相当するガー
ニッシュとこれに取付けられるウエザーストリップを示
す分解斜視図、第２図はガーニッシュにウエザーストリ
ップを取付けた状態を示す一部破断斜視図である。

第１図において、ウエザーストリップ１０は、一方側面
に図示しないウインドガラスに摺接するシール舌片１１
ａを条設した軟質塩化ビニール樹脂，ゴム等の弾性体か
らなるウエザーストリップ本体１１と、このウエザース
トリップ本体１１の内部にインサートされる金属製芯金
１２とから構成されており、さらに、このウエザースト
リップ本体１１はその長手方向に沿ってほぼ中央ライン
に段部１３が形成されており、この段部１３を境とし
て、その下部は後述するガーニッシュに当接固定される
とともに、上部はガーニッシュに対して一定間隙を備え
ることになる。

一方、上記ウエザーストリップ１０が取付けられるドア
トリムの構成を説明すると、まず、ドアトリムのドアウ
エスト部に相当する箇所は、合成樹脂の射出成形体から
なるガーニッシュ２０が設定されており、このガーニッ
シュ２０は図示しないドアトリム芯材の上縁に固定され
おり、さらにドアトリム全体を被覆するＰＶＣシート，
ＡＢＳ樹脂シート等の表皮材２１が設置され、さらに緩
衝性を付与するためにポリプロピレンフォーム，ポリエ
チレンフォーム等のパッド材２２が上記表皮材２１の裏
面にラミネートされているか、あるいは表皮材２１とガ
ーニッシュ２０との間に介在設置されている。

上記ガーニッシュ２０は、湾曲状に成形され、かつ、そ
の先端が図示しないウインドガラス面とほぼ平行となる
ようにフランジ２３が形成され、ウエザーストリップ本
体１１を安定して取付けるため、このフランジ２３はフ
ラット面に形成されている。

ところで、本願においてはガーニッシュ２０の表面を被
覆する表皮材２１ならびにパッド材２２は第１図で示す
ようにパッド材２２がガーニッシュ２０のコーナー部２
０ａからさらに下方に延設され、このパッド材２２の端
縁２２ａがウエザーストリップ１０の段部１３よりやや
上方に位置するように設定されている。

よって、ウエザーストリップ１０をガーニッシュ２０側
に取付けた状態では、第２図に示すように、段部１３を
境にしてウエザーストリップ本体１１の下部１１ｂをス
テープル３０によりフランジ２３の外側面２３ａに固定
すれば、ウエザーストリップ本体１１の上部１１ｃとフ
ランジ２３の外側面２３ａとの間に段部１３の高さに相
当する幅の間隙が形成され、この間隙内に、パッド材２
２の端末２２ａが位置するように設定すればよいため、
パッド材２２の端末２２ａの位置決めや、このパッド材
２２の剥離作業を多少ラフに行なっても、ウエザースト
リップ本体１１の上部１１ｃにより確実にカバーされ
る。

したがって、ガーニッシュ２０のコーナー部２０ａには
所定厚みのパッド材２２が介挿されることになり、本例
の如くウエザーストリップ１０の上端１０ａをガーニッ
シュ２０の上端より低い位置に設定した仕様によって
も、製品ラインを構成するこのコーナー部２０ａはスト
レートなラインを形成し、外観意匠性が著しく向上す
る。

また、ウエザーストリップ１０は、段部１３により従来
のフラットタイプのウエザーストリップに比べ剛性が強
化されているため、ガーニッシュ２０が熱変形により反
り現象が生じたとしても、これに追従してウエザースト
リップ本体１１が変形するのを可及的に防止でき、ウエ
ザーストリップ１０は何等蛇行が生じないものであるか
ら、ウインドガラスに対する良好なシール性ならびにウ
インドガラスの昇降操作における円滑な操作性が保証で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に使用するウエザーストリップとドアト
リムのガーニッシュを示す全体斜視図、第２図は同ウエ
ザーストリップをガーニッシュに取付けた状態を示す一
部破断斜視図、第３図は従来のウエザーストリップとガ
ーニッシュとを示す全体斜視図、第４図は従来のウエザ
ーストリップの取付状態を示す一部破断斜視図である。 １０……自動車用ウエザーストリップ １１……ウエザーストリップ本体 １２……金属製芯金 １３……段部 ２０……ガーニッシュ ２１……表皮材 ２２……パッド材 ２２ａ……端末 ２３……フランジ ３０……ステープル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ドアウエスト部に相当するガーニッシュの
   先端部を折曲してフランジを形成するとともに、ガーニ
   ッシュ表面をパット材付表皮材により被覆し、かつガー
   ニッシュのフランジ面に添設される部位のパッド材を剥
   離して、このフランジの外側面にウインドガラスをシー
   ルするシール片を備えたウエザーストリップをステープ
   ル、もしくはウエザーストリップ内部に埋設した芯金を
   切り起こし形成した係止爪等の係止部材により固定する
   ようにしたウエザーストリップの取付構造において、 前記ウエザーストリップの長手方向のほぼ中央ラインに
   沿って段部を設け、この段部を境としたウエザーストリ
   ップの上部とガーニッシュのフランジ外側面との間に間
   隙を形成し、上記間隙内にパッド材の端末を設定したこ
   とを特徴とする自動車用ドアトリムにおけるウエザース
   トリップの取付構造。