JPS6118811Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は化粧料等を収容する平面矩形の容器本
体を箱形の中空ケース内に摺動自在に配設してな
る引出し式コンパクト容器に関するものである。

従来、この種のコンパクト容器では化粧料等を
収容する容器本体の後端部に係合爪片を突出形成
し、容器本体を充分に引出した時にこの係合爪片
が中空ケースの前端内面に形成した突部に突当つ
て係合し容器本体が中空ケースから不用意に離脱
するのを防止している。しかしながら、この従来
のコンパクト容器では一旦組立てた後は、所望の
場合にも容器本体を中空ケースから取り外すこと
ができないため、異種または異色の化粧料を充填
した他の複数のレフイル用容器本体を適宜交換し
て使用することができず不経済かつ不便であつ
た。

また、従来の引出し式コンパクト容器では、容
器本体と中空ケースとの間の密封シールが良好で
ないため、不使用時に於ても化粧料の香りが外部
に漏出して、香料が比較的短期間内に飛散してし
まうと言つた問題があつた。

本考案は上記の問題点に着目してなされたもの
で、その目的は通常の使用状態においては容器本
体が中空ケースから不用意に離脱することはない
が、所望の場合には簡単な操作によつて容器本体
を中空ケースから取り外すことができ、これ故異
種または異色の化粧料を充填した複数の容器本体
を用意しておけば、これら容器本体を適宜交換し
て使用することができ、しかも容器本体と中空ケ
ース間の密封状態が良好に維持されるコンパクト
容器を提供するにある。

以下に本考案の好適な実施例を示す添附図面を
参照にして詳述する。

１は前後端部が開口した箱形の中空ケースを示
し、この中空ケース１の前端開口部２からその内
部に平面矩形の容器本体３が引出し自在に嵌挿さ
れる。中空ケース１を構成する底板４の後端中央
部５は円弧状に切欠され、その円弧状切欠部の両
側は後方に向けて隆起し、ここに一対の凹部６−
６が形成されている。また、底板４の前端両側部
には一対の前方へ向けてテーパ状とした係合段部
７−７が形成され、この段部の内側には更に前方
へ向けてテーパー状とした隆起部８−８が形成さ
れここに凹部９−９が設けられている。また、中
空ケース１を構成する上板１０の前方約半分には
凹陥部１１が形成されており、上板１０の上面に
は化粧板１２が接着されている。

容器本体３は中央仕切壁１３によつて前方の化
粧料収納凹所１４と後方の鏡１５を収納する凹所
１６に区分されている。容器本体３の底部後端側
には、前記中空ケース１の底板４の後端側凹部６
−６と嵌合する突部１７−１７が形成され、この
突部１７−１７の両側には爪状突片１８−１８が
下方に向けて突出形成されている。また、容器本
体３の底部前端側には、中空ケース１の底板４の
前端側凹部９−９と嵌合する突部１９−１９が形
成されている。また、本考案では容器本体３の化
粧料収納凹所１４を画成する上縁部に比較的肉厚
な細幅クツシヨン材２０−２０を接着してなり、
好ましくはこの凹所１４を画成する上縁全周に比
較的肉厚なクツシヨン材２０を接着することであ
る。更に、このクツシヨン材２０は容器本体３の
後端上縁にも帯状に接着されてなる。

上記のような構成に係る容器本体３をその後端
から中空ケース１の前端開口部２に挿入して充分
に押し込むと、容器本体３の後端部及び前端部に
それぞれ形成した突部１７−１７と１９−１９や
中空ケース１の底板４の後端部及び前端部にそれ
ぞれ形成した凹部６−６と９−９に嵌合し、容器
本体３は中空ケース１内に完全に収納された状態
となる。この状態に於ては、化粧料収納凹所１４
を画成する上縁部に接着されたクツシヨン材２０
は中空ケース１の上板１０の内側面に若干圧縮さ
れた状態で圧接しているため、凹所１４の上端開
口部はクツシヨン材２０によつて密封されるとと
もに容器本体３はクツシヨン材２０によつて下方
に弾性的に押圧され、上記突部１７−１７，１９
−１９と凹部６−６，９−９との嵌合が不必要な
時に解放されないように保持している。

上記のように中空ケース１内に収納された容器
本体３を前方に引くと、上記突部１７，１９と凹
所６，９との嵌合が解かれ、容器本体３は引き出
されるが、容器本体３を第５図に示すように充分
に引出した位置に於ては、容器本体３の後端部に
形成した爪状突片１８−１８が中空ケース１の底
板４の前端部に形成された段部７−７と係合して
容器本体３が中空ケース１から離脱するのを阻止
する。従つて容器本体３を引出した時にこれが不
用意に中空ケース１から離脱するのを防止するこ
とができる。

次に、この容器本体３を中空ケース１から取り
外したい場合には、第６図に示すように容器本体
３の後端側のクツシヨン材２０を圧縮するように
して押し上げてやる。こうすることによつて、容
器本体３の爪状突片１８が中空ケース１の段部７
−７の上方へ分離するので、容器本体３を上記の
ように押し上げたまま前方へ引いてやれば簡単に
取り外すことができる。

以上のように本考案では、容器本体３を通常の
使用状態で引き出した時には中空ケース１から不
用意に離脱することがないが、所望の場合には容
器本体３の上縁部に接着したクツシヨン材２０を
圧縮するように容器本体３を押し上げながら引き
出すことによつて極めて簡単に容器本体３を中空
ケース１から取り外すことができるので、ある一
つの容器本体３内の化粧料が使用し尽された時に
レフイル用として予め準備されている新たな化粧
料を充填した同構造の別な容器本体と簡単に差し
換えることができる。更には、異種または異色の
化粧料を充填した複数の同構造の容器本体３を予
め準備しておけば、好みに合せて適宜容器本体３
のみを交換して使用することが可能となり極めて
経済的で便利なコンパクト容器とすることができ
る。

また、化粧料収納凹所１４の上縁のクツシヨン
材２０が中空ケース１の上板１０の内壁面に密着
するため、このクツシヨン材２０が容器本体３を
中空ケース１内に格納した時に化粧料の密封シー
ル材としても機能し化粧料中に含まれている香料
等が飛散するのを阻止する効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコンパクト容器の中空ケ
ースと容器本体とを分離して示す斜視図、第２図
は中空ケースの上板を除去して内部を示す斜視
図、第３図は容器本体の底部を示す斜視図、第４
図は容器本体を中空ケース内に格納した状態にお
ける断面図、第５図は容器本体を中空ケースから
充分に引出した状態における断面図、第６図は容
器本体を中空ケースから取り外す操作を示す断面
図である。 １……中空ケース、３……容器本体、７……係
合段部、１４……化粧料収納凹所、１８……爪状
突片、２０……クツシヨン材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 化粧料等を収容する凹所を有する平面矩形の
   容器本体を箱形の中空ケース内に摺動自在に配
   設してなる引出し式コンパクト容器において、
   該容器本体はその後端部に第１の係合手段を一
   体的に形成してなり、該中空ケースはその前端
   部内面に第２の係合手段を一体的に形成して該
   容器本体を通常の状態で充分に引出した時に該
   第１の係合手段が該第２の係合手段に係合して
   該容器本体が該中空ケースから離脱するのを阻
   止してなり、該容器本体の後端上縁部並びに該
   化粧料収容凹所を画成する上縁部に沿つてクツ
   シヨン材を添着し、該容器本体を充分に引出し
   た後に該容器本体を該中空ケースに対して押上
   げて該クツシヨン材を圧縮することによつて該
   第１の係合手段と該第２の係合手段との係合を
   解除し、該容器本体を該中空ケースから引出し
   分離可能としてなることを特徴とする引出し式
   コンパクト容器。 ２ 前記前記材を前記容器本体の前記化粧料収納
   凹所を画成する上縁全周に亘つて添着してなる
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のコンパクト容器。