JPS6119156Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、奥基準で送られて来た用紙を、受
入ローラと受渡しローラとの間に設けた前部基準
端に寄せて前部基準端に整列させる丁合機等の整
列装置に関する。

電子写真複写機で複写を行う場合、操作の容易
なことから、原稿の相隣れる２辺を載置ガラス上
の前縁と側縁に合せて載置する方法が広く採用さ
れているが、露光工程においてレンズによつて感
光体上に結ぶ像は原稿と前後左右が逆になるた
め、それ以後の工程は操作者から見て奥基準で進
行し、複写機からは奥基準でコピーが排出され
る。複写機より排出されたコピーを自動的に仕分
け及び丁合を行う丁合機は事務処理の自動化のた
め今後広く使用されるものと考えられるが、丁合
機ではコピーを収納する収納ビンが幾段にも上下
に並置されているため、奥基準でコピーが収納さ
れると、特にコピーのサイズが小さい場合、視認
並びに取出しに不便であり、前部基準で収納され
ることが望ましい。そのために、例えば入口ロー
ラと中間ローラの間に前部基準端を設けて整列部
とし、奥基準で送り込まれて来るコピーをこの間
で斜方向又は横方向に移動させて前部基準端に寄
せて前部基準に整列させることが行なわれてい
る。

その際、何らかの原因でコピーが回動し、頭突
込み状態（用紙前縁の一方の隅角が先に前部基準
端に当接した状態）が起ると、コピーの隅角部が
折れ曲つたり、コピー前縁が前部基準端に沿う方
向に回動するおそれがある。

このような点を考慮した、頭突込みを回避した
用紙の整列装置として従来知られているものを挙
げると、例えば特開昭51−147326号公報には、第
１図に示す如く、受入ローラ１に続いて搬送方向
に対して約45゜傾斜して設けられた斜向ローラ４
及び前部基準端３の近傍に、搬送方向の分速度が
前記斜向ローラ４のそれよりも大きい斜向ローラ
５を設けた装置が示されている。この装置によれ
ば用紙のサイズに拘らずローラ４及び５によつて
用紙は反時計方向に回動するので、頭突込み状態
を回避することが可能となるが、部品の点数が多
くなり、構造が複雑になる欠点がある。

又、第２図に示したものは、受入ローラ１と受
渡しローラ２との間に斜向ベルト６を設け、受入
ローラ１から離脱した用紙７を載置してそのまゝ
の姿勢で斜方向に送り、前部基準端に当接すれば
これに沿つて前進し、受渡しローラ２に挿入され
て次の径路に搬送されるものであるが、ベルト駆
動機構の如き高価な部品を必要とし、コストアツ
プの原因となりかねない。

又、第３図に示す如く、用紙７の側縁をたゝき
板８でたたいて前部基準端３に沿わせるものも考
案されているが、用紙７が受入れローラ対、又は
受渡しローラ対に挾まれている時にたたいても横
移動しないので、用紙を寄せる時適当なタイミン
グを取つてたたく必要がある。

本考案者等は、この点に着目し、従来の装置の
上述の問題点の解決に寄与する提案をさきに行つ
た。

その１つの提案（実願昭54−134807）の要点は
第４図乃至第６図に示す如く、受入ローラ１と受
渡しローラ２及び操作者９より見て手前側に設け
られた前部基準端３により囲まれた整列部１１の
下ガイド板１０に斜向コロ１２を、上ガイド板１
３の下面に適度の押圧力で接触するように設け、
その位置を最小サイズの用紙を奥基準で受入ロー
ラ１から受取り、前部基準で受渡しローラ２に渡
すことの出来る位置で、かつ、第６図に示す如
く、奥基準で受入ローラ１から離脱した各サイズ
の用紙の重心位置G₁，G₂，G₃を通り、斜向コロ
１２の斜向方向に平行な直線L₁，L₂，L₃の最も
手前側の直線より手前側にある範囲Ａの中に設定
したことを特徴としている。したがつて、奥基準
で受入ローラ１から第４図に示す〔〕の位置に
排出された用紙７は、斜向コロ１２により前部基
準端３に寄せられると同時に、斜向コロの斜方向
の駆動力と用紙重心に働く慣性力との偶力によ
り、用紙７は反時計方向に回動し、第４図中に
〔〕で示す如く後縁の一方の隅角１９が先に前
部基準端３に当接し、いわゆる逆頭突込み状態が
得られ、その後斜向ローラ１２の駆動力により用
紙７の手前側の縁全体が前部基準端３に倣つて整
列され、搬送されて〔〕の姿勢で受渡しローラ
２に渡される。

他の提案（実願昭54−133892）は第７図に示す
如く、前述の考案同様整列部１１の下部ガイド板
１０に斜向コロ１２が設けられているが、その位
置は最小サイズの用紙を奥基準で受入ローラ１か
ら受取り、前部基準で受渡しローラ２に渡すこと
の出来る範囲A′内にあり、かつ、斜向コロ１２
と奥基準の間に用紙の進行を制動する制動部材２
０を設けたことを特徴とするものである。この場
合は、受入ローラ１から排出された用紙は、斜向
コロ１２により前部基準端３に寄せられると同時
に、斜向コロ１２の駆動力と制動部材２０による
制動力の偶力により用紙７は反時計方向の回動力
が与えられ逆頭突込状態が得られる。

この２つの提案により、従来の装置の欠点はか
なり解決出来るが、用紙のサイズが、例えばB4
判の如く大型化した場合は、用紙の質や重量によ
つては斜向コロで支承された中央部から離れた両
端部が垂下して下ガイド板１０に接触して摩擦を
生じたり、あるいは用紙の重量の関係で、斜向コ
ロの駆動力のみでは搬送力が不足し、用紙が前進
しないと言う現象が起ることがないとは言えな
い。

この考案は上述の問題点にかんがみ、この装置
に使用される全サイズの用紙に対して、前部基準
端に逆頭突込み状態で当接させて整列させた後、
受渡しローラ迄確実に搬送することの出来る整列
装置を提供することを目的とする。

以下、この考案を実施例を示す図面にもとずい
て詳細に説明する。第８図に示す実施例では、第
７図により説明した前述の考案と同じく、図中に
A′で示した範囲に斜向コロ１２を設け、かつ斜
向コロ１２と奥基準との間に用紙の進行を制動す
る制動部材２０を設けた上、更に斜向コロ１２と
奥基準との間であり、かつ斜向コロのみでは搬送
力が不足するおそれのある大サイズの用紙が奥基
準で受入ローラ１より離脱し、前部基準で受渡し
ローラ２に渡される迄の間常に用紙と接触する範
囲Ｂに、用紙の搬送方向に送り力を有する補助ロ
ーラ２１が下ガイド板１０に設けられている。

この装置は以上の如く構成されているので、受
入ローラ１から奥基準で排出された大サイズの用
紙は、斜向コロ１２と補助ローラ２１とで支承さ
れ、かつ斜向方向及び搬送方向の送り力が与えら
れるので、特に大サイズの用紙の場合問題となる
両端部の垂下によるガイド板との摩擦、用紙の重
量等に基く搬送力不足を解消することができる。
補助ローラ２１の目的は以上の如く特に搬送力不
足の発生する可能性のある大サイズの用紙を円滑
に搬送することにあるので、これを設置する位置
は、搬送力不足が問題になる大サイズの用紙を出
来るだけ端部で支承するようにすることが好まし
く、第８図において範囲Ｂの右下の隅の方にする
のが好都合である。

補助ローラ２１の周速を斜向コロの周速の搬送
方向の分速度より若干遅目に設定しておけば、両
者によつて用紙は斜向しつつ反時計回りに回動
し、斜向コロ１２と制動部材２０との作用により
逆頭突込み状態で前部基準端３に当接し、その後
用紙の側縁は基準端３に沿つて整置された後も反
時計回りの回動力が適度に加えられることにより
用紙前縁部の角を中心に時計方向に回動すること
を防止することができる。斜向コロ１２と補助ロ
ーラ２１は、第９図に示す如く、１本の駆動軸１
５に設けたプーリ１６，２２とこれらのコロの軸
１３′，２３に設けたプーリ１４，２４の間に掛
け渡したベルト１７，２５により駆動し、プーリ
の直径の比を適切にきめることにより、前述の如
く補助ローラ２１の周速を斜向コロ１２の周速の
搬送方向分速度より若干遅くすることが可能とな
る。

以上の如く、この考案によれば、簡単な構成で
その装置に使用されるあらゆるサイズの用紙を、
逆頭突込み状態で前部基準端に当接させて整列さ
せ、受渡しローラに渡す迄確実に搬送することが
可能になるので、操作性の向上、装置のコストア
ツプの回避に顕著な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はそれぞれ従来の用紙整列装
置の例を示す平面図、第４図は整列装置の改良に
関する１提案を示す平面図、第５図はその断面
図、第６図はその斜向コロの位置を説明するため
の図、第７図は同じく別の提案を示す平面図、第
８図は本考案の実施例を示す平面図、第９図はそ
の実施例の斜向コロ及び補助ローラの駆動装置の
平面図である。 １……受入ローラ、２……受渡しローラ、３…
…前部基準端、７……用紙、１１……整列部、１
２……斜向コロ、２０……制動部材、２１……補
助ローラ、A′……斜向コロ設置範囲、Ｂ……補
助ローラ設置範囲。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 奥基準で送られて来た用紙を受入ローラと受
   渡しローラとの間に設けた前部基準端に寄せて
   前部基準端に整列させる用紙の整列装置におい
   て、受入ローラと受渡しローラ及び前部基準端
   で囲まれた整列部に、最小サイズの用紙を奥基
   準で受渡しローラに渡すことの出来る位置に設
   けた斜向コロ、該斜向コロと奥基準との間に設
   けられ用紙の進行を制動する制動部材及び斜向
   コロと奥基準との間であつて少なくとも大サイ
   ズの用紙が奥基準で受入ローラを離れ、前部基
   準で受渡しローラに受渡される迄の間常に用紙
   と接触する範囲に設けられ、用紙の搬送方向の
   送り力を有する補助ローラを有することを特徴
   とする整列装置。 (2) 補助ローラの周速を斜向コロの周速の搬送方
   向の分速度より若干遅くしたことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲の第１項に記載の整列
   装置。