JPS6116992B2 - - Google Patents

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JPS6116992B2
JPS6116992B2 JP52049422A JP4942277A JPS6116992B2 JP S6116992 B2 JPS6116992 B2 JP S6116992B2 JP 52049422 A JP52049422 A JP 52049422A JP 4942277 A JP4942277 A JP 4942277A JP S6116992 B2 JPS6116992 B2 JP S6116992B2
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JP
Japan
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circuit
signal
note
chord
data
Prior art date
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Application number
JP52049422A
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English (en)
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JPS5326114A (en
Inventor
Akio Hyoshi
Akira Nakada
Shigeru Yamada
Eiichiro Aoki
Eiichi Yamaga
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Nippon Gakki Co Ltd
Original Assignee
Nippon Gakki Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Gakki Co Ltd filed Critical Nippon Gakki Co Ltd
Priority to JP4942277A priority Critical patent/JPS5326114A/ja
Publication of JPS5326114A publication Critical patent/JPS5326114A/ja
Publication of JPS6116992B2 publication Critical patent/JPS6116992B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
この発明は電子楽器における自動ベース演奏の
改良に関する。 一般に自動ベース演奏は、鍵盤でコード(和
音)を指定し、このコードの構成音をベース音と
して所望リズムに従つて1音づつ発音するように
している。指定されたコード根音に対して域る音
程をもつ音(これを従音ということにする)を選
択してベース音として発生する場合、従来は、ベ
ースパターンパルスに応じて前記コードにおける
従音の音名に対応する信号を選択するようにして
いた。アナログ式の電子楽器においては多数の音
源発振器を具え、12音名C〜Bを夫々根音とした
場合における各従音音程(1度、3度………)に
対応する音名の音源信号を選択しうるように多数
のアナログゲートマトリクスを構成している。ま
た、特願昭50−24524号・発明の名称「自動伴奏
装置」の明細書中に記載されたようにデジタル式
の電子楽器においてもやはり、12の各音名別に各
従音音程に対応する音名情報を発生しうるように
多数のエンコーダマトリクスを構成している。す
なわち、従来は12の各音名毎に1度音程の音名、
3度音程の音名………というように従音の音名に
対応する信号を発生もしくは選択しうるようにマ
トリクスが構成されているので、マトリクス構成
する素子数はベースパターンで使用される従音音
程数(N)の12(根音となり得る音名C〜Bの
数)倍の数(すなわちN×12)だけ必要であつ
た。従つて、音程数Nを多くすると素子数が極め
て増加し、装置構成が大型化してしまうという不
都合があつた。このため、従来の自動ベース演奏
において実現可能なベース音音程数Nは必要最小
限な数でしかなく、従つて実現可能なベースパタ
ーンも比較的単純なものに限られていた。例え
ば、従来は、自動ベース音音程としてせいぜい1
度、短3度、長3度、完全5度、及び短7度の音
程が使われている程度にすぎなかつた。 音楽的に好ましいベース演奏は一般に「ウオー
キング・ベース」といわれる複雑に音程変化する
ベース演奏であり、このような演奏効果は従来の
自動ベース演奏装置においては実現することがで
きなかつた。「ウオーキング・ベース」を実現す
るには、2度、4度、6度あるいは1オクターブ
上の音程なども必要に応じて発生可能な構成とし
なければならず、ベースパターンで使用する音程
数Nは格段に増える。このため、従来の自動ベー
ス演奏装置においては「ウオーキング・ベース」
を実現するには装置構成上及びコストの面での制
約が大きすぎたのである。 この発明の目的は、「ウオーキング・ベース」
といわれるような複雑なベース演奏を簡単な構成
で自動的に実現できる電子楽器を提供することに
ある。この発明では、従音の音程を表わすデータ
を発生するようにエンコーダマトリクスを構成
し、このデータと根音名を表わすデータとを演算
することによつて従音の音名を表わすデータを得
るようにしている。このため、マトリクスを構成
する素子数(語数もしくは容量)はベースパター
ンで使用される従音音程数だけあればよく、極め
て簡単な構成となる。従つて、ベースパターンで
使用する従音音程数を多くしても回路構成は小規
模なもので済み、この従音音程数を十分にとるこ
とができるので、「ウオーキング・ベース」のよ
うな複雑な演奏を簡単な構成で実現することがで
きる。 この発明の電子楽器は、従音音程及びその発音
タイミングを表わすベースパターンパルスを音程
別にエンコードして従音の音程を表わすデータを
発生し、他方、押鍵等によつて指定されたコード
(和音)の根音名を表わすデジタルデータを発生
し、この根音名データに対して従音音程データを
演算することにより該従音の音名を表わすデータ
を発生し、この従音音名データにもとづいて楽音
(ベース音)を発生するようにしたものである。
ここで、ベースパターンにおいて使用する音程数
を増せば「ウオーキング・ベース」のような複雑
なベース演奏を行なうことができるわけである
が、単に音程数を増すだけでなく、更に別途の工
夫をなすことによつてより複雑な「ウオーキン
グ・ベース」を実現することができる。 この工夫とは、1つのベースパターンにおいて
或る度数の音程を常にその音程通りに固定してし
まうのではなく、時には半音上げたりあるいは半
音下げたりするようにベースパターンを組むこと
であり、これは或る種のリズムに対応するベース
演奏にとつて極めて有効であり、より「ウオーキ
ング・ベース」らしきを出すことができる。例え
ば、同じベースパターンにおいて6度の音程とし
て或る場合は長6度音程を使用し、別の場合には
短6度音程に切換えて使用することである。この
ような音程切換えは、ベース音の流れ及びコード
種類に応じて行なうことがより有効である。詳し
くは、ベースパターンに応じて展開されるベース
音の音高が上がつていく部分(流れ)とその音高
が下がつていく部分(流れ)とにおいて対象とす
る音程を切換系えるようにするとよい。しかも、
そのときのコード種類に応じて上述のような音程
切換えを行なうべきか否かを制御するようにする
ことが好ましい。例えば、音程切換えの対象とす
る従音音程が6度の音程であるとし、ベース音の
流れが7度→6度→5度というように下がつてい
く場合は短6度音程とし、ベース音の流れが5度
→6度→7度というように上がつていく場合は長
6度音程に切換えるものとし、しかもマイナコー
ドの場合のみ上記のような切換え制御を行ない、
それ以外のときは行なわないようにする。この場
合、ベースパターンの進行が7度→6度→5度→
6度→7度であるとすると、マイナコードにおい
ては7度→短6度→5度→長6度→7度というよ
うに音程が切換わる。以上のような音程切換え制
御を実現するためにこの発明では、音程切換えの
対象となる度数の音程に関してはベース音高上昇
時と下降時の2つに分けて2種類のベースパター
ンパルスを発生するように構成し、このベースパ
ターンパルスにもとづいて従音音程データを発生
する際にコード種類に応じて音程切換えを行なう
べきか否かを区別するようにした。 また、この発明の電子楽器においては、本来の
ベースパターンに則した自動ベース演奏を演奏状
況に応じて一時的に中断し、それに代わつてその
ベースパターンの1拍目において演奏されるべき
音程のベース音を発生することが可能である。つ
まり、演奏状況によつては、常にベースパターン
通りの自動ベース演奏を行なうとかえつて音楽性
を損なうことになることがあるので、そのような
演奏状況に即応してベースパターンに従つて自動
ベース演奏を一時的に中止させるようにすること
が望ましい。そのような演奏状況とは、例えばベ
ースパターンの小節の途中においてコード(和
音)が変更された場合、あるいはコードを指定す
るための押鍵操作はしたがコードが成立していな
い場合、などが挙げることができる。小節の途中
においては1度音程以外の音程のベース音が演奏
されていることが多く、そのときコードが変更さ
れて1度音程以外の音程から新たなコードに従つ
てベース演奏が続行されたとすると、コード変更
後の最初のベース音発音タイミングで発生される
1度音程以外の音程のベース音は根音ではないの
でコードが変わつたという感じを明瞭に出すこと
はできない。特に、「ウオーキング・ベース」の
ようにコード構成音に含まれていない音程(2度
あるいは4度など)の音もベース音として発生し
得る場合は、小節途中におけるコード変更後の最
初のベース音発音タイミングでそのコードとは全
く関係のない音程のベース音が発生されるという
ことも起り得る。しかし、この発明のように、コ
ード変更後の最初のベース音発音タイミングにお
いて、ベースパターンに従つた演奏を1時的に中
断し、その代わりに1拍目の音(1度音程もしく
は8度音程)を発生するようにすれば、コードが
変更されたことを明瞭に表現することができる。
また、コードが成立していない場合はどのコード
種類に従つてベースパターンを展開すべきかとい
う情報が与えられないので、メジヤコードの形式
でベースパターンが展開されてしまうのが普通で
あるが、このメジヤコード形式のベースパターン
の通りにベース音を発生させると実際のコード
(成立していないコード)はメジヤではないので
違和感が生じる。しかし、この発明のように、コ
ードが成立していない場合はベースパターンに従
つたベース演奏を中断し、その代わりにそのベー
スパターンの1拍目の音(根音)をベース音とし
て発生するようにすれば、上述のような違和感は
生じない。尚、コードが成立していない場合は押
鍵音中の1音が仮の根音として選択されるように
なつている。 更に、ベースパターンによるベース演奏を中断
し、それに代わつてそのベースパターンの1拍目
の音程のベース音を発生させるようにした方が好
ましい演奏状況としては、ベースパターンに従つ
た断続的なベース音発音を止めてベース音を持続
的に発音させる場合、あるいは演奏者によつてベ
ースパターンが選択されなかつた場合、などがあ
るが、これらに関しては実施例にもとづいて後で
詳述する。 以上のようなベースパターンによる演奏を中断
してそのベースパターンの1拍目の音程の音を発
生させる制御を実現するためにこの発明では、本
来のベースパターンを形成するベースパターンパ
ルスとは別途に1拍目の音程を表わす信号をその
ベースパターンパルスに附随して発生するように
構成し他方、コード変更あるいはコード不成立な
ど制御に必要な演奏状況を検出し、この検出にも
とづいて正規のベースパターンパルスの利用を阻
止すると共に上記1拍目の音程を表わす信号をベ
ース音発生のために利用させるように構成してい
る。 以下この発明の一実施例を添付図面にもとづい
て詳細に説明しよう。 第1図に示す電子楽器において、この発明に係
る自動ベース演奏のための制御は自動ベースコー
ド演奏制御装置31において実行される。自動ベ
ース演奏のためのコード(和音)を指定する鍵盤
としては下鍵盤28を使用するものとしている。
キーコーダ26は上鍵盤27、下鍵盤28、及び
ペダル鍵盤29の各キースイツチのオン・オフ動
作を検出し、押圧された鍵を表わすキーコード
(key code)信号を発生する。キーコーダ26と
しては、例えば、特願昭50−100879号・発明の名
称「キースイツチ検出処理装置」の明細書中に記
載されたキーコーダを用いるとよい。キーコーダ
26からは、押鍵中の1乃至複数の鍵に夫々対応
するキーコードKCが順番に繰返して発生され
る。鍵盤27〜29における各鍵を識別するため
に、第1表に示すようにキーコードKCは鍵盤種
類を表わす鍵盤コードK1,K2、オクターブ音域
を表わすオクターブコードB1,B2,B3及び12の
音名を表わすノートコードN1,N2,N3,N4の計
9ビツトのコード信号によつて構成される。
【表】
【表】 オクターブコードB1,B2,B3及びノートコー
ドN1,N2,N3,N4の2進値の大きさは音に対応
している。例えば、オクターブコードB1〜B3
その2進値が1つづつ増す毎に1オクターブずつ
音域が上がる。また、ノートコードN1〜N4はそ
の2進値が大きい方が高音側の音であるが、その
2進値のウエイトが正確に音高に対応しているわ
けではない。第1表を参照すれば明らかなよう
に、“0011”、“0111”、“1011”、“1111”のデータ
がノートコードN1〜N4から抜けおちているが、
これは後述する従音形成のためのキーコーダ加工
を容易にするためである。なお、普通は、1オク
ターブ内の12音音階はC音を最低音としてC、C
#、D………Bという順序の音階であるが、第1
表の場合はオクターブコードB1〜B3を一定する
とC#、D………B、Cという音高順序が成立す
る。これはオクターブコードB1〜B3が同一であ
れば、C番のオクターブ音域は他の音C#〜Bの
音のオクターブ音域の上であることを表わす。例
えば、コードB3,B2,………N2,N1
“0001110”であればC2音、“0010000”であれば
C2#音、を表わす。またコードB3………N1
“1011101”であればB6音、“1011110”であれば
C7音を表わす。 ところで、前述の特願昭50‐100879号明細書中
に記載されたキーコーダは、押鍵中のキーコーダ
KCのみを抽出して、1キーコードにつき24μs
(マイクロ秒)の幅で、抽出した各キーコードKC
を順番に出力する。鍵盤27〜29で離鍵される
とそのキーコードは出力されなくなるが、どのキ
ーコードが出力されなくなつたか(離鍵された
か)ということを後述のチヤンネルプロセツサ3
0で検出するために、キーコーダ26からほぼ定
期的にスタートコードSCが発生される。スター
トコードSCの内容は前記第1表に示す通りであ
る。スタートコードSCの発生時間幅はキーコー
ドKCと同じく24μsであり、その発生周期は例
えば5me(ミリ秒)程度である。スタートコー
ドSCが生じているときキーコードKCは発生され
ない。チヤンネルプロセツサ30においては、今
まで発生されていたキーコードがスタートコード
SCの1周期の間に1度も発生されなくなつたと
き、そのキーコーダに関わる鍵が離鍵されたと判
定する。 チヤンネルプロセツサ30はキーコーダ26か
ら(あるいは後述の自動ベースコード演奏制御装
置31を経由して)与えられるキーコードデータ
を受入し、このキーコードデータに対応する鍵の
音の発音を同時最大発音数(例えば12音)に相当
する数のチヤンネルのいずれかに割当てる。チヤ
ンネルプロセツサ30においては、各チヤンネル
に対応する記憶位置を有し、或る鍵の発音が割当
てられたチヤンネルに対応する記憶位置にその鍵
に対応するキーコードデータを記憶し、記憶した
キーコードデータKC*をチヤンネルの時間別に
時分割的に出力する。各チヤンネルに割当て済み
のキーコードデータKC*は楽音発生回路32に
加わり、該キーコードデータKC*の内容に対応
する音が発音される。また、チヤンネルプロセツ
サ30からは、キーコードデータKC*が割当て
られたチヤンネルにおいて発音がなされるべきで
あることを表すアタツク開始信号ASや、そのチ
ヤンネルに割当てられた鍵が離鍵された(キーコ
ードがチヤンネルプロセツサ30に加わらなくな
つた)ことを表わすデイケイ開始信号DSなどが
発生され、エンベロープ波形発生回路33に加わ
る。チヤンネルプロセツサ30としては、前述の
特願昭50−100879号明細書中に記載されたような
回路を用いるとよい。 楽音発生回路32は、キーコードデータKC*
にもとづいて楽音を発生する公知の回路(例えば
特願昭48−41964号「電子楽器」の明細書中に開
示されたような回路)を用いることができる。周
波数情報記憶装置34は、チヤンネルプロセツサ
30から与えられるキーコードデータKC*にも
とづいて該キーコードKC*が表わす鍵の楽音周
波数に比例する数値Fを読み出す。アキユムレー
タ35は、数値Fを累算し、楽音波形メモリ36
から音源波形信号をを繰返し読み出すためのアド
レスデータqFを作る。エンベロープ波形発生回
路33はチヤンネルプロセツサ30から与えられ
る押鍵あるいは離鍵などを表すデータAS,DSに
もとづいて楽音の振幅エンベロープ波形を発生
し、楽音波形メモリ36から繰返し読み取される
音源波形信号の最大振幅値を前記エンベロープ波
形の振幅に応じて時間的に変化させる。音色回路
37は楽音波形メモリ36から読み出された音源
波形信号の音色を制御し、所望音色の楽音信号を
得る。この楽音信号はサウンドシステム38を経
て発音される。楽音発生回路32における前述の
ような楽音発生動作は、チヤンネルプロセツサ3
0における発音割当てに対応して各チヤンネル別
に時分割的に実行される。 キーコーダ26とチヤンネルプロセツサ30の
間に挿入された自動ベースコード演奏制御装置3
1は、下鍵盤28あるいはペダル鍵盤29で押圧
された鍵のキーコードKCをキーコーダ26から
受入し、このキーコードKCにもとづいて自動ベ
ース演奏におけるベース音に対応するキーコード
AKCを作り出し、また、必要に応じて自動コー
ド演奏におけるコード構成音に対応するキーコー
ドAKCを作り出す。すなわち、自動ベースコー
ド演奏制御装置31は、鍵盤で押圧された鍵のキ
ーコードKCにもとづいて実際には押圧されてい
ない鍵が恰も押圧されているかのようにその鍵の
キーコードAKCを自動的に作り出し、チヤンネ
ルプロセツサ30に供給する。 コード検出部39は下鍵盤28に関するキーコ
ードKCを入力し、下鍵盤28で押鍵されている
コード音のコード名及びコード種類を検出する。
従音形成用データ発生部40はコード検出部39
で検出したコード種類に応じて所定の音程に相当
する従音形成用データSDを発生する。この従音
形成用データSDは音程に対応する数値で与えら
れており、どの音程に相当する従音形成用データ
SDをどういうタイミングで発生するかというこ
とはベースパターン発生部41の出力によつて制
御される。キーコード加工部42はキーコーダ2
6から与えられるキーコードKCの値を前記従音
形成用データSDの値に応じて変更し、キーコー
ダ26からのキーコードKCを根音とした場合に
この根音に対して所定の音程をもつ従音に相当す
るキーコードAKCを作り出す。 この実施例においては下鍵盤28をコード演奏
用鍵盤とするので、下鍵盤28でコード形式で押
された複数の鍵に関わるキーコードKCはキーコ
ード加工部42で別段の変更も加えられずにその
ままチヤンネルプロセツサ30に供給される。こ
れらの下鍵盤28の音(コード構成音)はチヤン
ネルプロセツサ30で夫々所要のチヤンネルに割
当てられる。コード音発生タイミング制御部43
は演奏者によつて選択されたリズムに応じてコー
ド音発音タイミング信号CGを発生する。コード
音発音タイミング信号CGはエンベロープ波形発
生回路33に加わり、下鍵盤音(コード音)が割
当てられたチヤンネルにおいてエンベロープ波形
信号を同時に発生させる。従つて、コード音発音
タイミング信号CGが発生する毎に下鍵盤28で
押鍵されている音が同時に発音される(すなわ
ち、コード音として発音される)。 一方、下鍵盤28で押鍵されている1乃至複数
の鍵が構成しているコードの種類はコード検出部
39で検出され、演奏者が選択したリズムに対応
するベース進行パターンに応じて前記コード検出
部39で検出したコード種類に対応する所定音程
の従音形成用データSDがキーコード加工部42
に与えられる。キーコード加工部42はコード
(和音)の根音に相当するキーコードKCを前記従
音形成用データSDによつて変更する。ベース音
として根音に相当する音を発音するタイミングの
場合、従音形成用データSDとして1度音程を表
わすデータが与えられ、根音のキーコードKCは
変更されずにチヤンネルプロセツサ30に送出さ
れる。チヤンネルプロセツサ30においてベース
音が所定チヤンネル(通常はペダル鍵盤専用の特
定チヤンネル)に割当てられ、根音に相当する音
として発音される。次に、例えばベース音として
根音に対して1度音程以外の所定音程(例えば長
3度音程)をもつ音を発音するタイミングの場
合、その所定音程に対応する値のの従音形成用デ
ータSDがキーコード加工部42に加わり、根音
に相当するキーコードKCの値を所定音程分だけ
変調して加工キーコードAKCを作る。この加工
キーコードAKCの音がチヤンネルプロセツサ3
0において所定チヤンネル、例えば、前に発音し
たコード音に代わつてペダル鍵盤専用チヤンネ
ル、に発音割当てされ、楽音発生回路32から前
記所定音程に相当する(従音)がベース音として
発音される。 自動ベースコード演奏制御装置31の詳細例は
第2図乃至第6図において夫々示されている。コ
ード検出部39の詳細例は第2図、従音形成用デ
ータ発生部40の詳細例は第3図、キーコード加
工部42の詳細例は第4図、ベースパターン発生
部41の詳細は第5図、コード音発音タイミング
制御部43の詳細例は第6図に夫々示されてい
る。 第2図乃至第6図の回路において各種論理回路
素子等は第7図に示すような手法で図示されてい
る。 第7図aはインバータ、同図b,cはアンド回
路、同図d,eはオア回路、同図fは排他オア回
路、同図gは1ビツトの遅延フリツプフロツプを
それぞれ表わす。アンド回路あるいはオア回路に
おいて入力数が少ない場合は同図b,dに示すよ
うな通常の表示図法を採用し、入力数が多い場合
は同図c,eの図法を採用する。同図c,eにお
いては、回路の入力側に1本の入力線を描き、複
数の信号線をこの入力線に交叉させ、同回路に入
力されるべき信号の信号線と入力線との交叉点を
丸印で囲むようにしている。従つて同図cの例の
場合、論理式はQ=A・B・Dであり、同図eの
例の場合、論理式はQ=A+B+Cである。ま
た、同図hはシフトレジスタを示し、ブロツク中
に括弧でくくつて示した分数の分子の数はシフト
レジスタのステージ数、分母の数はシフトレジス
タの入力データのビツト数を示す。遅延フリツプ
フロツプ及びシフトレジスタにはシフト用クロツ
クパルスを特に図示しないが、すべて同一のシフ
ト用クロツクパルス(詳しくは2相クロツクパル
ス)によつてシフトされる。第2図乃至第6図の
回路で使用するシフト用クロツクパルスは、キー
コーダ26で使用するクロツクパルスと同一周期
(例えば24μs程度)ものである。従つて、キー
コーダ26から供給される24μs幅のキーコード
KCは自動ベースコード演奏制御装置31内の遅
延フリツプフロツプ等に確実に記憶される。シフ
ト用クロツクパルスの1周期分の時間24μsを以
下では1ビツトタイムということにする。 第7図iに示すような手法で図示される回路は
微分回路を示す。この微分回路は同図jに示すよ
うに遅延フリツプフロツプDFFとインバータ
INV、アンド回路ANDを具え、入力信号の立上り
時に1ビツトタイム(24μs)幅の微分パルス出
力する。 第2図乃至第6図に詳細を示した自動ベースコ
ード演奏制御装置31においては、3つの自動ベ
ースコード演奏機能のうち所望の1つの機能を任
意に選択し得るようになつている。それらの3つ
の機能とは、コード演奏用鍵盤(下鍵盤)で複
数鍵をコード形式で押圧し、コード音を自動発音
すると共に、ベース演奏用鍵盤(ペダル鍵盤)で
自動ベース音の根音を押鍵し、下鍵盤で押鍵した
コードの種類及びペダル鍵盤で押鍵した根音にも
とづいて自動ベース音を発生する機能(これを以
下では「カスタム機能」という、コード演奏用
鍵盤(下鍵盤)で複数鍵をコード形式で押鍵し、
コード音を自動発音するとともにそのコードに対
応するベース音を自動発音する機能(これを以下
では「フインガーコード機能」という)、コー
ド演奏用鍵盤で根音に相当する単一の鍵を押圧
し、コード種類を別途適宜の手段によつて指定し
てやることにより複数のコード構成音から成るコ
ード音を自動演奏し、かつベース音を自動演奏す
る機能(これを以下では「シングルフインガー機
能」という)、の3つのである。この実施例で
は、一つの自動ベースコード演奏制御装置31を
使用して「カスタム機能」あるいは「フインガー
コード機能」や「シングルフインガー機能」など
の選択的自動演奏が可能となつている。 自動演奏機能の選択はフアンクシヨンスイツチ
44,45,46(第3図参照)の操作によつて
なされる。フアンクシヨンスイツチ44は「シン
グルフインガー機能」を選択するためのもの、ス
イツチ45は「フインガーコード機能」を選択す
るためのもの、スイツチ46は「カスタム機能」
を選択するためのものである。各フアンクシヨン
スイツチ44〜46を閉じると、それらに対応す
る信号FF1,FF2,FF3が“1”となり、フアン
クシヨンデコーダ47(第3図)に加わる。フア
ンクシヨンデコーダ47は入力信号FF1,FF2
FF3の論理値に対応して第2表に示すように各機
能を選択する信号を出力する。なお、スイツチ4
4〜46がすべて開放状態のときは「オフ」であ
り、自動ベースコード演奏を行なわない。
【表】 カスタム機能を選択する場合はスイツチ46の
みを閉じて信号FF3を“1”にし、アンド回路4
8(第4図)を動作してカスタム機能選択信号
CAを“1”にする。フインガーコード機能を選
択する場合はスイツチ45のみを閉じて信号FF2
を“1”にし、アンド回路49を動作してフイン
ガーコード機能選択信号FCを“1”にする。シ
ングルフインガー機能を選択する場合はスイツチ
44を閉じて信号FF1を“1”にし、1入力のア
ンド回路50を経てシングルフインガー機能選択
信号SFを“1”にする。シングルフインガー機
能を選択するスイツチ44が閉じると、コード種
類選択スイツチ回路51(第3図)が動作可能と
なり、シングルフインガー機能におけるコード種
類を指定する情報が信号FF2及びFF3のラインに
供給される。但し、このとき他の機能を選択する
スイツチ45,46は開放されている。シングル
フインガー機能ではコード演奏用鍵盤で単一の鍵
しか選択しないため、コード種類選択スイツチ回
路51によつてコード種類を選択してやる必要が
あるからである。前記第2表に示すように、コー
ド種類が「メジヤー」の場合は、スイツチ回路5
1から与えられる信号FF2,FF3は共に“0”で
あり、コード種類指定信号は特別に発生されな
い。「マイナコード」の場合は信号FF2が“1”、
FF2が“0”で、フアンクシヨンデコーダ47の
アンド回路52の出力が“1”となり、マイナコ
ード信号mがオア回路53を経てライン54に出
力される。「セブンスコード」の場合は信号FF2
が“0”、FF3が“1”で、アンド回路55の出
力が“1”となり、セブンスコード信号7bがオ
ア回路56を経てライン57に出力される。「マ
イナセブンスコード」の場合は信号FF2,FF3
共に“1”で、アンド回路58の出力が“1”と
なつてマイナセブンスコード信号m7が生じる。
このマイナセブンスコード信号m7によつてライ
ン54と57に信号“1”が生じる。 コード種類選択スイツチ回路51で使用するコ
ード種類選択用スイツチ(図示せず)としては、
ペダル鍵盤29の白鍵と黒鍵を利用するとよい。
白鍵を「セブンスコード」選択のために使用し、
黒鍵を「マイナコード」選択のために使用すると
よい。しかし、これに限られず、コード種類選択
用のスイツチを特別に設けてもよい。 以下、第2図乃至第6図に詳細を示した自動ベ
ースコード演奏制御装置31の詳細動作について
説明する。 コード(chord)検出 第2図において、キーコーダ26(第1図)か
ら与えられる9ビツトのキーコード信号KCのう
ち鍵盤コードK1,K2にもとづいて、アンド回路
59は下鍵盤の情報を検出し、アンド回路60は
ペダル鍵盤の情報を検出する。入力されたキーコ
ードKCが下鍵盤のものである場合、アンド回路
59の出力である下鍵盤検出信号LKが“1”と
なり、下鍵盤ノートデコーダ61の各アンド回路
を動作可能にする。下鍵盤ノートデコーダ61
は、キーコード26から供給されるキーコード
KCのうちノートコードN1〜N4を入力し、12の音
名C、C#………Bのいずれかにデコードする。
このデコード動作は、該ノートコードN1〜N4
下鍵盤の押鍵によつて発生されたものである場合
のみ行なわれる。 下鍵盤ノートデコーダ61からの各12音名C〜
Bに対応する12の出力は下鍵盤ノート1次メモリ
62の各音名別の記憶位置に夫々記憶される。第
2図においてはB音の記憶回路62Bのみ詳細を
示したが、他のA#〜C音の記憶位置62A#〜
62Cも同一構成である。一次メモリ62の各記
憶位置62B〜62Cにおいて、ノートデコード
61から与えられるノート検出信号はオア回路6
3を経て遅延フリツプフロツプ64に加わり、ア
ンド回路65を経て該遅延フリツプフロツプ64
で自己保持される。キーコーダ26からキーコー
ドKCに代えてスタートコードSCが与えられたと
き、アンド回路66はノートコードN1〜N4の全
ビツトが“1”となつたことを検出し、スタート
コードSCに対応して信号“1”を出力する。ア
ンド回路66からのスタートコード検出信号SC
はオア回路67、インバータ68を経て、各記憶
位置62C〜62Bのアンド回路65を不動作に
する。従つて、1次メモリ62記憶(自己保持)
はスタートコードSCが発生する毎にクリアされ
る。なお、オア回路67あるいはその他の回路に
加わつているイニシヤルクリア信号ICは電源投
入時にのみ1時的に信号“1”となり、各回路の
動作を禁止すると共に記憶をクリアするものであ
り、通常は信号“0”である。 例えば下鍵盤28でG5、E5、C5音が夫々押鍵
され、ペダル鍵盤29ではG2音の鍵が押鍵され
たとする。スタートコードSCは第8図aに示す
ようにほぼ定期的に発生され、キーコードKCは
第8図bに示すように押鍵された各鍵(下鍵盤の
G5、E5、C5音、ペダル鍵盤のG2音)を表わすコ
ード信号が順番に供給される。従つて、アンド回
路59からは下鍵盤のキーコードに対応して第8
図cに示ように下鍵盤検出信号LKが発生し、ア
ンド回路60からはペダル鍵盤のキーコードに対
応して第8図dに示すようにペダル鍵盤検出信号
PKが発生する。下鍵盤ノートデコーダ61では
G音、E音、C音のノートコードを夫々デコード
し、下鍵盤ノート1次メモリ62のG音の記憶位
置62G、E音の記憶位置62E及びG音の記憶
位置62Cには夫々信号“1”が記憶され、第8
図eに示すように記憶信号を出力する。 アンド回路59から出力された下鍵盤検出信号
LKも、オア回路69、アンド回路70を介して
遅延フリツプフロツプ71に記憶される。遅延フ
リツプフロツプ71の記憶は下鍵盤ノート1次メ
モリ62と同様にスタートコードSCが発生する
毎にクリアされる。しかし、スタートコードSC
の発生によつて前記オア回路67の出力が“1”
となつているとき、遅延フリツプフロツプ71の
出力は“1”であるので、記憶制御部72のオア
回路73の出力は“1”であり、アンド回路74
はスタートコードSCの発生タイミングで出力
“1”となる。このアンド回路74の出力“1”
は下鍵盤用2次メモリ75の古い記憶を解消し、
1次メモリ62の出力を新たに記憶させる。すな
わち下鍵盤ノート2次メモリ75は、詳細を図示
したB音の記憶位置75Bと同一構成の記憶位置
75A#〜75Cを他の各音名A#〜Cに関して
も具えており、前記アンド回路74の出力“1”
によつて各記憶位置75B〜75Cのロード用ア
ンド回路76が動作可能となり、1次メモリ62
の各記憶位置62B〜62Cの記憶信号を対応す
る2次メモリ75の各記憶位置75B〜75Cに
夫々読み込む。アンド回路74の出力“1”はイ
ンバータ77で反転され、2次メモリ75の各記
憶位置75B〜75Cのホールド用アンド回路7
8を不動作にする。従つて、2次メモリ75の古
い記憶はクリアされ、アンド回路76、オア回路
79を経て遅延フリツプフロツプ80に1次メモ
リ62の各音名の記憶信号が新たに記憶される。
スタートコードSCが消滅すると、アンド回路7
4の出力は“0”となるので、2次メモリ75の
ホールド用アンド回路78が動作可能となり、遅
延フリツプフロツプ80の記憶は自己保持され
る。 従つて、第8図の例の場合、G音、E音、C音
の下鍵盤ノート2次メモリ記憶位置75G,75
E及び75CにスタートコードSCのタイミング
で信号“1”が記憶される。第8図fに示すよう
に、2次メモリ75の各記憶位置75G,75
E,75C,に信号“1”が一旦記憶されると、
その音名に関するキーコードKCがスタートコー
ドSCの1周期の間に1つも与えられなくなるま
で(離鍵されるまで)直流的に信号“1”を保持
する。すなわち、2次メモリ75においては、下
鍵盤で押鍵されている音名の記憶位置72B〜7
5Cには信号“1”が常時記憶されている。 上述と同様にして、下鍵盤検出信号LKの1次
メモリである遅延フリツプフロツプ71の記憶信
号はスタートコードSCの発生時にアンド回路8
1、オア回路82を経て、2次メモリである遅延
フリツプフロツプ83に記憶される。遅延フリツ
プフロツプ83に記憶された下鍵盤検出信号LK
は1ビツトタイム後に出力される。そのときスタ
ートコードSCは消滅するのでアンド回路84が
動作可能となり、遅延フリツプフロツプ83の記
憶が自己保持される。従つて、下鍵盤(コード演
奏用鍵盤)で押鍵中のときは遅延フリツプフロツ
プ83の出力は直流的に信号“1”であり、下鍵
盤押鍵記憶信号MLKとして利用される。また、
遅延フリツプフロツプ83の出力“1”はオア回
路85、アンド回路86を経て、押鍵信号KOと
して利用される。 下鍵盤ノート2次メモリ75においては、下鍵
盤で押鍵されている音名に対応する記憶位置(第
8図の例では75C,75E,75G)から押鍵
記憶信号“1”が夫々出力され、その他の記憶位
置からの出力は“0”である。この2次メモリ7
5の各音名の記憶出力は走査回路87の12の記憶
段に並列的に読み込まれる。走査回路87の読込
み制御ライン88には第4図のシフトレジスタ8
9から12ビツトタイム毎に1ビツトタイム幅のロ
ードパルスSY12が与えられる。 走査回路87(第2図)の最初の記憶段87−
1、2番目の記憶段87−2および最終の12番目
の記憶段87−12について詳細を図示したが、
図示しない3番目から11番目の記憶段87−3〜
87−11も同一の構成である。前段の記憶回路
すなわち遅延フリツプフロツプ90の出力が次段
のデータ循環用アンド回路91及びオア回路92
を介して次段の遅延フリツプフロツプ90に記憶
されるような構成であり、最終段87−12の遅
延フリツプフロツプ90の出力は循環ライン94
を介して最初の段87−1のデータ循環用アンド
回路91に加わる。また各段のデータ読み込み用
アンド回路93には下鍵盤ノート2次メモリ75
の各音名の記憶出力が加わる。すなわち、走査回
路87は並列入力、直列シフト型の循環シフトレ
ジスタであり、シフトクロツクは、遅延フリツプ
フロツプ90を駆動する24μs周期のクロツクパ
ルスである。 走査回路87の各段のデータ読み込み用アンド
回路93は読み込み制御ライン88のロードパル
スSY12が“1”のとき動作可能となり、データ
循環用アンド回路91は前記ロードパルスSY12
が“0”のときのインバータ95の出力“1”に
よつて動作可能となる。走査回路87の段数は12
段であり、データを1通り循環させるのに12ビツ
トタイムの時間を要する。また、ロードパルス
SY12は12ビツトタイム毎に発生されるので、ロ
ードパルスSY12が発生する毎に走査回路87に
おいては1回の循環(1走査サイクル)が完了す
る。 走査回路87は、下鍵盤ノート2次メモリ75
の各記憶位置75C〜75Bに記憶されている各
音名C〜Bのデータを走査する働きする。第3表
は、走査回路87における各音名データの走査状
態を示したものである。
【表】 第3表に示すように、ロードパルスSY12が発
生した1ビツトタイム後は最初の段87−1には
最高音Bのデータを保有し、以下高音順にA#、
A………C#のデータを段87−2〜87−11
に保有し、最終段87−12には最低音Cのデー
タを保有している。以後1ビツトタイム毎に低音
側に向つて高音側のデータが順番に移行し、12ビ
ツトタイム後には最終段87−12に最高音Bの
データを保有し、最初の段87−1から段87−
11まではA#からCのデータを音高順に保有す
る走査回路87内を循環する各音名C〜Bデータ
は2次メモリ75に該音名の押鍵記憶がなされて
いる音名に関するものが信号“1”であり、その
他は信号“0”である。 走査回路87における各段の隔りは音程に対応
している。最終段87−12にデータが保有され
ている音名を根音(1度の音程)とすると、10番
目の段87−10に保有している音名は長2度の
音程をもち、9番目の段87−9は短3度音程、
7番目の段87−7は完全4度音程、5番目の段
87−5は完全5度音程、3番目の段87−3は
長6度音程、2番目の段87−2は短7度音程に
相当する。 コード検出ロジツク96は、走査回路87の所
定段からとり出される各種音程に相当する信号S1
〜S7bにもとづいて下鍵盤(コード演奏用鍵盤)
で押鍵形成されているコードのコード名(根音
名)を時分割的に検出する。コード検出ロジツク
96で利用する音程信号は、走査回路87の最終
段87−12からとり出される1度音程信号S1
段87−10に長2度音程の信号が保有されてい
ないことを表わす長2度音程無し信号S 、段8
7−9からとり出される短3度音程信号S3b、段
87−7に完全4度音程の信号が保有されていな
いことを表わす完全4度音程無し信号S 、段8
7−5からとり出される完全5度音程信号S5、段
87−3に長6度音程の信号が保有されていない
ことを表わす長6度音程無し信号S 、及び段8
7−2からとり出される短7度音程信号S7bであ
る。 コード検出ロジツク96におけるアンド回路9
7は完全5度音程の音を含むコード(メジヤコー
ドあるいはマイナコード)を検出するためのもの
である。アンド回路97における基本的な論理式
は S1・S ・S ・S5・S ………論理式(1
) であり、1度音程(根音)と完全5度音程の鍵が
同時に押鍵されている次に長2度音程と完全4度
音程及び長6度音程の鍵が押鍵されていないこと
が検出の条件となつている。 アンド回路98は短7度音程の音を含むコード
(セブンスコードあるいはマイナセブンスコー
ド)を検出するためのものである。アンド回路9
8における基本的な論理式は S1・S ・S ・S ・S7b………論理式(2) であり、1度音程(根音)と短7度音程の鍵が同
時に押鍵されている時に長2度音程、完全4度音
程及び長6度音程の鍵が押鍵されていないことが
検出の条件となつている。 なお、「カスタム機能」もしくは「フインガー
コード機能」が選択されたときに前記フアンクシ
ヨンデコーダ47(第3図)からのカスタム機能
選択信号CAあるいはフインガーコード機能選択
信号FCがオア回路99(第3図)でまとめられ
る。まとめられた信号FC+CAはライン100を
介してアンド回路97及び98に加わるので、同
回路97及び98は「カスタム機能」もしくは
「フインガーコード機能」の場合だけコード検出
動作可能となる。また、前記ロードパルスSY12
の発生時にインバータ95の出力“0”によつて
アンド回路105が不動作となり、遅延フリツプ
フロツプ103の記憶がクリアされる。遅延フリ
ツプフロツプ103の記憶がクリアされると、イ
ンバータ104の出力が“1”となり、アンド回
路97及び98が動作可能となる。 上述のコード検出条件(論理式(1)または(2))及
び動作条件が満足されると、アンド回路97また
は98は論理式(1)または(2)が成立したときの走査
回路87における走査タイミングに一致して1ビ
ツトタイム幅の信号“1”を出力する。この出力
はオア回路101でまとめられ、コード検出信号
CDとなる。また、オア回路101の出力にオア
回路102を介して遅延フリツプフロツプ103
に記憶される。遅延フリツプフロツプ103に記
憶された信号“1”はアンド回路105を介して
次にロードパルスSY12が与えられるまで自己保
持される。従つて、アンド回路97または98の
どちらか一方から先にコード検出信号が生じる
と、遅延フリツプフロツプ103がセツトされる
ので、インバータ104を介してアンド回路97
及び98が不動作となる。従つて、ロードパルス
SY12の1周期の間に(すなわち1走査サイクル
の間に)前記論理式(1)または(2)が何回も満足され
たとしても、最初に論理式(1)または(2)が満足され
たときだけコード検出信号CDが生じる。論理式
(1)または(2)が何回も満足されるということは複数
のコードが検出されるということであり、このよ
うな場合に遅延フリツプフロツプ103の存在に
より最初に検出された1つのコードだけが優先的
にコード検出信号CDを生ぜしめる。この優先順
位は、走査回路87における各音名の走査順序に
依存する。前記第3表から明らかなように、1度
音程(根音)に対応する走査回路記憶段87−1
2に最初はC音のデータが入つており、以後C
#、D、D#………Bというように低音側から順
に走行が進行する。従つて、この実施例では根音
名が12音音階においてより低音側にあるコードが
優先的に検出される。 さて、コード検出信号CDの発生タイミングは
走査回路87の走査タイミングに同期している
で、コード検出ロジツク96で検出したコードの
根音名はコード検出信号CDの発生タイミングに
よつて判別される。根音に対応する走査回路最終
段87−12に保有されるデータの音名をロード
パルスSY12との関係で示すと、第9図a,bの
ようになり、ロードパルスSY12の発生タイミン
グから1ビツトタイム経過する毎にC、C#、D
………Bという順で低音側から高音側に根音名が
順次移行する。従つて、コード検出信号CDの発
生タイミングがロードパルスSY12の発生時から
何ビツトタイム後の時点であるのかということに
よつて根音名を判別することができる。 ロードパルスSY12を発生するシフトレジスタ
89(第4図)は走査回路87の走査に同期して
単一の信号“1”をシフトするもので、該シフト
レジスタ89の第12ステージ目に信号“1”がく
ると、ロードパルスSY12がライン88を経て供
給される。同時に、第1ステージ目から第11ステ
ージ目まではすべて“0”であるので、ノア回路
106(第4図)の出力が“1”となり、シフト
レジスタ89に“1”が読み込まれる。ロードパ
ルスSY12の発生後1ビツトタイム目はシフトレ
ジスタ89の第1ステージに信号“1”が保有さ
れており、4つのオア回路から成る音名エンコー
ダ107は“1110”というC音を表わすノートコ
ードデータN 〜N を出力する。次のビツトタ
イムではシフトレジスタ89の第2ステージに信
号“1”が移行し、音名エンコーダ107は
“0000”というC#音のノートコードデータ
を出力する。以下ビツトタイムが進む毎に
D、D#………Bというように低音側の音から順
にノートコードが発生する。第9図cは音名エン
コーダ107からの各音名に対応するノートコー
ドN 〜N の発生タイミングを示したものであ
り、各音名のタイミングが時分割的に形成されて
いる。 音名エンコーダ107は走査回路87における
走査と同期しており、コード検出ロジツク96に
おいて検出したコードの根音名と音名エンコーダ
107の出力ノートコードの音名が一致してい
る。すなわち、コード検出信号CDはオア回路1
08(第2図)を経て根音検出信号RTとして利
用に供されるが、この根音検出信号RTの発生タ
イミングと同一タイミングで音名エンコーダ10
7から出力されるノートコードの音名がコード検
出ロジツク96で検出したコードの根音名に一致
している。 以上のようにして走査回路87及びコード検出
ロジツク96を使用して下鍵盤で押鍵形成されて
いるコードを検出し、検出したコードの根音名に
対応するタイミングで1ビツトタイム幅のコード
検出信号CD及び根音検出信号RTを発生する。 この実施例において検出可能なコードの種類は
「メジヤ」、「マイナ」、「セブンス」、「マイナセブ
ンス」の4種類とする。コードの種類は、コード
検出信号CDが前記論理式(1)または(2)のどちらか
を満足させたものであるのかということ、及びコ
ード検出信号CDの発生時に短3度音程の音のデ
ータが走査回路87の短3度音程に対応する段8
7−9に含まれているかということによつて判断
することができる。 第3図のコード種類検出回路109は、フイン
ガーコード機能あるいはカスタム機能の場合はラ
イン100の信号FC+CAによつてアンド回路1
10と111が動作可能となり、コード検出ロジ
ツク96から与えられる信号にもとづいてコード
種類を検出する。アンド回路110には、走査回
路87の短3度音程に対応する段87−9から出
力される短3度音程信号S3bがライン112を経
て供給され、更に、コード検出信号CDがライン
113を経て供給される従つて前記論理式(1)また
は(2)のどちらかに従つてコードが成立した上で短
3度音程信号S3bが検出されるとアンド回路11
0の出力が“1”となり、オア回路114を経て
マイナ検出回路Dmが“1”となる。マイナ検出
信号Dmが“1”のときは「マイナ」もしくは
「マイナセブンス」のコードである。また、前記
論理式(2)が満足した場合はアンド回路98(第2
図)からライン115を経てセブンス検出信号
D7がアンド回路111に与えられ、オア回路1
16から出力される。 マイナ検出信号Dm及びセブンス検出信号D7
遅延フリツプフロツプ117及び118に記憶さ
れ、アンド回路119,120及びオア回路11
4,116を介してこの記憶が自己保持される。
前記遅延フリツプフロツプ83(第2図)からは
下鍵盤押鍵記憶信号MLKが、そして前記オア回
路108(第2図)からの根音検出信号RTをイ
ンバータ121で反転した信号がアンド回路11
9及び120に加わつている。従つて、根音検出
信号RTが発生する毎にフリツプフロツプ11
7,118の自己保持が解除され、同時にコード
検出信号CDが発生している場合は新たに記憶が
書き込まれる。また、下鍵盤で全ての鍵が離鍵さ
れると、下鍵盤押鍵記憶信号MLKが“0”とな
るので、遅延フリツプフロツプ117,118の
記憶はクリアされる。こうして、検出されたコー
ドの種類に応じてマイナ検出信号Dmまたはセブ
ンス検出信号D7が記憶保持される。 マイナ検出信号Dmのみが生じているときはマ
イナコード(短三和音)であり、セブンス検出信
号D7のみが生じているときはセブンスコードで
ある。マイナ検出信号Dm及びセブンス検出信号
D7が共に生じているときはマイナセブンスコー
ドであり、両検出信号Dm及びD7が共に生じてい
ないがコード検出信号CDは生じているときはメ
ジヤコードである。 マイナ検出信号Dmはライン122を経て、ま
たマイナ検出信号Dmとセブンス検出信号D7をオ
ア回路123でまとめた信号m+7はライン12
4を径て、またセブンス検出信号D7をインバー
タ125で反転した信号とマイナ検出信号Dmと
をアンド回路126でまとめた信号m・7はライ
ン127を経て、更にセブンス検出信号D7はラ
イン128を経て、ベース系従音選択ゲート部1
29に夫々供給される。 シングルフインガー機能が選択されている場合
は、フアンクシヨンデコーダ47(第3図)のア
ンド回路50からのシングルフインガー機能選択
信号SFによつてコード種類検出回路109のア
ンド回路130及び131が動作可能となる。前
述のようにしてオア回路53からライン54を介
してマイナ系選択信号がアンド回路130に加わ
り、オア回路56からライン57を介してセブン
ス系選択信号がアンド回路131に加わる。アン
ド回路130または131の出力は前記オア回路
114または116を経てマイナ検出信号Dmま
たはセブンス検出信号D7となり、前記従音選択
ゲート部129に供給される。 コード検出不可能時もしくはシングルフインガー
機能の際の根音検出 コード検出ロジツク96(第2図)において前
記論理式(1)及び(2)が満足されない場合もしくはシ
ングルフインガー機能の場合は下鍵盤で押鍵され
ている低音側の音名が根音とみなされ、検音検出
信号RTが生じる。1度音程に対応する走査回路
最終段87−12の出力がアンド回路132に加
わり、同アンド回路132、オア回路133を経
て遅延フリツプフロツプ134に記憶される。遅
延フリツプフロツプ134の記憶はアンド回路1
35を介して自己保持される。1サイクルの走査
期間(12ビツトタイム)において走査回路段87
−12から最初に出力された信号“1”がアンド
回路132を経て遅延フリツプフロツプ134に
記憶され、1旦記憶がなされるとインバータ13
6の出力が“0”となるのでアンド回路132は
不動作となる。走査期間の始まりにおいてロード
パルスSY12が“1”になるインバータ95を介
してアンド回路135が不動作となり、遅延フリ
ツプフロツプ134がクリアされる。走査回路最
終段87−12に保有される音名データは、C→
C#→D→………A#→Bというように低音が先
行しているので、押鍵中の最低音の音名のタイミ
ングに対応してアンド回路132から出力“1”
が生じる。 アンド回路132の出力はアンド回路137に
加わる。アンド回路137は下鍵盤でコードが成
立していない場合に動作可能となり、アンド回路
132で優先的に選択された低音側の信号がノン
コード信号NCとして出力される。このノンコー
ド信号NCはオア回路108で前記コード検出信
号CDとまとめられ、根音検出信号RTとなる。従
つて、コード検出信号CDが生じない(コードが
検出されない)場合でもノンコード信号NCによ
つて根音検出信号RTは発生される。 なお、この根音検出信号RTは「フインガーコ
ード機能」及び「シングルフインガー機能」のと
きに利用され、「カスタム機能」のときには利用
されない。というのは、「カスタム機能」の場合
はベース音の根音は下鍵盤28ではなくペダル鍵
盤29によつて指定されるからである。 勿論、ノンコード信号NCによつて根音検出信
号RTが生じた場合は、コード検出信号CDやセブ
ンス検出信号D7が生じないのでコード種類検出
回路109(第3図)のアンド回路110や11
1は動作しない。 コード検出信号の記憶 第2図の遅延フリツプフロツプ138は、コー
ドが成立したことを記憶する回路で、一旦コード
が成立すると次に別のコードが押鍵されるまで記
憶を持続する。つまり、コード検出ロジツク96
のオア回路101からコード検出信号CDが生じ
ると、オア回路139,140を介して遅延フリ
ツプフロツプ138に信号“1”が記憶され、ア
ンド回路141を介してその記憶が自己保持され
る。 下鍵盤で鍵が押されると前記アンド回路86
(第2図)から押鍵信号KOが発生し(KOが
“1”に立上る)、離鍵されると該信号KOは
“0”に立下る。この押鍵信号KOは微分回路1
42に加わり、信号KOの立上り時に1ビツトタ
イム幅の1パルスが生じる。この1パルスはイン
バータ143で反転されて“0”となり、アンド
回路141を不動作にする。押鍵中及び離鍵時
(KOが“1”から“0”に立下る時)において
は微分回路142の出力は“0”のままであるの
でインバータ143の出力は“1”であり、アン
ド回路141が動作可能となつており、前記遅延
フリツプフロツプ138に記憶されたコード検出
信号CDが自己保持される。 従つて、遅延フリツプフロツプ138は鍵の押
し始め(鍵盤全体から見た鍵の押し始め)にのみ
クリアされるが、離鍵時にはクリアされない。 遅延フリツプフロツプ138の記憶出力はイン
バータ144で反転された後アンド回路137に
加わり、ノンコード信号NCの発生ををコントロ
ールする。すなわち、コードが成立したことが一
旦検出され、コード検出信号CDが遅延フリツプ
フロツプ138に記憶されると、アンド回路13
7は不動作となり、ノンコード信号NCは発生さ
れない。 コード検出信号記憶用の遅延フリツプフロツプ
138に関連する一動作例の第10図に示す。第
10図に示した各信号の時間関係はシステムクロ
ツクの単位で(ビツトタイム単位で)正確に示さ
れているわけではなく、各信号の立上りと立下り
の時間的前後関係を理解しうる程度に概略的に示
してある。下鍵盤でコードが成立するように押鍵
されると、押鍵信号KOが立上り(第10図a参
照)、微分回路142が動作してインバータ14
3からは記憶クリア用“0”のパルスが生じる
(第10図b)。従つて、遅延フリツプフロツプ1
38の記憶がクリアされる(第10図c)。走査
回路87において1度音程に相当するデータは低
音側から(C音から)走査されるので、最初の1
走査期間(12ビツトタイム)においてはコード検
出信号CDが生じる前にノンコード信号NCが1度
だけ生じることがあり得る(第10図d参照)。
しかしコードが成立している場合はその最初の走
査サイクルの間にコード検出信号CDが必らず生
じるので、そのコードの根音の音名に対応するタ
イミング(第9図b参照)でコード検出信号CD
が発生し、遅延フリツプフロツプ138に記憶さ
れる(第10図c,e参照)。以後、遅延フリツ
プフロツプ138の記憶は自己保持され、コード
検出信号CDは第10図eに示すように12ビツト
タイム毎に発生される。尚、後述するように、ノ
ンコード検出信号NCまたはコード検出信号CDに
相当する根音検出信号RTが同じ音名に関して2
度与えられた場合のみ真の根音検出信号RTとし
て取り扱い、楽音発生に利用するようにしている
ので、第10図dのように1度だけノンコード信
号NCが生じたとしても問題はない。 第10図fはコード形式で押鍵されたC、E、
Gの3音が離鍵される状態を幾分誇張して示した
もので、人間の指の動きにはバラツキが生じるの
で微視的にみれば3音の離鍵タイミングがずれる
ことが普通である。仮りに、最初にC音が離鍵さ
れてコードが成立しなくなつたときにコード検出
信号記憶用遅延フリツプフロツプ138をクリア
したとすると、第10図dの破線NC′に示すよう
にまだ離されていない鍵によつてノンコード信号
NCが発生するおそれがあり、これにより所望し
ないおかしな音が発生してしまうおそれがある。
このような不都合が生じないようにするために、
コード検出信号記憶用遅延フリツプフロツプ13
8の自己保持クリアを押鍵開始時に行なうように
したのである。 ペダル鍵盤の押鍵記憶 第2図においてペダル鍵盤に関するキーコード
がキーコーダ26から供給されるとアンド回路6
0の出力が“1”となり、ペダル鍵盤検出信号
PKが生じる。カスタム機能が選択されている場
合はアンド回路313が動作可能となつており、
オア回路314を介して遅延フリツプフロツプ3
15はペダル鍵盤の押鍵記憶がなされる。カスタ
ム機能選択信号CAが“1”のとき第3図のオア
回路316の出力が“1”となり、ライン317
を経てペダル鍵盤記憶可能信号CAOが前記アン
ド回路313に加わる。記憶可能信号CAOは、
自動ベースコード演奏をオフにしたときにもフア
ンクシヨンデコーダ47内のアンド回路318か
らオア回路316を経て発生される。 遅延フリツプフロツプ315の記憶はアンド回
路319を介して自己保持される。遅延フリツプ
フロツプ315は前記下鍵盤用の遅延フリツプフ
ロツプ71と同様に1次メモリとなつており、ス
タートコードSCの発生時に2次メモリとなつて
いる遅延フリツプフロツプ320に記憶が移まれ
る。遅延フリツプフロツプ320はペダル鍵盤検
出信号PKを直流化し、ペダル鍵盤押鍵中に持続
的に信号“1”(押鍵記憶)を出力する。遅延フ
リツプフロツプ320に記憶したペダル鍵盤押鍵
信号はオア回路85に加わる。 カスタム機能においてベース音の根音に相当する
ペダル鍵盤のキーコードデーダの記憶 カスタム機能の場合、ペダル鍵盤29(第1
図)で選択された単一の音のキーコードをもとに
してキーコード加工部42においてデータ加工を
行ない、ペダル鍵盤29で選択された根音に相当
する音に対して所定の音程を有する従音に相当す
る音のキーコードをベース音演奏のために作り出
す。第4図に示すキーコード加工部42において
は、まずキーコーダ26から供給されるペダル鍵
盤29に関するキーコードのデータ(ノートコー
ドN1〜N4及びオクターブコードB1〜B3)を記憶
し、記憶したデータを変更して従音用のキーコー
ドデータを作る。根音用のキーコードデータは記
憶したものをそのまま用いる。 ペダル鍵盤に関するキーコードがキーコーダ2
6から供給されるとオア回路60(第2図)の出
力が“1”となり、ペダル鍵盤検出信号PKがラ
イン145を経て第4図のアンド回路146に加
わる。アンド回路146の他の入力には、フアン
クシヨンデコーダ47(第3図)のアンド回路4
8からライン147を経てカスタム機能選択信号
CAが加わつている。アンド回路146の出力
“1”はアンド回路148,149,150及び
151を夫々動作可能にし、またライン152、
オア回路153を介してオクターブコードメモリ
154,155及び156内のデータ読み込み用
アンド回路157を夫々動作可能にする。オクタ
ーブコードメモリ154にのみ詳細を示したが、
他のメモリ155,156もメモリ154と同一
構成である。 アンド回路148,149,150,151の
他の入力にはキーコーダ26から与えられるノー
トコードの各ビツトのデータN1,N2,N3,N4
夫々加わつており、この出力はノートコードメモ
リ158,159,160及び161に夫々記憶
される。ノートコードメモリ158のみ詳細を示
したが、他のメモリ159,160,161も同
一構成である。ノートコードメモリ158〜16
1は、アンド回路148または149〜151を
介して与えられるノートコード各ビツトのデータ
N1〜N4をオア回路162を介して遅延フリツプ
フロツプ163に記憶し、その記憶をアンド回路
164を介して自己保持する。前記アンド回路1
46の出力が“1”となり、アンド回路148〜
151から読み込み用データが与えられるとき、
オア回路165及びインバータ166を経て自己
保持クリアライン167に信号“0”を供給し、
自己保持用アンド回路164を不動作にして、各
メモリ158〜161の記憶を書き替える。 オクターブコードメモリ154,155及び1
56はキーコーダ26から与えられるオクターブ
コードの各ビツトのデータB1,B2,B3を夫々記
憶するためのもので、各メモリ154〜156内
のデータ読み込み用アンド回路157の他の入力
には各ビツトのデータB1,B2,B3が夫々加わ
る。各メモリ154〜156において、データ読
み込み用アンド回路157から出力されるデータ
B1,B2,B3はオア回路168を介して遅延フリ
ツプフロツプ169に記憶され、自己保持用アン
ド回路170を介して記憶が自己保持される。デ
ータ読み込み用アンド回路157が動作可能とな
るとき、オア回路153の出力“1”をインバー
タ171で反転し、自己保持クリアライン172
に信号0を供給し、自己保持用アンド回路170
を不動作にし、各メモリ154〜156の記憶を
書き替える。 各ノートコードメモリ158〜161及び各オ
クターブコードメモリ154〜156のデータ読
み込み用アンド回路148〜151及び157
は、カスタム機能選択時にペダル鍵盤検出信号
PKが発生したときだけ動作可能となるので、ペ
ダル鍵盤29で押鍵された音のノートコードN1
〜N4及びオクターブコードB1〜B3のデータが各
メモリ158〜161,154〜156に夫々記
憶される。 すなわち、カスタム機能においては、ペダル鍵
盤29で選択されたベース音の根音となるべき音
のデータがノートコードメモリ158〜161及
びオクターブコードメモリ154〜156に記憶
される。 ベース音(ペダル鍵盤音)の発生指令 ノートコードメモリ158〜161には、先に
記憶されたデータと次に読み込まれるデータとの
一致を検出するための排他オア回路173がそれ
ぞれ設けられている。これは、ノートコードメモ
リ158〜161に同じデータが2度以上続けて
記憶され場合のみそのデータを真の根音に相当す
る音のデータとして利用するためである。同じデ
ータが2度続けて記憶される場合は一致信号EQ
が発生し、この一致信号EQにもとづいてベース
音(ペダル鍵盤音)の発生が指示される。データ
が1度しか記憶されない場合は、一致信号EQは
発生せず、そのデータに関連する音の発生はキヤ
ンセルされる。 各ノートコードメモリ158〜161におい
て、排他オア回路173には遅延フリツプフロツ
プ163に記憶された先の根音データ(フリツプ
フロツプ163の出力)と、この遅延フリツプフ
ロツプ163に記憶されようとしているオア回路
162からの新たな根音データ(フリツプフロツ
プ163の入力)とが夫々入力される。同じ音名
のデータが2度続けてメモリ158〜161に記
憶される場合は、遅延フリツプフロツプ163の
入出力データが一致するので各メモリ158〜1
61の各排他オア回路173の出力はすべて
“0”となる。これら各メモリ158〜161の
排他オア回路173の出力“0”がノア回路17
4に加わつて一致信号EQを生じさせるわけであ
るが、ノア回路74は前記インバータ166の出
力(自己保持クリアライン167)及びシステム
オフ信号OFFが“0”のとき動作条件が成立す
る。システムオフ信号OFFが“0”とはシステ
ムがオフされていないこと、すなわち、カスタム
機能あるいはシングルフインガー機能あるいはフ
インガーコード機能の何れかが選択されているこ
とを示している。システムオフ信号OFFは第3
図のフアンクシヨンコーダ47のアンド回路17
5の条件が成立すると“1”となる。前記インバ
ータ166の出力が“0”とは、ノートコードメ
モリ158〜161の記憶が書き替えられること
を意味しており、排他オア回路173における一
致検出の対象たる新たに記憶されんとするデータ
が与えられたことを意味している。 こうして、ノア回路174の全入力が“0”と
なると出力“1”が一致信号EQとしてライン1
76に与えられ、オア回路177を経て遅延フリ
ツプフロツプ178に加わる。遅延フリツプフロ
ツプ178で1ビツトタイム遅延された一致信号
EQ1はアンド回路179、オア回路180を経て
遅延フリツプフロツプ181に記憶され、アンド
回路182を介してその記憶が自己保持される。
アンド回路179及び182には反スタートコー
ド信号が加えられており、所定時間毎にスタ
ートコードSCがキーコーダ26から供給される
と第2図のアンド回路183がこのスタートコー
ドを検出し、インバータ184ライン185を介
して信号“0”の反スタートコード信号を供
給し、アンド回路179,182を不動作にす
る。従つてスタートコードSCが与えられたとき
遅延フリツプフロツプ181の自己保持が解除さ
れる。 第8図dに示すように、ペダル鍵盤のG2音に
対応してペダル鍵盤検出信号PKが発生された場
合を例にして一致信号EQの発生について説明す
る。最初のペダル鍵盤検出信号PKに対応してノ
ートコードメモリ158〜161にはG音を表わ
すデータが記憶され(第8図g)、次のペダル鍵
盤検出信号PKのときもG音を表わすデータが与
えられるので、第8図hに示すように一致信号
EQが発生される。第8図iに示すように1ビツ
トタイム遅延された一致信号EQ1が遅延フリツプ
フロツプ181に記憶されると、該遅延フリツプ
フロツプ181の出力である記憶一致信号EQM
が第8図jに示すように信号EQ1の1ビツトタイ
ム後に立上る。 記憶一致信号EQMをインバータ186で反転
した信号がアンド回路187に加わる。ま
た一致信号EQ1もアンド回路187に加わる。ア
ンド回路187の残りの入力には第3図の回路か
らライン188を経てベース音発生タイミング信
号BTが加わる。ベース音発生タイミング信号BT
は、その音程の如何んにかかわらず(根音、従音
の区別なく)ベース音を自動的に発生すべきタイ
ミングにおいて信号“1”となるものである。 従つて例えば第8図kに示すようにベース音発
生タイミング信号BTが発生している中間アンド
回路187は動作可能となつており、このときに
遅延一致信号EQ1と記憶一致信号EQMの反転信
号との条件が成立すると第8図lに示すよ
うにアンド回路187の出力が“1”となる。こ
のアンド回路187の出力“1”がベース音(ペ
ダル鍵盤音)発生指定信号PEである。遅延一致
信号EQ1の1ビツトタイム後に“1”となる記憶
一致信号EQMはスタートコードSCが発生するま
で自己保持される。従つて、スタートコードSC
の1発生区間において最初に遅延一致信号EQ1
生じたときのみ信号EQ1の反転信号の条件
が成立する。従つて、ベース音発生タイミング信
号BTが発生している間においてスタートコード
SCの1発生区間において1発だけのベース音発
生指令信号PEが生じる。 ベース音発生指令信号PEは一致信号EQの発生
時よりも1ビツトタイム遅れている。また一致信
号EQを生ぜしめたノートコードN1〜N4はメモリ
158〜161の遅延フリツプフロツプ163で
1ビツトタイム遅延後出力され、同時にこのノー
トコードN1〜N4に対応するオクターブコードB1
〜B3もメモリ154〜156の遅延フリツプフ
ロツプ169で1ビツトタイム遅延後に出力され
る。従つてノートコードメモリ158〜161及
びオクターブコードメモリ154〜156に記憶
されたベース音の根音に相当する音のデータ(ペ
ダル鍵盤29で押鍵された音のキーコードデー
タ)がメモリ158〜161及び154〜156
から出力されるタイミングと、ベース音発生指令
信号PEのタイミングは一致する。 キーコードの加工 ノートコードメモリ158〜161及びオクタ
ーブコードメモリ154〜156に記憶された根
源に相当する音のノート及びオクターブコードを
表わすデータはライン189,190,191,
192,193,194及び195を介して加算
器195,196,197,198,199,2
00及び201に夫々入力される。加算器195
〜199は1ビツトの全加算器、加算器200,
201は1ビツトの半加算器であり、1ビツト下
の加算器のキヤリイ信号CRが1ビツト上の加算
器に入力され、全体として7ビツトの加算器とな
つている。尚、オクターブコードメモリ154,
155,156の出力ライン193,194,1
95の信号はアンド回路202,203,204
を介して加算器199,200,201に入力さ
れる。アンド回路202〜204は、カスタム機
能選択信号CAと前記ベース音発生タイミング信
号PEが共に“1”であることを条件にアンド回
路205が動作したときオア回路206を介して
与えられる該アンド回路205からの出力“1”
によつて動作可能となる。 加算器195〜201は、ノートコードメモリ
158〜161及びオクターブコードメモリ15
4〜156から供給される根音に相当するキーコ
ードデータN1〜B3に対して第3図の従音成形用
データ発生部40から供給される従音形成用デー
タSD1〜SD5を加算し、従音に相当するキーコー
ドデータを作り出す。従音形成用データの最下位
ビツトSD1はノートコードの最下位ビツトN1に対
応する加算器195に加わり、その上のビツト
SD2〜SD4はノートコードの上位ビツトN2〜N4
夫々対応する加算器196〜198に加わり、最
上位ビツトSD5はオクターブコードの最下位ビツ
トB1に対応する加算器199に加わる。 従音形成用データSD1〜SD5は、そのデータ
SD1〜SD5を作り出そうとする従音が根音に対し
てもつ音程に対応する値となつている。このデー
タSD1〜SD5を根音に相当するキーコードの下位
ビツトデータN1〜B1に加算して従音に相当する
キーコードデータを作り出すわけであるが、前記
第1表からわかるようにノートコードN1〜N4
各音名のノートコードの差がそのままそれらの各
音名間に対応するように設定されていない。これ
はノートコードN1〜N4のデータが4ビツトであ
り、“0000”から“1111”までの16通りの値をと
り得るのに対して、1オクターブ中の音名数は12
音であるからである。前記第1表を参照すれば明
らかなように、ノートコードN1〜N4においては
ビツトN1とN2が共に“1”である4つのデータ
“0011”、“0111”、“1011”、及び“1111”が使用さ
れていず、残りの12通りのデータが12音に割当て
られている。 1オクターブにおける半音音程の数も12である
ので、従音形成用データSD1〜SD4(1オクター
ブ音程に対応するビツトSD5は除いて考える)の
値も上記ノートコードN1〜N4の値に対応して設
定すると都合がよい。すなわち、10進数の
「3」、「7」、「11」、「15」に相当する4つのデー
タ“0011”、“0111”、“1011”、及び“1111”を使
用せずに、残りの12通りのデータを音程の大きさ
に対応して下記第4表に示すように割当てる。
【表】 次にもう一度ノートコードN1〜N4のみを抜き
出して第5表に示す。
【表】 第5表において、データN1〜N4の値が連続し
ている音毎に4つのグループ、、、に各
音名を振り分けることができる。そして、各グル
ープにおける値の小さい音(低音側の音)から順
に「a」、「b」、「c」という別グループに分ける
ことができる。 ここで、第5表に示す各ノートコードN1〜N4
に対して第4表に示して従音形成用データSD1
SD4を加算した場合を想定してみる。すると、グ
ループ「a」の音(C#、E、G、A#)のノー
トコードN1〜N4は、すべての従音形成用データ
SD1〜SD4に関して予定通り音程をもつ所定の従
音のノートコードデータを得ることができる値と
なつているということが判かる。従つて、上記グ
ループ「a」の音の何れかを根音とする場合にお
いては、加算器195〜198においてライン1
89〜192を経てノートコードメモリ158〜
161から供給される該グループ「a」の音のノ
ートコードN1〜N4に対して従音形成用データSD1
〜SD4を単に加算するだけで所望の従音に対応す
るノートコードデータAN1〜AN4を作り出すこと
ができる。 また、グループ「b」の音(D、F、G#、
B)のノートコードN1〜N4に対して長2度、完
全4度、短6度あるいは長7度の音程に対応する
従音形成用データSD1〜SD4を加算した場合は、
その加算結果がノートコードN1〜N4には使用さ
れていないデータ(10進数の3、7、11、あるい
は15)となつてしまう。上記以外の音程に対応す
る従音形成用データSD1〜SD4を加算した場合
は、予定通りの音程をもつ所定の従音のノートコ
ードデータを得ることができる。一例を挙げると
D音に対応する数値「1」に短3度音程のデータ
の数値「4」を加算すると、加算結果は「5」と
なり、D音に対して短3度の音程をもつF音のノ
ートコードデータを得ることができる。しかし、
長2度音程のデータの数値「2」を数値「1」に
加算すると、加算結果は「3」となり、ノートコ
ードN1〜N4には使用されていないデータとなつ
てしまう。D音に対して長2度の音程をもつ音は
E音であるので、加算結果は数値「4」とならね
ばならない。これは上記の加算結果「3」に対し
て「1」を加算すればよい。 従つて、上記グループ「b」の音が根音となつ
た場合は、加算器195〜198において加算を
行なう際に、必要に応じてデータの数値補正を行
なう必要がある。この数値補正は、第4図の数値
補正回路207からライン208を介して加算器
195に対して数値「1」を加えることにより実
行される。すなわち、上記グループ「b」の音の
ノートコードN1〜N4に対して長2度、完成4
度、短6度あるいは長7度の音程に対応する従音
形成用データSD1〜SD4を加算器195〜198
で加算しただけの場合、その加算結果はノートコ
ードN1〜N4で使用されていない数値「3」、
「7」、「11」あるいは「15」となる。しかし、ラ
イン208を介して補正ための数値「1」を加算
することにより上記加算結果は数値「4」、
「8」、「12」あるいは「0(16)」に補正され、根
音に対して長2度、完全4度、短6度あるいは長
7度の音程をもつ音の正しいノートコードデータ
が作られる。 上記グループ「b」の音は、第5表から明らか
なようにノートコードの最下位ビツトデータN1
の論理値が“1”である。従つて、ビツトN1
対応するノートコードメモリ158の出力ライン
189の信号を数値補正回路207のアンド回路
209に加え、根音が上記グループ「b」に属す
る音の場合は該アンド回路209を動作可能にす
る。また、第4表に示したように、長2度、完全
4度、短6度及び長7度の音程の従音形成用デー
タの下から2ビツト目のデータSD2は論理値
“1”であるので、該データSD2を前記アンド回
路209の他の入力に加える。該アンド回路20
9の動作条件が満足されるとき、信号“1”が出
力され、オア回路210及びライン208を介し
て数値補正用の数値「1」が加算器195に加え
られる。 次に、前記第5表に示すグループ「c」の音
(D#、F#、A、C)のノートコードN1〜N4
対して前記第4表に示す短2度、長3度、完全5
度あるいは短7度の音程に対応する従音形成用デ
ータSD1〜SD4を加算した場合は、それらの加算
結果がノートコードN1〜N4には使用されていな
いデータ(10進数値3、7、11あるいは15)とな
つてしまう。また上記同様グループ「c」の音の
ノートコードN1〜N4に対して前記第4表に示す
長2度、完全4度、短6度あるいは長7度の音程
に対する従音形成用データSD1〜SD4を加算した
場合、それらの加算結果が本来の上記関係(長2
度、完全4度………)にある音より半音低い音に
なつてしまうという不都合が生じる。そこで、前
記グループ「b」の場合と同じ様に、数値補正回
路207からライン208を介して加算器195
に数値「1」を加えて、数値補正を行なう必要が
ある。但し、上記以外の音程(1度、短3度、減
5度及び長6度)の従音形成用データに関しては
数値補正を行なう必要はない。 前記第5表に示したように、グループ「c」の
音のノートコードの下から2ビツト目のデータ
N2の論理値は“1”であるので、ノートコード
メモリ159の出力ライン190の信号を数値補
正回路207のアンド回路211及び212に加
え、上記グループ「c」に属する音が根音に相当
する場合は該アンド回路211及び212を動作
可能にする。また、前記第4表に示すように、短
2度、長3度、完全5度あるいは短7度の音程に
対応する従音形成用データの最下位ビツトデータ
SD1の論理値は“1”であり、長2度、完全4
度、短6度あるいは短7度の音程に対応する従音
形成用データの2ビツト目のデータSD2の論理値
は“1”である。従つて、従音形成用データの最
下位ビツトデータSD1をアンド回路211に、2
ビツト目データSD2をアンド回路212に、夫々
加える。これにより、アンド回路211もしくは
212の動作条件が成立したとき、オア回路21
0を介してライン208に信号“1”が与えら
れ、加算器195に対して数値補正用の数値
「1」が加えられる。 例えば根音がD#音の場合に、従音形成用デー
タSD1〜SD4として長3度の音程に対応するもが
与えられたとすると、ライン190のデータN2
とデータSD1が共に“1”であるので、アンド回
路211の動作条件が成立し、ライン208を経
て信号“1”が供給される。従つて、加算器19
5〜198における加算を10進数で表わすと、
「2+5+1=8」となり、D#音よりも長3度
音程上のG音のノートコードデータを加算結果と
して得る。 ノートコードN1〜N4に対応する加算器195
〜198における加算結果が10進数の「16」を超
えると、加算器198からキヤリイ信号CRが出
て1オクターブ音程に対応する加算器199に加
わる。オクターブコード加工用の加算器199〜
201においては、オクターブコードメモリ15
4〜156に記憶された根音に相当する音のオク
ターブコードB1〜B3に対して、前記加算器19
8からのキヤリイ信号CR及び1オクターブ音程
に対応する従音形成用データSD5(前記第4表下
欄参照)が加算される。 従音形成用データの発生 従音形成用データSD1〜SD5は、第3図の音程
数値メモリ213から遅延フリツプフロツプ21
4を経て第4図の加算器955〜199に供給さ
れる。音程数値メモリ213は例えばデータSD1
〜SD5の各ビツトに対応する5個のオア回路から
成るエンコーダであり、ベース系従音選択ゲート
部129あるいはコード系従音選択ゲート部21
5からの出力に応じて前記第4表を示すような値
の従音形成用データSD1〜SD5が読み出される。
ベース系従音選択ゲート部129は各種の音程に
対応する複数アンド回路を具えている。第5図の
ベースパターン発生部41から供給されるベース
パターンパルスT1〜T17に応じてベース系従音選
択ゲート部129のアンド回路が動作可能とな
り、音程数値メモリ213から従音形成用データ
SD1〜SD5が読み出される。ノア回路216は、
ベースパターンパルスT3〜T17が加えられている
選択ゲート部129内の各アンド回路に対して通
常は信号“1”を供給し、ベースパターンパルス
T3〜T17に対応する従音の選択を可能にする。 コード種類検出回路109からライン122,
124,127あるいは128を経てベース系従
音選択ゲート部129に加えられる検出信号
Dm、セブンス検出信号D7、信号m+7、あるい
は信号m・7はは3度、6度あるいは7度の音程
の長短を選択するために使用される。 ベース系従音選択ゲート部129は、ベースパ
ターンパルスT3〜T17及びライン122,12
4,127,128からのコード種類検出信号に
応じて、下記に示すような関係で各種音程の従音
を選択する信号2,3♭,3………7、oct、oct
+3♭、oct+3を発生する。以下では、ベース
系従音選択ゲート部129の各アンド回路の論理
式を記し、その解説を加える。なお、説明簡略化
のため、ノア回路216の出力信号は論理式条件
から除外して記した。第3図中の選択ゲート部1
29の左側のアンド回路217から順に説明す
る。 2=T3
………(アンド回路217) ベースパターンパルスT3は長2度音程の従音
選択信号2が発生させる。 3♭=T5・Dm
………(アンド回路218) マイナ検出信号Dm(短3度音程信号S3♭)が
生じている場合においてはベースパターンパルス
T5は短3度音程の従音選択信号3♭を発生させ
る。 3=T5
………(アンド回路219) マイナ検出信号Dmが生じていない場合におい
てはベースパターンパルスT5は長3度音程の従
音選択信号3を発生させる。 4=T6 ベースパターンパルスT6は完全4度音程の従
音選択信号4を発生させる。 5♭=T7 ベースパターンパルスT7は減5度音程の従音
選択信号5♭を発生させる。 5=T8 パルスT8は完全5度音程の従音選択信号5を
発生させる。 6=T10 パルスT10は長6度音程の従音選択信号6を発
生させる。 6♭=T10′(m・7)
………(アンド回路220) セブンス検出信号D7が発生していずかつマイ
ナ検出信号Dmが発生している場合(すなわち5
度音程のマイナコード検出信号m・7が“1”の
場合)においては、パルスT10′は短6度音程の従
音選択信号6♭を発生させる。 セブン検出信号D7が発生していずかつマイナ
検出信号Dmが発生している場合以外の場合(す
なわち5度音程マイナコード検出信号m・7が
“0”の場合、すなわちメジヤコードかセブンス
コードもしくはマイナセブンスコードの場合)に
おいては、ベースパターンパルスT10′は長6度音
程の従音選択信号6を発生させる。 7♭=T11 ベースパタンパルスT11は短7度音程の従音選
択信号7♭を発生させる。 7♭=T12・(m+7)
………(アンド回路222) マイナ検出信号Dmまたはセブンス検出信号D
7のどちらかが発生している場合(すなわちマイ
ナコード、もしくはセブンスコードもしくはマイ
ナセブンスコードの検出信号m+7が“1”の場
合)においては、ベースパターンパルスT12は短
7度音程の従音選択信号7♭を発生させる。 7=T12・(+7)
………(アンド回路223) マイナ検出信号Dmまたはセブンス検出信号D
7のどちらも発生していない場合(すなわち上記
信号m+7が“0”の場合)においては、パルス
T12は長7度音程の従音選択信号7を発生させ
る。 7♭=T12′・D7
………(アンド回路224) セブンス検出信号D7が生じている場合におい
ては、パルスT12′は短7度音程の従音選択信号7
♭を発生させる。 7=T12′・
………(アンド回路225) セブンス検出信号D7が生じていない場合にお
いては、パルスT12′は長7度音程の従音選択信号
7を発生させる。 oct=T13 ベースパターンパルスT13は根音の1オクター
ブ上の音程の従音選択信号octを発生させる。 oct+3♭=T17・Dm
………(アンド回路226) マイナ検出信号Dmが発生している場合におい
ては、ベースパターンパルスT17は1オクターブ
上の短3度音程の従音選択信号oct+3♭を発生
させる。 oct+3=T17
………(アンド回路227) マイナ検出信号Dmが発生していない場合にお
いては、パルスT17は1オクターブ上の長3度音
程の従音選択信号oct+3を発生させる。 以上のようにして、ベース系従音選択ゲート部
129の各アンド回路においてベースパターンパ
ルスT3〜T17に応じて発生させた各種音程の従音
選択信号2,3♭,3………oct+3は、前記第
4表に示すような所定の値の従音形成用データ
SD1〜SD5を得るような組合わせで音程数値メモ
リ213の各オア回路に入力される。第3図にお
ける音程数値メモリ213の接続を見れば明らか
なように、例えば、長2度音程に対応する従音形
成用データの値SD5,SD4,SD3,SD2,SD1
“00010”であるので(前記第3表参照)、アンド
回路217から出力される長2度音程の従音選択
信号2はデータSD2に対応するオア回路のみに入
力され、他のオア回路には入力されない。 なお、ベースパターンパルスT1は根音に対応
するものであり、従音選択ゲート部129におい
て直接的には利用されていない。このパルスT1
が発生されたとき(かつ他のパルスT3〜T17が発
生されていないとき)、従音形成用データSD1
SD5は“00000”であり、第4図の加算器195
〜201においてはライン189〜195から与
えられる根音のノート及びオクターブコードデー
タを変更せずにそのままの形で出力する。 ベースパターン発生の概略 ベース音として発生する音(根音もしくは従
音)の音程(根音に対する音程)に対応するベー
スパターンパルスT1〜T17は、各ベースパターン
において所定のパルスT1〜T17が所定のタイミン
グで所定の長さをもつて発生されるようになつて
いる。演奏者は所望のリズム等に応じて所望のベ
ースパターンを選択し、選択されたベースパター
ンを実現するベースパターンパルスT1〜T17が第
5図のベースパターン発生部41から発生され
る。1つのベースパターンが対応しているだけで
なく、1つのリズムに対応して複数のベースパタ
ーンが準備されており、それらは選択可能であ
る。例えば、1つのリズムに関して6種類のベー
スパターンを選択することが可能であるとし、14
種類のリズムの選択が可能であるとした場合に
は、14×6=84種類のベースパターンが選択可能
となるようにベースパターン発生部41が構成さ
れている。 第11図及び第12図はベースパターンの一例
を五線譜に音符を用いて示したもで、下第一線の
位置(C4音の位置)を根音(1度音程)と仮定
し、各従音の音程関係を五線譜表上に表わしたも
のである。音符の長さは当該ベース音の長さに相
当し、これは当該音程に対応して発生されるベー
スパターンパルスT1〜T17相互の発生間隔に相当
する。第11図はリズムとして「スイング」を選
択した場合に選択しうるベースパターンの1つを
示すもの、第12図は「マーチ」のリズムを選択
した場合に選択しうるベースパターンの1つを示
すものである。 第11図に示すベースパターンが演奏者によつ
て選択された場合、第5図のベースパターン発生
部41からは第11図aに示すようにパターンパ
ルスT1,T5,T8,T10,T11,T8,T5が順番にか
つ繰返して発生される。ベース系従音選択ゲート
部129(第3図)においては各パルスT1〜T11
に応じて所定の音程の従音選択信号1〜7♭が順
番に出力される。その順番は、メジヤまたはセブ
ンスコードの場合は第11図bに示したように1
→3→5→6→7♭→6→5→3であり、マイナ
またはマイナセブンスコードの場合は第11図c
に示すように1→3♭→5→6→7♭→6→5→
3♭である。 ベースパターンパルスT5は3度の音程を選択
するために使用されるが、その音程はコード種類
に応じて長3度もしくは短3度に変化する。マイ
ナコードもしくはマイナセブンスコードの場合、
ライン122(第3図)のマイナ検出信号Dmに
よつて選択ゲート部129のアンド回路218が
動作可能となり、パルスT5に応じて短3度音程
の従音選択信号3♭が音程数値メモリ213に供
給される。メジヤコードもしくはセブンスコード
の場合、マイナ検出信号Dmは“0”であるの
で、従音選択ゲート部129のアンド回路219
が動作可能となり、パルスT5に応じて長3度音
程の従音選択信号3がメモリ213が入力され
る。 ベースパターンパルスT12′はセブンスコードか
否かに応じて変化する7度の音程を選択するため
に使用される。すなわち、セブンスコードの場合
ライン128のセブンス検出信号D7によつて従
音選択ゲート部129のアンド回路224が動作
可能となり、パルスT12′に応じて短7度音程の従
音選択信号7♭が発生される。セブンスコード以
外のコードの場合、セブンス検出信号D7が
“0”となるので、従音選択ゲート部129のア
ンド回路225が動作可能となり、パルスT12′に
応じて長7度音程の従音選択信号7が発生され
る。 ベースパターンパルスT11はコード種類にかか
わりなく短7度音程を選択する場合に使用される
(第11図参照)。 ベースパターンパルスT12はメジヤコードか否
かに応じて変化する7度の音程を選択するために
使用される。すなわち、マイナもしくはマイナセ
ブンスはセブンスコードの場合、マイナ検出信号
Dmもしくはセブンス検出信号D7が“1”であ
り、オア回路123の出力信号(m+7)が
“1”となり、ベース系従音選択ゲート部129
のアンド回路222が動作可能となることによつ
てパルスT12が応じて短7度音程の従音選択信号
7♭が発生される。メジヤコードの場合は前記オ
ア回路123の出力信号(m+7)が“0”であ
るのでアンド回路223が動作可能となり、パル
スT12に応じて長7度音程の従音選択信号7が発
生される。 ベースパターンパルスT10′はマイナコードの場
合のみ短6度音程を選択するために使用される。
すなわち、アンド回路126から出力される5度
音程のマイナコード検出信号(m・7)が“1”
のとき、アンド回路220が動作可能となつてパ
ルスT10′に応じて短6度音程の従音選択信号6♭
が発生される。メジヤ、セブンスあるいはマイナ
セブンスコードの場合は上記信号(m・7)は
“0”であり、アンド回路221が動作可能とな
つてパルスT10′に応じて長6度音程の従音選択信
号6が発生される。 ベースパターンパルスT10はコード種類にかか
わりなく長6度音程を選択する場合に使用され
る。 ベースパターンパルスT17はコード種類に応
じて変化する1オクターブ上の3度音程を選択す
る場合に使用される。マイナ検出信号Dmによつ
てアンド回路226が動作可能となり、パルス
T17に応じて1オクターブ上の短3度音程の従音
選択信号oct+3♭が発生されるマイナ検出信号
Dmが“0”の場合はアンド回路227が動作可
能となり、パルスT17に応じて1オクターブ上の
長3度音程の従音選択信号oct+3が発生され
る。 この装置において使用されるベースパターンパ
ルスは1オクターブ内の必要なほとんどの音程を
網羅しているばかりでなく、1オクターブ上の音
程に対応するものも使用することができる。その
上、上述のように同じ音程の従音選択信号を発生
させる場合でも異なるパルス(例えばT10
T10′、T11とT12、及びT12′)を必要に応じて使い
分けることができるようになつており、更にこれ
らのパルスはコード種類に応じた音程変化を可能
にするので、ベースパターンに応じた複雑な使い
分けが可能である。従つて「ウオーキング・ベー
ス」といわれるような音程が複雑に変化するベー
ス演奏を自動演奏することができる。、第11図
及び第12図のベースパターンは「ウオーキン
グ・ベース」の形式のものである。因みに、従来
の自動ベース演奏装置は1度、3度、5度及び7
度の音程を出すことができる程度で、2度、4
度、6度などの音程を出すことができる。単調な
ベース演奏しか行ない得なかつた。 第12図はコード種類に応じてその選択音程が
切換わるパルスT10′,T12,T12′などを用いて複
雑なベース演奏を行なえるようにしたベースパタ
ーンの一例を示したもので、第12図aに示すよ
うにパターンパルスT13,T12,T10′,T8,T10
T12′,T13,T8,T13,T8,T10,T12′が順番にか
つ繰返して発生される。ベース系従音選択ゲート
部129においては各パルスT13〜T12′に応じて
夫々所定の音程の従音選択信号が順番に発生さ
れ、コード種類に応じて第12図b〜eに示すよ
うに音程変化する従音形成用データSD1〜SD5
音程数値メモリ213から出力される。 メジヤコードの場合はパルスT10′,T12
T12′によつて長6度及び長7度音程の従音選択信
号6,7が選択されるので、第12図bに示した
ように、従音選択信号はoct→7→6→5→6→
7→oct→5→oct→5→6→7→………という順
番で発生され、、これに応じて従音形成用データ
SD5〜SD1は“10000”→“01110”→“01100”→
“01001”→………というように発生生され、従つ
て根音の1オクターブ上の音→根音に対して長7
度音程上の音→長6度音程上の音→………という
順にベース演奏が進行する。 セブンスコードあるいはマイナセブンスコード
の場合はパルスT12及びT12′に対応する7度音程
の音にフラツト記号がついて短7度音程7♭が選
択され、第12図d及びeに示すようにベース演
奏が進行する。 マイナコードの場合はパルスT12によつて短7
度音程7♭が選択され、パルスT10′によつて短6
度音程6♭、パルスT10によつて長6度音程6、
パルスT12′によつて長7度音程7が夫々選択され
る。従つて、第12図cに示したように、音高が
下降する場合は7度と6度の音程の音にフラツト
記号(♭)がついて短7度、短6度となるが、音
高が上昇する場合はナチユラル記号(♭)がつい
て元の長7度、長6度の音程に戻る。 上記のように、マイナコードのベース音進行時
における音高下降中に7度と6度の音程の音にフ
ラツト信号をつけて半音下げ、音高上昇中の7度
と6度の音程の音は元の長7度、長6度音程に戻
すというベース進行は或る種のリズムのベース演
奏にとつては極めて有効であり、かつ、ベース演
奏を豊かな感覚のものにするためには極めて重要
な操作である。この実施例の装置では、音高下降
時における7度音程及び6度音程選択のためにパ
ターンパルスT12とT10′を使用し、音高上昇時に
おける7度音程及び6度音程選択のためにパルス
T12′,T10を使用することにより、上述のような
複雑なベース進行の自動演奏が可能である。 すなわち、この実施例においては、7度及び6
度の音程を対象としてベース音高の上昇時及び下
降時において半音程の切換えを行なうようにして
いる。このため、7度音程に対応して2種のパタ
ーンパルスT12及びT12′を発生し、6度音程に対
応して2種類のパターンパルスT10及びT10′を発
生し、これら2種類のパルスを音高の上昇時と下
降時において使い分けるようにしている。使い分
けられたパルスT12,T10′及びT12′,T10にもとづ
いて半音程の切換えを行なうべきか否かは、コー
ド種類に応じて制御するようにしている。この実
施例においては「マイナコード」の場合に上記半
音程の切換えが行なわれる。第3図のベース系従
音選択ゲート部129の構成から明らかなよう
に、音高下降時に用いられるベースパターンパル
スT12,T10′及び音高上昇時に用いられるベース
パターンパルスT12′,T10が指定する音程とコー
ド種類との関係は第6表のようになつている。
【表】 第6表において、「Maj」はメジヤコート、
「min」はマイナコード、「7th」はセブンスコー
ド、「m7th」はマイナセブンスコードを示す。縦
欄のコード種類Maj〜m7thと横欄のパルスT12
T10(音程度数)との交点に示した「♭」(フラ
ツト)または「〓」(ナチユラル)は半音程の上
げ下げを示す。「♭」の場合は短7度または短6
度音程が指定されることを示し、「〓」は長7度
または長6度音程が指定されることを示す。第6
表から明らかなように、スペースパターンの音高
下降時及び上昇時において音程が切換わるのはマ
イナコード(min)の場合だけである。如何なる
ベースパターン(あるいはリズム)が選択された
場合に、パルスT12あるいはT12′,T10あるいは
T10′を発生すべきかということはベースパターン
発生部41の内部において予じめプログラムされ
ている。 各ベースパターンパルスT1〜T17の相互の発生
間隔は第11図、第12図にも例示したように当
該ベースパターンにおける当該音程の音符の長さ
に対応している。すなわち、演奏者が押鍵操作に
よつて実際にベース音を演奏した場合の各鍵の押
鍵間隔に相当する時間である。また、1つのパル
スT1〜T17の発生時間幅は、自動ベースコード演
奏制御装置31のシステムクロツクの周期よりも
はるかに長く、スタートコードSCの周期よりも
十分に長い時間である。 ベース音のキーコードデータ送出 ベースパターンパルスT1〜T17は第3図のオア
回路228に加えられ、1本のライン188にま
とめられてベース音発生タイミング信号BTとな
る。ライン188に挿入された遅延フリツプフロ
ツプ229及び従音形成用データSD1〜SD6を遅
延する遅延フリツプフロツプ群214は、第4図
のノートコードメモリ158〜161及びオクタ
ーブコードメモリ154〜156における根音の
キーコードデータの1ビツトタイム分の遅れに同
期させるためのものである。ベース音発生タイミ
ング信号BTは前述のように第4図のアンド回路
187を動作可能にして、前記ベース音発生指令
信号PEを発生し得る状態とする。 アンド回路187から発生されたベース音発生
指令信号PE(第8図l参照)は第4図のオア回
路230を経てアンド回路231に加わる。イン
バータ232からアンド回路231の他の入力に
加わる信号は通常“1”であり、該アンド回路2
31を動作可能にしている。従つて、ベース音発
生指令信号PEに応じてアンド回路231から信
号“1”が出力され、キーデータ選択ゲート部2
33の加工データ選択可能ライン234に信号
“1”が供給される。 キーデータ選択ゲート部233は複数のアンド
回路とオア回路を具えており、加算器195〜2
01の出力を入力したアンド回路を前記加工デー
タ選択可能ライン234の信号“1”によつて動
作可能にし、加工したキーコードデータを選択す
る。また、前記キーコーダ26から供給される鍵
盤における押鍵通りのキーコードデータN1
N4,B1〜B3,K1,K2がライン266〜274を
経てそれぞれ入力されているゲート部233内の
アンド回路は生データ選択可能ライン235の信
号“1”によつて動作可能とされ、そのとき押鍵
通りのキーコードデータN1〜K2が選択される。 ベース音発生指令信号PEはオア回路230を
経てノア回路236に加わり、該ノア回路236
の出力に接続された前記生データ選択可能ライン
235を信号“0”にして、キーコーダ26から
の押鍵通りのデータN1〜N2の選択を禁止する。
加工データ選択可能ライン234は信号“1”と
なるので、加算器195〜201における加算結
果である加工キーコードデータAN1〜AN4,AB1
〜AB3が選択される。また、ベース音発生指令信
号PEは選択ゲート部233のアンド回路237
に加わり、加工データ選択可能ライン234の信
号“1”に応じて鍵盤コードの第1ビツト目のデ
ータAK1が作り出される。つまり、信号PEが
“1”のときデータAK1は“1”となる。また、
加工データ選択可能ライン234の信号は選択ゲ
ート部233のオア回路238を経て、鍵盤コー
ドの第2ビツト目のデータAK2となる。従つて該
ライン234が信号“1”のときはデータAK2
“1”となる。 従つてベース音発生指令信号PEが生じたとき
は鍵盤コードの加工データAK2,AK1が“11”と
なり、ペダル鍵盤の音、つまりベース音であるこ
とを表わすデータが作り出される。これにより、
加算器195〜201で得た加工キーコードデー
タAK1〜AB3はベース音のデータとして以後の回
路(チヤンネルプロセツサ30など)において取
扱われる。キーデータ選択ゲート部233の選択
出力は遅延フリツプフロツプ群239でシステム
クロツクとの同期をとつた後、チヤンネルプロセ
ツサ30に供給される。 以上のように、所定のベースパターンに従つて
所定のタイミングで所定の鍵があたかも実際に押
されたかのように根音及び従音に相当するキーコ
ードデータN1〜AK2が作り出され、チヤンネルプ
ロセツサ30に対して送出される。 例えば、カスタム機能が選択されている場合に
おいては、ペダル鍵盤29でC2音の鍵が押され
ており、下鍵盤28ではメジヤコードが押鍵形成
されており、ベースパターンとして第11図に示
したようなパターンが選択されていると仮定する
と、下記第7表に示すように加工キーコードデー
タAN1〜AK2が順次発生される。
【表】 第7表において例えばパターンパルスのパルス
幅が約100msであるとすると、第8図lに関連
して既に説明したようにベース音発生指令信号
PEはスタートコードSCの1発生間隔の間に1度
だけ発生されるので、該スタートコードSCの発
生間隔を約5msとした場合はパターンパルス
T1,T5,T8………が1個発生する間に同じ値の
加工キーコードデータAN1〜AK2が約5msおき
に継続的に約20回繰返し発生されることになる。 既に説明したように、チヤンネルプロセツサ3
0においては、スタートコードSCの1発生間隔
の間に1度でもキーコードデータが供給される
と、そのキーコードデータに係る鍵が押鍵中であ
ると判断する。従つて、スタートコードSCの1
発生間隔の間に1度だけ発生されるベース音の加
工キーコードデータAN1〜AK2は、チヤンネルプ
ロセツサ30に順当に受入れられ、所定の発音チ
ヤンネルに割当て、記憶される。 なお、キーコーダ26から供給されるキーコー
ドの鍵盤コードK1,K2を第4図のアンド回路2
40に入力し、ペダル鍵盤のキーコードである場
合は該アンド回路240からペダル鍵盤検出信号
PKE(=“1”)を出力する。このペダル鍵盤検
出信号PKEは第3図のアンド回路241に供給
される。このアンド回路241の他の入力には、
前記フアンクシヨンデコーダ47のアンド回路1
75の出力である自動演奏オフ信号OFFをイン
バータ242で反転した信号が加えられて
いる。アンド回路241の出力“1”はオア回路
243を経て生キーデータ阻止信号INHとなり、
第4図のノア回路236に加わる。これによりノ
ア回路236の出力が“0”となるので、前記キ
ーデーダ選択ゲート部233の生データ選択可能
ライン235が信号“0”となり、キーコーダ2
6からの押鍵通りのデータN1〜K2の選択を禁止
する。これにより、カスタム機能、フインガーコ
ード機能あるいはシングルフインガー機能などの
自動ベースコード演奏を選択している場合(信号
OFFが“0”)に、ペダル鍵盤29で実際に押鍵
された鍵のキーコードN1〜K2がキーコーダ26
から供給されると、生キーデータ阻止信号INHが
発生して、キーデータ選択ゲート部233で押鍵
通りの生のキーコードN1〜K2が選択されないよ
うにする。すなわち、ベース音のキーデータは加
工されたものAN1〜AK2だけがチヤンネルプロセ
ツサ30に供給される。 カスタム機能におけるコード音の発生 コード音、すなわち下鍵盤28で押鍵された音
のキーコードデータN1〜K2は、カスタム機能
(及びフインガーコード機能)の場合、この自動
ベースコード演奏制御装置31(第1図参照)で
何の変更も加えられず、キーデータ選択ゲート部
233(第4図)で生データ選択可能ライン23
5の信号“1”によつて選択され、そのままチヤ
ンネルプロセツサ30に送出される。すなわち、
下鍵盤28のキーコードN1〜K2がキーコーダ2
6から供給されたタイミングにおいては、オア回
路230(第4図)の出力も生キーデータ阻止信
号INHも“0”であり、ノア回路236の出力が
“1”となつているからである。但し、後述のよ
うにシングルフインガー機能が選択されている場
合は、下鍵盤のキーコードデータに応じて生キー
データ阻止信号INHが発生される。 チヤンネルプロセツサ30において下鍵盤で押
鍵されている各音、つまり各コード構成音は夫々
適宜の発音チヤンネルに割当てられる。各コード
構成音の楽音信号は楽音発生回路32(第1図)
で発生される。コード音をきざむタイミング毎に
エンベロープ波形発生回路33から発生されるエ
ンベロープ波形信号に応じて各コード構成音の振
幅エンベロープが同時にかつ同様に制御されるこ
とにより、コード音が発音される。コード音をき
ざむタイミングは、コード音発音タイミング制御
部43から供給されるコード音発音タイミング信
号CGによつて設定される。 フインガーコード機能について フインガーコード機能におけるコード音の出し
方は上述のカスタム機能の場合と同じである。フ
インガーコード機能においては下鍵盤28のみが
使用され、ペダル鍵盤29は使用されないので、
ベース音の出し方は上述のカスタム機能の場合と
は若干異なる。 フインガーコード機能が選択された場合、フイ
ンガーコード機能選択信号FCが“1”となり、
ライン100の信号FC+CAも“1”となるの
で、コード検出ロジツク96(第2図)のアンド
回路97及び98が動作可能となる。既述のよう
に、根音検出信号RTは検出したコードの根音名
に対応するタイミングで発生される。第2図のオ
ア回路108から出力された根音検出信号RTは
第4図のオア回路244に加わり、根音タイミン
グ記憶用シフトレジスタ245に続み込まれる。
シフトレジスタ245は根音名をタイミングで記
憶するものであり、各12音のタイミングは1ビツ
トタイムずつ時分割的に割振られているので、入
力した根音検出信号RTを12ビツトタイム遅延
し、第12ステージ目の出力をアンド回路246に
加え、オア回路244を介してシフトレジスタ2
45に循環させる。こうして、根音名が時分割の
タイミングで記憶される。 オア回路244から出力される根音検出信号
RTはライン247を経てアンド回路248に供
給される。アンド回路248の他の入力には、カ
スタム機能選択信号CAをインバータで反転した
信号が加わつている。従つて、「フインガーコー
ド機能」または「シングルフインガー機能」の場
合は、アンド回路248が動作可能となる。根音
検出信号RTの発生タイミングに応じてアンド回
路248から出力される信号“1”は、オア回路
165及びアンド回路249,250,251,
252に加わる。 音名エンコーダ107から第9図cに示すよう
に時分割的に発生される各ノートコードの最下位
ビツトデータN1 *は上記アンド回路249に加
わり、データN2 *はアンド回路250、データ
N3 *はアンド回路251、データN4 *はアンド
回路252に夫々加わる。従つて根音検出信号
RTの発生タイミングに応じて根音名に相当する
ノートコードデータN1 *〜N4 *がアンド回路2
49〜252で選択され、ノートコードメモリ1
58〜161に夫々記憶される。すなわち、ノー
トコードメモリの遅延フリツプフロツプ163に
記憶された古いデータはオア回路165の出力
“1”によつてクリアライン167、アンド回路
164を介してクリアされ、アンド回路249〜
252で選択されたデータN1 *〜N4 *が各メモ
リ158〜161の遅延フリツプフロツプ163
に記憶される。 なお、根音タイミング記憶シケトレジスタ24
5の第1ステージから第11ステージの出力はノア
回路253に加わり、根音検出信号RTが2以上
発生された場合に後で発生された根音検出信号
RTにより該ノア回路253の出力を“0”にし
て、アンド回路246を不動作にし、第12ステー
ジに到達した先に発生された異なる音名の根音検
出信号が第1ステージに帰還されることを阻止す
る。従つて、シフトレジスタ245は後から発生
された根音検出信号RTの発生タイミングを優先
的に記憶する。なお、押鍵信号KOが第2図のア
ンド回路86からインバータ254を経てノア回
路253に加わるが、これは、離鍵時にシフトレ
ジスタ245の記憶をクリアするためである。 異なる音名の根音検出信号RTが2個以上発生
する場合とは、次のような場合である。例えば、
下鍵盤28でD4、A4、C5音の3鍵が押圧され、
「Dセブンス」のコードが押鍵形成されていると
する。走査回路87(第2図)の走査の最初のタ
イミングでは、最終段87−12に音名Cのデー
タ、段87−10に音名Dのデータ、段87−3
に音名Aのデータが保有されている。このとき、
音名Cのデータによつてアンド回路132(第2
図)の条件が成立し、ノンコード信号NCが発生
し、オア回路108を経てC音のタイミングで根
音検出信号RTが発生する。その2ビツトタイム
後には、音名Dのデータが走査回路段87−12
に入り、音名Cのデータは第87−2に入る。従
つてアンド回路98の条件が成立し、コード検出
信号CDが発生し、これによりD音のタイミング
で根音検出信号RTが発生する。C音のタイミン
グで先に発生された根音検出信号RTは偽の根音
検出信号であり、D音のタイミングで後から発生
された信号RTが真の根音検出信号である。 従つて、根音タイミンダ記憶用シフトレジスタ
245では、先に発生された偽の根音検出信号の
記憶をクリアするようになつている。 また、先に発生される偽の根音検出信号RTに
応じてノートコードメモリ158〜161には偽
の根音のノートコードデータが記憶されるが、後
から発生される真の根音検出信号RTによつて直
ちにその記憶が書替えられる。また、一致信号
EQは2度続けて同じノートコードデータが与え
られないと発生されないので、偽の根音検出信号
RTに応答して一致信号EQが発生されることはな
い。 フインガーコード機能においてはノートコード
メモリ158〜161だけが使用され、オクター
ブコードメモリ154〜156は使用されない。
また、第4図のオア回路206の出力は“0”で
あり、オクターブコードメモリ154〜156の
出力ライン193〜195の信号を加算器199
〜201に導くためのアンド回路202〜204
は動作しない。オア回路206は前述のカスタム
機能が選択されている場合あるいは後述のシング
ルフインガー機能においてコード音のキーコード
データを加工する場合に出力“1”となり、フイ
ンガーコード機能あるいはシングルフインガー機
能のベース音用キーコードデータを加工する際に
は出力“0”である。オア回路206の出力
“0”はインバータで反転されて“1”となり、
アンド回路255を動作可能にする。 フインガーコード機能あるいはシングルフイン
ガー機能においては、自動ベース音の根音となる
音の音域はC2音からB2音までの1オクターブの
範囲に限定される。そのため、アンド回路255
は根音に相当するキーコードデータのオクターブ
データB1〜B3を作るために設けられたものであ
る。上位3ビツトのノートコードデータN2
N3,N4,N2 *,N3 *,N4 *を記憶したノートコ
ードメモリ159〜161の出力はライン190
〜192からナンド回路256に加わり、該アン
ド回路256の出力は前記アンド回路255の他
の入力に加わる。既述のようにC音のノートコー
ドN4,N3,N2,N1は“1110”であり、上位3ビ
ツトのデータがすべて“1”である。従つて、ナ
ンド回路256はノートコードメモリ158〜1
61から加算器195〜198に加えられる根音
に相当するノートコードデータがC音のものであ
る場合に動作条件が成立し、信号“0”を出力す
る。C音以外の音C#〜Bの場合はナンド回路2
56の出力は“1”である。 ナンド回路256の出力はアンド回路255を
経由してオクターブコードの最下位ビツトB1
AB1に対応する加算器199に加わる。上位ビツ
トB2,B3,AB2,AB3に対応する加算器200,
201にはデータが入力されない。従つて、C音
の場合は加算器199の入力は“0”であり、加
算器200,201の入力も“0”であるので、
オクターブコードデータB3,B2,B1は“000”と
なり、キーコードデータB3〜N1は“0001110”と
いうC2音のデータとなる。またC#〜B音の場
合は加算器199に信号“1”が加えられるの
で、オクターブコードB3,B2,B1は“001”とな
り、7ビツトのデータB3〜N1はC2#音〜B2音の
ものとなる。従つて、根音の音域がC2音〜B2
の1オクターブの範囲に設定される。 従音のデータAN1〜AB3は上記の音域の根音の
キーデータに対して従音加工用データSD1〜SD5
を加算して作るので、キヤリイ信号CRが加算器
199もしくは200に与えられることにより上
記音域よりも1オクターブ上の音域になることも
あり得る。 ところで、既に説明したように、カスタム機能
の場合は、ノートコードメモリ158〜161及
びオクターブコードメモリ154〜156にペダ
ル鍵盤29で押された鍵のキーコードデータN1
〜B2が記憶され、これが根音データとして加算
器195〜201で利用される。従つて、カスタ
ム機能において自動ベース音の根音となる音の音
域はペダル鍵盤29の全鍵域に及ぶ。一般にペダ
ル鍵盤29の全鍵域は2オクターブ以上であるの
で(例えばC2音〜C4音)上記フインガーコード
機能あるいはシングルフインガーコード機能の場
合よりも自動ベース音の音域が広がる。場合によ
つては、従音加工用データSD1〜SD5を加算して
作る従音のキーデータAN1〜AB3は、ペダル鍵盤
29には実際には存在しない高い音域のものとな
り得る。 シングルフインガー機能について シングルフインガー機能においてはベース音の
みならずコード音のキーコードデータもキーコー
ド加工部42において従音形成用データSD1
SD5を加算することにより作り出される。 シングルフインガー機能においては信号FC+
CAは“0”であるのでコード検出ロジツク96
(第2図)のアンド回路97,98は動作しな
い。コード検出信号CDは発生されないので、遅
延フリツプフロツプ138の記憶は“0”であ
り、アンド回路137が常時動作可能となつてい
る。下鍵盤28で押されている鍵のうち単一の鍵
(シングルフインガー機能においては単一の鍵し
か押されないことが普通であるが)に対応する音
名データ低音優先式にアンド回路132で選択さ
れ、その音名のタイミングに対応してノンコード
信号NCがアンド回路137から出される。ノン
コード信号NCはオア回路108を経由して根音
検出信号RTとして第4図のオア回路244に加
わり、シフトレジスタ245に記憶されると共
に、ライン247、アンド回路248を経てアン
ド回路249〜252を動作可能にする。そし
て、根音検出信号RTの発生タイミングに対応す
る音名のノートコードデータN1〜N4 *が音名エ
ンコーダ107からノートコードメモリ158〜
161に読み込まれる。 下鍵盤28の押鍵によつてキーコーダ26から
下鍵盤に係るキーコードN1〜K2が供給される
と、前記アンド回路59(第2図から下鍵盤検出
信号LKが発生される。この下鍵盤検出信号LKは
ライン257を経て第3図のナンド回路258に
加わる。ナンド回路258の他の入力にはフアン
クシヨンデコーダ47のアンド回路50からシン
グルフインガー機能選択信号SFが加わつてお
り、シングルフインガー機能において下鍵盤のキ
ーコードN1〜K2がこの自動ベースコード演奏制
御装置31に供給されたときに該ナンド回路25
8の出力信号・は“0”となる。 この信号・はインバータで反転されて
“1”となり、オア回路243を経て生キーデー
タ阻止信号INHが生じる。この信号INHは第4図
のキーデータ選択ゲート部233の生データ選択
可能ライン235を信号“0”にし、キーコーダ
26からライン266〜274を経て供給される
下鍵盤28で押された鍵のキーコードN1〜K2
阻止する。従つて、シングルフインガー機能にお
いてはキーコーダ26から発生された下鍵盤28
の押鍵通りのキーコードN1〜K2はチヤンネルプ
ロセツサ30に送出されない。 前記ナンド回路258から発生された信号
SF・LKはライン259を経て第4図のノア回路
260に加わる。ノア回路260の他の入力に排
他オア回路261〜264及び遅延フリツプフロ
ツプ265の出力が加わつている。排他オア回路
261〜264は、ノートコードメモリ158〜
161に記憶した根音名に根当するノートコード
データとキーコーダ26からライン266〜26
9を経て供給されるノートコーダN1〜N4とを比
較し、両者が一致したときのすべての出力が
“0”となる。遅延フリツプフロツプ265の出
力は初めは“0”である。従つて、シングルフイ
ンガー機能の場合、ノートコードメモリ158〜
161に記憶した根音のノートコードデータとキ
ーコーダ26から供給される下鍵盤で押鍵されて
いる音のノートコードN1〜N4とが一致したとき
ノア回路260の出力が“1”となる。 ノア回路260の出力“1”はオア回路153
を経てオクターブコードメモリ154〜156内
の各データの読み込みアンド回路157を動作可
能にし、ライン270〜272を経てキーコーダ
26から供給されるオクターブコードB1〜B3
メモリ154〜156に記憶させる。こうして、
根音に相当する音のノートコード及びオクターブ
コードデータがメモリ158〜161及び154
〜156に記憶される。 また、ノア回路260の出力“1”はライン2
75、オア回路276を経て遅延フリツプフロツ
プ265に記憶される。その1ビツトタイム後に
遅延フリツプフロツプ265の出力は“1”とな
り、ノア回路260の動従条件は不成立となる。
遅延フリツプフロツプ265の記憶はアンド回路
277を介して自己保持されるが、スタートコー
ドSCの発生タイミング(第13図a参照)で、
スタートコード反転信号が“0”になると該
アンド回路277が不動作となり、記憶がクリア
される。第13図gはノア回路260の出力の一
例を示すもので、同図hは遅延フリツプフロツプ
265の出力の一例を示すものである。 遅延フリツプフロツプ265の出力はアンド回
路278に加わると共に、オア回路279を径て
アンド回路280に加わる。アンド回路278及
び280にはアンド回路179からの遅延一致信
号EQ1及び遅延フリツプフロツプ181に記憶し
た記憶一致信号EQMが夫々加わつている。ロー
ドパルスSY12(第13図b参照)の1発生周期
の間に1個の根音検出信号RTが第13図cのよ
うに発生すると、一致信号EQには同図dのよう
に発生する。従つて、遅延一致信号EQ1及び記憶
一致信号EQMは第13図e,fのように発生す
る。アンド回路278の条件が一致すると遅延フ
リツプフロツプ281に信号“1”が記憶される
(第13図i参照)。アンド回路280には遅延フ
リツプフロツプ281の出力をインバータ282
で反転した信号(第13図j参照)が加わるの
で、スタートコードSCの一発生周期の間で上記
アンド回路278の条件が最初に成立したとき該
アンド回路280の条件が成立し、第13図kに
示すように一発のコード音発生指令信号LEを発
生する。遅延フリツプフロツプ281に一旦信号
“1”が記憶されると、スタートコードSCの発生
生タイミングで自己保持用アンド回路283が不
動作となるまでその記憶はクリアされない。従つ
て、コード音発生指令信号LEはスタートコード
SCの一発生周期の間に一度だけ発生される。 アンド回路280から出力されたコード音発生
指令信号LEは3ステージのシフトレジスタ28
4に入力され、該シフトレジスタ284の第1ス
テージ、第2ステージ及び第3ステージから1ビ
ツトタイムずつ順次遅延されてコード音データ発
生タイミング信号LE1,LE2,LE3(第13図
l,m,n参照)として出力される。シフトレジ
スタ284はコード音の各構成音に対応するキー
コードデータを時分割的に作り出すために設けら
れたもので、タイミング信号LE1は一度音程つま
り根音に対応するキーコードデータを作り出すタ
イミングを示すもの、信号LE2,LE3は従音のキ
ーコードデータを作り出すタイミングを示すも
の、である。 シフトレジスタ284の各ステージの出力
LE1,LE2,LE3はオア回路285でまとめら
れ、その出力LKE(第13図c参照)はオア回
路206及びアンド回路286に加わる。従つ
て、コード音データ発生タイミング信号LKE、
LE1〜LE3に応じてアンド回路202,203,
204が動作可能となり、オクターブコードメモ
リ154〜156に記憶したオクターブコード
B1〜B3が加算器199〜201に供給される。
また、コード音データ発生タイミング信号
LKE,LE1〜LE3に応じてアンド回路286が出
力“1”となり、オア回路230、アンド回路2
31を経てキーデータ選択ゲート部233の加工
データ選択可能ライン234が信号“1”となつ
て、加算器195〜201の出力が該ゲート部2
33で選択される。 まず、根音のデータ発生タイミング信号LE1
シフトレジスタ284から出力されると、ノート
コードメモリ158〜161及びオクターブコー
ドメモリ154〜156に記憶されている根音の
ノートコードデータ及びオクターブコードデータ
が加算器195〜201に加わる。このとき従音
形成用データSD1〜SD5はすべて“0”であるの
で、加算器195〜201はメモリ158〜16
1,154〜156からの根音に相当するキーコ
ードデータをそのまま出力し、選択ゲート部23
3、遅延フリツプフロツプ群239を経てチヤン
ネルプロセツサ30に供給する。 また、シフトレジスタ284の第1ステージか
ら出力された信号LE1はライン287を経て第3
図のコード系従音選択ゲード部215に加わり、
アンド回路288及び289を動作可能にする。
既述のように、シングルフインガー機能の場合は
フアンクシヨンデコーダ47からライン54また
はマイン57を経て出力されるマイナコード信号
mまたはセブンスコード信号7♭によつてコード
種類が指定される。ライン54のマイナコード信
号mはコード系従音選択ゲート部215のアンド
回路288に加わると共に、インバータ290で
反転した信号がアンド回路289に加わる。従
つて、マイナコードが選択されている場合は信号
LE1のタイミングでアンド回路288が動作し、
音程数値メモリ213に対して短3度音程選択信
号3♭を加える。また、マイナーコードが選択さ
れていない場合は信号LE1おタイミングでアンド
回路289が動作し、音程数値メモリ213に対
して長3度音程選択信号3を加える。 音程選択信号3♭または3に応じて音程数値メ
モリ213は、短3度音程に対応する値
(00100)または長3度音程に対応する値
(00101)の従音形成用データSD5〜SD1を出力す
る該データSD5〜SD1は遅延フリツプフロツプ群
214で1ビツトタイム遅延され、シフトレジス
タ284の第2ステージから従音のデータ発生タ
イミング信号LE2が出力されるタイミングに同期
して加算器195〜199に入力される。従つ
て、信号LE2の発生タイミングで短3度または長
3度の従音形成用データSD1〜SD5が、根音のキ
ーコードデータに加算され、根音に対して短3度
または長3度音程をもつ従音のキーコードデータ
AN1〜AB3が作り出される。加算器195〜20
1の出力は信号LE2のタイミングで選択ゲート部
233で選択され、チヤンネルプロセツサ30に
供給される。 また、シフトレジスタ284の第2のステージ
から出力された信号LE2はライン291を経て第
3図のコード系従音選択ゲート部215に加わ
り、アンド回路292及び293を動作可能にす
る。セブンスコードが選択されている場合はライ
ン57のセブンスコード信号7♭が“1”となる
ことによりアンド回路293が動作し、短7度音
程選択信号7♭が音程数値メモリ213に入力さ
れる。セブンスコード信号7♭が“0”の場合は
その反転信号7♭が“1”となり、アンド回路2
92が動作し、完全5度音程選択信号5が音程数
値メモリ213に入力される。 音程選択信号5または7♭に応じて音程数値メ
モリ213からは完全5度音程に対応する値
(01001)または短7度音程に対応する値
(01101)の従音形成用データSD5〜SD1が出力さ
れる。メモリ213の出力は遅延フリツプフロツ
プ群214で1ビツトタイム遅延され、シフトレ
ジスタ284の第3ステージから従音のデータ発
生タイミング信号LE3が出力されるタイミングに
同期して加算器195〜199に入力される。従
つて、信号LE3に同期して完全5度または短7度
の従音のキーコードデータAN1〜AB3が発生され
る。 なお、コード音データ発生ダイミング信号
LKMに応じて加工データ選択可能ライン234
が信号“1”になると、キーデータ選択ゲート部
233のオア回路238の出力が“1”となり、
データAK2が“1”となる。このときデータAK1
は“0”であるからで、鍵盤コードデータAK2
AK1は“10”となり、下鍵盤コードが作られる。
こうして、下鍵盤、すなわちコード音のキーコー
ドデータAN1〜AK2が発生される。 なお、コード音データ発生タイミング信号
LKEが加わるアンド回路286の他の入力には
ナンド回路294の出力が加わる。オクターブコ
ードB3〜B1の上限値は第1表に示すように
“101”であるが、加算によつて加算器201,2
00,199の出力が“110”となることが起り
得る。オクターブコードの値が上限値を越えた場
合は楽音発生回路32で音が作られない。もしく
はクリツク音のようなものになる可能性があり、
そういう音のため1つの発音チヤンネルを割当て
るのは無駄である。そこで、加算器199の反転
出力及び加算器200,201の出力をナンド回
路294に加え、“110”となつたとき信号“0”
を出力してアンド回路286を不動作にする。こ
れにより、加工キーコードAN1〜AK2がチヤンネ
ルプロセツサ30に供給されることを阻止する。 シングルフインガー機能においてはフインガー
コード機能の場合と同じ様にしてベース音のキー
コードデータが加工される。ところで、第13図
pにも示したように、アンド回路187(第4
図)から発生されるベース音発生指令信号PEは
遅延一致信号EQ1と同じタイミングで生じるのに
対し、コード音データ発生タイミング信号LKE
は遅延一致信号EQ1の1ビツトタイム後に生じ
る。従つて、ベース音とコード音のキーコードデ
ータが重なつて発生されることはない。 アンド回路280から出力されるコード音発生
指令信号LE及びオア回路285からのコード音
データ発生タイミング信号LKEはオア回路29
5でまとめられ、その出力LNは第3図のライン
296を経てノア回路216に加わる。従つて、
コード音のキーコードデータがキーコード加工部
42で作られている間はノア回路216の出力が
“0”となり、ベース系従音選択ゲート部217
の各アンド回路が不動作となる。これにより、ベ
ースの音の従音形成用データの発生が阻止され
る。 ベース進行の変更について コード検出ロジツク96(第2図)においてコ
ードを検出することができなかつた場合は、コー
ド種類検出回路109(第3図)の出力ライン1
22,124,127,128はすべて“0”で
あり、ベース系従音選択ゲート部129において
はメジヤコードとして取扱われる。すなわち、ベ
ースパターンがメジヤコードの形式で進行するこ
とになるわけだが、コード音(下鍵盤音)はメジ
ヤコードではないので、ベース音とコード音のコ
ードが異なることになる。カスタム機能の場合は
ベース音とコード音のコードが異なることが起り
得ることを前提としているものであるから一向に
差しつかえないが、フインガーコード機能の場合
はベース音とコード音にある程度の調和をもたせ
ることが好ましい。そこで、フインガーコード機
能選択時にコード検出ロジツク96において、コ
ードを検出することができない場合はベース系従
音選択ゲート部129を不動作にしてベースパタ
ーンパルスT3〜T17に応答して各種の従音選択信
号2〜oct+3♭が発生されないようにし、その
代わりにベースパターンの1拍目の音をベースパ
ターンパルスの発生タイミング毎に発生させるよ
うにする。 コードが検出されない場合はコード検出信号
CDを記憶するための遅延フリツプフロツプ13
8(第3図)の出力は“0”であり、インバータ
144の出力は“1”となる。インバータ144
の出力“1”はアンド回路137を動作可能にし
てノンコード信号NCを発生し得るようにすると
共に、ベース進行変更信号BMDとしてライン2
97を介して第3図のアンド回路298に加わ
る。アンド回路298の他の入力にはフアンクシ
ヨンデコーダ47からフインガーコード機能選択
信号FCが加わつており、その動作条件が成立す
るとノア回路216及びオア回路299に信号
“1”が加わる。 ノア回路216の出力は“0”になり、ベース
系従音選択ゲート部129の各アンド回路(21
7,218,………など)が不動作となる。一
方、オア回路299の出力は“1”となり、アン
ド回路300が動作可能となる。ベース系従音選
択ゲート部129が不動作となることにより各種
音程の従音形成用データSD1〜SD5はすべて
“0”となるが、ベースパターンパルスT1〜T17
の発生タイミングに応じてベース音発生タイミン
グ信号BTはオア回路228、ライン188を経
由して第4図のアンド回路187に供給される。
従つて、選択されたベースパターン発生部41で
選択されたベースパターンパルスの発生タイミン
グに応じてベース音発生指令信号PEは発生され
る。しかし、従音形成用データSD1〜SD5はすべ
て“0”であるので、従音の音程情報は与えられ
ず、根音に相当するキーコードデータだけが前記
信号PEの発生に応じて繰返しチヤンネルプロセ
ツサ30に供給される。根音はベースパターンの
フレーズの1拍目の音であるので、本来1拍目に
出される音だけが当該ベースパターンのフレーズ
の2拍目以後の発音タイミングにおいても出され
ることになる。すなわち、ベース音の音高は変化
せず、その発音タイミングだけが選択された所望
のベースパターンに従うことになる。 ところで、先に第11図、第12図において一
例を示したように、ベースパターンのフレーズの
1拍目の音として使用される音は1度音程の根音
に限らず、根音の1オクターブ上の音も使用され
ることがある。従つて、上述のように、ノートコ
ードメモリ158〜161(及びオクターブコー
ドメモリ154〜156)に記憶した根音のキー
コードデータがキーコード加工部42から繰返し
発生されるのは1拍目の音が根音であるベースパ
ターンの場合だけである。第11図のベースパタ
ーンがその例である。すなわち、ベースパターン
発生部41からは同図aに示すようにベースパタ
ーンパルスT1,T5,T8,T10,T11,………が繰
返し供給されるが、これらのパルスは従音選択ゲ
ート部129が阻止され、1度音程以外の従音形
成用データSD1〜SD5を生ぜしめるには至らず、
これらパルスT1,T5,T8,………の発生タイミ
ングで根音(1度音程)のキーコーダデータAN1
〜AK2だけが繰返し発生させることになる。 第12図のベースパターンのようなフレーズの
1拍目の音が根音の1オクターブ上の音の場合
は、ベースパターンパルスT13,T12,T10′,
T8,………(第12図a参照)とは別途にオク
ターブ音程信号T0が直流的に常にベースパター
ン発生部41から第3図のアンド回路300に供
給されるようになつている。このオクターブ音程
信号T0はオア回路299の出力“j”によつて
該アンド回路300が動作可能になつたときだけ
利用されるが、その他の場合には利用されない。
1拍目の音が1度音程の根音に相するベースパタ
ーンにおいては該信号T0は発生されない。アン
ド回路300の動作条件が成立するとオクターブ
音選択信号octが音程数値メモリ213に入力さ
れ、従音形成用データSD5〜SD1は1オクターブ
の音程を表わす値“10000”となる。これによ
り、第4図の加算器195〜201ではメモリ1
58〜161及び154〜156から与えられる
根音のキーコードデータを絶えずその1オクター
ブ上のデータに変更する。従つて、第12図aに
示すように順次発生されるベースパターンパルス
T13,T12,T10′,T8,T10,………に応じてベー
ス音発生指令信号PEが繰返し発生されるが、該
信号PEに応じてキーコード加工部42から出力
されるキーコードデータAN1〜AK2は常に根音の
1オクターブ上の音のデータである。 以上のように、ノア回路216の出力“0”に
よつてベース系従音選択ゲート部129が動作不
能となり、オア回路299の出力“1”によつて
アンド回路300が動作可能となつた場合は、そ
のとき選択されているベースパターンの1拍目の
音(根音もしくは根音の1オクターブ上の音)が
当該ベースパターンのベース音発生タイミングに
対応して繰返し発生させることになる。これによ
つて、コード音とベース音が全く異質のものとな
るることはなく、調和が保たれる。しかも、変更
されるのはベースパターンの音程だけであり、本
来のベースパターンのタイミングは生かされるの
でベース音の感覚な損われない。 ベース音の根音変更(コード変更)時の処理につ
いて 小節の途中でコード変更(根音変更)がなされ
ることは一般によくあることであるが、その際は
今まで進行してきたベースパターンを止め、その
ベースパターンの一拍目の音(根音)を変更した
コードの音で出すようにすることが望ましい。そ
のようにした方が、小節の途中でコードが変わつ
たという感じをより適切に出すことができるから
である。 例えば第14図a(下第1線を根音として音程
関係を五線譜上に表わしたもの)に示すようなス
ウイングのリズムに対応する1つのベースパター
ンが選択されている場合を想定する。同図bに示
すように1度音程と5度音程に対応するベースパ
ターンパルスT1,T8が発生され、普通は同図c
に示すようにC音を根音とするコードの小節にお
いてはC音とG音が順に発音され、A音を根音と
するコードの小節においてはA音とE音が順に発
音される。同図dに示すようにC音を根音とする
コードが小節の途中においてA音を根音とするコ
ードに変更された場合、ベースパターンの進行通
りにベース音を出したとすると同図eに示すよう
に完全5度音程のパターンパルスT8の発生タイ
ミングにおいて「Aメジヤコード」の5度の従音
であるE音が発生されてしまう。この場合、コー
ドがE音を根音とするコードに変わつたような印
象を与えてしまい、好ましいものとはいえない。
そこで、この実施例においては第14図fに示す
ように、コード(根音)が変わつたときに最初に
出すベース音はベースパターンの1拍目の音(新
しいコードの根音)とするようにしたのである。
同図fにおいてはコードが「Aメジヤ」に変わつ
たときから最初に音を出すパルスT8のタイミン
グにおいて1拍目の音すなわち根音Aを発音する
ので、コード進行が「Aメジヤ」に変わつたとい
うことがベース演奏において適切に表現される。 この実施例において、自動ベース音の根音が変
更される(すなわちコード進行が変更される)と
は、カスタム機能の場合はペダル鍵盤29の押鍵
が変更されることであり、フインガーコード機能
の場合は下鍵盤28で押鍵形成されているコード
が別のコードとなるように押鍵変更されることで
あり、シングルフインガー機能の場合は下鍵盤2
8で押されている鍵(普通は単一の鍵)が別の鍵
に押し変えられることである。いずれの機能の場
合においても、このようなベース音の根音変更が
なされたことは、アンド回路146もしくは24
8(第4図)から「ノートコードメモリ158〜
161の記憶を書替えよ」という指令が与えられ
たときに先に該メモリ158〜161に記憶して
いるノートコードの内容と新たに記憶させようと
するノートコードの内容が一致していないことを
条件として検出することができる。この条件が満
足されるか否かは第3図のアンド回路301にお
いて判断される。アンド回路301の一方入力に
加わる根音書替信号KCHは上記アンド回路14
6及び248からオア回路165、インバータ1
66、ライン167、インバータ302(第4
図)を経て供給される。アンド回路301の他方
入力に加わる反一致信号はライン176(第
4図)の一致信号EQを反転したものである。従
つて、一致信号EQが“0”(=“1”)、根音書
替信号KCHが“1”のとき上記条件が満足さ
れ、アンド回路301の出力は“1”となる。こ
のアンド回路301の出力“1”は遅延フリツプ
フロツプ303に記憶され、アンド回路304を
介して自己保持される。 遅延フリツプフロツプ303の出力“1”はノ
ア回路216及びオア回路299に加わり、ベー
ス系従音選択ゲート部129の各アンド回路(2
17,218,………などを不動作にし、オクタ
ーブ音程信号T0が加わるアンド回路300を動
作可能にする。このような状態となつた場合は、
ベースパターンの1拍目の音(根音、もしくは信
号T0に応じて根音の1オクターブ上の音)が発
生されるようになる、ということは前の「ベース
進行の変更について」の項で既に述べた。 例えば第14図の時点CHTでアンド回路30
1の条件が成立したとすると第14図gのように
遅延フリツプフロツプ303の出力が“1”とな
り、ベースパターンの1拍目の音を出し得る状態
となる。遅延フリツプフロツプ303の出力が
“1”となつたときから最初に(コードが変わつ
たときから最初に)ベースパターンパルスが加わ
ると(第14図の例ではパルスT8)、ベースパタ
ーンの1拍目の音(根音もしくはそのオクターブ
上の音)のキーコードデータAN1〜AK2がチヤン
ネルプロセツサ30に供給される。各ベースパタ
ーンパルスT1〜T17をオア回路228でまとめた
信号BT(第14図h参照)がライン188を経
てタイミング合わせ用の遅延フリツプフロツプ3
05に加わつており、インバータで反転された
後、微分回路306に加わる。微分回路306は
パルスの立上りを微分するが、信号BT(ベース
パターンパルス列)を反転した後該微分回路30
6に加えているので、実質的にベースパターンパ
ルスの立下りを微分していることになる。従つ
て、微分回路306の出力は第14図iのように
なる。該微分回路306の出力微分パルスはイン
バータで反転された後、アンド回路304に加わ
つて該アンド回路304を不動作にし、遅延フリ
ツプフロツプ303の自己保持を解除する。 従つて、コード変更(根音変更)時にベースパ
ターンの1拍目の音を1度だけ出し、以後はノア
回路216が出力“1”、オア回路299が出力
“0”となつてベース系従音選択ゲート部129
が動作可能となるので、ベースパターン通りにベ
ース音が進行する。 メモリ機能について 一般に自動ベースコード演奏は、下鍵盤28も
しくはペダル鍵盤29における押鍵を解除すると
演奏が停止する。ここでいう「メモリ機能」と
は、下鍵盤もしくはペダル鍵盤で離鍵された場合
でもその離鍵直前の押鍵情報を記憶しておくこと
により自動ベースコード演奏を継続させるように
する機能である。 メモリ機能を働かせるためには第3図のメモリ
スイツチ307をオンにする。スイツチ307が
オンするとインバータ308を介して信号“1”
がアンド回路309に加わる。自動ベースコード
演奏が選択されている場合は、フアンクシヨンデ
コーダ47の自動演奏オフ信号OFFが“0”で
あるので、この信号OFFを反転した信号が
アンド回路309に加わる。アンド回路309の
残りの入力MCONは“1”として以下説明す
る。アンド回路309から出力されるメモリ信号
Mは第2図のアンド回路310に加わると共にイ
ンバータ311で反転されて、記憶制御部72の
オア回路73及び312に加わる。既述のように
オア回路73の出力は下鍵盤ノート2次メモリ7
5及び下鍵盤押鍵記憶用の2次メモリである遅延
フリツプフロツプ83の記憶の書替えをコントロ
ールするもので、該オア回路73の出力が“1”
であればスタートコードSCの発生タイミングで
記憶書替えがなされる。下鍵盤28で押鍵中のと
きは1次メモリである遅延フリツプフロツプ71
の出力“1”がオア回路73に加わるので2次メ
モリ75及び83の記憶書替がなされる。しか
し、下鍵盤28の鍵がすべて離鍵されると、遅延
フリツプフロツプ71の出力は“0”となる。こ
のときメモリ機能が働かない場合はメモリ信号M
が“0”であり、インバータ311の出力“1”
がオア回路73に加わるので2次メモリ75及び
83の記憶書替えがなされる。しかし、1次メモ
リ62及び71から2次メモリ75及び83に供
給されるデータはすべて“0”(離鍵により)で
あるので、2次メモリ75及び83における音名
記憶及び押鍵記憶がクリアされる。 しかし、メモリ機能を働かせる場合はメモリ信
号Mが“1”となり、インバータ311の出力が
“0”となる。従つて、離鍵によつて1次メモリ
である遅延フリツプフロツプ71の出力が“0”
となると、スタートコード信号SCがアンド回路
74に加わるタイミングにおいてもオア回路73
の出力は“0”であり、アンド回路74の出力は
“0”のままとなる。従つて、インバータ77の
出力は持続的に“1”となり、2次メモリ75及
び83の記憶の自己保持が持続する。従つて、2
次メモリ75には離鍵直前に下鍵盤28で押鍵さ
れていた音の音名が記憶される。これにより、離
鍵後においてもコード検出及び根音検出が可能と
なり、コード検出信号CDおよび根音検出信号RT
が発生される。 フインガーコード機能及びシングルフインガー
機能においては、上述のように下鍵盤離鍵後も発
生される根音検出信号RTによつて音名エンコー
ダ107(第4図)からノートコードN1 *
N4 *がノートコードメモリに記憶されるので、
自動ベース音が発生され続ける。 また、シングルフインガー機能においては下鍵
盤28ですべての鍵が離されると、第4図のノア
回路260に加わる信号・が“1”となる
ので該ノア回路260は不動作となり、オクター
ブコードメモリ154〜156の自己保持クリア
ライン172の信号が“1”のままとなる。従つ
て、オクターブコードメモリ154〜156に記
憶したオクターブコードB1〜B3は離鍵後も自己
保持される。第3図のアンド回路309から出力
されるメモリ信号Mは第4図のオア回路279を
経てアンド回路280に加わる。従つて、下鍵盤
離鍵後に遅延フリツプフロツプ256及び281
がクリアされても、アンド回路280はメモリ信
号Mによつて動作可能となり、コード音発生指令
信号LEは発生される。従つて、シングルフイン
ガー機能においてメモリ機能を働かせた場合は、
下鍵盤離鍵後でもコード音は発生され続ける。 カスタム機能においては、ライン147のカス
タム機能選択信号CAがインバータ321で反転
され、第2図の記憶制御部72のオア回路312
に信号“0”が加わる。メモリ信号Mを“1”に
すれば、ペダル鍵盤の離鍵時において該ノア回路
312の全入力が“0”となり(イニシヤルクリ
ア信号ICも“0”)、アンド回路322がが不動
作となる。アンド回路322の出力はペダル鍵盤
の2次メモリ(遅延フリツプフロツプ)320の
記憶書替えを制御するためのものであるので、前
述の下鍵盤の2次メモリ(遅延フリツプフロツ
プ)83の場合と全く同様に、該アンド回路32
2が不動作となることによつてペダル鍵盤の離鍵
後も押鍵データ“1”の記憶が該遅延フリツプフ
ロツプ320において自己保持される。既述のよ
うに自動ベースコード演奏がオフのときもライン
317の信号CAOによつて押鍵中はペダル鍵盤
の押鍵記憶が1次メモリ(遅延フリツプフロツ
プ)315及び2次メモリ(遅延フリツプフロツ
プ)320において行なわれるが、この場合はカ
スタム機能選択信号CAが“0”であるのでたと
えメモリ信号Mが“1”となつてもオア回路31
2の出力は“1”となり、アンド回路322が動
作するのでメモリ機能は働かない。従つて、ペダ
ル鍵盤の押鍵記憶が離鍵後も保持されるのはカス
タム機能選択時にメモリ信号Mが“1”となつた
ときだけである。 ところで、カスタム機能の場合は音名エンコー
ダ107(第4図)の出力N1 *〜N4 *を使用せ
ずにキーコーダ26から供給されるノートコード
データN1〜N4をノートコードメモリ158〜1
61に読み込むようにしている。従つて、離鍵後
はペダル鍵盤に関するノートコードデータN1
N4が供給されなくなるので、ベース音発生指令
信号PEを発生させるのに必要な一致信号EQが生
じなくなる。しかし、ノートコードメモリ158
〜161はクリアされないので、離鍵直前のノー
トコードデータは該メモリ158〜161に保持
される。そこで、カスタム機能選択時に「メモリ
機能」を働かせる場合はアンド回路310(第2
図)から擬似的な一致信号PEQを発生し、ライ
ン323を経て第4図のオア回路177に入力す
るようにしている。 アンド回路310は、ペダル鍵盤の押鍵記憶用
2次メモリである遅延フリツプフロツプ320
と、カスタム機能選択信号CAと、メモリ信号M
とがすべて信号“1”となつていることを条件
に、アンド回路66からスタートコード信号SC
がライン324を経て供給されたときに出力
“1”を生じる。このアンド回路310の出力
“1”が擬似的な一致信号PEQである。従つて、
ペダル鍵盤の離鍵後においても擬似的一致信号
PEQはスタートコードSCが発生する毎に発生さ
れ、これに伴ない1ビツトタイム後には遅延一致
信号EQ1が第4図のアンド回路179からアンド
回路187に供給されるので、ベース音発生指令
信号PEが発生される。従つて、カスタム機能の
場合も「メモリ機能」を働かせることができ、ペ
ダル鍵盤の離鍵後においても自動ベース演奏が継
続される。 第3図のアンド回路309に加わるメモリ持続
信号MCONが後述のように“0”となつたとき
は、メモリ信号Mが“0”となり、離鍵後に自己
保持されていた種々のデータがクリアされている
ので、離鍵後も引き続き演奏されていた自動ベー
ス音またはコード音が自動的に停止される。 ベースパターンの発生について 第5図に示すベースパターン発生部41におい
て、選択リズム検出部325は演奏者によつて選
択されたリズムを検出するものである。リズム選
択信号MP2〜MP6は時分割多重化されて供給され
るようになつているので、多重信号検出回路32
6において多重信号MP2〜MP6を個々のリズムに
対応するラインにデコードする。記憶部327は
多重化されているリズムを選択信号を直流化する
ためのものである。多重信号検出回路326の詳
細は第15図に示されている。演奏者がリズム選
択用スイツチマトリクス328において所望のリ
ズムに対応するスイツチを閉成すると、該選択リ
ズムに対応するリズム選択信号MP2〜MP6が出力
される。マトリクス328に加わる時間割クロツ
クR1,R2,R3,R4は第16図aに示すように順
次発生する。スイツチマトリクス328におい
て、各リズムに対応するスイツチは下記第8表に
示すように配列されている。
【表】 上記表において、MAMはマンボ、BEGはビギ
ン、BOLはボレロ、TANはタンゴ、SRはスロー
ロツク、WALはワルツ、BALはバラード、
JR1、JR2はジヤズロツク、SAMはサンバ、RHU
はルンバ、BOSはボサノバ、SWはスイング、
MARはマーチ、を意味する。14Rとは、上記14
種のリズムすべてを選択可能とする機能を表わす
ものである。14Rに対応するスイツチがオフの場
合は所定の8種のリズムだけが選択可能となる。 この実施例においては1つのリズムにつきノー
マルモードのベースパターン(NB)とバリエー
シヨンモードのベースパターン(VB)のどちら
かのモードを選択することができ、夫々の場合に
おいて3つのバリエーシヨンベースパターン
(BV1、BV2、BV3)を選択することができるよう
になつている。従つて1つのリズムにつき選択可
能なベースパターンは6種類ある。例えば、マー
チのリズムで、ノーマルベースパターン(NB)
の第1バリエーシヨンベースパターン(BV1)を
選択したとすると、第8表のスイツチMARがオ
ン、スイツチVBがオフ、スイツチBV1がオンで
ある。従つて、リズム選択信号MP2〜MP6はパル
スR1のタイミングで“00001”であり、パルスR
4のタイミングで“00010”である。 多重信号検出回路326においては時分割クロ
ツクパルスR1〜R4に同期してリズム選択信号
MP2〜MP6をデコードし、スイツチマトリツクス
328でどのスイツチがオンとなつているかを検
出する。回路326においてパルスR1〜R4を使
用してもよいが、集積回路のピン数などの関係で
4つのパルスR1〜R4を入力できない場合はシン
クロクロツクパルスSYNC(第16図b)を使用
する。シンクロクロツクパルスSYNCはクロツク
パルスR4の立下りに同期しており、該パルス
SYNCは22進のカウンタ329を“11”にセツト
すると共にシフトレジスタ330で遅延される。
パルスSYNCが該シフトレジスタ330の第6ス
テージまでシフトされると、カウンタ329にカ
ウントパルスが加わると共にノア回路331から
パルスTCが発生し、オア回路332を介して再
びシフトレジスタ330に信号“1”が加わる。
パルスTC(第16図c)の発生に応じてカウン
タ329の内容Q1,Q2が変化する(第16図
d)。このカウンタ329の内容Q1,Q2は時分割
クロツクパルスR1〜R4のタイミングに対応して
変化するようになつている。従つて、多重化され
たリズム選択信号MP2〜MP6の時分割的なデコー
ド動作のタイミングがカウンタ329の出力によ
つて制御される。 記憶部327はリズム選択用マトリクス328
の各スイツチ(第8表参照)に対応する複数のセ
ツト−リセツト型フリツプフロツプから成るもの
である。 上述のようにリズム選択情報及びベースパター
ンのバリエーシヨン選択情報を時分割的に処理し
ている理由は、この実施例の装置を集積回路化し
た場合、ピン数が制限されるからである。ピン数
の制限がない場合は、面倒なスイツチマトリツク
ス328や選択リズム検出部325は不要であ
り、各種リズムバリエーシヨンパターン等に対応
する選択スイツチの出力を直接的にベースパター
ン発生部41(第5図のベースパターン発生リー
ドオンリイメモリ333)に加えるようにするこ
とができる。 第5図のベースパターン発生リードオンリイメ
モリ333は、選択されたリズム及びベースパタ
ーンバリエーシヨンに応じてベースパターンパル
スT1〜T17(T0)を出力する回路である。ベース
パターン指定回路334は選択リズム検出部32
5から供給される選択されたリズム及びベースパ
ターンバリエーシヨンの信号を組合わせて所定の
1つのベースパターンに対応する出力を生じる。
ベースパターン指定回路334は、3種類の信
号、すなわちリズム種類MAR〜SAM、バリエー
シヨン種類BV1〜BV3、及びモードNB、VBの組
合せを検出するアンド回路群から成る回路で、リ
ズム種類が14種でバリエーシヨンが3種、モード
が2種であるから合計「14×3×2=84」種のベ
ースパターンに対応する84本の出力ライン(84個
のアンド回路)を具えている。 各ベースパターンに個々に対応しているベース
パターン指定回路334の出力はタイミングパタ
ーンメモリ335及び音程パターンメモリ336
に対してアドレス信号として供給される。タイミ
ングパターンメモリ335は、5ビツトのバイナ
リカウンタ337の出力を使用して各ベースパタ
ーンのパターンパルス発生タイミング(ベース音
発生タイミング)を形成する回路であり、ベース
パターン指定回路334の出力に対応するベース
パターンのタイミングパルスTP1〜TP23を選択出
力する。音程パターンメモリ336は、タイミン
グパターンメモリ335から出力されるタイミン
グパルスTP1〜TP32をベースパターン指定回路3
34の出力が指定するベースパターンに応じて所
定の音程に振り分け、ベースパターンパルスT1
〜T17(T0)を発生する。 カウンタ337は基本テンポクロツクパルス
TCLを計数し、その計数出力をタイミングパタ
ーンメモリ335に供給する。基本テンポクロツ
クパルスTCLは遅延フリツプフロツプ338、
オア回路339、微分回路340、遅延フリツプ
フロツプ341を経てカウンタ337の計数入力
に加わる。基本テンポクロツクパルスTCLはリ
ズムの基本のテンポを設定するもので、テンポ調
整自在となつているが、この点は特に図示しな
い。自動ベースコード演奏と自動リズム演奏のテ
ンポは一致させたほうがよいので、自動リズム演
奏装置342(第1図参照)においても同じ基本
テンポクロツクTCLが使用される。 カウンタ337はリズム種類に応じて分周比
(モジユロ)が切換えられるようになつており、
タイミングパターンメモリ335から供給される
分周比切換信号FD1,FD3によつて制御される。
信号FD1はカウンタ337の1ステージ目(20
ウエイト)に入力され、信号FD3はカウンタ33
7の3ステージ目(22のウエイト)に入力され
る。信号FD1及びFD3が“1”となると、カウン
タ337の対応ステージに強制的に値“1”が加
算された状態となるようになつている。信号FD1
及びFD3が共に“0”の場合は、カウンタ337
はモジユロ25=32進のカウンタとして動作する。
信号FD1が“1”、FD3が“0”の場合は、カウ
ンタ337は24進のカウンタとして動作する。信
号FD1,FD3が共に“1”のときは18進のカウン
タとして動作する。第17図のタイミングパター
ンメモリ335の一部詳細が示されているが、信
号FD1を発生するアンド回路343はカウンタ3
37の下位2ビツトのデータQ2,Q1が“01”の
とき動作可能となり、信号FD3を発生するアンド
回路344はカウンタ337のデータQ4,Q3
“01”のとき動作可能となる。アンド回路343
の他の入力にはオア回路345を経てベースパタ
ーン指定回路334からの所定のベースパターン
(24進または18進のリズムに対応するベースパタ
ーン)を選択する信号が加わる。アンド回路34
4の他の入力にはオア回路346を介して18進の
リズムに対応するベースパターンを選択する信号
がベースパターン指定回路334から加わる。 従つて、24進の場合は、カウンタ337の下位
ビツトデータQ2,Q1が“01”となると、信号
FD1が直ちに“1”となつてデータQ1のビツトが
1加算されデータQ2,Q1が“10”となる。次の
パルスTCLのタイミングでデータQ2,Q1
“11”となる。こうして、データQ2,Q1が“10”
となるタイミング(10進数の3、7、11、15、
19、23、27、31)がとび越され、モジユロ32の
カウンタ337が実質的に24進の動作をする。18
進の場合は、カウンタ337のデータQ2,Q1
“01”となるときと、データQ4,Q3が“01”とな
るときに、信号FD1またはFD3が直ちに“1”と
なつてデータQ1またはデータQ3のビツトに
“1”が加算される。従つて、テータQ4,Q3
“10”となるタイミングとデータQ2,Q1が“10”
となるタイミング(10進数の3、7、9、10、
11、12、15、19、23、25、26、27、28、31)がと
び越され、モジユロ32のカウンタ337が実質
的に18進の動作をする。 カウンタ337を32進カウンタとして動作させ
るリズムは、例えばマーチ、ジヤズロツク、タン
ゴ、ビギン、ルンバ、マンボ、ボサノバ、サンバ
などである。カウンタ337を24進カウンタとし
て動作させるリズムは、ワルツ、バラード、スイ
ング、スローロツク、ボレロなどである。また、
18進にしてカウンタ337を動作させるリズム
は、ワルツのバリエーシヨンモード(VB)であ
る。 この実施例においてはベースパターンの1フレ
ーズが2小節から成るので、カウンタ337を32
進とした場合は2小節が32のタイミングに分割さ
れ、24進とした場合は2小節が24のタイミングに
分割されることになる。4分音符の3連符を用い
て1小節を分割すると、12のタイミングに分割さ
れる。従つて、3連符を用いるリズムにおいては
カウンタ337を24進とし、3連符を用いないリ
ズムにおいては32進もしくは16進とするのであ
る。 第17図は、第11図に示したベースパターン
を発生する経路のみを抽出してベースパターン発
生リードオンリイメモリ333の詳細例を示した
ものである。第11図に示したベースパターンが
スイングのノーマルベースパターンモードの第3
バリエーシヨンのベースパターンであるとする
と、ベースパターン指定回路334においてスイ
ング選択出号SW、ノーマルモード選択信号NB、
及び第3バリエーシヨン選択信号BV3が入力され
たアンド回路347から第11図のベースパター
ンを選択する信号SW3が出力される。スイングの
ベースパターン選択信号SW3は前記オア回路34
5を経てアンド回路343を動作可能にし、カウ
ンタ337の分周比を24進に切換える。 カウンタ337の出力Q1〜Q5はタイミングパ
ターンメモリ335のアンド回路群348に加わ
り、計数値をデコードして各計数値に対応するタ
イミングパルスTP1〜TP32を発生しうるようにな
つている。第11図のベースパターンを選択する
信号SW3はオア回路群349の所定のオア回路を
経てアンド回路群348の所定のアンド回路を動
作可能にし、タイミングパルスTP1,TP5
TP9,TP10,TP17,TP21,TP25,TP29を等時間
間隔で順次発生させる。すなわち、第11図のパ
ターンでは4分音符だけが使われているからであ
る。また信号SW3は音程パターンメモリ336の
所定のアンド回路350,351,352,35
3,354を動作可能にする。これらのアンド回
路350〜354は第11図のパターンにおいて
使用する根音及び従来の音程(1度、3度、完全
5度、長6度、短7度)に対応している。そし
て、所定のタイミングパルスT1,T5,………T20
が所定のアンド回路350〜354に加わり、こ
れらアンド回路350〜354の出力は各音程に
対応するオア回路でまとめられ、ベースパターン
パルスT1,T5,T8,T10,T11,………が所定の
タイミングで発生される。 第17図では1つのベースパターンを発生する
経路のみを示したが、他のベースパターンに関し
てもその発生タイミミング及び音程に応じて上記
と同様の考え方にもとづいて回路が構成されるの
で、特に詳細を示すまでもなくベースパターン発
生リードオンリイメモリ333の全ぼうが明らか
となつたであろう。 なお、音程パターンメモリ336におけるアン
ド回路350,351,………その他、に加わる
動作可能信号ENは基本テンポクロツクパルス
TCLに同期して第5図のアンド回路355から
発生されるものである。これは、カウンタ337
の出力をデコードしたタイミングパルスTP1
TP32において隣合うタイミングのものをオア回
路でまとめた場合直流化して区切りがなくなつて
しまうので、クロツクパルスTCL(例えばデユ
ーテイ1/2)によつて区切りをつけるようにした
ためである。 自動演奏装置相互のリセツト制御 自動ベースコード演奏制御装置31及び自動リ
ズム演奏装置342及びその他自動演奏装置(図
示せず)は相互に関連して演奏のスタートまたは
ストツプを制御するようになつている。この制御
はリズム選択用スイツチマトリツクス328(第
15図)のシンクロスタートスイツチ(図示せ
ず)をオンすることにより動作可能となる。該シ
ンクロスタートスイツチがオンされると、選択リ
ズム検出部325(第5図)からシンクロスター
ト信号SSWが出力され、ライン356を経てア
ンド回路357を動作可能にする。アンド回路3
57の他の入力には第3図のフアンクシヨンデコ
ーダ47からライン358を経て供給される自動
演奏オフ信号OFFの反転信号と、第2図の
アンド回路86からの押鍵信号KOをインバータ
359で反転した信号が加わる。従つて、シ
ンクロスタートの場合(SSW=“1”)、自動ベー
スコード演奏が選択されているとき(=
“1”)に、下鍵盤及びペダル鍵盤で全ての鍵が離
鍵されると(KO=“0”)アンド回路357の条
件が成立し、ライン360に信号“1”が供給さ
れる。ライン360の信号“1”は電界効果トラ
ンジスタ361をオンとし、リセツト信号を
“0”にする。“0”となつたリセツト信号は
自動リズム演奏装置342(第1図)及びその他
の自動演奏装置に加わり、自動リズム演奏を停止
させる。鍵が押されて押鍵信号KOが“1”とな
ると、アンド回路357の出力は“0”となり、
トランジスタ361はオフとなる。これによりリ
セツト信号は“0”から“1”に立上る。前
記自動リズム演奏装置342及びその他の自動演
奏装置(例えば自動アルペジオ装置)ではリセツ
ト信号が“0”から“1”に立上つたことを
検出し、自動ベースコード演奏のスタートに合わ
せて自らの自動演奏をスタートさせる、もしくは
演奏最中の場合は始まりに戻して自動演奏を行な
う。これがシンクロスタートである。 リセツト信号は自動リズム演奏装置342
及びその他の自動演奏装置の方からも同じライン
を経て自動ベースコード演奏制御装置31に供給
される。例えば、自動リズム演奏装置342にお
いて自動リズム演奏を止めたリセツト信号は
“0”となり、自動リズム演奏をスタートさせる
と、リセツト信号は“0”から“1”に立上
る。 自動ベースコード演奏制御装置31において
は、リセツト信号“0”となるとベースパタ
ーンによる自動演奏を停止し、リセツト信号
の立上りに同期してベースパターンの進行を開始
する。 第5図において、リセツト信号はタイミン
グ合わせ用のシフトレジスタ362で適宜遅延さ
れた後、インバータ363で反転され、オア回路
364を経てカウンタ337の全データセツトラ
イン365に供給される。リセツト信号が
“0”のときは、全データセツトライン365の
信号が“1”となり、カウンタ337の計数値
Q1〜Q5がすべて“1”となる。従つて、クロツ
クパルスTCLが供給されてもカウンタ337の
内容Q1〜Q5が変化せず、ベースパターンは動か
なくなる。またリセツト信号ライン366を
経て前記アンド回路355に加わり、その出力信
号ENを“0”にする。従つて、ベースパターン
パルスT1〜T17も発生されなくなり、ベースパタ
ーンによる自動演奏がストツプする。信号が
“0”から“1”に立上ると、微分回路388か
ら1発の微分パルスが発生し、オア回路339を
経てカウンタ337の計数入力となる。このとき
ライン365の信号は“0”となるので、該カウ
ンタ337の内容がオバーフローしてすべて
“0”となる。従つて、リセツト信号の立上り
に同期してベースパターンは最初のタイミング
(1拍目のタイミング)からスタートする。な
お、前記オア回路364の他の入力に加わる信号
CSは、自動リズム演奏装置342内で基本テン
ポクロツクパルスTCLを計数するカウンタ(図
示せず)の内容がすべて“1”となつたとき発生
される(“1”となる)もので、自動ベースコー
ド演奏用のカウンタ337を上記カウンタに同期
させるための信号である。なお、前記動作可能信
号ENが“0”になつたときはパルスT1〜T17
阻止され、直流的なオクターブ音程信号T0は阻
止されない。 シフトレジスタ362の途中のステージからラ
イン367にとり出されたリセツト信号1はイ
ンバータで反転された後アンド回路368に加わ
る。従つて、リセツト信号が“0”となる該
アンド回路368が動作可能となる。下鍵盤また
はペダル鍵盤で鍵が押されていれば前記アンド回
路357の出力は“0”であり、タイミング合わ
せ用の遅延フリツプフロツプ369及びインバー
タを介して反転された信号“1”が前記アンド回
路368に加わつている。従つて、押鍵中にリセ
ツト信号が“0”となると、アンド回路36
8は出力“1”を生じ、オア回路370を経て持
続音信号Yを発生する。持続音信号Yは第3図の
オア回路228及び299に加わる。従つて、持
続音信号Yが持続的に(直流的に)“1”となる
と、ベース音発生タイミングBTも持続的に
“1”となり、第4図のアンド回路187からの
ベース音発生指令信号PEはペダル鍵盤が押鍵が
なされている限り(もしくはメモリ機能が働いて
いる限り)スタートコードSCと同一周期で繰返
し発生される。また持続音信号Yはオア回路29
9を経てアンド回路300(第3図)を動作可能
にし、オクターブ音程信号T0を通過させる。従
つて、前述の通り、ベースパターンの1拍目の音
が根音の1オクターブ上の音程をもつ場合は1オ
クターブ上の音が持続音として発生される。すな
わち、持続音信号Yが発生した場合は、ベースパ
ターンに従つた自動ベース演奏が中断され、その
代わりにそのとき選択されているベースパターン
の1拍目の音がベース音(ペダル鍵盤音)として
持続的に発生される。 また、持続音信号Yは第5図のオア回路371
を経て持続音ゲート信号NGとして出力される。
持続音ゲート信号NGは、コード音(下鍵盤音)
を持続音として発生させるための信号であり、コ
ード音発音タイミング信号CGと同様にエンベロ
ーブ波形発生回路33に加わり、下鍵盤音を持続
音として発音させる。信号がインバータで
反転されてオア回路371に加わるので、自動ベ
ースコード演奏をオフにしたとき(=
“0”)にも持続音ゲート信号NGが生じる。これ
は自動ベースコード演奏を行なわない場合は下鍵
盤音(コード音)を持続音にし、自動的にコード
がきざまれないようにするためである。 離鍵によつて押鍵信号KOが“0”になるとア
ンド回路357の出力が“1”となり(但し、シ
ンクロスタート信号SSWが“1”、信号も
“1”のとき)、アンド回路368が不動作とな
る。従つて持続音信号Yは消滅する。 従つて、シンクロスタートで自動ベースコード
演奏中の場合にリセツト信号が“0”となる
と、ベースパターンによる自動ベース演奏は停止
するが、押鍵中である限り、持続音が発生される
ことになる。 また、リセツト信号はライン366を経て
第3図のアンド回路372に加わる。アンド回路
372の他の入力には信号が加わつてお
り、自動ベースコード演奏を選択しているときだ
け動作可能となる。リセツト信号が“0”の
ときはアンド回路372の出力も“0”であり、
インバータ373の出力が“0”である。従つ
て、アンド回路374、遅延フリツプフロツプ3
75、及びアンド回路376、遅延フリツプフロ
ツプ377を介して、該遅延フリツプフロツプ3
75及び377で信号“1”が保持される。この
場合、アンド回路378の条件が成立し、インバ
ータ379を経て、信号RSCが“0”となる。
信号RSCは第4図のキーデータ選択ゲート部2
33を制御するためのアンド回路380に加わ
る。信号RSCが“0”のとき該アンド回路38
0の出力も“0”であるので、インバータ232
の出力が“1”となり、アンド回路231が動作
可能となる。従つて、ベース音発生指令信号PE
あるいはコード音データ発生タイミング信号
LKEに応じてオア回路230から出力される信
号“1”が加工データ選択可能ライン234に導
かれる。 リセツト信号が“0”から“1”に立上る
と、第3図のアンド回路372の出力が“1”と
なり、その立上り時に微分回路381から1発の
パルスが生じる。この1発パルスの間だけインバ
ータ373の出力は“0”となり、遅延フリツプ
フロツプ375及び377の記憶が“0”とな
る。従つてアンド回路378が不動作となり、信
号RSCが“1”となる。信号RSCが“1”とな
ると第4図のアンド回路380が動作可能とな
り、アンド回路187からベース音発生指令信号
PEが該アンド回路380に加わるとき該アンド
回路380の出力は“1”となり、アンド回路2
31が不動作となる。これにより、ベース音のキ
ーコードデータAN1〜AK2はチヤンネルプロセツ
サ30に供給されなくなる。 第3図の遅延フリツプフロツプ375の記憶が
“0”になつたときから数えて最初のスタートコ
ード信号SCが第2図のアンド回路66からライ
ン324を経てオア回路382に供給されると、
該オア回路382の出力“1”によりアンド回路
374が動作し(微分パルスは既に消えているの
でインバータ373の出力は“1”となつてい
る)、遅延フリツプフロツプ375に信号“1”
が入力される。その1ビツトタイム後から該遅延
フリツプフロツプ375の出力が“1”となり、
アンド回路376の一方入力に“1”が加わる
が、スタートコード信号SCは既に“0”に立下
つているので該アンド回路326の条件は成立せ
ず、遅延フリツプフロツプ377の記憶は“0”
のままである。次のスタートコードが発生し、信
号SCが“1”となると、オア回路383を経て
アンド回路376に“1”が加わり、該アンド回
路376の出力“1”が遅延フリツプフロツプ3
77に記憶される。こうして、両遅延フリツプフ
ロツプ375,377の記憶が共に“1”となる
と、アンド回路378の条件が成立し、信号
RSCが“0”となる。従つて、第4図のアンド
回路380が不動作となり、アンド回路231は
動作可能となる。 従つて、リセツト信号が“0”から“1”
に立上つたときから数えてスタートコードSCが
2度発生されるまでの間、自動ベース音の発生が
抑止される。すなわち、リセツト信号が
“0”になつたとき持続音として発音していたベ
ース音を該リセツト信号の立上りに同期して
消去し(信号Yが“0”となることによつて)、
該信号が“1”になることによつてベースパ
ターンに従つた自動ベース演奏が可能となるが、
該信号の立上り時から所定時間(スタートコ
ードSCが2回発生する時間)の間自動ベース音
の発生を抑止する。これにより、持続音が消去さ
れた感じが明瞭になる。なお、既に説明したよう
に、スタートコードSCの1発生間隔の間に同じ
キーコードデータが1度も供給されなくなつたと
き、チヤンネルプロセツサ30では該キーコード
に係る鍵が離鍵されたと判断するように構成され
ているため、スタートコードSCが2度発生する
間ベース音系のキーコードデータAN1〜AK2の発
生を抑止すれば、当然チヤンネルプロセツサ30
ではペダル鍵盤が離鍵されたものとして処理し、
ベース音が発生されなくなる。 以上のように、シンクロスタート信号SSWが
“1”の場合は、自動リズムあるいは自動アルペ
ジオなどその他の自動演奏と自動ベースコード演
奏は相互にリセツト信号を送受し、演奏スタ
ートあるいはストツプの同期をとる。 持続音の発生について 第5図のライン384を経てオア回路385に
加わるコンスタント信号CONは、、自動ベースコ
ード演奏時においてベースパターン従つた自動演
奏を抑止し、ベース音(ペダル鍵盤音)を持続音
として発生させる場合に“1”となる。このコン
スタント信号CONは演奏者によるスイツチ操作
等に応じて発生される。信号CONが“1”とな
ると、オア回路385,370を経て持続音信号
Yが発生されるので、前述のようにして持続音が
発生される。 何らかのリズム及びバリエーシヨンベースパタ
ーン(BV1〜BV3)が選択されていれば、ベースパ
ターン指定回路334の少なくとも1つの出力ラ
インは信号“1”となる。ベースパターン指定回
路334では、第17図に示すように、全出力ラ
インの信号をオア回路386に加え、ベースパタ
ーン選択表示信号SEを得るようにしている。こ
のベースパタンを得るようにしている。このベー
スパターン選択表示信号SEは第5図のインバー
タ387で反転され、前記オア回路385に加わ
る。従つてて、何らかのベースパターンが全く選
択されていない場合は該信号SEは“0”であ
り、インバータ387の出力“1”がオア回路3
85に加わり、持続音信号Yを発生させる。従つ
て、自動ベース演奏において演奏者によつてベー
スパターンが選択されない場合は持続音が発生さ
れる。 また、オア回路385の出力“1”によつて持
続音信号Yが発生されるとき、オア回路389を
介して発生される信号MCONが“1”となる。
信号MCONは第3図のアンド回路309に加わ
る。オア回路389にはライン366を経てリセ
ツト信号RSも入力される。従つて、リセツト信
号が“1”のとき信号MCONも“1”であ
り、前記アンド回路309が動作条件の1つが成
立する。リセツト信号が“0”となると信号
MCONが“0”となるので、アンド回路309
が不動作となり、メモリ信号Mが“0”となる。
これによりメモリ機能が停止する。 なお、リズム種類だけが選択され、ベースパタ
ーンのバリエーシヨン(BV1〜BV3)が選択されて
いない場合は自動的に第1バリエーシヨンBV1
指定されるようになつている。第5図の選択リズ
ム検出部325が出力されるバリエーシヨン選択
信号BV1〜BV3はノア回路398に加えられる。
バリエーシヨンが選択されていない場合は信号
BV1〜BV3がすべて“0”であり、ノア回路39
8の出力XXが“1”となる。このノア回路39
8の出力“1”はオア回路399を介して第1バ
リエーシヨン選択信号BV1としてベースパターン
指定回路334に加わる。従つて、選択されたリ
ズムの第1バリエーシヨン(BV1)のベースパタ
ーン(パターンパルスT1〜T17,T0)がベースパ
ターン発生部41から発生される。ノア回路39
8の出力信号XXは第3図のノア回路216及び
オア回路299に加わり、ベース系従音選択ゲー
ト部129の各アンド回路(217,218……
…など)を不動作にし、アンド回路300を動作
可能にする。従つて、ベースパターンが選択され
なかつた場合は、第1バリエーシヨン(BV1)の
ベースパターンにおけるベース音発生タイミング
に従つて該ベースパターンの1拍目の音(根音も
しくは1オクターブ上の音)が繰返し発音される
ことになる。 コード音発生音タイミング制御について 第6図に示すコード音発音タイミング制御部4
3は第5図に示したベースパターン発生部41と
ほぼ類似した構成となつている。第6図におい
て、ダツシユ記号のついた番号329′,33
0′,331′,332′,337′、338′,3
39′,340′,341′,355′,362′,
364′,365′,384′,385′,388′
が示す回路は、第5図及び第15図において、ダ
ツシユ記号についていない同一番号329〜33
2,337〜341,355,362,364,
365,384,385,388が示す回路と同
一動作を行なうのでこれらに関する説明は省略す
る。 選択リズム検出部390もベースパターン発生
部41の選択リズム検出部325(第15図)と
ほぼ同様に構成されており、異なる点は、コード
パターンにベースパターンのようなバリエーシヨ
ンBV1〜BV3がないのでこれに関連する回路が設
けられていない点である。バリエーシヨンBV1
BV3に関するデータはリズム選択信号のビツト
MP6に含まれており(前記第8表参照)、コード
パターンではこれを利用しないため、リズム選択
信号としてデータMP2〜MP5だけが入力される。 コードパターン発生リードオンリイメモリ39
1もベースパターン発生リードオンリイメモリ3
33(第5図、第17図)とほぼ同様に構成され
るが、コードパターン発生リードオンリイメモリ
391はタイミングパターンメモリ392とコー
ドパターン指定回路393を有しているだけで、
音程パターンメモリは具えていない。すなわち、
コードパターンはコードをきざむタイミングを指
示するだけでよいので、ベースパターンの場合の
ような音程の区別を行なう必要がない。タイミン
グパターンメモリ392とコードパターン指定回
路393を構成する際の考え方はベースパターン
用のタイミングパターンメモリ335、ベースパ
ターン指定回路334の場合と全く同じである
が、メモリ392とメモリ335のプログラム内
容は全く異なる。これは、コードパターンの発音
タイミングとベースパターンの発音タイミングが
異なるからである。タイミングパターンメモリ3
92には、各リズムに対応するコードパターン
(コード音をきざむタイミング)が記憶されてい
る。この実施例においては一般に、各リズムにつ
きノーマル(NB)とバリエーシヨン(VB)のど
ちらか一方のコードパターンを選択し得るように
なつている。例えばスイング(SW)のリズムが
選択されている場合、コードパターン指定回路3
93のアンド回路394、及び395が動作可能
となり、ノーマルモード選択信号NBによつてア
ンド回路394が動作し、バリエーシヨンモード
選択信号VBによつてアンド回路395が動作す
る。また、スイングのリズムには3連符が含まれ
るので、アンド回路394または395の出力
“1”にもとづいて分周比切換信号FD1が“1”
となり、カウンタ337′は24進カウンタとして
動作する。 タイミングパターンメモリ392のオア回路3
96から発生されたコードパターンパルスはアン
ド回路397を経てコード音発音タイミング信号
CGとして利用に供される。アンド回路397の
他の入力には第2図のアンド回路398からの信
号LKMと、イニシヤルクリア信号ICを反転した
信号と、アンド回路355′からの動作可能信号
ENと、オア回路385′の出力をインバータで反
転した信号とが加わつている。信号LKM
は、遅延フリツプフロツプ83(第2図)に記憶
した下鍵盤押鍵記憶信号MLKとオフ信号OFFの
反転信号とのアンド条件が成立したとき成
立される。すなわち、自動ベースコード演奏時に
下鍵盤(コード用鍵盤)の押鍵記憶がなされてい
るとき、信号LKMが“1”となる。オア回路3
85′の出力を反転した信号は、持続音を
出す場合に“0”となり、コード音発音タイミン
グ信号CGが発生されることを抑止する。その代
わりに、前述の通り、下鍵盤音(コード音)を持
続音として出すために前記持続音ゲート信号NG
が発生される。動作可能信号ENは、前述の通
り、コード音発音タイミング信号CGを基本テン
ポパルスTCL(例えばデユーテイ1/2)によつて
区切るための信号である。 以上説明したようにこの発明によれば、ベース
パターンパルスにもとづいて従音の音程を表わす
数値データを発生し、この音程数値データ(従音
形成用データSD)と根音の音名データとにもと
づいて従音の音名データを発生するようにしてい
るため、従音用データを発生するためのエンコー
ダマトリツクス類(音程数値メモリ213)の素
子数(容量)は音程数だけ有ればよく従来に比べ
てかなり小型化される。従つて発生可能なベース
音程数をかなり多くすることができる。上記実施
例においては1度(根音)、長2度(2)、短3度
(3♭)、長3度(3)、完全4度(4)、減5度(5
♭)、完全5度、短6度(6♭)、長6度(6)、短7
度(7♭)、長7度、8度(1オクターブ)、1オ
クターブ上の短3度(oct+3♭)、及び1オタク
ーブ上の長3度(cot+3)の14種類の音程関係
にあるベース音を発生することができる。従つ
て、音程関係が豊富かつ複雑に変化する「ウオー
キング・ベース」形式の自動ベース演奏を簡単な
構成で実現することができる。 また、この発明によれば、コード(和音)が変
更されたこと、あるいはコードが成立しないこ
と、あるいはベース音を持続音として発生すべき
こと(すなわちベースパターンの展開を中断すべ
きこと)、など種々の演奏の状況に応じてベース
パターンに従つた自動ベース演奏を一旦中断し、
その代わりにそのベースパターンの1拍目に出さ
れるべき音程度のベース音を発生するようにした
ため、音楽上合理的な自動ベース演奏を実行する
ことができるようになる。これは常に複雑なベー
スパターン通りにベース音を展開すればよいとい
うわけでなく、それだけでは余りに機械的すぎて
実際の音楽性とはかけはなれた演奏となつたしま
うので、そのような不都合を除去したものであ
る。すなわち、演奏状況に応じて、時には、複雑
なベースパターン展開を一旦中断し、単純なベー
ス音を音楽的に理にかなつた音程で出すことも重
要であり、その方がむしろ音楽上好ましい。この
発明においては、ベースパターンに従つた自動ベ
ース演奏を中断させるための特別の操作(自動ベ
ースコード演奏機能選択スイツチなどのオフ操
作)を人為的に行なうことなく、所定の演奏状況
を検出するだけで、この検出にもとづいて自動的
に自動ベース演奏の進行形態を切換える(ベース
パターンの展開から1拍目の音へ切換える)こと
ができるという効果がある。 また、この発明によれば、所定の音程に関して
2種類のベースパターンパルスを準備し、このパ
ルスを所定ベースパターンにおける音高の流れに
応じて使い分けるようにしているので、より複雑
な「ウオーキング・ベース」を実現することがで
きる。すなわち、1つのベースパターン内におい
て音楽上のフラツトもしくはシヤープ記号を付し
て半音程下げもしくは上げた場合に、その音程に
音楽上のナチユラル記号を付してもとの音程に戻
すような操作を行なうことができるようになる。 また、実施例装置においては、リズム選択用ス
イツチマトリクス328におけるリズム及びバリ
エーシヨンの選択操作によつて所望のベースパタ
ーンが選択されるようになつており、このベース
パターンを構成するベースパターンパルスT1
T17が5個の多入力型オア回路から成る音程数値
メモリ213に加わつて従音形成用データSD1
SD5が発生されるようになつている。前記第8表
に示したリズム選択用スイツチマトリクス328
のスイツチ配列及び第15図に示した多重信号検
出回路326と記憶部327の構成から明らかな
ように、複数のリズム及び複数のバリエーシヨン
の同時選択が可能であり、この場合はベースパタ
ーン発生リードオンリイメモリ333からは複数
のベースパターンを重複したベースパターンパル
スT1〜T17が発生される。これらの重複したベー
スパターンパルスT1〜T17にもとづいて発生され
る従音形成用データの数値は音程数値メモリ21
3を構成するオア回路によつてオア加算され、予
想外の値の従音形成用データSD1〜SD5が音程数
値メモリ213から発生されることになる。これ
によつて予じめ準備されたベースパターン以外の
予定外のベースパターンが適宜作られることにな
り、予期しなかつた展開の仕方で自動ベース演奏
が進行する、という面白味を出すことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の電子楽器の一実施例を概略
的に示す全体ブロツク図、第2図は第1図実施例
におけるコード検出部の詳細例を示す回路図、第
3図は第1図実施例における従音形成用データ発
生部の詳細例を示す回路図、第4図は第1図実施
例におけるキーコード加工部の詳細例を示す回路
図、第5図は同実施例におけるベースパターン発
生部の詳細例を示す回路図、第6図は同実施例に
おけるコード音発音タイミング制御部の詳細例を
示す回路図、第7図は各種論理回路等の図示方法
を説明するための図、第8図は下鍵盤の押鍵音名
データを第2図の回路で記憶する際の一動作例及
びカスタム機能選択時においてベース音発生指令
信号PEを発生する際の第4図の回路の一動作例
を示すタイミングチヤート、第9図は第2図の走
査回路における各音名データの走査状況と第4図
の音名エンコーダにおける時分割的なノートコー
ドN 〜N の発生とが同期していることを説明
するタイミングチヤート、第10図は第2図の回
路においてコード検出信号CDの記憶が離鍵によ
つては解除されずにその次の押鍵によつて解除さ
れることを説明するタイミングチヤート、第11
図及び第12図はベースパターンの一例を五線譜
表を用いて示した図で、第11図はスイングのベ
ースパターンの一例を示す図、第12図はマーチ
のベースパターンの一例を示す図、第13図はシ
ングルフインガー機能選択時においてコード音発
生指令信号LEを発生する際の第4図の回路の一
動作例を示すタイミングチヤート、第14図は小
節の途中でコード(根音)が変化した場合のベー
スパターン進行の変更について説明するための
図、第15図は第5図の選択リズム検出部の一詳
細例を示す回路図、第16図は第15図における
時分割多重信号検出動作を説明するためのタイミ
ングチヤート、第17図は第5図のベースパター
ン発生リードオンリイメモリの一詳細例を部分的
に示す回路図、である。 26……キーコーダ、28……下鍵盤、29…
…ペダル鍵盤、30……チヤンネルプロセツサ、
31……自動ベースコード演奏制御装置、32…
…楽音発生回路、39……コード検出部、40…
…従音形成用データ発生部、41……ベースパタ
ーン発生部、42……キーコード加工部、43…
…コード音発音タイミング制御部、87……走査
回路、96……コード検出ロジツク、107……
音名エンコーダ、109……コード種類検出回
路、129……ベース系従音選択ゲート部、15
4〜156……オクターブコードメモリ、158
〜161……ノートコードメモリ、195〜20
1……加算器、215……コード系従音選択ゲー
ト部、213……音程数値メモリ、207……数
値補正回路、325,390……選択リズム検出
部、333……ベースパターン発生リードオンリ
イメモリ、337,337′……カウンタ、39
1……コードパターン発生リードオンリイメモ
リ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 押鍵によつて指定された音のうち所定の優先
    順位にしたがつて単一の音を選択し、この選択し
    た音に対応したコード(和音)の根音を示す根音
    データを発生する根音発生手段と、 コード種類を選択するスイツチ手段を有し、該
    スイツチ手段の選択操作に対応してコード種類デ
    ータを発生するコード種類指定手段と、 選択されたパターンに応じて様々な音程に対応
    するパルスを夫々所定のタイミングで発生するパ
    ターン発生手段と、 前記パルスにもとづいて音程を表わす数値デー
    タを発生する音程数値化手段と、 前記パターン発生手段から前記音程数値化手段
    に対する前記パルスの供給を前記コード種類デー
    タの内容に応じて制御する制御手段と、 前記根音データと前記数値データとを演算して
    該根音に対して所定音程関係にある音名の楽音を
    発生する楽音発生手段と、 を具える電子楽器。 2 前記コード種類を選択するスイツチ手段は、
    鍵盤の白鍵、黒鍵を使用するものである特許請求
    の範囲第1項記載の電子楽器。 3 押鍵等によつて指定されたコード(和音)の
    根音を示す根音データおよびメジヤ、マイナおよ
    びセブンスのコード種類を示すコード種類データ
    を発生するコード情報発生手段と、 選択されたパターンに応じて様々な音程に対応
    するパルスを夫々所定のタイミングで発生するパ
    ターン発生手段と、 前記パルスにもとづいて音程を表わす数値デー
    タを発生する音程数値化手段と、 前記パターン発生手段から前記音程数値化手段
    に対する前記パルスの供給を前記コード種類デー
    タの内容に応じて制御する制御手段と、 前記根音データと前記数値データとを演算して
    該根音に対して所定音程関係にある音名の楽音を
    発生する楽音発生手段と、 を具える電子楽器。 4 前記制御手段が、前記パルスのうち所定の音
    程に対応するものの音程を前記コード種類データ
    の内容に応じて半音程変更した後前記音程数値化
    手段に供給する回路である特許請求の範囲第3項
    記載の電子楽器。 5 前記パターン発生手段が、所定の同一音に関
    して2種類のパルスを所定の同一パターン内にお
    いて使い分けて発生する回路であり、 前記制御手段が、前記コード種類データによつ
    て指示される所定のコード種類に応じて前記2種
    類のパルスのうち一方を半音程変更するが他方の
    音程変更は行わない回路である特許請求の範囲第
    4項記載の電子楽器。 6 押鍵等によつて指定されたコード(和音)の
    根音を示す根音データおよびコード種類を示すコ
    ード種類データを発生するコード情報発生手段
    と、 選択されたパターンに応じて様々な音程を表わ
    す数値データを発生する音程数値データ発生手段
    と、 前記音程数値データ発生手段から発生される数
    値データを前記コード種類データの内容に応じて
    制御する制御手段と、 前記根音データと前記数値データとを演算して
    該根音に対して所定音程関係にある音名の楽音を
    発生する楽音発生手段と、 を具え、 前記制御手段が、 コード変更等のために押鍵があつたとき、押鍵
    された鍵によつてコードが成立していないとき、
    断続的に楽音を発生することを止めて持続的に楽
    音を発生する機能が選択されているとき、パター
    ンが選択されていないときのいずれか少なくとも
    1つを検出する検出手段と、 この検出手段の検出出力に対応して、各音程を
    表わす数値データの発生を阻止し、それに代つて
    前記選択されたパターンまたは所定のパターンの
    1拍目に出されるべき音程を表す数値データの発
    生を前記音程数値データ発生手段に指示する手段
    と を更に具える電子楽器。
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