JPS6117697Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は固形フアンデーシヨンやクリーム状
フアンデーシヨンなどを収納することができるコ
ンパクト容器に関する。

女性の化粧の手順としては、一般に、洗顔後の
化粧水、乳液、スキンローシヨン、クリーム状フ
アンデーシヨン（コントロールカラー等のベース
クリーム）、固形フアンデーシヨンの順序で行な
われている。

ところで、コンパクト容器には、通常、前記各
種化粧品のうち、固形フアンデーシヨンが収納さ
れており、外出先などにおける簡単な化粧直しの
際に多く使用されているが、場合によつてはこの
固形フアンデーシヨンの他に、クリーム状フアン
デーシヨンなどもしばしば必要になることがあ
る。

ところが、従来のコンパクト容器は、周知のよ
うに蓋体を閉じても容器本体が密封される構造と
はなつていないことから、クリーム状フアンデー
シヨンなどの粘性の低い流体物を収納しておくこ
とは不可能であり、このため、このようなクリー
ム状フアンデーシヨンなどは携帯用の瓶などに入
れてコンパクトとともに持ち歩かなければならな
い不便さがあつた。また、特に外出先などにおけ
る急な化粧直しを必要とするときなどに容器が
別々なので不便なことが多かつた。

この考案は、以上のような点を考慮してなされ
たもので、固形状フアンデーシヨンの他にクリー
ム状フアンデーシヨンも同時に収納することがで
きる機能的なコンパクト容器を提供することを目
的とする。

以下この考案を図面を参照して説明する。

第１図ないし第３図はこの考案のコンパクト容
器の一実施例を示すもので、この実施例のコンパ
クト容器は、上部が開口した容器本体１と、この
容器本体１の一縁にピン２を介してヒンジ結合さ
れ容器本体１の開口部を開閉する蓋体３と、前記
容器本体１の開口部に嵌入されて容器本体１と蓋
体３とで形成される収納空間を上下に分ける中板
４と、クリーム状フアンデーシヨン等の流体物の
取出し部５ａを有して前記中板４の下面と容器本
体１との間に収納される流体物収納容器５とを主
体として構成されている。

前記容器本体１の開口部口縁には段部１ａが形
成されるとともに、蓋体３がヒンジ結合された容
器本体１の一縁に隣接する側壁１ｂには、この側
壁１ｂの上端から切り込んでスリツト１ｃが形成
されている。

また、流体物収納容器５は、クリーム状のフア
ンデーシヨン等の流体物を収容するタンク５ｂ
と、このタンク５ｂに突出された筒状の首部５ｃ
と、この首部５ｃに嵌着されて流体物の注出部と
なる従来周知のデスペンサー等の取出し部５ａと
からなつており、取出し部５ａに設けられている
トツプボタン５ｄを押すことによつてトツプボタ
ン５ｄの先端の注出口５ｅから流体物を注出する
ことができるようになつている。そして、流体物
収納容器５は、その首部５ｃを前記スリツト１ｃ
から容器本体１の外に出して、容器本体１内に収
納されている。なお、流体物収納容器５の厚さＤ
（第３図に示す）は容器本体１の深さより小さく
設定される。

一方、前記中板４の周縁部は容器本体１の開口
部口縁の形状にほぼ合致するように形成されると
ともに、この中板４の周縁部内面は容器本体１の
開口部口縁に形成された段部１ａに当接して位置
決めされ、これによつて中板４は容器本体１の開
口部に嵌入されている。また、中板４の一縁の下
面には、中板４を容器本体１に嵌入した時に前記
流体物収納容器５の首部５ｃに当接して前記スリ
ツト１ｃの上部を塞ぐ突片６が垂設されている。
さらに、中板４の上面中央部には、固形フアンデ
ーシヨン等の固形化粧料やパフ７の収納部Ａを形
成する筒状突出部８が形成されている。なお、中
板４は、この実施例の場合、容器本体１に超音波
溶着等の接着手段にて取り付けられる。

また、前記側壁１ｂの外面であつてスリツト１
ｃの左右には、側壁１ｂから突出して係止突部
９，９が設けられるとともに、容器本体１の角部
側の係止突部９，９の側面にはそれぞれ係止突起
１０，１０が突設されている。そしてこれら係止
突部９，９には、前記取出し部５ａとこれら係止
突部９，９を覆う中空のデスペンサーカバー１１
が、このデスペンサーカバー１１の内壁を前記係
止突起１０，１０に係合させて嵌め込まれてい
る。

そして、蓋体３の周縁部であつて、前記ヒンジ
結合部と反対側の周縁部には、係合片１２が突出
形成されるとともに、前記容器本体１の前記係合
片１２と対応する部分に形成された凹部１３の壁
面には、係合片１２の内面に形成された突条１４
と係合する係止突条１５が形成され、これらでい
わゆる口金部が構成されている。また、蓋体３の
内面には鏡１６が取り付けられている。

以上のように構成されたこの考案に係るコンパ
クト容器を使用する場合には、中板４の収納部Ａ
に固形化粧料とパフ７を入れ、流体物収納容器５
にクリーム状のフアンデーシヨン等を入れて使用
する。そしてデスペンサーカバー１１を容器本体
１から取り外して取出し部５ａを露出させる。次
にトツプボタン５ｄを押してクリーム状フアンデ
ーシヨンを注出させてこれを手またはスポンジ等
で受け取り、蓋体３を開いて鏡１６を見ながら顔
に塗る。続いてパフ７に収納部Ａ内の固形フアン
デーシヨンを付けて顔に塗る。この際中板４はパ
レツトとして使用できる。このようにこの考案に
係るコンパクト容器は容器本体１に固形フアンデ
ーシヨンとクリーム状フアンデーシヨンとが収納
されていて、従来のように固形フアンデーシヨン
とクリーム状フアンデーシヨンを別々な容器に入
れて持ち歩く必要がないため、持ち運びが容易で
ある。また、キヤツプ１１を取り外して取出し部
５ａのトツプボタン５ｄを押すのみでクリーム状
フアンデーシヨンを取り出すことができるため、
取り扱いが容易である。また、取出し部５ａが容
器本体１から突出しているため、クリーム状フア
ンデーシヨンで容器本体１が汚れることがない。

第４図と第５図はこの考案の他の実施例を示す
もので、第１図ないし第３図に示す符号と同一の
符号は同一の構成要素を示し、その説明を簡略化
する。この実施例では、容器本体１の一縁に、蓋
体３と中板４とをピン２でヒンジ結合するととも
に、中板４の周縁下面であつて前記ヒンジ結合部
の反対側に嵌入孔２０が形成された係止板２１を
垂設し、中板４の容器本体１への嵌入時に前記嵌
入孔２０に対応する容器本体１の内面に係止凸部
２２を突設したもので、中板４は容器本体１の開
口部周縁に着脱自在になつている。なお、図面に
符号２３で示すものは、収納部Ａに収納した固形
フアンデーシヨンを中板４の下面側から図示略の
ピン等で押し出して取り外す場合にピンを通すリ
フアイル孔である。

このように中板４を容器本体１の開口部より着
脱自在にすることによつて、流体物収納容器５を
別種の新しい流体物収納容器と交換できるととも
に、固形フアンデーシヨンの入れ換えも容易であ
る。その他の効果は前記実施例のものと同等であ
る。

なお、以上の実施例において流体物収納容器５
の首部５ｃにねじを形成して、取出し部５ａをね
じ込み式に構成してもよい。

以上説明したように、この考案に係るコンパク
ト容器は、容器本体に蓋体をヒンジ結合し、上面
に収納部を設けた中板を容器本体に嵌入するとと
もに、取出し部を容器本体外に出して中板の下の
容器本体に流体物収納容器を収納した構成になつ
ていて、固形フアンデーシヨンに加えてクリーム
状フアンデーシヨンも容器本体に収納することが
できるため、携帯性に優れて外出先などにおける
急な使用の際に非常に便利である。また、流体物
収納容器の取出し部が容器本体から突出している
ため、収納したクリーム状フアンデーシヨン等を
容器本体を汚すことなく容易に取り出すことがで
きる等の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの考案のコンパクト容
器の一実施例を示すもので、第１図は蓋体を閉じ
た状態を示す斜視図、第２図は蓋体を開けた状態
を示す斜視図、第３図は分解斜視図、第４図と第
５図はこの考案のコンパクト容器の他の実施例を
示すもので、第４図は蓋体を開けた状態を示す斜
視図、第５図は分解斜視図である。 １……容器本体、１ｂ……側壁、３……蓋体、
４……中板、５……流体物収納容器、５ａ……取
出し部、Ａ……収納室、８……筒状突出部、１ｃ
……スリツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部が開口した容器本体と、この容器本体の一
   縁にヒンジ結合され容器本体の開口部を開閉する
   蓋体と、上面中央部に固形フアンデーシヨン等の
   固形化粧料の収納部を形成しかつ上記容器本体の
   開口部に嵌入されて容器本体と蓋体とで形成され
   る収容空間を上下に分ける中板と、クリーム状フ
   アンデーシヨン等の流体物の取出し部を有すると
   ともにこの取出し部を容器本体の側壁に形成され
   たスリツトから容器本体の外に出して前記中板の
   下面と容器本体との間に収納される流体物収納容
   器とからなることを特徴とするコンパクト容器。