JPS6118332A - 回転電機のコイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は回転電機のコイル、特にコイルエンド部とこ
れに接続される位相リングを熱硬化性樹脂で流動浸漬塗
装するものにおいて、位相リングのスペーサ挿入部分の
緊縛材による偏肉を防止することに関する。

〔従来技術〕

一般に、回転電機の固定子や回転子のコイル絶縁方法と
しては、コイルの全周をマイカテープの如き絶縁テープ
またはシートで巻回し、鉄心のスロットに挿入したのち
、リード部等を接続後、接続部に絶縁テープを巻回し、
その後、全体を含浸タンク中で絶縁ワニスを真空加圧含
浸し、乾燥炉中で加熱硬化させて絶縁層を形成する方法
が広く採用されている。

この全含浸コイル絶縁方法を固定子コイルにつき第２図
および第３図で説明する。第２図に示す如く固定子鉄心
のスロットに挿入されるスロット部（１）と、コイルエ
ンド部（２）　（ノーズ部（２１）、リーｉ゛部（２２
）を含む）から構成されたコイル本体（３）単体時にお
いてコイルエンド部（２）全部に絶縁テープまたはシー
トを巻装し、絶縁層（４）を形成する。

その後、第３図に示す如くコイル本体（３）を鉄心（５
〕のスロットに挿入し、リード部（２２）および位相リ
ング（６）を接続し、その後この接続部ｔこ絶縁テープ
で絶縁層（４）を施し、−コイルエンド部偉）の支持と
してコイルエンド部（２）の相互間にスペーサ（７）を
打込み、かつコイルエンド部（２）の先端部外周にプレ
ースリング（８）の取付けを行なう。次に全体を含浸タ
ンク中に装填し、絶縁ワニスを真空加圧含浸した後、乾
燥炉中で加熱硬化させるものである。

しかしながらこの方法では、コイル単体時においては、
スロット部（１）やコイルエンド部（２）のノーズＮ（
２１）の一部には、例えばテーピングマシンのような機
械による作業が可能で絶縁性能が安定しているが、ノー
ズ部（２１）の先端部やリード部（２２）、および鉄心
（５）へのコイル挿入後のリード部（２２）並びに位相
リング（６）の接続部の絶縁は、その形状の複雑さから
手作業に頼らざるを得ず、作業に長時間を要する上、絶
縁テープの巻装作業性が悪いため、絶縁ワニス含浸硬化
処理後においても十分齋こ緻密な絶縁を得ることが困難
であり、絶縁上の弱点個所も殆ど全てがこの部分に集中
しており、絶縁処理上の大きな難点とされていた。

かかる問題を解決するために、第４図および第５図に示
す方法が従来提案されている（例えば特願昭５８−３６
１１６号）。即ち、コイル本体（３）単体時においては
、第４図に示すようにスロット部（１）およびノーズ部
（２１）の一部までマイカテープまたはマイカシートの
如き適当な絶縁テープまたは絶縁シートによる絶縁層（
４）を施し、ノーズ部（２１）の残りの部分やリード部
（２２）には何ら絶縁を施すことな（、第５図のように
コイル本体（３）を鉄心（５）のスロットに挿入する。

次いで、リード部（２２）の結線接続ならびにリード部
（２２）と位相リング（６）との接続を行なう。その後
、固定子全体が十分加熱された状態で固定子を立置にし
て、コイルエンド部（２）−を絶縁層（４）と適当にラ
ップする範囲まで流動浸漬槽に浸漬し、コイルエンド部
（２）および位相リング（６）の全てにエポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂（他にエステルイミ
ド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂
、ポリエステル樹脂等を使用することもできる）の流動
浸漬塗装絶縁を一括して行・ない、絶縁層（９）を形成
する。最後に、固定子全体を含浸タンク中にて絶縁ワニ
スを真空加圧含浸し、乾燥炉中で加熱硬化させて絶縁層
を形成する。なお、（ｌＯ）は位相リング（６）間のス
ペーサ、（１１）はこの部分の緊縛材である。更に、特
願昭５８−３６１１５号では第４図の状態で７一ズ部（
２１）に熱硬化性樹脂を流動浸漬塗装し、しかる後、コ
イル本体（３）を鉄心（５）のスロットに挿入し、適宜
結線接続を行なった後かかる結線部に熱硬化性樹脂を流
動浸漬塗装し、その後固定子全体を絶縁ワニスで真空加
圧含浸するコイル絶縁方法が提案されている。

このようにコイルエンド部に樹脂の絶縁層を流動浸漬塗
装することにより、かかる絶縁層の形成を鉄心スロット
にコイルを挿入する前に行なうか後に行なうかに係わら
ず、この部分Ｉど絶縁テープやシートを巻回する手作業
が不要になり、従って作業が簡単になりかつ緻密な絶縁
層を得ることができる。

しかして位相リング（６）間にはこれら位相リングを所
定の隔置関係に保持するために回転電機の円周方向に間
隔を置いた適宜の個所（回転電機の大きさにもよるが通
常は４〜２０個所程度）にスペーサ（１０）を挿入しく
３ＫＶ級回転電゛機では位相リング間距離をｌ団〜１０
調とってコロナ劣化を防止している）、このスペーサ挿
入部分において位相リング（６）およびスペーサ（１０
）を緊縛材（１１）で一体的に巻回している。しかるに
従来は緊縛材（１１）として強度が優れていることに着
目して樹脂プリプレグテープを一般に使用しており、そ
の熱容量が大きいために、熱硬化性樹脂の流動浸漬塗装
時に緊縛材（１１）に粉体塗料が′多量に付着し、緊縛
材（１１）の部分の絶縁層（９）の厚さが位相リング（
６）の他の部分より厚くなり、クラックが発生しやすい
欠点があった。

〔発明の概要〕

この発明は従来のもののかかる欠点を除失するためにな
されたもので、緊縛材として熱容量の小さい多孔質材料
を使用することによりこの部分に多量の粉体塗料が付着
するのを防止して薄膜化した、回転電機のコイルを提供
することを目的とするものである。

〔発明の実施例〕

以下、この発明の一実施例を第１図について説明する。

第１図において、（ＩＩＡ）は多孔質材料からなる電気
絶縁性緊縛材であってその他は第５図の従来のものと同
様である。この多孔質材料としては例えばガラステープ
、マイカテープ、テトロンテープ等があり、厚さは０．
０１〜０．５　’ｍが適当である。これらのテープはス
ペーサ（ｌＯ）の円−周方向の寸法と同一またはそれ以
上となされ、１〜１０回巻回される。このように緊縛材
’　（１１Ａ　）で位相リング（６）およびスペーサ（
１０）を一体的に巻回した後、緊縛材（１１Ａ）を粘着
テープで止める。粘着テープとしてはポリイミドフィル
ム、ポリエステルフィルム、ポリアミドイミドフィルム
などの基材に粘着剤を塗布したもので、厚さ０．００５
〜０．１咽のものが用いられ、少なくとも１〜５回巻回
する。このような粘着テープは緊縛部の厚さを実質的に
大きくするこきがなく好適ではあるが他の紐、糸状材料
で止めても良い。このように緊縛材（ＩＩＡ）を止めた
後、従来と同様の方法で熱硬化性樹脂の粉体塗料を流動
浸漬塗装する。流動浸漬塗装を行なう際、コイルの加熱
、浸漬を反復して行なっても、この発明では緊縛材とし
て多孔質材料を使用しており、従来の樹脂プリプレグチ
ーブより熱容量が小さいのでこの部分に多量の粉体塗料
が付着することが防止され、位相リング（６）の樹脂絶
縁層（９）の膜厚の均一を図ることができる。このよう
に絶縁したコイルを賄備した固定子はその後含浸ワニス
で全含浸（真空加圧含浸が一般的であるが、真空含浸等
信の含浸方法でも良い）し、所定の硬化を行なう。

以下、この発明の一興体例とその試験結果を示す。

まず、銅線に２重ガラス繊維処理（銅線にガラス繊維を
巻きつけて絶縁ワニスを塗布し、更にその上に再びガラ
ス繊維を巻きつけて絶縁ワニスを塗布する）を施したコ
イル緊線を２列８段に形巻して亀甲形のコイル本体を形
成し、絶縁層（４）を施した７２本のコイル本体をスロ
ット数７２．３．３ＫＶ誘導電動機の固定子（内径７２
閣）のスロット内に挿入した後、これらのコイル本体を
結線すると共に位相リング（６）も取付けた。

位相リング（６）のスペーサ（１０）挿入部は多孔質の
ガラステープを４回巻回して緊縛し、厚さ０．０２＋＋
ｍのカプトン粘着テープを２回巻回して止めた構造にし
た。この構造のコイルを１８０℃に加熱し、エポキシ樹
脂の流動浸漬塗装を５回反復して行なった。このように
して位相リング（６）上に得られた樹脂絶縁層（９）の
膜厚はほぼ均一でスペーサ挿入部分（即ち緊縛部分）と
他の部分との間に実質的な差は認められなかった。

このようにしてエポキシ樹脂の絶縁層（９）を形成した
固定子をエポキシ樹脂で全含浸して所定の硬化を行なっ
た。

このように絶縁したコイルを有する固定子を、交流２０
ＫＶの電圧を水中で１分間印加する耐電圧試験によって
試験した結果では、全く異常はなく、更に、水中で交流
１０ＫＶの電圧を１００時間印加しても、何ら異常は認
められず、良好な試験結果が得られた。

なお、前１記実施例は固定子について示したが回転子に
も同様に適用しうるものである。

〔発明の効果〕

以上のようにこの発明は位相リングのスペーサ挿入部の
緊縛材として熱容量の小さい多孔質材料を使用するので
、流動浸漬塗装時に緊縛材に多量の粉体塗料が付着する
のが防止され一位相リング上の樹脂絶縁層の膜厚を均一
化することができ、偏肉によるクラックの発生を防止で
きる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明によ、る回転電機固定子コイルの断面
図、第２図および第３図は従来のコイル絶縁方法を説明
するためのコイルの部分断面−図、第４図および第５図
は第２図および第３図の絶縁方法を改良した従来の絶縁
方法を説明するためのコイルの断面図であり、図中同一
符号は同一部または相当部を示す。なお、図中（１）は
スロット部、（２）はコイルエンド部、（３）ハコイル
本体、（４）は絶縁テープまたはシートを巻回して形成
した絶縁層、（６）は位相リング、（９）は熱硬化性樹
脂絶縁層、（１０）はスペーサ、（ＩＩＡ）は多孔質材
料の緊縛材である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）回転電機の固定子または回転子に挿入されるスロ
   ット部およびコイルエンド部を有するコイル本体、およ
   び前記コイル本体に接続される位相リングを有し、前記
   スロット部およびコイルエンド部のノーズ部の一部まで
   巻回された絶縁テープまたは絶縁シートからなる絶縁層
   および前記絶縁層に重なるところまで前記コイルエンド
   部および位相リングに熱硬化性樹脂粉体塗料を流動浸漬
   塗装してなる樹脂絶縁層を有し、前記位相リングは、回
   転電機円周方向の適宜の位置で位相リング間にスペーサ
   を挿入しこのスペーサ挿入部分を緊縛材で一体的に緊縛
   してなるものにおいて、前記緊縛材として多孔質材料を
   使用することを特徴とする回転電機のコイル。
2. （２）多孔質材料がガラステープ、マイカテープまたは
   テトロンテープである特許請求の範囲第１項記載の回転
   電機のコイル。