JPS6118094Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は軽量気泡コンクリート壁版、特に
ALC版を布基礎や鋼製梁等に建込む際に用いる
壁版支持金物に関するものである。

従来の軽量コンクリート壁版、特にALC版を
布基礎に支持固定する工法は、断面Ｌ字形の受鋼
材を、その立上り部分を外側にして布基礎の頂面
にアンカーボルトにて取付け、受鋼材の立上り部
に壁版の下端部を当接して壁版を建込んで、その
後に壁版と床版との間にモルタルを充填して固定
するようにしている。しかし、この様な工法で
は、住宅建築において吹抜け部や玄関、浴室等に
は床版がなくモルタル等を充填することができ
ず、特別な押え金物が必要とされる。また、上述
の工法において、モルタルの充填により固定する
代りに、溝形鋼の様な柱脚を、受鋼材を布基礎上
に固定するアンカーボルトを利用して受鋼材と一
緒に布基礎に固定して、受鋼材と柱脚との間にて
壁版を挾持する工法もみられる。しかし、いづれ
の工法も特別な押え金物や、高価につく柱脚を別
個に必要とし、手間がかゝり、不経済である等の
欠点がある。

従つて、この考案の目的はこの様な従来での目
的を解決するために断面Ｌ字形の壁版支持金物の
底板部の端面より切込まれた２本の切込みの間を
起して成る立上り押え部を複数個設けて壁版を簡
単且つ容易に建込み固定するようにした壁版支持
金物を提供することにある。

この考案の他の目的と特長と利点は以下の添付
図面に沿つての詳細な説明から明らかになろう。

第１〜３図に示される様に、この考案の壁版支
持金物１は立上り部３と底板部４とから成る断面
Ｌ字形の金物本体２から主に構成されている。金
物本体２の底板部４には第２図に明示される様に
２本の切込み５が設けられ、この２本の切込み５
の間の部分を建込み時に起して立上り押え部６を
形成しており、また布基礎８や梁に取付けるため
のボルト孔が設けられている。

この様に構成されたこの壁版支持金物１は第２
図に示される様に布基礎８に、金物本体２の立上
り部３が布基礎８から外方にやゝ張り出す様に予
め現場打した布基礎８の上にアンカボルト９によ
り取付けられる。勿論、壁版支持金物１は布基礎
だけでなく地中梁や鋼製梁の天端上にボルトや溶
接等によつて固着できるものである。また、壁版
支持金物１の金物本体２の底板部４に切込まれた
切込み５にて形成される立上り押え部６を壁版建
込み前にやゝ立上げておくことにより壁版建込み
時に壁版を容易に押えることができて好適であ
る。また、立上り押え部６は根元部分の幅が先端
部分よりも狭くなるようにしておけば、壁版押え
部分が広くなり且つ立上げ易くなり作業が一層容
易になる。

この様に布基礎８や梁に固定された壁版支持金
物１に軽量気泡コンクリート版、所謂ALC版か
ら成る壁版１０が建込まれる。この建込に際して
は壁版１０の端部を壁版支持金物１の立上り部３
に当接設置し、金物本体２の底板部４の立上り押
え部６を丸鋼、所謂バール等によつて立て起して
壁版１０に密着させて立上り押え部６により壁版
１０を押え支持する。この様にして壁版１０は布
基礎８や梁等に壁版１０を介して簡単且つ容易に
固定でき、金物本体２の立上り部３が定規として
建込まれるので壁版間の目違いが生じ難く、建込
みが容易で、経済的な施行が可能となり、住宅建
築として経済的で、工期を短縮できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は布基礎に取付けられたこの考案の壁版
支持金物を立上り押え部を起した状態を示す斜視
図で、第２図は立上り押え部を起さないで示す斜
視図、第３図は壁版を建込んだときの状態を示す
断面図である。 図中、１：壁版支持金物、２：金物本体、３：
立上り部、４：底板部、５：切込み、６：立上り
押え部、８：布基礎、９：アンカボルト、１０：
壁版。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 布基礎、地中梁または鋼製梁の天端上にＬ字形
   断面の立上り部を外方にして固着される壁版保持
   用の壁版支持金物において、壁版支持金物の底板
   部の端面より切込まれた２本の切込みの間を起し
   て形成される立上り押え部が複数個設けられるこ
   とを特徴とする壁板支持金物。